クリミア橋爆発、ロシア国内で報復論も 住宅にミサイル
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『【ロンドン=小川知世】ロシアのプーチン大統領は8日、同国とウクライナ南部のクリミア半島を結ぶクリミア橋での爆発を受け、治安機関の連邦保安局(FSB)に橋の通行安全を確保するように命じる大統領令に署名した。ロシア国内ではウクライナによる攻撃と断じて、厳しい報復を促す意見が出ている。
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ウクライナ南部ザポロジエ市では9日未明にロシア軍が集合住宅をミサイル攻撃し、地元当局によると少なくとも17人が死亡した。ウクライナのアレストビッチ大統領府長官顧問はツイッターで、ロシア軍がクリミア橋の爆発に報復したとの見方を示した。
複数の米有力紙はウクライナの情報機関が橋の爆発に関与したと同国政府高官の話として報じた。
米衛星情報会社のマクサー・テクノロジーズが公開した画像では道路の一部が海に崩落し、並行する鉄道で列車が炎上する様子が捉えられている。列車と自動車の通行は8日夜までに一部再開したが、全面復旧のメドは明らかになっていない。
プーチン氏は8日の大統領令で、ロシアとクリミアを結ぶ送電線やパイプラインの安全確保もFSBに命じた。安全保障上の重要インフラと位置づけ、防衛を強化する構えを示した。同氏は自らの出身母体の後継組織であるFSBを対応にあたらせ、政権の威信を保ちたい考えだ。
ウクライナは関与について明言を避けている。ゼレンスキー大統領は8日のビデオ演説で爆発に直接触れず「クリミアは曇っていた。未来は晴れている。占領者のいない未来だ」と語った。ロシアからの奪還を目指す考えを示すにとどめた。
橋はロシアが2014年に併合を一方的に宣言したクリミア半島で建設し、18年に開通した。ロシアにとってウクライナ本土を通らずに同半島と結ぶ物流の動脈で、実効支配の象徴でもある。
ロシアの捜査当局はトラックが爆発しクリミアに向かう燃料を積んだ列車に引火して炎上したと発表した。トラックの所有者はロシア南部クラスノダール地方の住民で、ロシアメディアによると爆発への関与を否定している。
爆発は戦局にも影響しそうだ。米戦争研究所は8日、修復までロシア軍はクリミアへの輸送の一部を船に代替せざるを得ず、鉄道を使っても保安検査の強化で装備や人員の輸送に遅れが生じると分析した。政権がプーチン氏への批判をそらすため国防省を「スケープゴートに仕立てようとしている」とも指摘した。
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