株式相場に「二番底」が来ないワケ 編集委員 川崎健
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59397370R20C20A5EN1000/


『この経験則に従って、投資家の多くは二番底の到来をじっと待っているフシがある。個人投資家にも広く知られている「二番底は黙って買え」という相場格言に従い、多くの投資家は底値で買い出動するタイミングをうかがっている。
それでも投資家が待つ二番底が来ないのはなぜか。「ひと言でいえば、今回のコロナショックでは景気の底がいきなりみえてしまったからだ」。SMBC日興証券の圷(※圷(あくつ)とは、川沿いの低湿地のこと。対義語は塙(はなわ)。転じて日本の地名、苗字となる。苗字としては茨城県に非常に多く分布している。『ニコニコ大百科』より)正嗣チーフ株式ストラテジストはいう。』
『通常の景気後退局面では底がみえるまで1年前後の期間がかかり、底がみえないうちは財政や金融政策も小出しになりがちだ。いわゆる「催促相場」で株価もその間下げ続ける。
だが今回は異質だ。新型コロナの感染拡大を止めるために各国は経済を人為的に凍結し、景気は崖から落ちるように一気に悪化。同時に各国は財政・金融政策を最大限発動したのだ。「景気の底がみえてその対策がしっかりと打たれれば、景気がいかに悪くなろうと株価はそれ以上下がらなくなる」。圷氏は指摘する。』
『市場参加者の多くは、08年のリーマン危機時の株価の推移と今回のコロナショックを重ね合わせながら、この先の推移を予想しているとみられる。リーマン危機時は08年11月の一番底をつけた後、09年3月に二番底をつけた。仮に同じパターンなら今回は7月ごろには二番底が来るという予想になる。
一方、今回の相場急落局面は一番底、二番底という段階的な下げではなく、3月23日につけた安値で大底を入れたと考えれば、リーマン危機時の09年3月の二番底と今回の3月の底を重ねるほうが適当だ。その前提でチャートを重ねれば、今の戻り相場はリーマン危機時の09年3月の二番底形成後の相場をそのままたどっているようにみえる。』
『もちろんこのまま順調に相場が戻りを試し続けるかどうかは予断を許さない。各国が経済再開を急ぎすぎれば新型コロナの第2波が懸念されるうえ、米中間の対立が再びヒートアップしているのも気がかりだ。
だが弱気派は、待っても落ちてこない株価に焦り始める頃合いだ。バンク・オブ・アメリカの調査によると、機関投資家の保有現金比率は4月に5.9%、5月に5.7%と01年の米同時多発テロ以降では最も高い水準だ。弱気派があぶり出されるように株に資金を向け始めれば、二番底はさらに遠のくことになる。』
※ 名だたる機関投資家の間では、「弱気派」が優勢のようだ…。しかし、現実には、各国が「財政規律を無視して」巨額の財政対策を打ち出し、ちょっと様子を見ているうちに、「経済活動も再開してしまった」(見切り発車的な部分はあるが…)ので、「二番底」的な「下げ」局面が到来するキッカケを失ってしまった…、という感じか…。
「緊張緩和進む」 ストレスマップで見る世界市場 市場ストレスマップ(5/22)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59433530S0A520C2000000/

※ こういうものも、あったんだな…。知らんかった…。時々は、見ておいた方がいいのか…。

※ 今週の日経平均のチャート…。先週下げた分は、取り戻した形だ…。まあ、「横ばい」というところだろう…。みんな、「様子を見て」いる…。それでも、75日線に25日線・15日線が、じりじりと近づいて行っている…。見切り発車的にでも、「経済活動再開」の情報が広まれば、クロスすることもあるんじゃないか…。それでも、「再び感染拡大!」の情報で、直ぐに「下げる」だろうが…。そういう、「危うい相場」が、当分は続くんじゃないか…。