ゼレンスキー氏、反攻で「勝敗決まる」 早期の支援訴え
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR15E1J0V10C23A6000000/
『【フランクフルト=林英樹】ウクライナのゼレンスキー大統領は大規模な反転攻勢について「激しい抵抗に直面している。ロシアにとって反攻での敗北は実質的にこの戦争に負けることを意味するからだ」と、15日公開の米NBCのインタビューで語った。反攻での戦果について「総じて前向きだが非常に困難」と述べ、軍事支援の早期実現を求めた。
米国のバイデン大統領は欧州各国による米国製戦闘機「F16」の供与を容認したが、パイロットの訓練には数カ月かかる見通しだ。ゼレンスキー氏は「(意思決定に時間がかかる)官僚主義がある」としたうえで、「ロシアは制空権を握っており、我々は時間と兵士と優位性を失いつつある」と指摘。勝利を決定づけるのにF16の早期配備が不可欠との考えを示した。
実際、ロシア軍はウクライナ国内でドローン(無人機)やミサイルを使った攻撃を強めている。ウクライナ軍参謀本部は15日、この2週間で140発以上のミサイル攻撃と250機以上のドローン攻撃があったと発表した。
15日未明にはウクライナ南東部ドニプロペトロウシク州でミサイル攻撃があり、企業2社の建物が損壊した。英国防省はウクライナの反攻に合わせ、ロシア軍が地上部隊を支援する目的で戦闘機の出撃回数を増やしていると分析する。
一方、オースティン米国防長官は15日、ブリュッセルで開かれたウクライナ支援に関する関係国会合で「ウクライナの戦争はマラソンで、短距離走ではない」と述べ、中長期的な軍事支援の必要性を強調した。
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