2008年の四川省の地震災害出動のさい、中共軍の空挺部隊が500人、降下したが、…。
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『Daniel Fu 記者による2023-6-23記事「PLA Airborne Capabilities and Paratrooper Doctrine for Taiwan」。
2008年の四川省の地震災害出動のさい、中共軍の空挺部隊が500人、降下したが、ドロップゾーン内に降りられたのはそのうちのたった15人でしかなかった。
いま、中共軍の重輸送機である「輸-20」は、すくなくも31機、運用されているはず。
これに、ロシア製の「イリューシン76」が、20機前後、中共軍にはあるはず。
それらとは別に、中型の軍用輸送機が、55機くらい使えるはず。30機の「輸-8」と、すくなくも25機の「輸-9」が。
2021年に元海軍大学校教官のライル・ゴールドスタインは、中共軍は固定翼輸送機とヘリコプターを総動員することで、台湾に第一波で5万人を空輸できると書いた。初日の24時間では10万人を空輸可能だろう、とも。
2022年2月、中共軍には「輸-12」小型輸送機が加わった。古い「輸-5」型を更新する機材で、特殊部隊の潜入作戦に使える。すでに、台湾空軍のレーダー反応を試すテストまでしている。
「輸-20U」の量産も始まったという兆候がある。これは「輸-20」を空中給油機に改造したものだ。
また中共軍は、無人機で空挺部隊のために燃弾補給する演習もしている。
前の中共軍空挺軍の指揮官であった劉発慶(リュー・ファキン)中将が、軍政的な手腕は特にないのに、2018-10に中共軍の装備局副長官に抜擢されたのは、台湾占領作戦を真剣に考えているからだろう。
中共軍の『戦役学』の教科書には、空挺戦力を開戦劈頭の奇襲に使うことが強調されている。その目的は台湾の政治指導者の殺害、空港の占領、指揮統制の破壊、弾薬貯蔵所の破壊だという。
※露軍のエリート空挺部隊がウクライナ攻撃の緒戦で失敗したことばかりである。
同じ教科書によれば、その次の段階では、橋頭堡の確保のために、空挺部隊は活動する。
中共軍の教科書は、空挺降下作戦は、夜間か、荒れ模様の天候下でやりなさいと言っている。
2021年には「雷神突撃隊」という特殊降下部隊がCCTVで紹介された。高々度から自由降下して、高価値目標を確保するという。
台湾北部の桃園国際空港と、新竹空軍基地に対しては、中共軍は、ヘリボーンを実行するつもりである。
宜蘭、花蓮、台東の各飛行場に対しては、「輸-20」「輸-9」を飛ばして、パラシュート降下で占領する。
花蓮にある佳山航空基地は戦略的に重要な施設だ。そこを占領すれば、台湾政府首脳の退路を断つこともできるという。
中共軍は自信満々で、台湾国内に空挺堡を確保するのには30分で足りるなどとほざいている。
2018年に奥地砂漠で降下訓練したときは、横風のためだいぶ、流されたようである。
何にしても、彼らの課題は、「政治将校」の同意がないと部隊指揮官がイニシアチブを発揮できないこと。それで空挺作戦というのは、チト無理だろう。』