タイ最大野党の宣伝漫画「共産主義想起」 違憲の可能性
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGS078UN0X00C23A6000000/

『【バンコク=井上航介】5月に実施されたタイ下院総選挙で第1党となった民主派野党「前進党」の宣伝漫画が物議を醸している。画像の一部に共産主義を想起させる表現があるとして、選挙管理委員会が7日までに調査に乗り出した。結果によっては解党など厳しい処分を受ける可能性がある。
問題となったのは前進党が4月に下院選の立候補者を紹介するためにSNS(交流サイト)に投稿した漫画だ。キャラクターの一人が鎌とハンマ…
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『キャラクターの一人が鎌とハンマーのようなものを振り回す描写が共産主義の標章を模しており、立憲君主制を定める憲法に違反しているとの申し立てが選管にあったという。
前進党は王室への侮辱を罰する不敬罪の緩和といった国内でタブー視されるテーマを主要な政策に掲げ、国軍を中心とする保守派の反発は根強い。前進党は「(問題の表現は)候補者が労働部門出身であることを示す意図だった」と釈明している。
問題視されているイラスト(全体、前進党のツイッターから)
前進党は5月14日に投開票された下院選で最多の151議席を獲得。タクシン元首相派を含む7野党と連立政権の樹立を目指しており、首相指名選挙では前進党のピター党首に候補を一本化することで合意している。
タイの選管は2014年の軍事クーデター後に発足した軍政が選出した委員で占められ、国軍の影響下にあるとみられている。ピター党首自身についても放送局の株を持ち、下院選候補がメディア株の保有を禁じる憲法の規定に違反した疑いで調査している。』