武装反乱、プーチン政権弱体化には至らず 笹川平和財団の畔蒜主任研究員
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023062600783&g=int
『笹川平和財団の畔蒜泰助主任研究員(ロシア政治外交)は26日、時事通信の電話取材に対し、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏による武装反乱について、直ちにプーチン政権の弱体化につながるわけではないとの見方を示した。主なやりとりは次の通り。
ロシア大統領、プリゴジン氏の「裏切り」非難 ワグネル活動禁止も
―政権への影響は。
プーチン大統領にとって、武装反乱を起こしたプリゴジン氏を何の罪にも問わず、事実上の亡命を許したのは政敵への妥協で、政権の権威にある種の傷が付いた。しかし、プーチン氏の代わりとなる人物はおらず、今回の反乱でプーチン政権が急速に政治的求心力を失い、レームダック(死に体)化や弱体化するとは考えられない。
―プリゴジン氏はショイグ国防相らを批判していた。
プリゴジン氏はショイグ氏とゲラシモフ参謀総長の交代を求めていたとされる。両氏の解任を裏で約束していたとすれば、プーチン氏の「負け」となり、さすがにそれはできない。一方、ワグネルは素早く南部軍管区司令部を占拠し、モスクワまで約200キロに迫った。明らかにロシア軍の不手際で、その文脈で両氏の責任が問われることがあるかもしれない。
―国内の警戒態勢に変化はあるか。
今後、警戒態勢をある程度強める可能性はある。ただ、今回の反乱はかなり特殊なケースで、ワグネルのように数万人の部隊を動かせる組織は国内には他にない。テロや類似の襲撃が散発的に起きることはあり得るが、軍というより連邦保安局(FSB)や国家親衛隊(旧内務省軍)の担当だ。
―ウクライナ侵攻への影響は。
反乱が長期化していれば戦況に大きな影響を及ぼしただろうが、それは回避された。プリゴジン氏との「取引」はプーチン氏にとってマイナスであり、軍事衝突の回避を優先したのだろう。ワグネルは5月の(ウクライナ東部の要衝)バフムト制圧宣言後、戦闘で重要な役割を担っておらず、離脱しても影響はあまりない。』