https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2305O0T21C20A2000000
『【ワシントン=河浪武史】バイデン次期米大統領は22日の演説で、新型コロナウイルスのワクチン普及などを目的に「来年初めに追加の経済対策を用意する」と述べた。米議会は21日に9000億ドル(約93兆円)の財政出動を決めたばかりだが「雇用創出へインフラ投資などが必要だ」と強調した。
バイデン次期米大統領は22日の演説で、サイバー攻撃対策を新政権の緊急課題に挙げた(米東部デラウェア州)=ロイター
バイデン氏はクリスマス休暇を前に、地元の米東部デラウェア州で公式演説に臨んだ。「新型コロナ危機が発生し、今年は米国にとって最も厳しい1年のひとつだった」と述べた。「コロナとの闘いで最も暗い日々が待っている」と指摘。感染拡大が止まらず「今後数カ月はさらに犠牲者が増えるだろう」と述べた。
米議会は大型の財政出動を決めたばかりだが、バイデン氏は「頭金」と呼び、「単なる第一歩にすぎない」と述べた。1月20日の新政権発足直後に新たな経済対策を打ち出す考えを表明した。
「今週、議会は役割を果たした。来年、私は彼らに同じことをするよう求める」と強調した。追加対策の優先事項として①3億人の米国民へのワクチン普及②コロナ禍による失業者対策③インフラ投資による新たな雇用創出――を挙げた。家計への新たな現金給付策を含める考えも示した。
21日に議会で可決した経済対策も、失業給付の特例支給などを盛り込んだが、期限は21年3月までと短い。ワクチンが大規模に普及するのは21年半ば以降とみられ、追加の雇用維持策が必要になる。バイデン氏は4年で2兆ドルという巨額のインフラ投資を公約してきたが、今回の対策には含まれておらず、公共投資の積み増しが21年の最大の政策課題となる。
バイデン氏は新政権の緊急課題として「サイバー攻撃対策」も挙げた。3月から12月にかけて、国防総省など複数の政府機関や企業が大規模なサイバー攻撃を受けたとしており、ポンペオ国務長官はロシアによる攻撃だと断定している。バイデン氏は「ロシアの破壊的なサイバー攻撃の過去からすれば、確かに同国の仕業と思えるが、トランプ政権は公式に攻撃源を特定すべきだ」と強調した。』