※ テレワークを阻んでいるのは、結局は「ヒトの社会的欲求」という話しかい…。
※ ことは「欲求」「欲望」なんで、課題解決するのは難しい…。
※ 「解脱じゃあ。解脱するんじゃあ。」…。

『苦手な上司も、厄介な部下も、根っこは同じ!?
ムダな出社を命じられる、在宅勤務なのに疲れる、新人が職場に馴染まない。
コロナの感染拡大が落ち着くと、多くの企業は瞬く間に出社へと切り替えた。
日本でリモート改革が進まない原因は、閉ざされた組織に巣くう特異な「承認欲求」にある。
誰もが持つ認められたい気持ちをコントロールし、満たされるにはどうすればいいのか――
組織研究の第一人者が、日本的「見せびらかし」文化の挫折と希望を解き明かす。』
『(目次)
序章 テレワークの普及を拒む、最大の「壁」
「日本的な働き方」のナゾを解く、二つのキーワード/テレワーク生活で気づいたこと
そしてメンタルにも支障が/薄れる管理職の存在感/社内の勢力図が変わった
日本の弱みを強みに変えられるか
第一章 「テレワークうつ」の正体は承認不足
一 なぜ出社しないと不安になるのか?
奪われた「見えない報酬」/誤解・軽視される承認欲求/自分を綺麗に映す鏡がほしい
リモートでは得られない承認もある/同期生に会えない不安/後々まで残る「承認不足」のダメージ
すぐに廃れた「リモート飲み会」/なぜ、自信が失われたのか/リモートだと緊張しないワケ
「気楽さ」と「物足りなさ」は表裏一体/葛藤の背後にある「承認欲求の呪縛」/部下が見えない上司の憂鬱
仕切りがないオフィスへのこだわり/大部屋で働きたがる上司は、よい上司か?/管理職特有の承認欲求とは
二 テレワークで気づいた会社の存在感
日本人にとって「会社で認められる」意味は/能力・個性が認められる唯一の場所
日本の企業人は社外に友人がいない/会社は「見せびらかし」の場
第二章 「見せびらかし」文化の罪
一 やる気の原動力は「見せびらかし」?
役職ポストの威光/「見せびらかす」ための競争/理性で制御できない、肥大化した承認欲求
二 「働き方改革」と生産性向上の足を引っ張る承認欲求
上司の目がないと〝やる気〟が出ない/認められるための残業?/根強い役職ポストへの執着
ムダがムダを呼ぶ本末転倒の連鎖
三 承認の相互依存がゆがめる人事
「近くにいる者ほど評価される」という法則/承認の返報性原理
第三章 「見せびらかし」から「チラ見せ」へ
一 奪われた「ハレの舞台」
テレワークで「見せびらかし」が困難に/「偉さ」の基盤が崩壊
フラット化する社会に「偉さ」は無縁/回り始めた負のスパイラル
二 「チラ見せ」に長けたZ世代も……
自尊感情を表に出さない日本の若者/叩かれないための「チラ見せ
Z世代は「チラ見せ」の達人/管理職も外では「チラ見せ」が必要
「チラ見せ」で品格が問われる社会/チラ見せに呼応した、社内の「ほめる」取り組み
嫉妬を避けるため表彰も控えめに/内向きになった若者/リアルな関係に飢えるZ世代
第四章 テレワークで反転攻勢に……そのカギは
一 日本人の価値観も「ハイブリッド型」に?
コロナ禍を改革の好機に/「ハイブリッド型」の働き方が主流に/コスモポリタンとローカル
テレワークの制度化が転機に/共同体の呪縛から脱却
二 消える承認の「床」と「天井」、そして「壁」
承認の「床」が抜ける?/捨てる神あれば拾う神あり/「天井」にも穴が開く
三 副業が「個」を解き放つ
「副業解禁」のインパクト/副業で社会的な尊敬を得るチャンスが/起業の原動力は
強い承認欲求/テレワークが切り開くシームレスなキャリアチェンジ/コワーキング
スペースが承認の場に/崩れる会社の「壁」/時間の「壁」も消える/テレワークで得をする人
四 日本人が捨てるもの、生かすもの
「濃い関係」の強み/「見せびらかし」文化の復権/「偉い」から「すごい」「さすが」……へ
会社のなかにも新たな変化が
あとがき 』