ブリンケンはアルジェリアを訪れ、同国政府がロシアとの関係を切って、隣国モロッコとの関係を修復するように求めた。
MATTHEW LEE 記者による2022-3-30記事「Blinken urges Algeria re-think on Russia, Western Sahara」
https://st2019.site/?p=18995
『ブリンケンはアルジェリアを訪れ、同国政府がロシアとの関係を切って、隣国モロッコとの関係を修復するように求めた。
アルジェリアの大統領テボンはかつて、ロシアを兄弟国と呼んだことあり。モロッコに対しては、西サハラをめぐる数十年来の不満がある。
※旧「スペイン領サハラ」が、西サハラ。そこの独立運動がポリサリオ戦線。
モロッコ国王は歴史的に正当化できない領有権を西サハラに対して主張して、西サハラの8割を占領中だ。
このポリサリオにアルジェリアが聖域を提供し、ソ連が武器を提供してきた。
モロッコはスペインの対岸なのに旧フランス保護国(よって映画の『カサブランカ』の風物がのみこめる)。
アルジェリアは旧宗主国のフランスに対する感情が今でもこじれている。
アルジェリアの天然ガスは、スペインとイタリアには海底パイプラインで直送されているが、対岸のフランスへはつながっていない。
モロッコ+スペイン経由でフランスまでパイプラインをつなげるという計画は、アルジェリアが圧送を打ち切って、ブチ壊した。
アルジェリアはワグネルの給料を金欠ロシアの代わりに支払って、マリなど旧フランス植民地を攪乱させ続けている。
プーチンはアフリカでフランスを苦しめることが、シリアと東欧でのロシアのフリーハンドを強化すると考えている。
モロッコはイスラム圏ながら世俗化が進んでいるので、トランプ時代にイスラエルと国交を結ぶことができ、そのイスラエル製の攻撃型無人機で、アルジェリア商人のトラックを西サハラで爆撃して3人も殺しているテロ国家だ。
1963年には「砂戦争」という、オアシス欲しさの侵略戦争をアルジェリアに仕掛け、アルジェリアがソ連の武器でこれを撃退した。
アルジェリアは1962年にフランスから独立していらい、ソ連製武器に頼ってきた。
アルジェリアは2022-3、駐スペイン大使を召還した。
スペインは以前は、西サハラについてのモロッコの主張に反対だったのに、とつぜん、こんどはモロッコの主張を支持するようになったので、怒った。
ブリンケンはアルジェリア入りする前にモロッコで高官と会っている。
その前にはブリンケンは、イスラエルのネゲヴ砂漠に行き、イスラエルの外相と会っていた。
トランプ時代、モロッコの他、UAEとバーレーンが、イスラエルとの国交を樹立している。「アブラハム協商」という。
モロッコは巧みだった。モロッコによる西サハラの領有を米国が認めるのなら、イスラエルと国交を正常化してやるよ、とトランプにもちかけ、成功した。
いらい、米国はモロッコの立場を支持するしかなくなったのだ。どうみてもモロッコが「侵略者」であるのに。』