https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1128H0R11C20A2000000

『【メキシコシティ=宮本英威】キューバのディアスカネル大統領は10日、2021年1月1日から2種類ある通貨を一本化すると発表した。一本化した通貨を1米㌦=24㌷で固定する。二重通貨制度のために複雑な貿易決済を簡素化し、投資促進につなげる狙いがある。
ディアスカネル氏が国民向けにテレビとラジオで演説した。現在、同国の通貨ペソは、外貨と交換可能で外国人向けの兌換(だかん)ペソ(CUC)と、国内に一般的に流通するペソ(CUP)が共存している。
CUCは米ドルと1対1の等価で固定され、CUPはCUCの約25分の1の価値で取引されている。キューバメディアによると、CUCを廃止し、CUPに一本化される。
二重通貨制度では、観光業に従事する人々や外国に住む親族から送金を受ける人々と、外貨が入手しにくい国民との間で経済格差が広がる一因となっており、社会主義国のキューバで問題となっていた。
キューバ政府は、ソ連崩壊後の1994年にCUCを導入した。2013年10月に二重通貨制の廃止に向けた過程を始めると発表した。CUCでの買い物に対してCUPで釣り銭を渡すなどの対応を段階的に進めてきていた。
この日のディアスカネル氏による国民向けの演説には、共産党第1書記のラウル・カストロ氏も同席した。同氏は、21年4月の第8回共産党大会で公職から退く予定。キューバ政府は、故フィデル・カストロ氏の弟で共にキューバ革命を主導したラウル氏が完全に引退する前に、懸案にけりをつけたい意向だった。
ラウル氏の引退後は、ディアスカネル大統領やマレロ首相を中心とする指導体制に移行していく。』