〔中国関連〕

南シナ海・台湾巡り米批判、中国国防相
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62403350X00C20A8EAF000/
『北京=羽田野主】中国の魏鳳和国防相と米国のエスパー国防長官は6日、電話協議をした。魏氏から南シナ海と台湾の問題を取りあげ「誤った言動をやめるべきだ」と伝えた。中国国営の新華社が同日伝えた。

2019年6月、G20サミットが開かれた大阪で握手するトランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席(AP=共同)
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南シナ海を巡ってはポンペオ米国務長官が7月に中国と権益を争う東南アジア諸国への支持を明確にし、従来の中立的な立場を転換して介入を強める姿勢を鮮明にした。

同じ時期に原子力空母2隻を中心とする空母打撃群を派遣して演習するなど積極的な行動にでている。

中国軍も軍事演習をくり返して反発する態度をみせているが、米軍からの圧力に危機感を募らせているとみられる。魏氏は「海上でのリスク管理を高めて、情勢を悪化させる危険な行動を避けるべきだ」と主張した。』
『アザー米厚生長官が9日から台湾を訪問する予定で、議題に上った可能性がある。トランプ米大統領の名代として蔡英文総統と会談する。

新華社によると、エスパー氏は「両国関係が緊張しているときは米中両軍の対話を維持し、危機を管理しよう」と話したとしている。ポンペオ氏は中国共産党の政治体制を非難する一方で、エスパー氏は年内の中国訪問に意欲を示している。

米国防総省のホフマン報道官によると、電話協議は90分間に及んだ。エスパー氏は中国の新型コロナウイルスに関する情報や対応を念頭に「透明性を高めるべきだ」と要求。南シナ海や台湾の情勢を取り上げて「中国による不安定化を招く活動」に懸念を伝えた。エスパー氏が意欲を見せる年内の訪中についても意見を交わしたとみられる。』

中国対外融資が膨張
途上国へ強まる支配力、重債務68カ国向け4年で倍
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62377480W0A800C2MM8000/


『中国の対外融資の膨張ぶりが明らかになった。債務の重い発展途上国68カ国向けの貸し付けは2018年末までの4年間で倍増し、世界最大の開発援助機関である世界銀行に肩を並べた。融資が政策やインフラ運営を縛る「債務のワナ」(総合2面きょうのことば)が途上国を覆い、国際秩序も揺るがす。』
『「香港の情勢を批判するのは中国への内政干渉にあたる」。中国が統制強化のために施行した「香港国家安全維持法」を巡り、6月末の国連人権理事会で53カ国が中国を支持した。中国批判の声明に加わったのは日本を含む27カ国にとどまり、ほとんどは先進国だ。

米メディアのアクシオスによると、中国を支持したのはキューバやパキスタン、カンボジア、アフリカ諸国など。王族支配の中東産油国や強権政治の国を除くと、中国が開発資金の融資などで支援する国が名を連ねた。

中国がこのほど世銀を通じて初めて開示した途上国68カ国への融資状況。18年末の残高は1017億ドル(約10.7兆円)に達した。4年間で1.9倍に急増し、世銀(1037億ドル)に迫った。この間、世銀は4割増、国際通貨基金(IMF)は1割増にとどまった。

中国の融資は金利が高い。20年の期中平均の債務残高をもとに計算すると、融資期間が比較的短いにもかかわらず平均3.5%となり、IMFの0.6%や世銀の1%を大きく上回る。

途上国は専制国家も多く、IMFなどから融資の条件として財政規律などを迫られるのを嫌う傾向が特に強い。金利が高くても中国を頼るのは、こうした制約が少ないためとみられる。

68カ国のうち14カ国が国内総生産(GDP)の1割を超える額を中国から借り入れ、アフリカ東部のジブチでは39%に達した。5%以上に達した26カ国をみると、過半数の14カ国が国連人権理事会で中国支持に回った。

米欧は中国が膨大な融資で途上国への影響力や支配力を強めるのを「債務のワナ」と呼んで警戒してきた。中国は広域経済圏構想「一帯一路」を掲げて鉄道や港湾の建設資金を融資し、中国国有企業の受注などで自国の経済や外交、安全保障上の利益も得る。返済に行き詰まったスリランカは17年、主要港湾を中国国有企業に99年間もリースする事態に陥った。

中国一辺倒を見直す動きもあり、アフリカ南西部のアンゴラはIMFからの37億ドルの融資対象になった。世銀とIMFは途上国への融資が中国への返済の原資に充てられるだけになることには警戒を続けている。

融資の実態が明らかになったのは新型コロナウイルスがきっかけだ。途上国が債務危機に陥ったり、医療予算の減少で感染爆発を招いたりする懸念が強まり、4月の主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で返済猶予に合意。各国が抱える債務の実態把握が必要になり、中国も国別の情報を開示した。

68カ国は返済猶予の対象国で、重い債務を抱える小規模な国が多い。

G20では債務免除まで議論が進む可能性がある。これまで危機のたびに日米欧の主要国を中心とするパリクラブ(主要債権国会議)が途上国救済の枠組みを決めてきたが、最大の貸し手である中国抜きで議論を進められなくなった。香港問題などを巡る米欧と中国の対立がさらに深まれば、途上国債務での協調に影を落とす恐れもある。

中国は融資を通じて人民元の国際化も探っている。米調査会社ユーラシア・グループは「米ドルで貸した途上国向けの債務を、一部免除する代わりに人民元建てに切り替える案が中国国内で浮上している」と指摘した。

1944年に開かれたブレトンウッズ会議はIMFと世銀の設立を決め、ドルの基軸通貨としての地位も認めた。それから70年以上続いた米国主導の国際金融秩序が中国の挑戦を受けている。』