水資源、世界大手が確保に躍起 半導体など死活問題
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR12CB10S3A610C2000000/
『インド中部、マディヤプラデシュ州にある小さな温室で2022年、綿花の水耕栽培が始まった。スウェーデンのアパレル大手ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)が、出資する英国発スタートアップのマテラと共同で始めた実証実験だ。
衣料品原料の綿花は栽培時に大量の水を必要とする。ジーンズ1本分にあたる1キログラムの綿花の生産には1万リットル以上。飲み水換算なら1人が消費する10年分相当との試算もあり、
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『世界銀行は30年までに、世界で水需要が供給を40%上回ると予測する。3月下旬には国連が水を取り巻く課題を議論する「国連水会議」を46年ぶりに開催した。企業にとって水はもはや当たり前の存在ではない。』
『19年以降、台湾では毎年のようにあった台風が上陸しなくなった。夏の水不足が常態化。台湾積体電路製造(TSMC)など半導体産業には死活問題だ。
半導体は生産工程で大量の水を消費する。56年ぶりの深刻な少雨だった21年、TSMCは工場に給水車を送るなどの緊急対策に追われた。これを教訓に同社は水の確保に本腰を入れる。』
『ドイツでは電気自動車(EV)世界最大手の米テスラが打ち出した増産計画がやり玉に挙がる。ベルリン郊外の工場で年生産台数を2倍の100万台へ高める計画を掲げたものの、水の使用量が増える懸念に地元が反発。テスラは再利用などによって水の使用量を増やさないと主張し、自ら水源確保に乗り出す可能性にも含みを残す。』