量子力学とは 現代物理学の基礎に
きょうのことば
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC04B9I0U2A001C2000000/
『▼量子力学
原子レベル以下の極めて小さいエネルギーや物質の単位である「量子」の特殊な性質を解き明かす学問。アインシュタインの「相対性理論」とともに現代物理学の双璧をなす基本理論だ。量子の代表例には原子や電子、光子(光の粒)などがある。量子は「波と粒子の性質を併せ持つ」「複数の場所に同時に存在する」といった日常の感覚では理解しがたい不思議な振る舞いを示す。ペアになった量子の一方の状態がもう一方に瞬時に伝わる現象である「量子もつれ」もその一つだ。
20世紀初め、「量子論の父」とも呼ばれるドイツのマックス・プランクやアインシュタインらによって、ニュートンの運動法則など古典的な物理学では説明できない量子の現象が認識されるようになった。ドイツのハイゼンベルクやオーストリアのシュレーディンガーらによって量子力学の理論が構築された。
21世紀に入り、量子を操って性質を利用する量子技術と呼ぶテクノロジーが脚光を浴びる。量子力学は20世紀に半導体やレーザーの技術に革新をもたらしたのに続き、現在は「第2次量子革命」が進行中といわれる。次世代の高速計算機である量子計算機をはじめ、コンピューターや通信、暗号、センサーなどの技術を大きく変えると期待を集め、米国や中国を中心に覇権争いが激しさを増している。
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