ロシア軍が多重の防衛線、通信妨害や無人機投入…ドイツ製戦車などを狙い撃ち
https://news.yahoo.co.jp/articles/76c1b10e53119ca84a9baabf4851a98f6728aee2

『6/17(土) 6:47配信
ウクライナ軍によるロシアへの大規模な反転攻勢に対し、露軍は攻撃ヘリの大量投入や通信妨害といった新しい手法で抵抗している。南部では重層的な防衛線を敷き、ウクライナ軍を阻む狙いだ。米欧はウクライナに防空システムの供与などの支援を表明したが、反転攻勢は長期化する可能性も指摘されている。
【表】一目でわかる…ロシアの戦力はウクライナを圧倒している
士気低下も
(写真:読売新聞)
戦況を分析する米政策研究機関「戦争研究所」は15日、東部ドネツク州南西部から南部ザポリージャ州西部に延びる二つの戦線の情勢に関し、「露軍はドクトリンに沿った秩序だった防衛を維持している」との見方を示した。
露軍の防衛で注目されるのが、敵の通信を妨害する「電子戦装置」の積極運用だ。ウクライナの大規模反攻は、工兵なども参加する「諸兵科連合」作戦で、通信が遮断されると部隊間の連携が困難になる。
露軍は通信を妨害しながら、これまで温存してきた対戦車ヘリや自国製の自爆型無人機「ランセット」を使って、ドイツ製戦車レオパルト2や米国のブラッドレー歩兵戦闘車を狙い撃ちした。4月に流出した米政府の機密文書で、ウクライナ軍は前線で使う主要防空システムの弾薬が不足していることが暴露されており、空からの攻撃は弱点を突かれた格好だ。
露軍はウクライナが反攻を仕掛ける地域で、塹壕(ざんごう)を掘り、地雷原を敷くなど防衛線を築いている。南部には精鋭部隊を配置しているとされ、目的地の奪還に100キロ・メートル程度の進軍が必要なウクライナ軍の行く手を阻む形になっている。
米戦略国際問題研究所(CSIS)は、露軍の防衛線に関する分析で、露軍の約1000キロ・メートルに及ぶ防衛線のうち、南部ザポリージャ州が最も重層的で強固だと指摘した。中間地点にあるトクマクには環状に防衛線が張り巡らされているという。
一方、英国防省は露軍の防御に関し、統率が乱れている部隊があると指摘する。露軍はこれまでの戦闘で消耗し、士気が下がっているとの見方もあり、ウクライナ軍が付け入る隙になる可能性がある。』
『米欧長期支援
露軍の激しい抵抗に遭うウクライナに対し、欧米諸国の国防相は15~16日、ブリュッセルで軍事支援会合と北大西洋条約機構(NATO)国防相理事会を開催し、長期的にウクライナ軍を支援することを確認した。15日の支援会合には約50か国が参加し、米国、英国、デンマーク、オランダの4か国が共同で、数百発のミサイルを含む防空システムをウクライナに供与することを表明した。
国防相理事会では、ウクライナに供与する弾薬の増産や、反転攻勢で損傷したウクライナ軍の兵器や装備を迅速に修理する具体策が協議され、ウクライナの兵たんを支えていく方針を確認した。16日には、米国の核運用を情報共有する「核計画グループ(NPG)」が開催され、ベラルーシでロシア戦術核の運搬が始まったことへの対応を協議したとみられる。
米国のオースティン国防長官は「戦いは短距離走でなくマラソンだ」と述べ、ウクライナの反転攻勢が長期化するとの見通しを示した。』