なぜロシアには2つの暦があるのか:失われた13日間

なぜロシアには2つの暦があるのか:失われた13日間
https://jp.rbth.com/history/79709-naze-roshia-ni-futatsu-no-koyomi-ga-aru

  ※ と言うことで、ロシアは今もって、グレゴリオ暦だけでなく、ユリウス暦も(特に、宗教関係のイベントで)使っている…、ということのようだ…。

 ※ 今日は、こんな所で…。

『100年前、ロシア人は、1918年2月の13日間、すなわちほぼ半月を永遠に失った。なぜそんなことになったのか調べてみよう。

 お察しの通り、これはロシアが、旧来の暦、ユリウス暦をグレゴリオ暦に切り替えたことと関係していた。それが起きたのは、1917年の10月社会主義革命から3ヶ月後。新政府の政令により、1918年1月31日の次の日は、2月14日となり、その間のほぼ2週間が、ロシアの歴史から永遠に消え去った。

 ソ連の建国者、ウラジーミル・レーニンは、同年1月下旬に、「西欧の暦の導入に関する」法令に署名した。このような措置の理由として法令には、「ロシアに、ほぼすべての文明国におけると同様の暦法を確立する」必要性がうたわれていた。

 ピョートル大帝の治世の18世紀初頭から、ロシアではもっぱらユリウス暦が用いられてきた。これは、ユリウス・カエサルが共和制ローマで実施し、欧州に伝わっていたものである。

 しかしユリウス暦は、より近代的なグレゴリオ暦に比べると正確ではなかった。後者は、16世紀後半から行われるようになり、19世紀には欧州諸国で使用されていたが、1900年の間に、ユリウス暦はグレゴリオ暦より13日遅れていた。

Wikipedia

「古い習慣の破壊」

 ボリシェヴィキ政権としては、「ほぼすべての文明国」のカレンダーに移行する方法が二つあった。一つは、実際に採用された上の方法と、もう一つは、毎年1日ずつカットしていくやり方だ。

 しかし後者だと、ノロノロと13年もかかることになる。これは確かにボリシェヴィキ政権のやり方ではなかった。かくして、たった一晩で断行された次第。

 ロシア国立政治史古文書館のアンドレイ・ソローキン館長によると、ボリシェヴィキ政権の指導者たちは、暦を変更するにあたって「明確かつ実際的な目的」を持っていた。

 「レーニンはロシア革命を、世界革命のプロローグと認識していた。そして、全地球のプロレタリアの心臓は、同一のクロノメーターにしたがって一斉に鼓動すべきであった。だからこの法令が、最初に採択された文書の1つであったことは驚くにあたらない」。ソローキン館長はこう主張する(ロシア語)。

 ソローキン館長はまたこう付け加えた。この決定は、ボリシェヴィキのアプローチ全般に合致する。そのアプローチは、それ以前の時代との断絶をもくろみ、「旧来の国家体制、古い伝統文化、古い習慣、形式的、一般的な法規範の破壊」を目指すと。

「時機を得ず不適切」

 しかし、このカレンダー改革が実行されたのは、ボリシェヴィキの思想傾向のせいだけではなかった。グレゴリオ暦に切り替える提案は、早くも1830年にロシアに現れている。このとき、ロシア科学アカデミーは、新しい暦の導入を提案したのだが、教育大臣カルル・リーヴェンがこれに反対した。

 すなわち、教育大臣は、「時機を得ず、不適切な提案で、望ましからぬ騒動や要らざる誘惑をもたらし得る」と結論した。皇帝ニコライ1世も、臣下に同意した。

 次の試みは、19世紀末に起きた。この問題を審議する特別委員会が、ロシア天文学会に設置されたのだが、その結論部分を見ると、なぜグレゴリオ暦導入がロシアで強硬な反対にあったのかが分かる。

 委員会はこう述べている。「正教の諸国家、および東西の正教徒すべては、カトリックがグレゴリオ暦をロシアに導入しようとする試みを拒絶した」。 言い換えれば、この暦は、正教会に対するカトリックのある種の妨害工作として認識されていたということだ。だから、この問題では正教会の立場が鍵であった。

一つの国に二つの暦

 そこで委員会は、「革新的な」アイデアを考えつき、西欧の暦を移入することなく、暦をより正確なものに改善するよう提案した。

 さらに1905年には、別の委員会が、グレゴリオ暦への移行は「望ましい」として、妥協案を提示した。つまり、グレゴリオ暦を一般市民の生活のなかで使い、宗教的な暦としてユリウス暦を残すというもの。

 これが、10年余りで、ロシア革命後に起きたことになる。ロシア正教会とボリシェヴィキ政権との関係は緊張したもので、前者は西欧の影響にも、国内のニヒリストのそれにも屈しようとはしなかった。政権は一連の弾圧を行ったが(ロシア語)、無駄に終わった。』

暦とローマ帝国(ユリウス暦とグレゴリオ暦)

暦とローマ帝国(ユリウス暦とグレゴリオ暦)
https://surirekigaku.com/2018/05/25/rekitoroma/

『(山脇史端)一般社団法人数理暦学協会 (MSAC) 2018-05-25

私達が現在使っている暦は、グレゴリオ暦です。

江戸時代まで使われていた太陽太陰暦(干支暦・旧暦)と対比させ、新暦と呼んでいますが、正しくはグレゴリオ暦といいます。

グレゴリオ暦とは、1582年10月15日に、ローマ教皇グレゴリウス13世が、それまで1600年以上使われていたユリウス暦を改定した暦です。

ユリウス暦

それではユリウス暦とは何かというと、紀元前45年にその名の主、ユリウス・カエサルによって制定された暦になります。

ユリウス・カエサルというと誰?と思うかもしれませんが、日本では、シェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』で有名なので、ジュリアス・シーザーといったらお分かりになるでしょう。ローマ帝国の最高権力者でありクレオパトラの愛人だった、あのシーザーです。

ローマ帝国は、以前のブログでもご説明した通り、紀元前753年に狼に育てられたロムルスによる建国から、476年に滅びるまでの1000年あまり続きました。

つまり、今から1500年以上前にローマ帝国は滅亡するのですが、ローマ帝国滅亡後、ヨーロッパではギリシャやローマのことなどすっかり忘れ去られてしまうのです。いわゆる、暗黒の中世時代と呼ばれる1000年間が続きます。この時期のヨーロッパ人の精神を支配したのは、キリスト教です。

そして、13世紀に入ると古代ギリシャやローマに興味を持つ人達が登場します。その時期を、ルネッサンスといいます。

ルネッサンスは古代復興と訳されています。その古代とはいつのことかというと、古代ギリシャとローマ時代のことなのです。

ローマ帝国

ローマ帝国の特徴は、民族の違い、文化の違い、宗教の違いを認めた上で、それらをすべて包み込んだ帝国でした。古代エジプトでは被征服者は殺戮されるか、奴隷化されるかのどちらかでしたが、ローマ支配の特徴は、征服した民族の文化や宗教の多様性を出来る限り尊重し、市民権を与えてとりこんでいくという政策でした。

先日、イギリスでヘンリー王子のロイヤル上ディンが行われましたね。
美しいメーガン妃はご存知の通り、お母様がアフリカ系アメリカ人です。「英国王室の伝統にふさわしくない」、と人種差別的な意見が数多く出ていましたが、それを聞くと、果たして、人間の精神とは進化しているものかと疑問を感じます。非難をものともせずに愛を貫いたヘンリー王子の姿勢は、中世的な偏見と戦い苦しみながら、人生を駆け抜けた故ダイアナ妃の姿を彷彿とさせ、多くの国民に感動を与えたのだと思うのです。

植民地という考え方自体、非常に中世封建的です。ローマ帝国式の考え方は、征服した土地の市民を自国の市民とし、良い人材がいたら議員にまでしてしまうという考え方であり、そのようにして領土を拡大したのがローマ帝国の帝国主義でした。

実は、この同化政策を最初に打ちたてたのは、アレクサンドロス大王です。以前のブログでもご紹介した通り、アレクサンドロス大王は征服したペルシャの姫君たちと部下の結婚を強要し、自身もペルシャの王女と結婚しています。だが残念なことながら、この同化による領国拡大という壮大な構想を実現することなく、30代半ばという若さで死んでしまうのですが、その死から約300年後、彼の夢は、ユリウス・カエサル(ジュリアスシーザー)により、実現されるのです。

ユリウス・カエサルの政治は、「寛容」政策と呼ばれています。彼は、外国人はもとより、つい少し前まで敵として戦っていた民族にも、市民権を与え、優秀な人には議員権まで与えています。そもそも、ローマ帝国は、成立初期段階において権力者の血縁継承を禁止し、王・元老院・市民集会の三権分立を確立させていました。王の出身が被征服者というのも珍しくなかったのです。つまり、国家を繁栄させるために、民族の多様性を寛容に受け入れ、優秀な人材を登用するという気風が既にありました。それは古代ギリシャの影響が強いと言われています。

勿論、古代ギリシャ時代から奴隷制度の上に市民生活は成り立っていました。しかし、奴隷も一定の期間を経ると市民権を得たり、品格ある奴隷はその人間性を尊重され、解放されたりという記録が多く残っていることから、かなり流動性があったようです。

古代ローマの暦

ローマ建国の時に用いらた暦は、ロムルス暦・ヌマ暦です。1年が355日からなる太陰暦だったので、太陽の動きに合わせると、1年で11日の差が生じていました。

そのため、2年ごとに交互に22日と23日の閏月を入れて調整していたのです。22日と23日の閏月が2年毎の交互になるということは、4年で45日間、つまり年平均では11・25日になります。

そうなると、ヌマ暦の年平均日数は、355+11・25日=366.25日となり、地球が太陽のまわりを一周する太陽年の365.25日と較べると、1年間に24時間ずれるだけでしたので、気候のズレはほぼ解消していました。

このように閏月を設けて調整するように定めた暦でしたが、閏月が入ると、政治の任期も延長するため、すぐに追い落としたい政敵がいたりすると、閏月を省略してしまったりと、政治的理由で適当にされた為、カエサルの時代には、3か月以上暦日がずれてしまっていたのです。

さすがに季節のズレが3か月もあると都合が悪いので、カエサルは暦の改訂を行います。ここで行われた改暦がユリウス暦です。

シーザーというと、クレオパトラの名前が連想される方も多いかと思います。

クレオパトラは、プトレマイオス朝のエジプトの最後の女王です。

プトレマイオス朝とは、アレクサンドロス大王の死後、部下であったプトレマイオスが創始した王朝です。プトレマイオスはアレクサンドロスと同郷のマケドニアの貴族の息子で、幼少期よりアレクサンドロスの側近騎兵隊将校でしたから、アレクサンドロス大王の後継者といっても良いかもしれません。

ユリウス暦のヒントはこのプトレマイオス朝のエジプトにありました。プトレマイオス朝の首都はアレクサンドリアです。アレクサンドリアは立派な図書館がある学術都市であり、このアレクサンドリアを中心にヘレニズム文化は成熟したのです。

エジプトはナイルの氾濫の時期の観測と、ピラミッド建設の必要性から天文学が大変発展していました《暦法先進国》だったのです。

エジプトへ遠征したシーザーは、クレオパトラに魅かれ、彼女を王位に復帰させるべくエジプトに長く滞在することになります。
おそらく、この時にエジプトの優れた文明に触れたので、ローマに帰国後、エジプトから天文学者のソシゲネスを招いて制定したのが、ユリウス暦です。

ユリウス暦では、それまでは3月が年初であったものを、1月を年初に改め、1年を365.25日、奇数月を31日、偶数月を30日に、2月のみ29日と制定しました。

ついでに、自分が誕生した7月に、自分の名前をつけました。それがJuliusni、つまり、Julyです。ちなみに、カエサル暗殺後、彼の跡を継いだオクタヴィアヌスは、その後ローマ帝国初の皇帝となり、アウグストゥスと呼ばれるようになってから、このユリウス暦に、7月がシーザーのJulyであるなら、8月は自分の月だということで、8月をアウグストゥスの月、Augustと改名しました。

奇数月が31日なの、偶数月が30日でした。そのため、8月は偶数月なので30日になります。皇帝である自分の月が「小の月」なのを嫌い、8月をむりくり31日にして、その分2月を1日減らして28日と制定したのです。その結果、なぜか7月と8月は大の月が続いて、2月はいきなり28日で閏年だけが29日になるという、奇妙な数字配列になったのです。以来、この改訂ユリウス歴は1600年以上も使われていきます。

グレゴリオ暦

このユリウス暦は、1年の長さを365.25日と定めました。しかし、実際の一太陽年は、365.24219878日のため、1年間に約11分14秒ずつ実際の太陽の運行からずれていきます。この誤差は小さいようにみえるのですが、128年経つと、24時間、1日になり、ユリウス暦の方が1日早くなるのです。

そもそもローマの暦は、ロムルス暦から1年の始まりは3月でした。昼夜の長さが同じになる3月21日の春分から1年が始まるというのは、極めて自然の流れです。

更に4世紀に入ると、キリスト教を国教としてから、キリスト教最大の祭り《復活祭》が、ローマ人にとっては一年の大切な節目となります。

この復活祭が同じ時期なので、《復活祭は昼と夜の時間が等分になる「春分」をすぎたあとにくる最初の満月の後の最初の日曜日とする》と、議会で制定します。

さて、それから約1600年、時代は16世紀、ローマ法王グレゴリウス13世の時代に飛びます。

ユリウス暦の1年間のズレ11秒14秒が、1600年も経つと10日あまりになっていました。

そうすると、実際に昼夜の長さが同じになる春分が、ユリウス暦上では10日早い時期に来てしまいます。つまり、ユリウス暦の上でいう3月21日は、実際の太陽の運行上は3月11日の事になります。昼夜の長さが同じではない日が、3月21日になるのです。

そうなると、復活祭の定義に大いなる矛盾が生じ、教会の権威にかかわる大問題となったのです。

困ったグレゴリウス13世は、最初は単純に1582年10月4日~15日という10日間を、暦から抜いてしまいました。その結果、春分は再び3月21日に巡ってくるようになったのですが、根本的な解決にはなっていません。

そこでグレゴリウス3世は、西暦が4で割り切れる年を閏年とする。但し、西暦年が100で割り切れても、400で割り切れない時は平年とする。という数学的ルールを設定しました。つまり、1600年や2000年は閏年になりますが、1700年や1800年は400で割り切れませんので、閏年ではなくなります。

この計算式でいけば、微妙な誤差はありますが、西暦4902年になって始めて1日の誤差が生じる範囲ですみます。

この優れた計算式によるグレゴリオ暦は、1582年に制定されます。

ローマ法王により改正された暦だったので、イタリア・フランス・スペイン・ポルトガル・オランダなどのカトリック国はすぐに採用しましたが、プロテスタントの国では宗教的な反発のため拒否され、イギリスでは18世紀後半までユリウス暦が使われていたのです。
そのため、日本でも、明治政府が国の制度を参考にした国がイギリスだったこともあり、明治6年1月1日にとりいれた西洋暦はユリウス暦でした。それから27年後の1900年にグレゴリオ暦に改暦されたのです。

さて、一気にグレゴリオ暦まで持っていきました。

如何でしたか?本当はローマについてたっぷりやりたいのですが、東洋に行かねばならないので、ここで終わりにします。

次からは、軸を西に向け、メソポタミアにもう一度戻り、ペルシャ・インド、そして当協会の暦学の誕生した中国暦へと話しを進めていきたいと思います。時々その比較として、ギリシャ・ローマ時代の思想について引き合いに出して参りますので、その都度、見直して戴けたらと思います。

どうぞ宜しくお願い致します。』

クリスマスはロシアでどのように祝われているか

クリスマスはロシアでどのように祝われているか
https://jp.rbth.com/arts/82981-christmas-roshia-de-dou-iwareteiru

『12月25日になると、サンタさんからのプレゼントを待っているのだろうか?いや、ロシア人には完全に異なるクリスマスの伝統があるのだ。そして、彼らは別の日にクリスマスを祝う。

 ロシア人は、12月25日ではなく1月7日にクリスマスを祝う。そして彼らのほとんどにとって、主な冬休みは新年であり、家族は祝いの食事のために集まり、お互いにプレゼントを贈り、松の木を飾る(そう、ロシアでは大晦日で祝うのです!)ロシア人はクリスマスを、第一に厳密な宗教的祝日として、第二に家族の祝日として考えている。それで、現代のロシア人はこの日に実際に何をしているのでしょうか?

クリスマスの礼拝に参加し、伝統的な夕食を作る

ノヴォシビルスクのボズネセンスキー大聖堂で行われたクリスマスの礼拝

Alexander Kryazhev/Sputnik

 正教会のキリスト教徒は、クリスマスをイースターの次に重要な祝日と見なし、11月28日から1月6日まで断食を行う。1月6日から7日までの夜、信徒は「聖日前夜」に教会を訪れ、一晩中祈る必要がある。彼らが集会に参加できない場合、テレビでこれを見る。モスクワの救世主大聖堂から典礼を放送している国営チャンネルもある。(今日多くのロシア人は従わないものの)伝統に従って信心深い家族はクリスマスの日にお祝いの夕食も準備することになっている。例えば、クチア(甘いポリッジ)、焼いた肉と魚、クレビャカ(大きなパイ)、キャベツやマッシュルームやフルーツのデザート(パスチラ)などだ。

 ただし、ほとんどのロシア人はこのようにはクリスマスを祝わない。最近の調査によると、ロシア人の3分の2がクリスマスを祝うが、クリスマスの夜に実際に教会を訪れるのは19パーセントに過ない。

未来を予言する

Alexander Galperin/Sputnik

 ロシア正教会のクリスマスの伝統で最も人気のある一つは、クリスマスイブの占いだ。 1月6日から19日(エピファニー)の期間は「スヴァトキ」(「聖」という言葉による)と呼ばれている。そして、実際、教会もそれを完全に禁止することができないほど深い異教のルーツを持っている。スラブの人々は、この期間に霊が暴走するのだと信じていた。そして、彼らの未来を予測するために霊を用いた。農民は天気と収穫を予測しようとしたが、若い女性は自分の結婚相手について考えた。

 そして、一部の若い女性は現在でもこれをしている!

 サンクトペテルブルク出身のヴァレンティナは、彼女のお気に入りの占いは、ろうそくのろうを溶かし、その結果生じるろうの形成に従って運命を推測することだと話す。他の確実な方法としては、紙を燃やして灰を探すこと、またはカードを配置することだ。ニジニ・ノヴゴロド出身のユリアは、キャンドルを灯して、壁の影を見るだけで未来を予測する。彼女は母親と一緒にこれを行っている。予測に加えて、一部のロシア人は来年の計画を書き、前年の計画と比較する。

親戚を訪ねる

Kirill Braga/Sputnik

 正教会のクリスマスを祝う主な方法は、象徴的な贈り物を持って親戚を訪ねる(または招待する)ことだ。ロシアでは、1月1日から8日まで国の祝日があり、最近では愛する人と会うのが習慣となっている。クリスマス(1月7日)には、騒々しいパーティーを開催する人はいない。ゲストは通常​​、ケーキを持ってきてお茶を飲む。そして時々、いくつかの贈り物が交換される。しかし、ほとんどの場合、ゲストがホストの家庭に何かプレゼントすることになっている。織物、写真アルバム、またはお茶の詰め合わせ。しかし、プレゼントは必須ではない。通常、お菓子とお茶で十分だ。』

ロシア南部の基地で2回爆発か サイレン鳴り響く動画も

ロシア南部の基地で2回爆発か サイレン鳴り響く動画も
https://www.47news.jp/world/8738631.html

『【キーウ共同】ウクライナのメディア、RBKウクライナは26日、ウクライナ国境から約500キロにあるロシア南部サラトフ州のエンゲリス空軍基地で2回爆発があったと報じた。サイレン音が鳴り響くソーシャルメディアの動画も掲載した。この基地には今月5日にウクライナ側からとみられる無人機攻撃があった。

 RBKウクライナによると、エンゲリス空軍基地は核兵器搭載可能なツポレフ160やツポレフ95といったロシアの主力長距離戦略爆撃機が配備されている。ロイター通信によると、地元知事は民間インフラに損傷は出ていないと語った。』

親ロ派の車、爆発相次ぐ 占領下のウクライナ南部

親ロ派の車、爆発相次ぐ 占領下のウクライナ南部
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122400237&g=int

『ロシアが一方的に「併合」したウクライナ南部で、プーチン政権に協力する親ロシア派政治家らが乗った車が爆発などに巻き込まれる事件が相次いでいる。幾つかのケースは「ウクライナのテロ」と非難されており、潜伏した破壊工作員が関与した可能性もありそうだ。一方、占領政策の失敗に伴うロシアの「粛清」説もくすぶっている。

ヘルソン親ロ派の車爆発 運転手死亡、ウクライナを非難

 ロシア軍がドニエプル川西岸から撤退した南部ヘルソン州。占領が続く東岸のカホフカ地区では22日、車が爆発し、親ロ派の町長と運転手が死亡した。現地記者は「ウクライナ工作員の仕業だ」と主張した。

 南部ザポロジエ州のロシア側支配地域の「州都」メリトポリでも23日、車が爆発。乗っていたロシア連邦保安局(FSB)職員2人が負傷したと伝えられた。

 ヘルソン州では、今月12日にも「第1副知事」を名乗った親ロ派政治家ブリュク氏の車が爆発。自宅に仕掛けられた地雷によるとみられ、本人は負傷し、運転手が死亡した。この際も「ウクライナのテロリスト」(親ロ派当局)が関与したと指摘されたが、不審な点も残っている。

 ブリュク氏を含む複数の「副知事」のうち、報道担当として知られたストレモウソフ氏が11月9日、現地で「交通事故死」(親ロ派当局)したと発表された。一部メディアは、無数の弾痕が残る車の写真を公開したが、ロシア側はウクライナを非難することはなく、事故説を貫いた。この日は、ロシア軍にドニエプル川西岸からの撤退命令が出た節目の日だった。

 別の「副知事」である親ロ派女性政治家グバレワ氏も、11月18日にロシア当局による拘束情報が一時伝えられた。短い期間に「副知事」3人がトラブルに巻き込まれたことになる。』

中国外相、対米安定に意欲 ロシアとは「盤石」

中国外相、対米安定に意欲 ロシアとは「盤石」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122500198&g=int

『【北京時事】中国の王毅国務委員兼外相は25日、北京で開かれたシンポジウムで講演し、2022年の中国外交を総括した。「中米2大国の正しい付き合い方を模索する」と述べ、対米関係改善に意欲を示した。

中国外相「抑圧やめろ」 米国務長官と電話会談

 王氏は、米国による対中包囲網にくぎを刺しつつ、「中国と米国のつながりは切り離すことができない」「競争を繰り広げることに利点はなく、協力を求めることはオプションではなく必須事項だ」と指摘。中国は新型コロナウイルスの感染拡大や経済低迷といった国内問題を抱えており、短期的には米国との必要以上の関係悪化を避けたい考えだ。

 一方で、王氏はロシアに関して、「過去1年間、互いの核心的利益を断固として支持し、政治的、戦略的相互信頼はさらに強固になった」と強調。米国を念頭に、「民主主義対権威主義」という「誤った命題」に一致団結して対抗する中ロ関係は「盤石」であると述べた。 』

プーチン大統領、ロシアは正しい 米ミサイル「100%粉砕」

プーチン大統領、ロシアは正しい 米ミサイル「100%粉砕」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122500251&g=int

『ロシアのプーチン大統領は、越年する見通しとなったウクライナ侵攻を巡り「われわれは正しい方向に行動しており、国益を守っていると思う」と述べた。米国がウクライナへの供与を約束した地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」に関しては「100%粉砕する」と警告した。

ウクライナ南部の死者16人 Xマス停戦なくロ軍砲撃

 国営テレビの単独取材に語ったもので、25日の番組で放送された。事前収録は、年内最後の記者団の取材に応じた22日とみられる。』

ロシア南部の空軍基地で爆発音 ウクライナメディア報道

ロシア南部の空軍基地で爆発音 ウクライナメディア報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB261JR0W2A221C2000000/

『ロシア南部サラトフ州のエンゲリス空軍基地で26日、2回の爆発があった。ウクライナメディア「RBCウクライナ」などが報じた。爆発の原因など詳細は不明だが、ロシアの地元メディアも空襲のサイレンが鳴り響き、爆発音が聞こえたとの地元住民の話を伝えている。

ロイター通信によると、サラトフ州の知事はSNS(交流サイト)のテレグラムで「法執行機関が軍事施設での事件に関する情報について確認している」と述べた。…

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』

毛沢東主義派のダハル氏を新首相任命 与党連合分裂―ネパール

毛沢東主義派のダハル氏を新首相任命 与党連合分裂―ネパール
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122500256&g=int

『【ニューデリー時事】ネパールのバンダリ大統領は25日、共産党毛沢東主義派(毛派)のダハル議長を新首相に任命した。11月の下院選(定数275)で最多の議席を得たネパール会議派(NCP)を率いるデウバ首相の続投が濃厚とみられていたが、与党連合内で首相の座を巡りデウバ氏とダハル氏の交渉が決裂。

25日に毛派が与党連合を離脱し、野党と組み下院で過半数を得る見込みとなった。』

台湾識別圏に中国機71機 米軍事支援に反発か

台湾識別圏に中国機71機 米軍事支援に反発か
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122600326&g=int

『【台北時事】台湾国防部(国防省)は26日、台湾の防空識別圏に同日午前6時(日本時間同7時)までの24時間で中国軍機延べ71機が一時進入したと発表した。米国で台湾への巨額の軍事支援を盛り込んだ2023会計年度国防権限法が成立したことへの反発とみられる。

台湾周辺で統合演習 米軍事支援に「対抗」―中国軍

 国防部によると、71機中33機が台湾海峡の中間線を越えて台湾側を飛行。国防部は「厳密に監視、対応している」と説明した。

 71機のうち多くは戦闘機だったが、早期警戒機や電子戦機、ドローンも含まれている。台湾近海で中国海軍の艦船7隻も探知したという。 』

ロシア軍は兵員規模を150万人まで増やす計画と露国防相

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:ロシア軍は兵員規模を150万人まで増やす計画と露国防相
view-source:https://nappi11.livedoor.blog/archives/5397792.html

『ロシアのショイグ(Sergei Shoigu)国防相:写真左端 は2022年12月21日「軍の規模を、契約兵(職業軍人)69万5000人を含む150万人まで増やす必要がある」と発言、これが実行に移されればロシア軍の兵力は、徴集兵と契約兵を合わせた現行の101万から49万人増の150万となるため、発言に注目が集まっている。

ロシア軍の兵力は2018年1月1日の法令で90万人から101万人に拡張されたが、ウクライナ侵攻を受けてプーチン大統領は今年2022年8月に兵力を115万人まで規模する法令に署名、この法令は2023年1月1日に発効する予定で、これ以外にも部分的動員で30万人の予備役を動員したためロシア軍の兵力は145万人+ドネツク人民共和国やルガンスク人民共和国で組織された民兵(推定4万人以上)+民間軍事会社ワグナー4万人=153万人になる計算だ。

ここに海軍歩兵、空挺部隊、特殊作戦部隊、両共和国の民兵、ワグナーなどの補助戦力が加わると地上兵力は120万人前後になり、兵士の命を顧みない人海戦術で「ウクライナ軍との消耗戦に勝利したい」という強い決意を感じると同時に、ウクライナへの脅しと、「ベラルーシからの侵攻」という露プロパガンダに、海外メディアも注目し、世界は警戒している。

一方でプーチンは、早い時期の終戦を望む発言もし始めた。参照記事 過去ブログ:2022年12月高まるベラルーシ、ウクライナ国境の軍事緊張とミンスク会談

ロシア軍の大規模な動員は「国民からの強い反発」や「動員対象者の国外脱出」を招いたものの国民の反発は限定的で長続きせず、ウクライナ軍も西側諸国の軍事アナリスト達も「ロシア軍の動員計画は上手く行っていて新年早々にも新たな動員が行われる」と予想されており、ロシアがウクライナとの戦いに「どこまで国民の命をつぎ込むのか」は見当もつかない。

因みにロシアの法律上、動員対象者への招集令状は地区の担当者が登録された住居を尋ねて手渡しする決まりになっており、物理的に招集令状を受け取らない限り「招集拒否の罪」に問われないため対象者が「登録している居住地域から逃亡(招集拒否よりも圧倒的に罪が軽い)」することが多く、この抜け穴を塞ぐためロシア政府は「招集令状のデジタル化」と「携帯電話への送信」を準備中で、対象者が通知を確認したかどうかに関係なく「期限までに出頭しなければ招集拒否の罪で起訴する」方向らしい。

さらに各省庁間で動員対象者のデータを共有して「招集に応じなかったものは各公的サービスや銀行決済などが利用できなくなる」とも露国営メディアが報じているが、ウクライナ側でも戦いの長期化で軍紀に問題が生じており、最高議会は軍人に対する刑事責任を大幅に強化する法案(法律8271号)を採択して注目を集めている。参照記事  英文記事  英文記事  参照記事

ウクライナの報道では、開戦から12 月 23 日時点までで、ウクライナの防衛隊は約 100,950 人のロシアの占領者を殺害し、3,000 台を超えるロシアの戦車、約 6,000 台の装甲戦闘車両、約 1,700 台のドローンを破壊しましたと報告している。参照記事  映像:ウクライナのドローン攻撃』

『アドミラルティ造船所』総取締役アレクサンドル・ブザコフは死去した

『アドミラルティ造船所』総取締役アレクサンドル・ブザコフは死去した | ロシア海軍情報供給部
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-7752.html

『22-1225a.jpg
『ロシアビジネスコンサルタント』より
2022年12月24分19時49分配信
【『アドミラルティ造船所』総取締役は死去した】

ブザコフは『アドミラルティ造船所』で35年間勤務し、10年前に同社のトップとなった。
これはロシアで最も古い造船企業の1つであり、サンクトペテルブルクで最初の工業企業である。
22-1008c.jpg

『アドミラルティ造船所』総取締役アレクサンドル・ブザコフは死去した。
彼は66歳だった。
『統合造船業営団』広報サービスは発表した。

「彼は、伝説的な企業の労働力と遺産を保持する為に全ての事を行ない、何時も将来を考え、アドミラルティを新たな成功へ導きました。
アレクサンドル・セルゲイヴィチ・ブザコフの人生は、時期尚早に、悲劇的に終わりました」
声明では、こう述べられた。

前日・12月23日、『アドミラルティ造船所』広報サービスは、潜水艦「ヴェリーキエ・ルーキ」の進水を発表し、ブザコフはこの行事へ出席した。
22-1225b.jpg

「これらの潜水艦は単殻であり、より機動性が有り、コンパクトです。
我々の今日における目標は、ロシア連邦海軍から与えられた課題~プロジェクト677潜水艦シリーズのタイムリーな就役~を実現する事です」

彼は話した。
潜水艦「ヴェリーキエ・ルーキ」は2015年に同社で起工され、非核動力(通常動力)潜水艦隊に属し、ロシアの技術により建造され、装備の為に国産の部品が使用されている。

ブザコフは1956年に生まれ、1980年にレニングラード造船研究所を卒業して「船舶動力装置」の専門家となり、『アドミラルティ造船所』へ入社して技師となった。

そこで彼は23年間、同社のチーフエンジニアとなった。

ブザコフは 2004年に造船工場『北方造船所』のトップとなり、2007年~2008年まで連邦国家単一企業『中部ネヴァ川造船工場』総取締役の役職に在り、その後、『統合造船業営団』のサブホールディング『西方造船センター』のトップとなった。

彼は2011年7月に『アドミラルティ造船所』へ戻り、チーフエンジニアとなった。
2011年8月に同社の総取締役代行となり、2012年7月に総取締役の役職が承認された。

その前の25年間、同社のトップはウラジーミル・アレクサンドロフであったが、その後、息子のミハイル・アレクサンドロフが代行となった。

『コメルサント』の情報筋によると、ウラジーミル・アレクサンドロフは「赤い取締役」(ソヴィエト時代からの企業のトップ)であり、築き上げられた厳格な企業構造に従わなかった。

『アドミラルティ造船所』はロシアで最も古い造船企業の1つであり、サンクトペテルブルクで最初の工業企業である。

『統合造船業営団』へ加入している。
民間船隊の設計、製造、近代化、そして更に核動力装置を含む軍事用途艦の建造を専門としている。

Tweet

関連記事

    『アドミラルティ造船所』総取締役アレクサンドル・ブザコフは死去した
    ルビーン設計局は通常動力潜水艦プロジェクト636シリーズ(キロ級)の近代化を継続する
    ルビーン設計局はロシア海軍の通常動力潜水艦の為の非大気依存発電装置(改質型燃料電池)の開発を進めている
    ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはサンクトペテルブルクからムルマンスクへ回航される耐氷自走プラットフォーム「セヴェルヌイ・ポリュス」をエスコートした
    ロシア極東の『ハバロフスク造船工場』はロシア海軍向けのムレナ級エアクッション揚陸艇を建造する用意がある

スポンサーサイト』

非核のキロ級潜水艦を建造しているサンクトペテルスブルグ海軍工廠の長アレクサンデル・ブザコフが不審死。

非核のキロ級潜水艦を建造しているサンクトペテルスブルグ海軍工廠の長アレクサンデル・ブザコフが不審死。
https://st2019.site/?p=20733

『ロイターの2022-12-25記事「Head of major Russian shipyard dies suddenly, no cause given」。

  非核のキロ級潜水艦を建造しているサンクトペテルスブルグ海軍工廠の長アレクサンデル・ブザコフが不審死。彼は11年間、その地位にあった。年齢は六十代とのこと。』

防禦ばかりしていたらいつまでも敵国の侵略行動を終らせることはできない。

防禦ばかりしていたらいつまでも敵国の侵略行動を終らせることはできない。
https://st2019.site/?p=20733

『Zoe Strozewski 記者による2022-12-22記事「Putin Has an Ominous Spring Strategy for Ukraine War: Four-Star General」。

 防禦ばかりしていたらいつまでも敵国の侵略行動を終らせることはできない。もっと射程が長い対地攻撃兵器をウクライナ軍に供給して、反転攻勢をかけさせるようにしなければ、このまま無限戦争になってしまう。
 このように退役陸軍大将のバリー・マカフレイは『ニューズウィーク』に語った。

 いわんやプーチンが企図している春の攻勢は、無傷のベラルーシ軍を北から投入するものだろうから、今のような「塹壕戦」をだらだらとやっている場合じゃないぞ。

 ルカシェンコは、予告なしの動員演習を今月、実施した。自軍が命令一下、動ける態勢になっているのかどうか、確かめたのだ。
 もちろん、ルカシェンコはプー之介の言うなりになって自滅するなど御免である。しかしロシアの手先はいつでもルカシェンコを暗殺できるので、表立って逆らうこともできない。

 ※雑報によるとベラルーシのマチュビシチ航空基地に展開していた露空軍のミグ31Kが、吊下していた「キンジャル」のモーターがなぜか自燃発火したために火災となり、1機まる焼けの模様。』

米国のハイテク企業「Palantir」社が、ウクライナ軍に一種のAIソフトを提供し、これが宇軍の善戦を支えた…。

米国のハイテク企業「Palantir」社が、ウクライナ軍に一種のAIソフトを提供し、これが宇軍の善戦を支えた…。
https://st2019.site/?p=20733

『John Varga 記者による2022-12-25記事「Putin scuppered as Ukraine unleashes ‘revolutionary’ new weapon to outgun Russia in battle」。

 英国防省の推計では露軍は開戦前に90万人の現役兵力を擁していた。そのうち20万人がウクライナ征服戦争に振り向けられていると。

 また2-24開戦時点で使えた戦車は1万3000両、砲兵は6000門、装甲車は2万両というところであったと。

 それをウクライナ軍は、19万6000人の現役総兵力で迎え討った。戦車は2000両、砲兵は1960門、装甲車は2870両が手持ちのすべてであった。

 米国のハイテク企業「Palantir」社が、ウクライナ軍に一種のAIソフトを提供し、これが宇軍の善戦を支えたという。
 砲兵の間接射撃が、このうえもなく合理化され、迅速に正確に敵部隊や補給線を潰せるようになるソフト。こいつの使い方をウクライナの砲兵部隊将校は、たちまちにして習得した。

 砲兵システムをデジタル化することにより、敵のアナログ砲兵よりも少ない門数で、侵略軍を粉砕できる。

 ソフトの名は「メタコンステレーション」という。それはまず民間衛星とドローンのIR画像によって敵部隊の陣地を把握する。潜入斥候からの無線報告も役立てられる。

 宇軍砲兵指揮官はタブレットを見れば、次の1発をどの座標に向けて発射すればいいのかが分かる。

 このソフトを活用すれば、1門の大砲が、1日のうちに、最大で300地点もの敵部隊を、次々に片付けてしまえるという。

 いま、バフムトからは、すごい臭いがするという。放置されている露兵たちの屍臭だ。一帯が「肉挽き器」のようだと表現されている。
 ※写真がWWI のヴェルダンを彷彿とさせる。

 いま、HIMARSが脚光を浴びているが、その終末誘導ロケット弾は、最近開発されたものではなく、ハードウェアとしては十数年前からあったものにすぎない。急速に進化しているのは、ソフトウェアと指揮システムなのだ。』

ヘルメス 450

ヘルメス 450
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%82%B9_450

『ヘルメス 450(Hermes 450)は、イスラエルのエルビット・システムズが開発した無人航空機(UAV)。

本項では、イギリス向けの改良型ウォッチキーパーについても記述する。 』

『概要

V字尾翼を持つ推進式のプロペラ機であるが、細い円筒形の胴体に短いアダプターを介して主翼を乗せるという、シンプルかつ独特な外見を持つ。エンジンにヴァンケルエンジンを採用しているのも特徴。離着陸には滑走路を使用する。派生型として、航続時間を延長したヘルメス 450LEが存在する。

主な想定用途はISTAR(情報収集・監視・偵察・目標捕捉)やELINT(電子情報収集)、COMINT(通信情報収集)で、武装化も検討されたことがあるものの実現したかどうかは確認されていない。しかし、レバノンやシナイ半島で事故により墜落した機体とされる画像では、対戦車ミサイルの発射筒と思しき装備が増設されている[1][2]。

操縦は高度に自動化されているため、オペレーターはセンサーの操作に集中でき1人での制御が可能。専用のUGCS(Universal Ground Control Station)には予備を含めて2台のコンソールがあるため、1つのUGCSから2機を同時に制御することも可能である。このUGCSは後に開発されたヘルメス 900とも互換性がある。

なお、名称の数字はkg単位の最大離陸重量を意味するものであるが、あくまでも機体規模の目安であり、本機の実際の最大離陸重量は500kgを超えている。

ウォッチキーパー
飛行試験中のウォッチキーパー

イギリス陸軍は、砲兵隊向けの弾着観測・目標捕捉用UAVとして、ヘルメス 450をタレスUKが改良したウォッチキーパー WK450(Watchkeeper WK450)を導入している。外見はほとんど変わっていないが、天候に影響されずに地上の移動目標を探知できるよう、EO/IR(電子光学/赤外線)センサーと合成開口レーダーを組み合わせて装備している。機体は分解してコンテナに収容でき、地上管制ステーション(GCS)もコンテナ式になっているため、トラックで容易に展開することができる。

エルビット・システムズとタレスUKの合弁事業として設立された合弁会社U-Tacs(UAV Tactical Systems)が主契約社となり、2007年7月15日に54機を発注、2010年6月の就役を目指したが、初飛行が2010年4月14日にずれ込み、最終的に就役は2014年となった。このため、イギリス陸軍は繋ぎとしてベース機のヘルメス 450を緊急調達することとなった。

2014年にはアフガニスタンに送られて実戦投入されたが、翌年10月には「引き渡し済みである33機の大半は保管状態にあり、実戦使用されているのは数機で、訓練済みのオペレーターは6名のみ」と報じられている。

採用国
採用国(青)

アゼルバイジャンの旗 アゼルバイジャン
ボツワナの旗 ボツワナ
ブラジルの旗 ブラジル
ブラジル空軍にてRQ-450の名称で運用。
 コロンビア
クロアチアの旗 クロアチア
キプロスの旗 キプロス
イギリスの旗 イギリス
ウォッチキーパーの他ヘルメス 450も運用しており、後者はH-450と呼ばれることもある。
ジョージア (国)の旗 ジョージア
北マケドニア共和国の旗 北マケドニア
メキシコの旗 メキシコ
シンガポールの旗 シンガポール
イスラエルの旗 イスラエル
イスラエル航空宇宙軍では”Zik”と呼称されている。
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
アメリカ合衆国税関・国境警備局などで運用。

諸元(ヘルメス 450)

全長:6.1m
全幅:10.5m
最大離陸重量:550kg
エンジン:UAVエンジンズR802/902(W) ヴァンケルエンジン(52馬力)×1
最大速度:176km/h
運用高度:5,486m
航続時間:17-20時間
行動半径:300km
ペイロード:180kg

脚注
[脚注の使い方]

^ “Israeli Spy Drone Crashes In Southern Lebanon (Photos)” (英語). (2018年3月31日) 2018年4月3日閲覧。
^ “UAV Crash In Lebanon Reveals Secret Israeli Weapon” (英語). (2018年4月1日) 2018年4月3日閲覧。

参考文献

出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2018年4月)

『軍用ドローン年鑑』 2016年8月15日発行 イカロス出版 ISBN 9784802201957

外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、ヘルメス 450に関連するカテゴリがあります。

エルビット・システムズ社公式サイト

表話編歴

イスラエル空軍の航空機
カテゴリ:

イスラエルの軍用機イスラエルの無人航空機イギリスの軍用機無人偵察機シギント

最終更新 2022年11月8日 (火) 06:15 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
テキストはクリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンスの下で利用可能です。追加の条件が適用される場合があります。詳細は利用規約を参照してください。

プライバシー・ポリシー
ウィキペディアについて
免責事項
モバイルビュー
開発者
統計
Cookieに関する声明 』

爆発的に売れるUCAV、ルーマニアがTB2に続きWatchkeeperX導入を発表

爆発的に売れるUCAV、ルーマニアがTB2に続きWatchkeeperX導入を発表
https://grandfleet.info/european-region/explosively-selling-ucav-romania-announces-watchkeeperx-deployment-following-tb2/

『ルーマニア国防省は今年9月「トルコからTB2システムを3億ドルで3セット(1つのシステムは6機で構成されているためTB2の導入数は計18機)導入する」と明かしていたが、今度は「ElbitからWatchkeeperXを導入する」と発表した。

参考:Romania to buy Watchkeeper X surveillance systems from Elbit Systems
参考:The framework agreement for the provision of the “Second class UAS tactical-operative System” has been signed

イスラエルもトルコも技術移転とセットで輸出しているため、今後自国でUAV/UCAVを生産する国は増えてくるだろう

英陸軍はアフガニスタンで使用する情報収集、監視、目標捕捉、偵察(ISTAR)用途のUAVを要求、この契約を受注するためイスラエルのElbitとフランスのThalesUKは合弁企業「UAV Tactical Systems Limited=U-TacS(出資比率はElbitが51%)」を設立してHermes450にSARレーダーとMTIレーダーを追加したモデルを提案、Northrop Grumman案とBAE案を退けて英陸軍の採用を勝ち取ったのがWatchkeeper450で、ルーマニア軍が採用するWK450ベースのWatchkeeperXはUCAV化(対戦車ミサイルを計4発搭載)しているのが興味深い。

出典:Amit Agronov/CC BY-SA 3.0 Watchkeeper450のベースとなったHermes450

ルーマニア国防省は「今回の契約(約4.1億ドル/7機分)に基づきElbitはルーマニア企業の(恐らくU-TacSと生産協定を締結しているAerosta)にWKXの技術移転を実施、3機目以降の製造と保守業務を同社が担当する」と明かしており、このような形態を選択したのは「安全保障上の利益を守るため=有事に保守サービスが途絶することを回避したいという意味」と説明している。

トルコはTB2の技術移転をウクライナ(UAE、サウジアラビア、パキスタンなどでも現地生産の話が出ている)にしか認めていないが、他のUAV/UCAV(Karayel-SU、Akinci、Ankaなど)は技術移転とセットで輸出を行っているので、今後自国でUAV/UCAVを生産する国は増えてくるだろう。

出典:Baykar TB2

因みにTB2は昨年時点で14ヶ国に売れて仏新聞が「飛ぶように売れる」と表現していたが、つい先日にNATO加盟国のアルバニアがTB2の導入を発表したため「導入国は27ヶ国になった」と報じられており、NATOの高官も「ウクライナの戦いでトルコ製無人機=TB2が大きな役割を果たしている」と評価しているため、今後もTB2を求める国は増え続けるはずだ。

日本ではTB2のようなUCAVを対地攻撃能力のみで評価=ウクライナ軍のTB2によるロシア軍への攻撃シーンが登場しないため「役に立たない」と解釈する傾向が強いが、UCAVはISR任務に特化したUAVよりも機体が比較的大型なので高性能なEO/IRセンサーを搭載しており、TB2に搭載されたMX-15Dは最大75km先の車輌を認識、組み込まれたレーザー距離計は最大20km先にある目標の位置を測定することができ、UCAVのハードポイントにはSIGINT機材、ジャミング装置、戦術通信の中継機などを搭載することも可能なので多用途性や柔軟性は高く、対地攻撃能力ばかり強調されるTB2もISR任務に投入されることが多い。

出典:Головнокомандувач ЗС України

勿論、TB2は精密誘導兵器を携行すればISR任務で発見した目標を破壊することもできるが、TB2が認識できる範囲に対する攻撃手段(ミサイル、徘徊型弾薬、榴弾砲、自走砲、多連装ロケットシステムなど)は他にもあるため、軍全体から見ると「敵防空システムに撃墜される可能性が高い空域」にTB2をわざわざ侵入させて地上の標的を叩く必要性は低く、ポーランドのブラスザック国防相も「TB2は単独で作動するのではなく他の軍事資産と連携して相乗効果を発揮することが重要」と述べている。

ポーランドはNATO加盟国として初めてTB2を2021年に発注したが、この取引は野党に「有人機の戦闘機と比較して機体性能が劣るTB2が正規軍相手に役に立つはずない」「TB2による対地攻撃ミッションなど高度な防空システム相手に撃墜されるだけ」「政府は金をトルコに無駄に流出させている」などと散々批判されてきたため、ブラスザック国防相はTB2の式典で「ウクライナでの結果を見れば偵察にも攻撃にも使用できるTB2の有効性は明らかだ。もはやUAVを保有しない近代的な軍隊は存在しない」と断言した。

出典:Poland MOD

米陸軍参謀総長のマコンヴィル大将もウクライナ軍のTB2が活躍し続ける理由について「高度な防空システムを隙間のない壁のようにイメージして『脅威はこれをすり抜けることが出来ない』と考えるかもしれないが、実際にはこれを回避する方法もあるし突破する戦術もある」と述べており、米ディフェンスメディアも「防空システムはあらゆる高度を飛行する目標を確実に検出できる訳ではない。全ての空域を完全にカバーすることは不可能で、24時間以上も戦場をうろつくことができる無人機は脆弱な部分から侵入してインパクトを十分残せる」と主張。

米空軍も「中国との戦いにレガシーな無人機は役に立たない」と考えてMQ-9の早期退役を主張していたが、TB2が対地攻撃だけでなくISR任務や戦場の通信セルとして効果的だったことを受けて「非ステルス」のMQ-9に対する評価が見直されており、もしTB2がウクライナで役に立っていなのなら軍事関係者がこんなに評価を口にするはずがなく、ここまで多くの国がUCAVを欲しがるはずがない。

出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Haley Stevens

TB2もMQ-9も高度な有人機の役割を肩代わりする存在ではなく、有人機と同じように防空システムが機能している空域に侵入すれば容易に撃墜される脆弱な存在で、小型UAVや商用ドローンのように使い捨て感覚で使用できるほど安くもなく補充性も良くないが、管理人は「TB2やMQ-9といったUCAVは有人機には出来ない・向かない任務に対応できるプラットフォームとして今後も活躍の場を広げていく」と思っている。

関連記事:どこまで売れるのか? 新たなTB2輸出契約が成立して運用国は計14ヶ国に
関連記事:TB2導入理由を語るポーランド国防相、実戦での実力を疑問視する声にも反論
関連記事:ウクライナはアフガニスタンではない、MQ-1Cの対地攻撃は通用しない
関連記事:ポーランド国防相、もはやUAVを保有しない近代的な軍隊は存在しない

※アイキャッチ画像の出典:Peter Russell LBIPP/OGL v1.0
シェアする
ツイートする
Twitter で Follow grandfleet_info

Tweet Share +1 Hatena Pocket RSS feedly Pin it 

投稿者: 航空万能論GF管理人 欧州関連 コメント: 26  』

防衛省が整備する自衛隊のUAV戦力、MQ-9やTB2などが導入候補に

防衛省が整備する自衛隊のUAV戦力、MQ-9やTB2などが導入候補に
https://grandfleet.info/japan-related/uav-force-of-the-self-defense-forces-maintained-by-the-ministry-of-defense/

『防衛省の予算概要の中でスタンド・オフ・ミサイルの効果的な使用に欠かせない「視覚的な戦場認識力の強化=偵察型UAV」の整備について言及、さらに多用途/攻撃用UAVとしてMQ-9やTB2などを2023年度に試験導入する予定らしい。

参考:我が国の防衛と予算-防衛力抜本的強化「元年」予算- 令和5年度予算の概要
参考:自衛隊が導入を検討する無人機、ウクライナが使ったトルコ製機種も
防衛省が令和5年度予算の概要で言及した無人機関係に関する情報のまとめ

防衛省が発表した令和5年度予算の概要で新規に取得する装備に言及しているが、スタンド・オフ・ミサイルの整備計画、トマホークの調達、イージス・システム艦の建造など目立つ装備調達は主要メディアの方で報じられているためスポットライトが当たりにくい部分を中心に見ていく。

出典:防衛省 令和5年度予算の概要 スタンド・オフ防衛能力の運用イメージ

予算概要に登場したスタンド・オフ防衛能力(12式地対艦誘導弾能力向上型、島嶼防衛用高速滑空弾・能力向上型、極超音速誘導弾、島嶼防衛用新対艦誘導、JSM、JASSM、トマホーク)を活かすには敵の位置を把握する能力が欠かせず、日本は情報収集衛星(光学センサーとSARを搭載した2種類の偵察衛星)を整備、新たに高高度(最大1万8,000m)を飛行して広範囲(最大100,000平方km)を長時間監視できるRQ-4を導入したが、これは戦術的ではなく戦略的な情報収集手段なのでEO/IRセンサーの能力=視覚的な認識力が特別優れている訳では無い。

RQ-4はMTIモードを備えたSAR(ポーランド軍による分析によると推定作動範囲は最大160km)による情報収集能力が優れていて、EO/IRセンサーの作動範囲は一般的な無人機が搭載するものと同じレベル(約50km前後)だと指摘されており、何百kmも先の地域を視覚的に長時間監視して敵の動きをリアルタイムに把握できる能力はなく、あくまでRQ-4はU-2と同じ高高度偵察機であって中高度や低高度で使用する無人機の上位版ではない。

出典:Northrop Grumman

さらに「防衛省は運用・維持コスト高騰が予想され陸上偵察にしか使用できないRQ-4/Block30導入を中止し、東シナ海で使用できる海上監視タイプの無人航空機を熱望していた」と共同通信が報じていた件は、RQ-4がRQ-4Cのように海上を移動する目標の識別に効果的なISAR(逆合成開口レーダー)を装備していないためだが、元々RQ-4とRQ-4Cでは用途が異なるので仕方のない話だ。

いきなり話が脱線してしまったが、予算概要に登場した「情報収集・分析の強化」という項目で偵察型UAV(戦術無人機)を整備すると言及しているのは、まさに中高度や低高度で使用する無人機を整備して「視覚的な戦場認識力を強化する」という意味で、レーダーだけでは認識できない戦場状況を収集してスタンド・オフ・ミサイルの効果的な使用に繋げるつもりなのだろう。

出典:防衛省 令和5年度予算の概要 情報収集・警戒監視・偵察・ターゲティング(ISRT)機能の強化

無人アセット防衛能力の中で言及されているUAV(中域用)機能向上型は「現有のUAVにSAR(合成開口レーダー)を搭載する」と言及してScanEagleの絵を載せているため、ImSARを搭載するScanEagleの導入して上陸した敵の情報収集に活用する可能性が高く、偵察用UAV(中域用・能力向上)は「衛星通信に対応した機体により侵攻部隊等の情報を遠距離から早期に探知し、指揮官の状況判断及び火力発揮等への寄与が可能」と言及しているため、非武装でISTAR任務に特化したMALE(中高度を長時間飛行できる無人機を指すカテゴリー)タイプのUAVを考えているのかもしれない。

UAV(狭域用)は「空中からの情報収集による指揮官の状況判断及び火力発揮等への寄与が可能」と言及してクアッドコプターの絵を載せているが、この手のタイプは戦場で最も消耗が激しい小型UAV(ウクライナでは両軍が数百機以上も消耗して使い捨て近い運用を行っている)だと思われ「5式:6億円」という高価な機種で必要な数量を揃えることが出来るのか心配だ。

出典:防衛省 令和5年度予算の概要 各種攻撃機能を持つ無人アセットの整備

多用途/攻撃用UAVは「情報収集機能に加えて、火力及び電磁波による攻撃機能を効果的に保持した多用途UAV、侵攻部隊等の情報を収集し即時に火力発揮可能な攻撃用UAV」と明確に定義しており、朝日新聞が23日に「防衛省が2023年度に試験導入を検討している無人機にMQ-9とTB2が含まれる」と報じた内容は多用途/攻撃用UAVのことだ。

MQ-9とTB2の滞空能力(両機とも24時間以上)に大きな差はなく、MQ-9(機体価格2,000万ドル前後)は有人機と同じヘルファイアや精密誘導兵器を使用できるが関連費用込みの導入コストは1億ドル前後で、TB2(機体価格500万ドル前後)は無人機向けの小型な精密誘導兵器しか使用できないものの導入コストは600万ドル~1,000万ドルの間と言われており、MQ-9やTB2をテスト(両機以外の試験導入も示唆している)するのは「損耗する可能性が高いUCAVにとって調達性も重要な要素」だからだと思われる。

出典:Uvision 徘徊型弾薬Hero

小型攻撃用UAVは「島嶼等における着上陸侵攻対処及び重要施設等の防護に際して、侵攻部隊を探知・識別して人員、車両、舟艇等に対処できる小型攻撃用UAV」と明確に定義しており、イメージとして掲載された絵を見る限りイスラエル製の徘徊型弾薬「Heroシリーズ」の導入を検討している可能性が高い。

残念なのは有人戦闘機とチーミング可能な無人戦闘機(予算概要の中でいうところ戦闘支援無人機)について言及がない点で、日本の場合は次期戦闘機のファミリーシステムに開発計画が含まれているのだが、欧米も中露も次世代戦闘機=第6世代機のサブシステムではなく第4.5世代機や第5世代機のサブシステムとして実用化時期を前倒しており、英国は「2020年代中にタイフーンやF-35Bとのチーミングを実用化させたい」といってモスキートプログラムを進めていたが「もっと早く実用化したい」といってプログラムを中止している。

出典:Baykar Kızılelma

ロシアは2024年末までに「Su-35やSu-57とチーミング可能なオホートニクの量産機が出てくる」と主張していたが、これはウクライナ侵攻以前の話なので現在も2024年末というスケジュールが守られている可能性は低く、中国は情報が全く出てこないので謎につつまれており、オーストラリア空軍とボーイングがテストを繰り返しているMQ-28Aは「輸出可能だ」と公言しているものの実用化時期は明確になっていない。

日本はF-15、F-2、F-35A/Bといった航空戦力とチーミング可能な無人戦闘機について言及がなく、2035年頃に実用化される次期戦闘機まで無人戦闘機の導入計画は無いのだろうか?

出典:Baykar TB2

因みにトルコやアゼルバイジャンなどTB2導入国では日本のUCAV導入候補にTB2が入っていることに関心が集まっている。

関連記事:共同通信、防衛省は陸上偵察のみのRQ-4導入を中止して海上監視用UAVを熱望していた
関連記事:戦術UAVを探していた英陸軍、ロッキード・マーティン製のストーカーを採用
関連記事:無人機開発で先行するトルコ、全翼機タイプのステルスUCAV登場を予告
関連記事:無人機開発で先行するトルコ、予定より早くKızılelmaが初飛行に成功
関連記事:オーストラリア、ロイヤル・ウィングマンをMQ-28A ゴーストバットと命名
関連記事:米海兵隊、水陸両用戦闘車や無人水上艇にイスラエル製のカミカゼドローンを統合

※アイキャッチ画像の出典:GA-ASI MQ-9
シェアする
ツイートする
Twitter で Follow grandfleet_info

Tweet Share +1 Hatena Pocket RSS feedly Pin it 

投稿者: 航空万能論GF管理人 日本関連 コメント: 29 』

中国軍、台湾周辺で演習 米国防権限法に報復か

中国軍、台湾周辺で演習 米国防権限法に報復か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB252VD0V21C22A2000000/

『【北京=共同】中国軍は25日、台湾周辺の海空域で火力を用いて複数の軍種による軍事演習を実施した。米国と台湾による挑発への対応だとしている。東部戦区の報道官が発表した。米国で台湾への防衛支援を含む国防予算の大枠を決める国防権限法が成立したことなどへの報復だとみられる。

演習規模は不明。報道官は「必要な全ての措置を取り、国家主権と領土を断固守る」と強調した。』