https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/presidential-election2020/swing-state/





『11月3日投開票の米大統領選で、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領が対決する。米政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の世論調査に基づき、州ごとの戦況と獲得票の見込みを色分けした。共和党が強い「赤い州」と、民主党支持が多い「青い州」は投票前からどちらが勝つかが固まっている。勝ち負けがまだ見えない激戦州が勝敗のカギを握る。結果は予断を許さない。』
『全米50州と首都ワシントンの各州・地域ごとに勝者を決め、各州に割り当てられた選挙人の合計538人の票のうち過半数の270票を得た候補が当選する。ネブラスカ州とメーン州を除く大半の州で、1票でも多く得票した候補が全選挙人を獲得する「勝者総取り」方式を採用する。
データはリアル・クリア・ポリティクスの世論調査に基づく。トランプ氏とバイデン氏のポイント差が小さい激戦州は14州ある。14州のうち多くでバイデン氏が先行している。
選挙のたびに勝利政党が入れ替わる「揺れ動く州」は「スイングステート」と呼ばれる。テキサスやフロリダなど大票田がどちらに傾くかで結果は大きく変わる。
ネブラスカ州とメーン州の選挙人は州全体に2人と、州内の下院選挙区に1人ずつ割り当てられている。』
『各種の世論調査を見てみよう。調査方法に違いがあるため、結果は異なる。
英紙フィナンシャル・タイムズはリアル・クリア・ポリティクスと比べるとバイデン氏の配分がさらに多い。直近の結果がより反映されやすい計算方法をとっている。
州ごとの精緻な選挙分析で定評のある「クック・ポリティカル・リポート」もバイデン氏が過半数を上回るとみる。過去の大統領選データの傾向を踏まえて数値を補正している。』
『リアル・クリア・ポリティクスの世論調査で米国全体の支持率を見てみる。バイデン氏がトランプ氏に9.4ポイント先行している。
2016年の前回大統領選前の世論調査ではクリントン元国務長官がほぼ一貫してトランプ氏を上回っていたが、トランプ氏は最終的に勝利した。結果と世論調査にズレが生じた要因として、最終盤で激戦州のトランプ氏支持が増えたことや、トランプ氏を支持する学歴の低い層を世論調査で捉えにくかったことが挙げられている。クリントン氏を支持すると答えていた黒人が実際の選挙で投票率が低かったとの分析もある。
バイデン氏は副大統領候補にジャマイカ系の父親とインド系の母親を持つ移民2世のカマラ・ハリス上院議員を起用した。多様性を重視する姿勢を打ち出して黒人など少数派の票固めにつなげる狙いがある。バイデン氏が民主党支持層の黒人や女性の票を確実に獲得できるかが注目されている。』