アングル:行き場失ったクルーズ船、マニラ湾に群れなし停泊
https://jp.reuters.com/article/cruise-ships-manila-idJPKBN22Q0RG
『フィリピンの国際海事協会のトップを務めるホゼ・アルバ―・カトー氏は、サッカー場を縦に2つ3つつなげたくらいの長さがあるクルーズ船が、大挙してマニラ沖にいることに特に驚きはないと語る。
クルーズ船の乗員はフィリピン国籍が多く、マニラ湾に客船が集結するのは合理的だという。
カトー氏はロイターに対し、「(1隻につき)乗員の30─40%がフィリピン人だ。ここで待てば、船の所有者はかなりコストを抑えられる」と語った。』
『クルーたちはロイターの取材に対し、退屈している、寂しい、すぐ近くにある家に帰れないことに苛立ちが募ると明かしたが、それでも快適な部屋で過ごせることを幸運に思っていると語った。ほかの場所で隔離期間を過ごすフィリピン人帰国者が、もっと過酷な環境に置かれていることを知っているからだ。
航海中なら自分が掃除する部屋で寝泊まりしているマイケルさんは、「みんなそれぞれスイートルームをあてがわれているんだ。まるでお客さんになったみたいだよ」とおどけてみせた。
ビデオチャットで取材に応じたマイケルさんは、「ここにいる方が安全だと感じる。清潔さと衛生において、クルーズ船の基準は高い」と語った。』
『船舶の位置を追跡する「マリントラフィック」のデータを見ると、5月8日の時点で378隻のクルーズ船が確認できる。移動中の客船もあるが、多くはカリブ海、地中海、大西洋や南シナ海に集団で停泊している。』
『クルーの下船を遅らせることに根拠がないわけではない。CDCによると、2月に日本の横浜に長期停泊した「ダイヤモンド・プリンセス」は712人が陽性反応を示した。陽性だった乗客のうち47%は検査時には無症状だったが、最終的には9人が死亡した。
CDCは、条件を満たしたことを明記する書面に運航会社がサインをすれば、症状のみられないクルーを下船させることを許可している。クルーを公共交通機関に乗せることなく、自宅もしくは次の任務地まで送り届けることなどが条件になっている。』







