プーチン氏が命じた「動員」100万人規模か

プーチン氏が命じた「動員」100万人規模か…対象外の大学生にも招集令状
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220925-OYT1T50070/

『ロシアのプーチン政権が、ウクライナ侵略の兵員を補充するため発令した部分的動員を巡り、強引な招集の実態が次々と明らかになっている。動員規模についても、セルゲイ・ショイグ国防相が21日に言及した30万人にとどまらず、100万人規模との報道が相次ぎ、国民の不満は高まるばかりだ。露独立系人権団体によると、モスクワなどで24日、再び抗議デモが行われ、少なくとも554人が治安当局に拘束された。

武装した兵士が戸別訪問、ウクライナ住民「投票を強要」「ロシアのいつものやり口だ」
ロシアのプーチン大統領(AP)

 シベリアのメディアによると、ブリヤート共和国にある人口約5500人の村では、プーチン大統領が部分的動員を発令したテレビ演説から数時間後の21日夜、対象者宅の訪問を担当者が始め、翌日午前4時に集合するよう指示した。午前10時には男性約700人が、訓練施設に向け出発した。

 極東沿海地方は約7700人の招集を24日までに終える予定だ。地方政府の迅速な対応が際立つが、粗さも目立つ。ブリヤートでは、動員対象外のはずの大学生にも招集令状が渡された。南部ボルゴグラード州では、63歳で糖尿病などの持病も抱える退役軍人が、身体検査を受けずに招集された。』

『動員規模の不透明感が社会の動揺に拍車をかけている面がある。露大統領府が21日に公表した部分的動員令では、規模を記載した第7項を「機密扱い」として開示していない。ショイグ氏が言及した30万人という数字も国営テレビでの発言だけだ。

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 動員が11月まで3段階に分けて実施されるとの情報もあり、ロシア語の独立系ニュースサイト「ノーバヤ・ガゼータ欧州」は22日、大統領府関係者の証言として、第7項は「最終的に100万人になった」と報じた。露大統領報道官は否定したが、独立系ニュースサイト「メドゥーザ」も23日、動員規模は「120万人」と報じた。

 プーチン政権は、ウクライナ侵略を職業軍人や「志願兵」だけが派遣される「特殊軍事作戦」と称し、国民に関心を向けさせないよう腐心してきた。反戦運動も厳しい情報統制と弾圧で抑え込んでいた。

 だが、身近な家族や同僚が強制的に戦場に送られることになれば、 厭戦 ムードが高まり、高止まりしてきたプーチン氏や軍事作戦への支持率にも影響を与えるのは必至だ。プーチン氏は、国内の安定維持という難題も自ら抱え込んだ形だ。 』