米国務長官、ロシア国内に「亀裂」 侵攻遂行は困難に

米国務長官、ロシア国内に「亀裂」 侵攻遂行は困難に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN253N40V20C23A6000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】ブリンケン米国務長官は25日、ロシアの民間軍事会社ワグネルによる反乱について「(ロシア内部に)深刻な亀裂が生じている」と述べた。混乱に伴い「ロシアがウクライナ侵攻を遂行するのは難しくなるかもしれない」と話した。

米ABCテレビのインタビューで語った。ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジン氏による反乱の動きを「プーチン(ロシア大統領)の権威への直接的な挑戦だ」と強調。ロシアがウクライナ問題に集中できなくなれば「ウクライナにとって戦場での後押しになり得る」と訴えた。

プリゴジン氏は24日夜(日本時間25日未明)、ロシア国内での武装蜂起を停止すると表明した。ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介に応じて首都モスクワへの進軍を停止し、制圧していた地域から撤収した。

ロシア軍首脳と対立してきたプリゴジン氏は23日深夜に武装蜂起を宣言したものの、反乱は1日で収束した。ブリンケン氏は「これはロシアの内部問題だ。数カ月にわたり緊張が高まり、今回の事態につながった。この先どうなるかわからない」と説いた。

ウクライナ侵攻について「あらゆる面でプーチンにとって壊滅的で戦略的な失敗だった」と断定した。「プーチンが成し遂げようとしたことはすべて逆の結果となっている。ロシアは経済的、軍事的に弱体化し、世界における地位は急落した」と明言した。

米メディアによると、米国の情報機関がワグネルによる武装蜂起の画策を事前に把握していた。強硬派のワグネルがロシア軍を掌握すれば、ロシアがウクライナで核兵器を使用するリスクが高まりかねないと警戒を強めていた。

ブリンケン氏は25日の米CNNテレビで「ロシアのような大国が不安定な兆しを見せるのは懸念すべきことだ」と明言。現時点で「核兵器に関してロシアの態勢に変化は見られない。非常に注意深く見ている」と唱えた。

ウクライナによる反転攻勢に関し「数週間、数カ月かけて展開することになるだろう。ウクライナは成功に必要なものを手にしている」と言及した。

バイデン米大統領は24日に英独仏の首脳と電話協議し、ウクライナが自国防衛に必要な支援を継続するために結束していくと確認した。バイデン氏はサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)やブリンケン国務長官らからロシア情勢をめぐり説明を受けた。』