6月22日、ドゥヴォルニコフ大将は解任された。
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『ストラテジーペイジの2022-6-28記事。
6月22日、ドゥヴォルニコフ大将は解任された。シリアでの経験を買われて、ウクライナ戦争の総司令官に抜擢されていたのだが。
後任が発表されていないので、またもとどおり、スタフカ(参謀本部)とモスクワの文官が、この地域の戦争いっさいを仕切るのだろう。
D大将のつまづきは、6月10日の東部戦線で勝利できなかったこと。北部で失敗した部隊を転進させて東部を補強したのだったが……。
2015にシリアに着任したドゥヴォルニコフが察したこと。アサドがやっているように、反政府ゲリラの支持基盤である一般住民をめがけて砲撃&爆撃してやれば、そいつらはシリアの国境外へ出て行ってくれる、と。
これは、一定数のアサド支持派住民が別に存在することが前提条件だった。ウクライナにはその条件が欠けていた。
シリアではロシアから補給された兵器弾薬量で反政府派を圧倒できたのだが、ウクライナではそうは行かなかった。
※こちらがどこかを補強しようとして時間をかければ、その同じ時間で相手陣営も自軍を補強してしまうから、攻勢を再興しても戦線はまったく膠着するだけ。WWI で皆が学んだはずのこと。
シリアに派遣された露軍は全員が志願のプロであり、精鋭で使えるユニットだった。しかるにウクライナ戦に動員された露軍は素人のあつまりである。それを同じように指揮できると思ったD将軍は、自軍に失望させられた。
CASの環境は天と地の差があった。シリアではCAS機が地上から脅威を受けることはなく、近接爆撃し放題。ほとんど遊び感覚だった。だがウクライナでは、ちょっと高く飛んだだけでSAMの餌食である。ウクライナではパイロットの士気がガックリと下がり、積極的な仕事をしてくれない。
D大将は、どこか1箇所の地区を占領して、それで戦争勝利宣言をして停戦してはどうかとプーチンに提案し、拒否されたのだろう。』