※ そう聞いても、あまり知らない人が殆んどじゃないか…。世間的には、あまり有名とは言えないからな…。
※ しかし、この会社は、その時その時の「社会状況」「経済状況」に応じて、収益の柱となる事業を見つけ、自らの姿を変えて、生き延びてきた「見本」みたいな会社なんだ…。
※ そういうことで、紹介しておく…。

※ 直近5年間の損益計算書だ…。まあ、率直に言って、それほど売上が伸びているわけでも無いし、利益をたたき出しているわけでも無い…。

※ セグメント構成は、こんな感じ…。「セラミックス事業」というものが、6割近くで、収益の中心なんだな…。「プロセステクノロジー事業」というものが、次の大きな事業のようだ…。「エレクトロニクス」と「電力関連」事業が、1割くらいを占めているようだ…、というような感想しか持てない人が殆んどだと思う…。
※ そこら辺の話しが分かるためには、「この会社の歴史」というものを調べる必要がある…。





※ 後で出てくるが、社名にもなっている「ガイシ(がいし)」とは、送電線なんかで見かける、「絶縁体」のことだ…。それから、これも後で詳しく説明するが、NAS電池とは、電力事業において「電気を貯蔵する」ために使用する「二次電池」の一種だ…。


※ これも知らない人が殆んどだと思うが、例のディーゼル車で問題になるPM(パーティクル・マター、早い話しが煤(すす)だな)を除去する「ハニカム構造」の除去装置だ…。この製品分野では、この会社は「シェア・トップ」なんだよな…。
※ そこまでは、オレも知っていたが、「高精度NOxセンサー」というものは、知らんかった…。そういうものも、開発・製品化に成功していたんだな…。



※ ここいら辺は、全く知らんかった…。知識が、「PM除去装置」までで、更新されていなかったな…。
※ 半導体の製造過程で使用する、そういう製品群のようだ…。


※ 半導体製造過程だけにとどまらず、様々な製造過程で使用できる「セラミック」を使用した「製品群」であるようだ…。「放射性廃棄物の処理装置」で使用されるものもあるようだ…。
※ こういう「製品群」も、知らんかった…。
※ 「金属」では具合が悪く(食品なんかだと、味に影響が出たりする…)、さりとて「耐久性も高い」というあたりを、狙っているんだろう…。




※ お定まりの「研究開発」だ…。既に、事業化されたものもある…。そのうちの一つが、先に紹介した「チップ型セラミックス二次電池」の「エナセラ」シリーズというわけだ…。



※ 最初は、日本全国を電化していく課程での、送電線に使用する「ガイシ」の国産化事業から出発した…。あの「ノリタケ(そう言っても、知らん人が多いか…)」から、分離独立した会社だったんだな…。

※ 戦後は、「ベリリウム鋼」というものに、注力していた時期もあったようだ…。

※ 折からの「モータリゼーション」の波に適応して、「ハニカム構造」の「PM除去装置」の開発に成功した…。


※ バブルは崩壊し、社会全体も、もう「右肩上がり」の成長は無い…、ということになり、それに適応して行くことを迫られた…。それで、そういう社会でも「売れていく」製品を開発・製品化して行った…。

※ そういう姿の一つが、「エレクトロニクス事業」であり、「プロセステクノロジー事業」である…、ということなんだろう…。
※ もちろん、いつでも「順風満帆」というわけには、いかない…。時には、激しい逆風に見舞われ、「会社存亡の危機」という緊急事態に陥ることもある…。
※ この会社が襲われたのは、「NAS電池」の「発火・火災事故」だ…。

『ナトリウム・硫黄電池(ナトリウム・いおうでんち、英: sodium-sulfur battery)とは、負極にナトリウムを、正極に硫黄を、電解質にβ-アルミナを利用した高温作動型二次電池である。NAS電池(なすでんち)またはNAS(なす)とも呼ばれる。特に大規模の電力貯蔵用に作られ、昼夜の負荷平準や、風力発電と組み合わせ離島での安定した電力供給などに用いられる。ちなみにNAS電池は日本ガイシの登録商標である。』
『特徴と用途
長所
従来の鉛蓄電池に比べて体積・質量が3分の1程度とコンパクトなため、揚水発電と同様の機能を都市部などの需要地の近辺に設置できる。また出力変動の大きな風力発電・太陽光発電と組み合わせ出力を安定化させたり、需要家に設置して、割安な夜間電力の利用とともに、停電時の非常時電源を兼用できる。また構成材料が資源的に豊富かつ長寿命[1]、自己放電が少ない[1]、充放電の効率も高い[2][1]、量産によるコストダウンも期待できる[1]などの長所を併せ持つ。
短所・課題等
常温では動作しないため、ヒーターによる加熱と放電時の発熱を用いて、作動温度域(300 ℃ 程度[1])に温度を維持する必要がある。充放電特性が比較的長い時間率(6 – 7時間[1])で設計されている。また現状では、一定期間内に満充電リセットの必要がある[1]。
火災事故を起こした場合、通常の水系の消火薬は金属ナトリウムと反応してしまうため使用できない(乾燥砂等を用いる)。このため一般の消防では火災への即応が難しい。』
『βアルミナ固体電解質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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βアルミナ固体電解質(ベータアルミナこたいでんかいしつ、英: Beta-alumina solid electrolyte、BASE)とは、イオン導電体材料(固体電解質)で、半透膜として複数の溶融塩電解質電池に使用される。代替品は知られていない。
概要
β-アルミナは酸化アルミニウム (Al2O3) の同素体ではなく、ナトリウムを含んだ酸化アルミニウムを酸化アルミニウム同素体と誤解して命名されたものである。通常は、Na2O-11Al2O3 の組成で知られ、結晶やセラミックスとして得られ、固体でありながらナトリウムイオンが移動できるため、固体電解質と呼ばれている。Na+、K+、Li+、Ag+、H+、Pb2+、Sr2+ または Ba2+ のイオンなどが移動する。
構造は、アルミナブロックが作る二次元の層間にナトリウムイオンが分布し、その層間をナトリウムイオンは高速で移動する(超イオン導電性)。アルミナブロックの重なり方により、β-aluminaとβ”-alumin(βダブルプライムアルミナ)の2種類が存在する。
BASEはフォード自動車が電気自動車のバッテリーとしてナトリウム・硫黄電池(NaS電池)を開発する過程で最初に開発した。NaS電池は陽極に硫黄、陰極にナトリウムを活物質として使用する。β-アルミナは高温でナトリウムイオン伝導性を持つので電解質として使用される。300℃ で作動し、両極とも液体であるが、電解質は固体である。内部抵抗は低く保たれ NaS電池は優れた特性を示す。充放電により継続的に使用できる。その後、日本ガイシなどが定置用の大規模蓄電池として研究開発を行い、NAS電池の名称で商品化に成功した。既にいくつかの商業施設では停電対策や負荷平準化に用いられている。最近では、太陽光や風力などの自然エネルギーの欠点である、電力出力の変動を吸収する平準化用として、あるいは夜間電力を蓄電し昼間のピーク需要時に放電するピークシフト用として注目を浴びている。β-アルミナ固体電解質の性能、耐久性がナトリウム硫黄電池の鍵を握っているといっても過言ではない。
ZEBRA電池にもβ-アルミナ固体電解質が用いられる。その場合、350℃、200MPa の高温高圧化で使用される。電解質の厚みはわずか 1.25mm である。低価格で10年間の耐久性を要求される。電気自動車の場合だと振動、急激な負荷変動充放電にも耐える必要がある。多くの場合ゾルゲル法で製造される。
BASEはアルカリ金属熱電変換機 (AMTEC) にも使用される。AMTECは高効率の直接熱から電気に変換する素子である。BASE膜を透過する時に発電する。BASEはいくつかの溶融炭酸塩型燃料電池でも使用される。』
『事故
国内では今までに2件の火災事故が発生している。 2010年(平成22年)2月15日午前7時40分ごろ、日本ガイシが製造し、高岳製作所小山工場に設置されたNAS電池で火災が発生した[3]が、納入品が特別仕様だったため、更なる安全性留意の上NAS電池の生産と販売を続けていた。
2011年(平成23年)9月21日午前7時20分ごろ、日本ガイシが製造し、三菱マテリアル筑波製作所に設置された東京電力所有のNAS電池で2例目となる火災事故が発生した[4]が、こちらは普及タイプの製品だったため急遽全納入先事業者に連絡を取り「NAS電池利用の蓄電システムの使用停止」を要請、代替システムを持たない事業者には「運転中の厳重監視」付きでの継続使用をやむをえず認めた。
第三者による事故調査委員会の火災原因究明報告と事故対策がまとまるまで、日本ガイシはNAS電池の生産を当分停止する事となったが、2012年(平成24年)6月から操業を再開した[5]
事故原因は、製造不良の単電池(セル)が溶融し、それが隣接する単電池 → モジュール全体 → 隣接するモジュールへと延焼していったことにあった[6]。』
※ ということで、そもそも、NAS電池を動作させるためには、300℃くらいの温度を保つ必要がある…。
※ それで、製造不良品を出してしまい、それが原因で発火・火災事故になってしまった…、という話しだ…。
※ しかも、今回調べて初めて分かったが、消火活動に「水系」を使用できないんだな…。「乾燥砂」で覆って、酸素を遮断する必要があるようだ…。
※ そういうことで、会社というものは、何度も何度も「危機」に襲われるものだ…。
※ その都度、「後始末」を行って、それでも「前を向いて」、「次のことを考えて」進んで行くしかないんだ…。