AOKI、娯楽がスーツ超えへ カフェなど22年度利益逆転

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『紳士服大手のAOKIホールディングス(HD)がスーツ依存の経営からの脱却を急ぎ始めた。ネットカフェなど娯楽業の出店を増やし、2023年3月期の営業利益でスーツを超える稼ぎ頭に育てる。はるやまHDも理容店やクリーニング店がある複合型の店を倍増する。新型コロナウイルスの流行でスーツ離れは加速し、既存の店舗を活用し生き残りを図る。

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AOKIHDの6月末時点のスーツ販売店は639店と前年同期に比べ22店減った。一方「快活CLUB」などのネットカフェやカラオケ店「コート・ダジュール」、フィットネスクラブなど娯楽業の店は114店増の629店。ほぼスーツ店に並んだ。21年3月期中には初めてスーツ店を上回る見込みだ。

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クールビズの普及などで縮小が止まらないスーツなどファッション事業に比べ、娯楽産業の利益率は相対的に高い。20年3月期の営業利益率はファッションの2.9%に対し、娯楽系は4.5%だった。

店舗の運営人員が少なくて済むなど、事業コストが低いためだ。新型コロナの影響が直撃した4~6月期はいずれの事業も営業赤字だったが、娯楽事業の売上高販管費率は19%。店舗販売が中心で多くの接客人員が必要なファッション事業(69%)との差は大きい。

ネットカフェなどは郊外にある広いスーツ店を転用しやすい。国道沿いなど好立地が多いのも利点だ。新型コロナで不要不急の外出抑制は続くが、コストがかさまない娯楽事業の出店を増やし、23年3月期には娯楽業でスーツ事業を上回る営業利益を得る戦略だ。

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AOKIHDの取り組みの背景に、消費者のスーツ離れがある。クールビズの定着や服装のカジュアル志向の影響を受け、総務省の19年の家計調査(2人以上の世帯)で、スーツの総支出額は4716円。00年のおよそ半分だ。

AOKIHDの衣料品売上高も983億円(20年3月期)と、5年間で13%減った。21年3月期は新型コロナの影響で在宅勤務が広がり、スーツを着る機会は一段と減っている。紳士服各社はスーツに頼る経営からの脱却が急務になっている。

はるやまHDはスーツ店内に理容店やクリーニング店、マッサージ店など生活に密着した業態を入れた「ほっとひと息ステーション」を23年までに現在の2倍の100店まで増やす。

はるやまHDは19年に複合店の展開に着手。岡山県など地方中心に約50店を運営する。店舗の有料会員は散髪やクリーニングの料金で割引を受けられ、スーツなど店内の商品を1割引きで購入できる。

治山正史社長は「来店しやすい郊外店で多角的なサービスを提供したい」と説明。スーツ販売を軸としつつ生活に身近な業態を組み合わせ、来店頻度を高める狙いだ。

青山商事も複合店を増やす。スーツ売り場を縮小し、フランチャイズチェーンで展開する飲食店「焼肉きんぐ」や、100円ショップ「ダイソー」など出店。同社では現在の800店のうち、約50店舗が複合店だ。19年には米フィットネスジム「エニタイムフィットネス」を併設した店舗も出した。

もっとも、カフェや焼き肉といった外食産業は、参入が容易で価格競争が激しい。利益率は4%程度とされる。業界の平均的な利益率はフィットネスも3~7%、カラオケ関連も8%ほどとされる。スーツより利益は確保できるものの、産業界の中では総じて低い。

新型コロナの流行の長期化も影を落とす。来店者が互いに距離を置いて感染リスクを抑えるため、外食店やフィットネスクラブは新型コロナの流行前のように多くの人数を受け入れられない。

青山商事は「コロナ収束後は必ず需要が回復する」とみており、7月に出店を再開。9月以降も既存店への併設を続ける方針だ。エニタイムとの複合店は22年に50店体制に増やす戦略だが、集客が想定に届かない可能性もある。

市場は各社の「脱スーツ依存」戦略にはなお懐疑的だ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は20年3月期に169億円の最終赤字だった青山商事が黒字転換するには、22年3月期までかかると予想する。異業種の拡大で活路を見いだす紳士服業界の戦略が奏功するかは、依然として見通しにくい。

(堺峻平)』

※ スーツ需要半減じゃ、業態の転換を図らない限り、生き残っていけないだろう…。さらに、コロナで、在宅勤務となれば、スーツなんか着用してZoomとかする人は、何割いるんだ…。

※ AOKIHDの財務諸表を、ちょっと調べた…。

※ こんな感じ…。なかなか、厳しいものがあるようだ…。