ロシア軍首脳、反乱知っていた プリゴジン氏を支持か―米報道

ロシア軍首脳、反乱知っていた プリゴジン氏を支持か―米報道
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023062800649&g=int

『【ワシントン時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は27日、ロシア軍首脳が民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏による武装反乱の計画を事前に知っていたと報じた。米情報機関の説明を受けた米政府高官が同紙に明らかにした。米政府は、このロシア軍首脳がプリゴジン氏の計画を支援したかどうか見極めようとしている。

プリゴジン氏に近い将軍拘束か 反乱を事前把握―ロシア報道

 報道によると、この軍首脳は昨年10月から今年1月までウクライナ侵攻を統括したスロビキン前総司令官。現在も侵攻に大きく関与する立場だが、反乱計画に関わっていたことが判明すれば、解任される可能性がある。ウクライナの戦況に与える影響は大きい。

 米政府高官はまた、他のロシア軍関係者もプリゴジン氏の反乱を知っていた可能性があると指摘した。プリゴジン氏が軍上層部に反乱を起こした背景として、軍内の一部からの賛同を当て込んでいたからだと指摘する見方は少なくない。

 スロビキン氏は1月に総司令官を軍制服組トップのゲラシモフ参謀総長に譲り、現在はナンバー2に甘んじている。かねてプリゴジン氏と近い関係にあるとささやかれてきた。反乱直後には通信アプリで「もうやめるんだ」とワグネルの戦闘員に呼び掛けていた。

 もっとも同紙は、米政府がスロビキン氏を「有能で冷酷」と見ており、地位をおとしめる情報を広めようとしていると分析した。もしスロビキン氏が解任されれば「間違いなくウクライナに有益だ」とも指摘している。

 スロビキン氏は2015年からのシリアへの軍事介入で民間人の犠牲と市街の破壊をいとわない激しい作戦で知られた。その残忍さから「ハルマゲドン(最終戦争)将軍」の異名を取った。

 米専門家は同紙に、スロビキン氏がロシアのプーチン大統領の失脚は支持しなかったが、プリゴジン氏が要求してきたショイグ国防相らの解任の必要性には同意していたようだと語った。事実なら、ロシア軍内の深い亀裂が反乱の背景にあったことになる。』