「プリゴジン氏、ベラルーシ到着」 ルカシェンコ大統領

「プリゴジン氏、ベラルーシ到着」 ルカシェンコ大統領
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB27CWJ0X20C23A6000000/

『ベラルーシのルカシェンコ大統領は27日、民間軍事会社ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏がベラルーシに到着したと表明した。ベラルーシ国営ベルタ通信が伝えた。空路で入国したとみられている。

ルカシェンコ氏は今後入国が予定されるワグネルの戦闘員らが駐留する場所について、放棄された基地を提供する用意があるとも述べた。ベラルーシとして可能な限りの援助をする考えを示した。

ルカシェンコ氏はプリゴジン氏と20年来の知人という。ロシアのプーチン大統領の意を受けて仲介役となり、プリゴジン氏と24日に協議して武装蜂起の停止で合意した。23日夜に発生した反乱は1日で収束した。

ロシアのペスコフ大統領報道官は24日夜に「プリゴジン氏の刑事事件は取り下げられ、ベラルーシに出国する」と記者団に説明していた。

プーチン氏は26日のテレビ演説で、ワグネルの戦闘員らはロシア国防省と契約を結べるほか「希望者はベラルーシに行くこともできる。私の約束は守られる」と述べた。

プリゴジン氏は24日にロシア南部ロストフ州を離れてから所在が不明となっていた。ロシア連邦保安局(FSB)は27日、ワグネルに対する捜査を打ち切ったと発表した。

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説 「プリゴジンの乱」が突然終息した内幕がルカシェンコ大統領の説明から見えてきた。ショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長を更迭せよというプリゴジン氏のプーチン大統領に対する要求は満たされていないわけだが、ロイター通信によると、ルカシェンコ大統領は「誰も両者を引き渡すことはない」「(モスクワに向かえば)道半ばで、虫けらのようにつぶされるだけだ」と述べるなど、電話で数時間、プリゴジン氏の説得に努めた。どこまでがルカシェンコ大統領の自発的行動で、どこまでがプーチン大統領の差し金かはわからないが、ルカシェンコ大統領のメンツを保つという点からは、ロシア情報機関がプリゴジン氏暗殺に動くことは当面なさそうである。
2023年6月28日 7:33 』