ロシア本国のあらゆる場所から地対空ミサイル「S300」の発射車両がかきあつめられており…。
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『ストラテジーペイジの2022-10-2記事。
民間会社の衛星画像を解析していたチームは発見した。ロシア本国のあらゆる場所から地対空ミサイル「S300」の発射車両がかきあつめられており、それらをウクライナ国境へ集中させていると。地対地ミサイルがわりに用いようというのである。
ロシアではとっくのむかしに「S400」という新型SAMができあがっているわけだが、2014のクリミア侵略の結果、西側から制裁をくらったために、ロシア軍にはカネがなくなり、「S300」(NATOコードは「SA-10」)は、ほとんどが更新されずにいまだに現役だ。
「S300」のアップグレードもなされていない。というのは、「S400」のレンジは「S300」の2倍あり、かつまた、射撃統制ソフトが新式だから、「S400」の1個発射大隊は、「S300」の発射大隊×2個分に相当する。そんな古い「S300」を、いまさらアップグレードする予算などつけていられない。
それで地対地ミサイルに転用されることになった。
今日までにすでに500発以上の「S300」が対地攻撃に使われた。しかしさらにまだ7000発くらいは、残っているはずだという。
露軍が「S300」を地対地ミサイルに転用するテストをしているらしいことは、2022-7月にベラルーシの発表で西側にバレた。
そもそも「S300」は開発の当初から、対地攻撃にも使えるように考えてあった。そのモードにする場合は、ミサイルの落下直前自爆回路を遮断する。
しかし誘導は、発射車両のレーダーを使うしかなかったから、いくらポテンシャルの水平レンジが150kmあるといっても、それを精密に落とすことはできなかった。
そこでロシアはことし緊急に、GPS誘導回路を組み込んだのだろうと推定されている。
なお弾頭重量は100~200kgもあるので、着弾するとハイマース以上の大クレーターができる。先日、民間車列を狙った1発の写真はその傍証である。
ちなみに台湾軍がもっている「ナイキ・ハーキュリーズ」SAMにも、SSMモードがある。もともと1960年代からそういう設計なのだ。
※雑報によると、ロシアの退役中将で国会議員のグルレフが糾弾。ザバイカル軍区にて、帳簿上はあるはずの150万着の冬用戦闘服が、どこにも見当たらない、という。』