中国、外資投資の審査強化 「国家安全への影響」評価

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM192SD0Z11C20A2000000

『【北京=川手伊織】中国の国家発展改革委員会(発改委)と商務省は19日、外資企業による投資の審査を強化する規則を公表した。インフラや資源など重要分野で外資が中国企業の実質支配権を握る場合、当局が審査する。「国家の安全に影響する」と判断した場合、投資を認めない。

米国も政府機関の対米外国投資委員会が、中国からの投資の審査を強化している。長引く米中摩擦を受け、中国側も対抗する狙いがありそうだ。

規則は2021年1月18日から施行する。審査対象の投資は2通りある。まずは軍需産業への資本参加や、軍事施設の周辺地域への投資だ。

もう一つは国家の安全に関係する重要分野で、外資が中国企業の株式の過半数を持つなど実質支配権を握る場合だ。具体例として、農産品、エネルギーと資源、重大設備の製造、インフラ、運輸、文化、IT(情報技術)やインターネット関連、金融、核心的な技術を挙げた。中国政府は海外投資マネーを呼び込むため外資開放を進めており、証券会社については4月に外資の全額出資を認めた。

審査は原則60日以内で終えるが、期間中の投資は認めない。投資がすでに完了したケースに対して「国家の安全に影響する」と判断した場合は、期限を決めて株式や資産を処分するよう命じる。

外資企業が株式市場を通じて国家の安全に影響する重要分野に投資した場合の対応は、中国証券監督管理委員会などが改めて定める。

国家の安全を名目に、外資による事業買収や重要施設の取得を規制する仕組みは日米欧にもある。米国は外国投資リスク審査近代化法(FIRRMA)の新規則を2月に本格施行した。

中国の習近平(シー・ジンピン)政権は対外開放をアピールし、外資誘致に積極的な姿勢を示す。近年は、外資参入を制限する分野を定めた「ネガティブリスト」の項目を減らしてきた。一方、今回の審査強化は外資企業の投資に向けた負担を増やすほか、政治的な意向で計画の撤回や既存の投資から撤退を求められるリスクもはらむ。』