タイ空軍はF-35Aの調達を米国に断られ、F-15EXとF-16Vを提示される
https://grandfleet.info/indo-pacific-related/thai-air-force-refused-to-buy-f-35a-from-us-offered-f-15ex-and-f-16v/
『2023.05.29
タイ空軍はF-35Aの売却を米国に打診していたが、今月25日「米国がF-35Aの売却を提案できないと通知してきた」と明かし、代わりにF-15とF-16のアップグレードモデルを提案してきたらしい。
参考:Thailand air force says U.S. has denied request to buy F-35 jets
タイ空軍が比較的早く後継機を手に入れるならグリペンEしかない
米国にとってタイはアジア地域における最古のパートナー国で、2003年に主要な非NATO同盟国(MNNA)に指定されたためNATO加盟国と同じ待遇(国防総省が主導する共同プログラムへの参加、テロ対策イニシアチブへの参加、特定装備品の購入やリースに米国融資を受けられる権利、相互訓練、当該国の企業が国防総省の入札に参加できる権利、軍需物資の優先提供、劣化ウラン弾の購入資格など)を受けられる立場にあるが、民主政権へのクーデターやタイ軍の中国接近などで関係が悪化している。
出典:Public Domain
現在までMNNAへの指定は維持されており、タイ空軍は2021年末にF-5Eの後継機としてF-35A導入を提案、ナパデージ司令官は「グリペンEの調達に8,500万ドルもかかるのでF-35Aに手が届く」と説明して議会に調達資金を要求、米空軍もタイ空軍にF-35Aの運用能力があるのか調査するため関係者を派遣するなど導入に向けた動きが本格化し、タイ下院(人民代表院)が2023年度予算で調達費用の一部を(3.6億バーツ/1,470万ドル)を承認したため、タイ空軍は正式にF-35A売却を米国に打診した。
タイ空軍は「今年の夏頃までに米議会から(F-35A売却が可能かどうか)回答が得られる」と説明していたが、今月25日「F-35Aの売却には時間的制約、技術的要件、メンテナンスの互換性などクリアすべき条件があり、米国がタイへの提案できないと通知してきた」と明かし、米国はF-35Aの代わりに売却可能なF-15とF-16のアップグレードモデルを提案してきたらしい。
出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Anna Nolte
タイ空軍のヴァナロット司令官は以前「F-35Aの戦闘能力はF-16の3機分に相当する」と主張して調達の正当性を議会や国民に訴えていたが、米議会がタイへのF-35A売却を承認するかどうかは「確信が持てない」と述べており、もし承認されない場合のBプランについても「もっていない。F-35Aの調達が不可能と判明したら次に何をすべきか検討するだろう」と明かしていたので、タイ空軍の次期戦闘機探しは振り出しに戻った格好だ。
因みに米国が代わりに提案したF-15とF-16のアップグレードモデルとはF-15EXとF-16Vの可能性が高く、F-15EXは米空軍の調達数が不透明で同盟国やパートナー国からの発注(インドネシアとの交渉が現在も続いている)もないため生産ラインの維持が怪しく、逆に受注が殺到していたF-16Vは生産の遅れで「今から発注しても何時届くのか分からない」という状況が続き潜在的な顧客の関心が遠ざかっている。
出典:U.S. Air Force photo by Ethan Wagner F-15EX
F-35Aも今後数年はBlock4の要素を徐々に実装した中途半端なモデル(後からBlock4の要素を追加するのに費用がかかるらしい)になるため、米空軍は「完全なBlock4仕様機が出てくるまで調達を控える」と表明しているが、安全保障環境の悪化で早期引き渡しを求める調達国もあり、米国製戦闘機の調達は中々混沌としている状況だ。
そのためフランスのラファールが人気を集めているものの、2021年に海外から受注した128機(2022年に48機受注)だけで「4年~5年分の仕事量を確保した」と言われており、タイフーンもスペインやドイツからの新規発注が舞い込むことがほぼ確定しているため西側製戦闘機の調達枠に余裕はない。
出典:AIRBUS
NATO加盟国が手放す予定の中古F-16にも人気が集中しており、F-16Vの納期を遅れをカバーするためオランダのF-16をブルガリアが購入するという噂もあり、タイ空軍が比較的早く後継機を手に入れるならグリペンEしかない。
関連記事:タイ空軍が米国にF-35A売却を打診、米議会の回答は来年の夏頃になる予定
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Kevin Long
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投稿者: 航空万能論GF管理人 インド太平洋関連 コメント: 43 』
『 8kgk
2023年 5月 29日
返信 引用
中国空軍と共同訓練(ファルコン・ストライク)する国にF-35は売れないでしょうな。
台湾も対中協力者が多くてF-35を売らなかったし。
55
XYZ
2023年 5月 29日
返信 引用
軍事政権&中国寄りではステルス機の売却はムリでしょう。
中国寄りで言えば韓国も結構危なかったと思いますが、場所が場所ですから、アメリカもやむを得ずといったところでしょうか。
30 』
『 猫
2023年 5月 29日
返信 引用
中立である事のデメリットですね。八方美人だとこの様な場面で信用してもらえなくなる。(大国の言いなりも困りますが)アメリカの言う通りf15exかf16になるのかそれともインドネシアと同じでラファールを選ぶのか。
20
戦略眼
2023年 5月 29日
返信 引用
ユーロファイターは、生産枠が余ってなかったかな? 』