露軍の空挺隊員だったパヴェル・フィラティエフ。彼は144ページの、批判的な従軍回想記を2022-8にSNS上に公開。
https://st2019.site/?p=21204
『Jennifer H. Svan 記者による2023-6-9記事「Expert Air Force translators post diary of dissident Russian paratrooper’s Ukraine ordeal」。
露軍の空挺隊員だったパヴェル・フィラティエフ。彼は144ページの、批判的な従軍回想記を2022-8にSNS上に公開。すぐそれは消されたが、米空軍はコピーをとっており、2022-12に全編を英訳した。米空軍大学校内にはロシア語を教えるセクションがある。その教官がロシア語ネイフィヴなので、作業が早かった。
寒い夜、寝袋なしで部隊は放置された。錆びたボロ小銃、サイズの合わない戦闘服と軍靴。レーションはすぐなくなり、上級部隊に連絡しようにも居所が分からない。
露軍上層の戦略は単純だった。俺たち露兵の死体の山でウクライナを溺れさせればいいというものだった。
フィラティエフは、乗せられたトラックが2-24に国境を越えるまで、任務がウクライナ侵略だとは知らされなかった。
トラックに乗った仲間たちは皆、信じていた。すごい作戦計画に従っているのだと。
だが、そんなご立派な計画など、立てられてはいなかったと、すぐに分かった。
フィラティエフは眼の病気になったことから病院へ後送されて助かった。
今、多くの外国語はAI翻訳機で簡単に英語に変えられるが、言語は生き物なので、最新の言い回しの意味をAIはぜんぜん理解していない。依然として、人間の翻訳者が時間をかけて作業する価値があるのである。
たとえば「スターレイ」は大尉のこと。「コムバット」は大隊長のこと。いずれも最新のロシア軍営内のジャーゴンなので、辞書には出ていない。
ソ連時代の重機関銃のことは「ユチョス」と俗称する。機械に直訳させると「岩石」としかならず、意味が通じなくなる。
「罵りの表現」も1万種類以上あるので、ロシア語上級コースでは、それも教えなくてはいけない。
フィラティエフは今、フランス国内に政治亡命者として暮らしている。』