案の定というか、外国からウクライナに搬入された大量の装備品の中には、まったく使い物にならない状態のものがある。

案の定というか、外国からウクライナに搬入された大量の装備品の中には、まったく使い物にならない状態のものがある。
https://st2019.site/?p=21230

『Justin Scheck and Lara Jakes 記者による2023-6-19記事「In Rush to Arm Ukraine, Weapons Are Bought but Not Delivered, or Too Broken to Use」。

   案の定というか、外国からウクライナに搬入された大量の装備品の中には、まったく使い物にならない状態のものがある。ボロボロの状態で、カニバリズム整備の部品取りの役にしか立たないようなものが。

 また、ウクライナ政府が何百万ドルも代金を先払いしているのに、いまだに納品されない新品兵器もあるという。

 2022年の末時点で、ウクライナ政府は、外国へ8億ドルの軍需品の代金を払い込んでいる。

 宇軍のもっているすべての兵器のうち常に30%は、修理中の状態にあるという。

 特にひどい状態として印象されたのが、イタリア政府から寄贈された33両の自走砲。たとえばエンジンの冷却系統がボロボロ。あちこちを整備しないうちは、使いようがない。

 しかしイタリアの国防省にいわせると、もう何年も前に退役させた兵器なのだから、それは当然である。そしてウクライナ政府は、そういう状態でもいいから是非ともくれ、と求めてきたのだ。修理はじぶんたちでするから、と。ならば文句を言うな。

 ウクライナ政府の文書によると、同国はこの33両のSPの整備を、アメリカのタンパ市にある「ウルトラ・ディフェンス・コーポレーション」という胡散臭い兵器ディーラーに外注したと分かる。料金として1980万ドルを支払った。そして2023年1月に、そのうち13両がウクライナに戻ってきたが、その状態は「戦闘には使えないレベル」であった。騙されたのだ。

 会社にいわせると整備は完全にやり遂げているので、冷却系統が壊れた原因はウクライナ側にあり、不可思議だ、ということだ。

 どうやら他にも、無知なウクライナ国防省が、米国内の独立系ブローカーにマンマと騙されて、質の悪い整備を高額で外注しているケースがあるようだ。

 こんな事例もあった。

昨年夏、クウェート基地に駐留する米陸軍の某部隊が「デポに保管されている29台のHMMWVを、対ウクライナ供与用として差し出せ」と国防総省から命令された。その部隊の長はそれに先立ち、29台のコンディションは1台を除いては良好です、と報告していたので。ところが実際には、29台のうち26台はガタガタで、とても前線に出せるような状態ではなかったのである。

 8月後半、これらHMMWVの修理を受注した〔クウェート基地の近くの?〕会社が、トランスミッションを直し、死んだバッテリーを交換し、オイル漏れを直し、壊れているライトを交換し、ドアの取っ手とシートベルトを新しくし、29台はウクライナへ送れますぜ、と報告した。それを現地の米陸軍部隊長も確認した。

 然るに、このHMMWVがポーランドの中継拠点まで到着したところ、酷い修理の実態がバレた。

タイヤの25%は腐朽していた。そのタイヤの更新のためだけに、1ヵ月近くが必要であった。このくだらない作業のために他の装備品をウクライナへ届けるための人手が足りなくなり、それだけ支援が遅れてしまうことになった。

 このクウェート駐留の札付き怠慢部隊は、6門のM777榴弾砲も、ウクライナに送れと命じられた。

それは2022年3月だったが、同部隊では、定期整備をそれまで19ヵ月間も実施していなかったために、あらためて本格整備をしないうちは、送れない状態であることがわかった。1門の榴弾砲は、もしそれを発射しようとすれば、砲側に死人が出るだろうというコンディションであった。

 それから3ヵ月かけて6門は整備され、ポーランドの中継基地まで届けられたのだが、そこで点検してみると、6門ともに、まだ実戦に使える状態になっていなかった。またしてもポーランド内において、余計な修理の手間が必要だったという。

 英国がウクライナに供与した「AS-90」自走砲の場合は、正直に最初から、その何割かは「部品取り」用だとしていた。カニバリズム整備を、ポーランドかウクライナでしてくれ、というわけだ。』