7大業界「コロナ後の世界」をコンサル脳で総予測!生存戦略を一気読み
https://diamond.jp/articles/-/240921
『アパレル業界を解説したローランド・ベルガーの福田稔パートナーは、コロナ禍によって業界の構造的問題があらわになったと指摘する。すなわち、バブル期以来の大量生産、大量消費モデルが生み出した、大量の過剰在庫の問題だ。

直近のデータで言うと、需要が約14億点であるのに対し、供給は29億点に上る。需要の倍以上のアパレル製品が市場に投下され、大量の過剰在庫を生み出している。年間ざっと15億点に上る過剰在庫は、半分程度が廃棄されているのが実態だ。そして平時から在庫を抱えてきた企業は、コロナ禍の販売急減でさらに多くの在庫を抱え、資金繰りにも大きな打撃を受けた。』
『外食業界を解説したA.T.カーニーの関灘茂代表は、業界の慢性的な収益力の低さを指摘した。この収益力の低さは、アフターコロナに外食から中食、内食へと消費行動が変化すると、さらに企業業績が落ち込む要因になる。

そこで関灘代表が一つのヒントとして示したのが、「ゴーストレストラン」と呼ばれるビジネスモデル。実店舗を持たずキッチンのみを備え、テークアウトや宅配の利用に特化している。通常のレストランに比べ、人件費や店舗の賃料、設備の減価償却費を軽減できる。既存の外食企業が、自社の業態を丸ごとゴーストに転換するのは非現実的だが、複数の業態ポートフォリオの一つに加えることは検討に値するだろう。』
『小売業界を解説したベイン・アンド・カンパニーの堀之内順至パートナーは、「超利便性重視」などアフターコロナの消費行動のニューノーマル6カ条を挙げた。この時代を生き抜く手本を示しているのが、米国の老舗百貨店メイシーズだと指摘している。

メイシーズは近年、着実にデジタル化を進めている。2019年度の売上高に占めるデジタル比率は26%(前年度比3ポイント上昇)で、およそ4分の1を占めた。幾つかの戦略が奏功し、メイシーズはアパレルECとしては、アマゾン・ドット・コムやGapなどを抑え、全米で売り上げトップとなっている(18年)という。』
『金融業界を解説したベイン・アンド・カンパニーの斎藤英明パートナーは、アフターコロナの金融セクターではデジタル化への対応が企業の優劣を分けるとみている。

メガバンク最大手の三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は従来店舗で行っていた窓口業務を、インターネットバンキング・アプリに移行していく方針。これにより店舗数も23年度までに17年度比4割減らす方向だ。アフターコロナで社会全体に対面回避の動きが広がる中、こうしたデジタル化の取り組みは業界各社の急務になりつつある。』
『不動産業界を解説したA.T.カーニーの向山勇一プリンシパルは、東京都心のオフィスビルで急激に空室が増えると予測する。近年の不動産業界の成長をけん引してきたのは、オフィスと商業施設を複合させた都心部の再開発プロジェクト。収益源は「高額のオフィス賃料」であり、高額な賃料の大前提は「旺盛なオフィス需要」だった。それがテレワークの定着で逆回転するという。

すでに広告代理店やインターネットサービスといった業界で、テレワークの本格導入やそれに伴うオフィス解約の動きが明らかになっている。こういった動きを積み上げただけで、都心オフィスの空室率は今後1~2年で3~4%に悪化する見通しだ。中期的には前代未聞の水準もあり得るという。』
『電機業界を解説したベイン・アンド・カンパニーの西脇文彦パートナーは、電機業界ではコロナ禍により、サプライチェーンの脆弱さが浮き彫りになったと指摘する。1980年代から進めてきた生産拠点の海外シフトは、自動化とデジタル化の技術を駆使して見直しを行うことが戦略として重要だ。

コロナ危機はグローバル規模で発生しているので、どこかの国の稼働がシャットダウンするとサプライチェーン全体が止まってしまう恐れがあることが顕在化した。特に、米国と中国が寡占している部分があるので、今後は、その分散が進むだろう。』
『自動車業界を解説したローランド・ベルガーの高橋啓介パートナー、山本和一プリンシパルは、アフターコロナでは移動の大激変が起こると指摘した。30年の乗用車の生産台数は、移動パターンに大きな変化がない現状維持の状態が続けば、最大1億1000万台まで増加すると予測できる。

しかし、移動の変化の度合いによっては、最悪の場合、生産台数は足元から25%減少し、6000万台にまで落ち込むことを覚悟しなければならない。自動運転機能が搭載されたモビリティが実用化され、電動化されたロボットタクシー等が市場に浸透すれば、自動車の「所有から利用」への流れがいや応なしに進んでいくとみられる。』
※「コンサル脳」なるものが、どういうものなのか、よく分からない…。
しかし、一定のデータから、「将来を予測する」ものであるようだ…。
自らも、「ある程度の幅」を持たせて「予測している」ことからも分かるように、「このシナリオだったら、こう…。こっちのシナリオだったら、こう…。」といった感じで、予測していくものなんだろう…。
そうすると、あくまで、その予測を支えている「データ」は何なのか、その「データ」から一定のシナリオ・予測を引き出している「論理」は何なのか…、その「確度」はどの程度のものなのか…、といったことが問題となるだろう…。
いずれにせよ、「鵜呑み」にせず、あくまで「参考にする」もののようだ…。
もちろん、「反対する」場合は、その論拠をキチンと示す必要があるが…。