独ワイヤーカードが破産申請 不正会計で債務超過

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60793430V20C20A6MM8000/

『同社は当初、強気の姿勢を貫いてきたが、監査法人が現金の存在が確認できないと通告したことが不正会計疑惑を高める契機となった。ドイツの検察当局は19日に退任したマークス・ブラウン前最高経営責任者(CEO)を、売り上げなどを水増しした疑いがあるとして逮捕していた。

ワイヤーカードは銀行団と融資の継続などについて議論を進めていたが、巨額の現金が失われるなか、債務超過に陥ることは避けられず、破産申請する必要があると判断したもようだ。最新の財務情報(19年9月末)によると、同社の債務規模は46億ユーロ(5520億円)となっている。

ワイヤーカードの破産申請で、監査法人やドイツの金融当局にも厳しい視線が注がれそうだ。同社の不正会計疑惑は英紙フィナンシャル・タイムズが19年1月に報じていたが、それから1年半もの間、監査法人も監督当局も十分な対応をとれていなかったことになる。独金融当局は同社の株価下落に対して空売り規制に踏み切るなど、支援とも受け取られかねない動きをみせていた。

ドイツでは近年、ディーゼルの排ガス規制を巡る不正や米司法省によるドイツ銀行への巨額の制裁金などの企業統治を巡る問題が繰り返されている。ドイツ主要30銘柄(DAX30)にも入ったワイヤーカードの破産申請はドイツ企業全体への信頼を揺るがせかねない。』