フランス、反年金改革110万人デモ 英国王は訪問延期
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR240400U3A320C2000000/
『【パリ=北松円香】フランスで受給年齢引き上げを軸とする年金改革への反対がさらに激しくなっている。内務省によると23日は仏全土で110万人近くが抗議活動に参加し、治安部隊との衝突も相次いだ。混乱を受け、26日から計画されていたチャールズ英国王の訪仏は延期が決まった。
マクロン政権が16日に年金改革法案を強行採択してから初めての大規模デモだった。現地メディアによると、パリやリヨン、マルセイユなど各地で改革撤回を求める人々が集まった。職員によるストライキで公共交通機関の運休が相次いだほか、教員のストで一部の学校が休校した。
デモ参加者の動きを抑えるために治安部隊が出動し、催涙ガスを使用する場面も相次いだ。店舗の破壊やデモ中の放火など一部が暴徒化、西部ボルドーでは市役所の入り口が燃え、消防隊が出動した。
ダルマナン内相によるとフランス全土で457人が逮捕され、警官や憲兵441人が負傷した。
チャールズ国王は2022年9月の即位後、初めての外遊先としてカミラ王妃を伴い26〜29日にフランスを訪れ、ベルサイユ宮殿での夕食会などを予定していた。
仏大統領府は24日、マクロン大統領とチャールズ国王が電話で協議後に延期が決定されたと発表した。可能な限り早期の訪問を再調整するとしている。
マクロン氏は22日に放映されたテレビ局のインタビューで、年金改革を「年末までに実施する必要がある」と表明した。有権者の間では年金改革そのものに加え、憲法の規定に基づき議会採決を経ずに法案採択に持ち込んだ政権の姿勢への反発も広がる。
調査会社Ifopによると直近のマクロン氏の支持率は28%と、反政権デモ「黄色いベスト」が続いていた2019年2月以来約4年ぶりの低水準に落ち込んだ。
激しい抗議活動に歯止めがかからなければ、マクロン氏は今後年金改革に関連してなんらかの妥協を迫られる可能性もある。』