米国務次官、ロシアとの核軍縮条約「更新協議は困難」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN231B30T20C22A9000000/
『【ニューヨーク=中村亮】米国務省のボニー・ジェンキンス次官は22日、ロシアがウクライナ侵攻を続ける間はロシアと核軍縮条約をめぐる対話を再開するのは難しいとの認識を示した。協議が滞ると、半世紀ぶりに米ロの核軍縮の枠組みが消滅しかねない。
【関連記事】バイデン政権、核軍縮へハードル上がる 中国と協議遠く
ジェンキンス氏が日本経済新聞の取材に応じた。「ウクライナ侵攻が続くなかで核協議を再開するのは適切か」との問いに対して「確かに難しい」と答えた。
バイデン大統領は8月1日、核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせた声明で「ロシアは核軍縮の作業を再開する用意があるとの姿勢を示すべきだ」と訴えたが、ジェンキンス氏は「示されていない」と明らかにした。
米国とロシアの核軍縮の枠組みである新戦略兵器削減条約(新START)は2026年に期限切れを迎える。バイデン米政権はロシアと後継の枠組みを議論するため、戦略的安定に関する対話を始めたが、ウクライナ侵攻で中断した。
核軍縮は専門的な議論を積み上げる必要があり、協議に数年を要することが多い。新STARTの後継が決まらないと1972年以降、初めて米ロの核軍縮の枠組みがなくなる。8月のNPT再検討会議はロシアの反対で最終文書を採択できず、核軍縮の機運が一段と後退している。
ジェンキンス氏はウクライナ侵攻を続けるロシアが核兵器の使用を排除していないことについて「そのような発言をしている事実を懸念している」と語った。ロシアに対して「状況の深刻さを粘り強く訴えていく」と強調した。
新STARTは戦略核弾頭に加え、核弾頭を攻撃対象に向けて運ぶ大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、戦略爆撃機の配備数を制限する。米国は26年以降の枠組みについて、制限対象とする兵器の拡大などを目指している。
ジェンキンス氏は21年7月に国務次官に就任し、軍備管理や国際安全保障問題を統括している。
【関連記事】
・米「ロシアは逃れられず」 安保理、侵攻後初の閣僚会合
・プーチン氏、部分動員令に署名 30万人規模
・核軍縮しぼむ機運、非保有国の不満噴出 NPT会議決裂 』