リモートワークは出世のチャンス スキル発揮のコツは

※ 引き続き、この人が書いているテレワーク関連の記事だ…。「テクニカルスキル」「ヒューマンスキル」という観点から、斬っている…。

『在宅によるリモートワークが進む中、生産性の向上が進みつつあります。会議時間が短縮され、意思決定が早まり、コミュニケーションが簡素化されることで、明らかに濃い仕事ができるようになったという人もいるでしょう。

とはいえ、全員が生産性を高めているわけではありません。中には、朝PCを立ち上げてから何もしないまま昼を迎えてしまった、という人の声も多数聞きます。』
『その第一の理由としては、作業環境が整っていない、ということがあげられます。

たとえば、自宅のネット回線が遅かったり、そもそも自宅にネット回線を引いていないからスマートフォンのテザリング機能で対応せざるを得ない、という人もいます。

また別の人は、会社のセキュリティーのためのVPN(仮想私設網)が重くてデータのやりとりそのものができないと嘆いたりしています。そもそも会社側も従業員分のVPN用のIDを取得していないので、順番に使うよう指示している場合もあるようです。』
『生産性が低くなる理由の二つ目に、うまくコミュニケーションがとれない、ということがあります。

たとえば複数のメンバーで進めなければいけない作業の場合、事前情報共有のためのチャットやWEBミーティングの調整とちょっとしたやり取りだけで、30分以上もすぎてしまっていることもあります。

少しだけ話を聞きたいような場合にも、そばにいれば「ちょっといいかな」と声をかけられれます。けれどもリモートの場合だとチャットツールで確認するか、あるいはメールでのやりとりになります。しかし相手がチャットやメールに気づかなければいつまでも返事がありません。そこでも時間のロスが発生します。

顔が見えないからということで、とにかくミーティングを先に入れておく人も増えています。受ける側も15分程度なら、と思い気軽に了承するのですが、気が付けばスケジュールがほぼすべてWEBミーティングで占められてしまっていた、なんて状態になったりします。』
『このような状態が引き起こされる原因は、仕事に求められる基本的なスキルが変化しているからです。スキルの変化を理解するために、アメリカの経営学者、ロバート・L・カッツが定義した区分で考えてみましょう。』
『カッツは、最も具体的で身近なスキルとして、特定の方法、プロセスや手順などへの理解と習熟を意味する「テクニカルスキル」を挙げています。外科医、ミュージシャン、会計士、エンジニアなどに求められる重要なスキルであり、有形無形を問わず、モノを軸として価値を生み出す能力をあらわしています。』
『カッツは次に、グループの一員として効果的に作業し、協力体制を構築するためのスキルとして「ヒューマンスキル」を挙げています。その中には、場の雰囲気をうまく醸成する、というものまでも含んでいます。つまり、共同で作業を進めるために必要なあらゆるスキル、と言い換えてもよいでしょう。』
『これらのスキルについて、発揮する目的はどんな時代にも変わりません。しかし発揮するための方法が変わってしまっていれば、これまでと同じような働き方はできません。それがまさに今起きている変化です。』
『リモートワークはテクニカルスキル、ヒューマンスキル、それぞれの発揮方法を大きく変えてしまいました。

たとえば資料作成について、自分のパソコンに保存しているファイルを、自分のパソコンにインストールしているOAソフトを使って加工する、ということについて習熟していたとします。しかしリモートワークでは、ファイルはクラウド上にあってアクセスの都度ネット回線を通す必要があり、OAソフトも都度ダウンロードして使うような状態だとしたら、加工に手間をかけていられません。
となるとリモートワークに向いた作業の進め方は、詳細な情報を詰め込んだ資料作成ではなく、要点をしぼったシンプルな資料作成になりそうです。それが、テクニカルスキルの発揮方法の違いです。』
『ヒューマンスキルの発揮においても、対面での視覚、聴覚、空気感までを含めたやりとりから、それらのいずれかが欠けた状態でのやりとりに変わることになります。だとすると、伝えたいことは同じであっても、そのために取るべき行動は大きく変わっていくわけです。』

『このような変化に直面すると、多くの人はとまどい、否定的に感じてしまうことが多いようです。特に変化が大きいほど人は変化そのものを否定しがちです。(そのことについては以前の記事「定年の日に固まらない 人事変革に勝つ社員5つの行動」にも記しました)

けれども、単なるスキルの発揮方法の違いであれば、習得してしまえば問題にはなりません。考えてみれば私たちはこれまでも、スキル発揮方法の変化に数多く直面してきました。

たとえば計算という方法は、筆算から算盤へ、算盤から電卓へ、電卓から表計算ソフトへと移り変わりました。そしてその変化のタイミングにおいて戸惑う人もいました。けれども、習得しさえすれば今まで以上に価値を発揮できるようになったわけです。

テクニカルスキルにしても、ヒューマンスキルにしても、発揮することによって生まれる価値に変わりはありません。ただリモートワークに適した発揮方法を習得する必要が生じただけなのです。

だとすれば、いち早く発揮方法を習得した人から、新しい状況に対応できるようになってゆくのは自明のことです。

状況を少し前向きにとらえてみるだけで、変化は私たちに新しいキャリアのチャンスを与えてくれるのです。』