NATO、加盟国に災害支援要請 ウクライナのダム決壊
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR08DO20Y3A600C2000000/

『【ブリュッセル=辻隆史】北大西洋条約機構(NATO)は8日、ウクライナ南部ヘルソン州の巨大ダム決壊を受けて緊急会合を開いた。ストルテンベルグ事務総長は加盟国に対し、迅速な災害支援を求めた。NATOの災害対応組織がウクライナと調整し、必要な物資の手配を助ける。
ブリュッセルでの緊急会合はストルテンベルグ氏が呼びかけ、加盟国の大使級が参加した。同氏は「何千人もの人々や環境に対する影響は極めて大きい」…
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『同氏は「何千人もの人々や環境に対する影響は極めて大きい」と述べ、早期の支援を要請した。ウクライナのクレバ外相もオンラインで加わり、被害状況を説明した。
ダム決壊を受け、NATOの「欧州大西洋災害対処調整センター」の支援枠組みを活用する。加盟国やパートナー国による支援の提供を調整する組織で、2月のトルコでの大地震の際にも大きな役割を果たした。NATOには長年の災害支援の実績がある。
戦場でもあるため、NATOの部隊が直接被害現場に赴くことはしない方針だ。欧州各国は排水ポンプや発電機、浄水器、避難所設備などの援助に乗り出している。調整センターがウクライナのニーズを踏まえた物資のリストを加盟国などと共有し、必要なものを素早く届けられるようにする。
ストルテンベルグ氏は会合で、ウクライナへの中長期の支援策が重要になると強調。6月の国防相会合や7月の首脳会議で議論すると表明した。
6日にカホフカ水力発電所のダムが決壊し、洪水が発生した。周辺地域に甚大な被害が出ている。同発電所はロシアの占領下にあり、ロシアとウクライナはそれぞれ相手方の破壊行為だと主張している。』