プリゴジン氏「政権転覆望まず」 武装蜂起の正当性主張
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『ロシアで武装蜂起を起こした民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏は26日「我々は政権の転覆は望んでいない」との音声メッセージを通信アプリに投稿した。発信場所は明らかになっていない。プリゴジン氏の肉声が確認されたのは武装蜂起の停止後初めて。
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ワグネルの部隊は24日夜に武装蜂起を停止し、部隊を撤退させた。プリゴジン氏は「ロシア人の血を流したくなかった」とロシア軍との戦闘で死傷者が出る事態を避けるために撤退を決めたと述べた。
反乱を開始した理由については「(ロシア軍から)ミサイル攻撃を受け、戦闘員約30人が殺された。これが反乱の引き金となった」とロシア軍の攻撃によるものとの従来の主張を繰り返した。
ロシア国防省はワグネルなどに対して同省と契約するよう命じ、プリゴジン氏は反発していた。同氏によると実際に契約に同意した戦闘員はほとんどいなかったという。プリゴジン氏はワグネルは「(ロシア国防省の)陰謀の結果、7月1日になくなることになっていた」と述べた。
武装蜂起の停止はベラルーシのルカシェンコ大統領が仲介役となり、プリゴジン氏と協議して決まった。プリゴジン氏は「ルカシェンコ氏がワグネルの活動継続のための解決策を見つけるべきだと提案した」と述べた。
プリゴジン氏は24日夜にロシア南部ロストフナドヌーを出発した。同氏が情報発信をしていた通信アプリ「テレグラム」でも、武装蜂起を停止する方針を表明した同日夜の音声投稿を最後に更新が途絶えていた。
プリゴジン氏は23日深夜に武装蜂起を宣言した。ワグネルの部隊は一時首都モスクワまで約200キロメートルの地点に迫ったが、反乱は1日で収束した。ロシアのペスコフ大統領報道官は24日夜に同氏のベラルーシへの出国を認めたと述べたが、出国時期などの詳細は明らかにしなかった。
ペスコフ氏はプリゴジン氏の刑事事件が取り下げられるとも述べた。だが、複数のロシアメディアは26日午前の時点で同氏の捜査が続いていると報じた。
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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説
①音声メッセージは「政権の転覆を望まない」といいながら、ロシア軍幹部を激しく糾弾しています。「正義の行軍」と呼ぶ武装蜂起は、ワグネル解体を防ぐための抗議活動であり、戦争で多くのヘマをしでかした連中をやっつけるためだった、というのです。
②ロシア正規軍にワグネル並みの練度があれば、ウクライナなど1日で打ち負かせたはず。1日で780㌔㍍行軍し、モスクワの200㌔㍍手前に迫ったワグネルを見よ。それはウクライナ侵攻前になすべき訓練のようなものだ――とまでコケにしています。
③まさに意気軒高。本物なら、「たった1日の反乱」は長く尾を引いていることに。消息不明者が「存在感」を発揮する。その光景は異様です。
2023年6月27日 2:13 (2023年6月27日 3:13更新) 』