米9歳児の学力、コロナ禍で急低下 人種間の格差も拡大
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN01D8K0R00C22A9000000/
※ 経済環境の悪化は、「格差」を拡大させる…。
※ 貧富の差とは、日常生活におけるものだけの話しじゃ無い…。
※ 「環境の激変」に対応できる「耐性」の差でも、ある…。
※ むしろ、そっちの方が大きいだろう…。
※ 「富者」とは、そういう「激変」を、何世代にも渡って「凌いで来た」、証しでもあるわけだ…。
『【ニューヨーク=佐藤璃子】米国で子どもの学力低下が大きな社会問題になっている。全米教育統計センター (NCES)が1日発表した調査結果によると、9歳児の数学と読解力の平均点が2年前から急低下し、いずれも約20年ぶりの低水準になった。新型コロナウイルス禍で学習環境が急変した影響が大きい。成績下位の層や黒人など有色人種の落ち込みも目立ち、教育格差の拡大も浮き彫りになった。
NCESは数年おきの頻度で全米学力調査(NAEP)を実施し、子どもの学力の長期的な傾向を追っている。1日公表の報告書では、9歳児を対象にした22年1~3月の測定結果を示し、20年調査と比較した。コロナ禍が深刻になった過去2年間で学校再開が遅れたり、オンライン授業になったりした影響を映す初の調査になった。
数学の平均点は234と7点低下した。読解力の平均点も215と5点下がり、過去30年で最も大きなマイナス幅を記録した。
どちらの科目でも、成績が下位に分布する層の学力低下が目立った。低所得層の家庭が多く、コロナ禍で親の経済環境が悪化したことが響いたとみられる。成績上位の層はパソコンやタブレットなどの利用に恵まれ、教師が学習を手助けする割合が高かった。
人種間の格差も大きく、数学の成績で黒人は13点、ヒスパニックは8点の低下と、全体平均を上回る落ち込みとなった。白人の子どもが5点のマイナスにとどまったのに比べ、有色人種が学習現場で出遅れる傾向は強まっている。
NCESの担当者、ペギー・カー氏は「コロナ禍で教育上の課題に関するデータを集めてきたが、いずれも悲惨な状況を示している」と述べた。子どもの学力低下は進学や就職などに響きかねず、世代間の格差拡大や不平等につながる可能性もある。
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