https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR274LB0X20C21A3000000/

『【モスクワ=石川陽平】旧ソ連のベラルーシで27日、独裁的なルカシェンコ大統領の辞任を求める抗議集会に参加しようとした反体制派活動家や市民ら100人以上が治安当局により身柄を拘束された。反体制派は大規模な抗議デモを再開して辞任圧力を強めようとしたが、政権側による厳しい取り締まりで不発に終わったようだ。
反体制派メディアは27日午後に「街頭に戻る」と名付けた大規模な抗議集会を各地で開くよう呼びかけてい…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り514文字
春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!
ログインする
https://www.nikkei.com/login 』
反体制派メディアは27日午後に「街頭に戻る」と名付けた大規模な抗議集会を各地で開くよう呼びかけていた。これに対して、治安当局は「違法な集会だ」として開催の阻止に動き、反体制派の活動家や市民らを国内各地で拘束した。ロシア通信によると、内務省報道官は27日夕、同日の拘束者数が100人以上になったと明らかにした。
ベラルーシの抗議運動は現職のルカシェンコ氏が6選を決めたとされる2020年8月の大統領選直後に始まった。政権側による大規模な不正があったとして、週末ごとに首都ミンスクだけでも10万人を超す抗議集会が開かれていた。ただ、政権による弾圧と厳しい寒さを避け、冬季は大規模な抗議運動は休止されていた。
反体制派陣営は3月25、27の両日に再び抗議運動を盛り上げる戦術だったが、25日も治安当局の厳しい取り締まりで多数の拘束者を出した。ロシアのインターネットメディア「メドゥーザ」によると、25日の拘束者数は約250人に達した。
ルカシェンコ大統領は反体制派を弾圧する一方、今年2月に政財界の代表らが参加する「全ベラルーシ国民会議」を開いて政治危機を乗り切ろうとした。国民会議では憲法改正や新たな議会選、大統領選の実施などを表明した。これに対し、反体制派はルカシェンコ氏には権力を手放す考えはないと批判し、抗議運動を続ける方針だ。