プーチン大統領、ウクライナ軍「壊滅的な損失」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR13DAT0T10C23A6000000/
『ロシアのプーチン大統領は13日、ウクライナ軍が欧米から供与された兵器などに「壊滅的な損失」を与えていると述べ、同軍の反攻をロシア軍が撃退していると主張した。ロシア国内での追加動員については現時点では必要がないとの考えを示した。軍の優位を訴え、長期化するウクライナ侵攻に対する国民の懸念を払拭する狙いとみられる。
モスクワで軍事記者らと会見し、国営テレビで放映した。プーチン氏はウクライナ軍の反攻は4日に始まり、ロシアは対抗策として訓練された予備役を投入したと述べた。ウクライナはどの方面でも目的を達成できていないと主張し、欧米がウクライナに供与した兵器の「25〜30%に損失を与えた」と述べた。ロシア軍はウクライナ軍に比べて損失が10分の1にとどまると強調した。
南部ヘルソン州のカホフカ水力発電所で6日に発生したダム決壊についてプーチン氏は「誰が罪を犯したかは明らかで、ウクライナによるものだ」と述べた。ロシアの支配地域に深刻な被害をもたらすためロシアがダムを破壊することはないと説明し、ウクライナ側の攻撃が原因と主張した。現在、救助活動に取り組んでいるとも述べた。
ロシアは今年に入り、戦地に赴く可能性のある契約軍人の採用を増やしている。プーチン氏は契約軍人の採用状況について今年に入り「15万人以上が契約した」と兵士の確保が進んでいるとした。国民の懸念が強い追加動員については「現時点でそうした必要はない」と述べた。
ウクライナと国境を接するロシア西部ベルゴロド州などではウクライナ側からの越境攻撃が起きている。プーチン氏は防衛に向けた特殊部隊の強化の必要性に言及したものの、領内での戒厳令の導入については「今のところ必要はない」と述べた。
反攻についてウクライナのマリャル国防次官は12日、南部ザポロジエ州と東部ドネツク州でロシア軍が支配していた7つの集落を奪還したと表明した。ウクライナ側はドネツク州の要衝バフムト周辺でも前進しているなどと主張している。』