思い起こされる故レフ・カチンスキの言葉と露の国際法無視

思い起こされる故レフ・カチンスキの言葉と露の国際法無視
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『北の国から猫と二人で想う事 livedoor版

ロシアがウクライナ侵攻に乗り出した時、「21世紀の欧州で、こんなことがあり得るのか」と世界は唖然とした。

だが、東欧のバルト三国(リトアニア、ラトビア、エストニア)やポーランドにとっては、長らく最も恐れていたことが現実化した瞬間だった。

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ポーランド大統領だった故レフ・カチンスキLech Kaczyński氏:左 は2008年8月、ロシア・グルジア(現ジョージア)戦争の終結時に首都トビリシを訪問し、「今日はジョージア、明日はウクライナ、その翌日はバルト三国だ。そして恐らく、次に順番がくるのがわが国ポーランドだ」と語った。

、、、(一方)ロシアでは、「ロシアは単なる国民国家ではなく文明国家であり、ロシア政府にはユーラシア大陸のロシア語話者を保護する義務がある」というレトリックが強まった。

ロシアが14年にウクライナ領のクリミア半島を併合したとき、バルト三国では、ロシアがいかにしてバルト三国内に居住する少数派のロシア系住民を侵略に利用するかについて、多様なシナリオが検討された。

政治指導者たちは継続的に、ロシアが突き付ける安全保障上の脅威について諸外国の首脳に警告してきた。

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だが西側諸国では、ロシアからの潜在的な脅威に対する感覚は、1991年にソ連が解体するや否や消滅していた。

ロシアの指導部が自国を西側と再統合し、西洋国家としてのアイデンティティーを取り戻す構えを見せていた90年代初頭のような時代もあった。

ソ連の歴史はロシアにとって間違った方向性だったと確信した指導者たちは、急激な経済・政治改革を重んじ、ロシアの「強さ」を二の次にしたのである。

だがその姿勢は長続きしなかった。、、以上は「Wedge」2022年5月号に掲載されている特集「プーチンによる戦争に世界は決して屈しない」記事の内容の紹介記事から抜粋

20220306ax02S_p、、、

ソ連崩壊後、ドイツのメルケル首相を筆頭に、欧米は新生ロシアに民主的な緩い社会主義体制へ変化する期待を寄せたが、プーチンの中では、高まったロシア帝国への幻想から、軍事体制の強化と共に全体主義への歩みが始まっていた。

ソ連時代のアフガン侵攻は失敗したが、プーチンは軍事面で、シリア支援と地中海への進出、ジョージへの介入、2014年クリミア半島併合と駒を進めてきて今に至っている。

経済面では、プーチンロシアの野望は資源外交で、習近平の野望は一帯一路でかなうかに見えたが、彼らの本音が共存では無いことはウクライナ戦争で明確になった。

レフ・カチンスキの不安が当たっただけでなく、その不安は今ジョージア、バルト3国、北欧へ、そして日本へも拡大している。

参考:ウクライナ戦争のおかげで「トルコが危機から立ち直る」とは、どういうことか? NATOって何?ロシアはなぜウクライナの加盟に反発するの?

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ジョージア外務省は2021年12月11日の声明で、「2008年4月、ブカレストNATO首脳会談にて、加盟国は、ジョージア(とウクライナ)がNATO加盟国になるとする決定を採択した。それは、コンセンサスにもとづく極めて重要な政治的決定である。その決定は、全ての国家が自らの外政方針を選択する主権的権利を有するとする国際法の根元的原則に依拠している」と書かれているとした。

これに先立ち、2021年12月10日、ロシア外務省は、ウクライナとジョージアが将来NATOに加盟するとする2008年のNATOの決定を無効化することを要求する声明を発出していた。

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この声明に対して、ストルテンベルグNATO事務総長は、欧州の全ての国家が持つ、自らの道を決める権利について、譲歩することはない、とロシアの要求を拒否する姿勢を明確にしていた。、、、

つまり、プーチンロシアのNATOへの宣戦布告は2021年12月に出されていたのだ。

一方、ジョージア、モルドバは2022年3が3日、正式にEU加盟を申請した。

この戦争、NATO問題だけで終わらないのは明確だ。

世界が全体主義国家(Totalitarianism)、歴史修正主義国家 (Historical revisionism)の横暴を連日目にする今、日本は同じ体質の中国に対しても、毅然とした態度を取るべきだろう。 

参照記事 参照記事 過去ブログ:

2022年3月建前は「中立」、本音は「親露」 中国共産党の二枚舌 

3月ロシア離れ モルドバ、ジョージアがEU加盟申請 

2月常任理事国が当事者では国連機能無力化=安倍元首相とウクライナ 2月中国のオリンピック開催はIOCの無責任 スウェーデン選手

日本外務省は2022年4月22日、日本外交の基本方針をまとめた青書を発表した。

中国の人権状況に触れ「しっかりと声を上げていく」と態度表明した。

青書では日本の人権外交について特別枠を設け、特に中国関連課題を強調。

香港や新疆ウイグル自治区などの人権状況を10月の日中首脳電話会談で岸田首相から習近平主席に直接指摘したことや、国連人権理事会における同問題への深刻な懸念表明などを並べた。参照記事』