イラン、反米で結束誇示 ライシ師が「裏庭」歴訪―ベネズエラ、ニカラグア、キューバ

イラン、反米で結束誇示 ライシ師が「裏庭」歴訪―ベネズエラ、ニカラグア、キューバhttps://www.jiji.com/jc/article?k=2023061500669&g=int

『【サンパウロ時事】イランのライシ大統領が今週、中南米3カ国を歴訪し、米国の「裏庭」で反米の結束を誇示している。訪問先はいずれもイラン同様、米国の経済制裁下にあるベネズエラ、ニカラグア、キューバ。同じ立場同士、米国の圧力に屈服しない姿勢を手を携えて打ち出している。

イラン大統領、中南米歴訪へ 反米友好国と協力深化

 ライシ師は12日、最初に訪れたベネズエラで「われわれには共通の利益、共通の視点、共通の敵がある」と、戦略的関係を強調した。25件の協力文書に署名したほか、両国の貿易・経済協力を200億ドル(約2兆8000億円)と現在の7倍近くに拡大する目標も掲げた。地元テレビとのインタビューに応じ、制裁に対処するため「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国の間の関係構築が重要だと訴えた。

 次の訪問先ニカラグアでも「米国は脅迫と制裁で国をまひさせようとしたが、達成していない」と主張、米国に挑む姿勢をあらわにした。続くキューバが最終目的地となり、南から北へ「反米ツアー」で、じわじわと米国に迫った格好だ。

 ライシ師が歴訪した3カ国は、ロシアのラブロフ外相が4月に訪問した国と重なる。こうした外交は、米国の関心がインド太平洋に移り、中南米への影響力が相対的に低下する中で起きている。米国と敵対する域外の国々が間隙(かんげき)を縫って米国の膝元で勢力拡大を図ろうとする。ライシ師が米国の「裏庭」に乗り込んだことは、こうした動きが活発化していることを浮き彫りにした。

 中南米を巡っては、特に中国が今年、台湾と外交関係を持っていたホンジュラスとの国交樹立に成功した。米国では最近、中国が2019年からキューバにスパイ拠点を置いていたと報じられ、16日にブリンケン米国務長官が中国へ向けて出発するのを前に緊迫した空気を漂わせたばかりだ。

 米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は12日の記者会見で、ライシ師の歴訪に関する質問に対し、他国の外交には口を挟まないと慎重な姿勢を示しながらも「不安定化を招くようなイランの行為を懸念しているのか? もちろんだ」と回答。警戒感を隠そうとしなかった。 』