イタリア総選挙、極右政党が第1党に 現地メディア報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR260280W2A920C2000000/
『【ローマ=佐竹実】イタリアの総選挙は25日夜(日本時間26日早朝)、即日開票された。伊公共放送RAIによると、メローニ党首率いる野党の極右「イタリアの同胞(FDI)」が第1党になる見通しだ。FDIは極右「同盟」、ベルルスコーニ元首相率いる中道右派「フォルツァ・イタリア」と中道右派連合を組んでおり、3党を合わせると過半数を確保したもようだ。メローニ氏は同国初の女性首相となる可能性がある。
メローニ氏は保育所の無償化や子ども手当の増額などを掲げ、記録的なインフレに直面する国民の支持を集めた。
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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説
既に世論調査でトップにたっていたFDIが第1党となりメロー二氏が首相になると、イタリアがEUの復興基金からエネルギー・気候変動対策と構造改革を条件に確保する予定の2000億ユーロ相当の資金の行方が気になります。メロー二氏はこの条件の見直しを掲げており欧州委員会との対立が高まりそうだ。EUの財政規律の議論もある中、あまり放漫な財政運営が容認される可能性も低いのではないか。ロシア寄りの連立政権ができそうだが、EUのウクライナ戦争に対する方針を大きく逸脱する政策変更は難しいとみる。イタリアの長期金利が上昇しており、ECBによる国債市場の分断を抑制する新しい手段TPIの発動の可能性にも注目している。
2022年9月26日 7:17 』