※ その1、その2までは、実は「前振り」だった…。タイトルに掲げた「不安な個人、立ちすくむ国家」という標題は、経産省の「次官・若手プロジェクト」なるものが発表した.pdfが、元になっている…。
日本の社会システム変革は「出口・入口・場」に注目(『不安な個人、立ちすくむ国家』まとめ)
http://hiah.minibird.jp/?p=2680
ここのサイトで、紹介されていたものだ…。
不安な個人、立ちすくむ国家 ~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~
https://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf (※ リンク、切れていたようなんで、直した)
※ この.pdfは、昨今、政権側から盛んに流されるようになった、「全世代型社会保障」とか、「子育て世代に手厚い社会保障」とかの出発点になったような資料だ…。さらには、マスコミでも、盛んに喧伝されるようになった、「シルバー民主主義の是正」とかの出発点になっているような資料だ…。
「全世代型社会保障」とか、「子育て世代に手厚い社会保障」とかは、「消費税増税の錦の御旗」になった観すらあるからな…。
それで、見つけた時から注目して、画像もキャプチャしたりしていた…。全部で65ページもあるものだが、見といてソンは無いと思うので、是非自分で全部見ておくことを、オススメする…。
オレの投稿では、その中から一部を、抽出して紹介しておく…。


※ こういう「変化のただ中にある世界・社会の現状」を、「液状化する世界」と表現している…。

そういう「潮流」を、人々は「正確に認識すること」はできないが、そういう「流れ・動き」は敏感に感じるから、「漠然とした」不安に駆られたり、「はけ口の無い」不満を覚えたりするわけだ…。


※ かつて(昭和の時代)は、人生にはモデルみたいなものがあった…。ちょうど、すごろくや「人生ゲーム」みたいに、「何才頃には、こんな感じ…。」というイメージがあった…。そして、みんなで、そういう「人生すごろく」を、上がって行った…。「選択肢」も、それほど多様では無かった…。
しかし、「人生」は、「世界」は、「液状化」してしまった…。

※ これを、「社会全体」という観点から見ると、「規律」や「規範」がどのような形態で、「個人」を律していたのか…、という観点から斬ることができる…。
せっかく、「大いなる自由」が個人に与えられるようになったんだが、「それゆえの不安」という構図だ…。

※ それで、問題意識として、我が国の種々の「社会保障政策」は、本来、自分の人生を「豊かに」していくべき「個人の選択」を、歪めてしまっている点が多々あるのではないのか…、という視点を提示している…。




※ 定年後、日がな一日テレビを見て過ごしている…、としても、「個人の自由」「個人の選択」なんだから、それはそれで「うらやましい話し」なのでは…。「生き甲斐」も、その人その人の「個人の話し」なんだから、政府が、国家が、そういうものを提供すべき義務があるようなものじゃ、無いのでは…、とも思うがな…。
※ しかし、まあ、政権担当者からすれば、そういう「優雅な生活」を支える「年金財政」「社会保障政策」は、到底、持続可能なものではないんだよ…、と言いたいのだろう…。
※ 次に、「高齢者に手厚い(手厚すぎる…)社会保障」の一例として、「終末期医療」につぎ込まれる「医療費」のことを、取り上げている…。



※ 「医療は、病気を治せるが、老化や老衰は、治せない。」ということは、真実だろう…。しかし、そういう現実を、本人や家族がどの程度受入れ可能なのか…。性急にではなく、時間をかけて、徐々に「社会的なコンセンサス」を形成していくべきだろう…。
※ そういう、「高齢者偏重の社会福祉」に比較して、「母子家庭」や「子供の貧困」には、世間の風は冷たい…、と問題提起する…。




※ まあ、確かにそういう「統計」を取ってみれば、そうなんだろう…。
※ しかし、ここで言っていないこともあるぞ…。第一に、「税率」の問題だ…。「社会福祉」は、どこまで行っても、「財源」の問題に突き当たる…。メニューとしては、3個しか無い…。「高福祉・高負担」「中福祉・中負担」「低福祉・低負担」だ…。ここで叩かれている(昨今、マスコミにも、そういう風潮があるが…)「高齢世代」は、戦後の「高度経済成長」社会に貢献し、文字通り「身を粉にして」働いてきた世代だぞ…。そして、営々として、「年金」の掛け金を積み立てて来た世代だ…。「手厚い果実」を受け取って当然…、とも言えるんじゃないのか…。
第二に、これはあまり大きな声では言えないことだが、上記の「高福祉・高負担」国家の中には、「移民政策」に舵を切った国家も、含まれていると思うぞ…。そうすると、伝統的な「国家観」「社会観」「家族観」は崩れて行き、否応なしに、対応の政策的な手当てを迫られる…。
今回の「コロナ騒ぎ」も、そういうものと、全く「無関係」と言えるのか…、今後の重要な検討対象(課題)だと思うぞ…。



※ ここら辺の問題意識が反映され、「全世代型社会保障」とか、「子育て世代に手厚い社会保障」とかという話しになってきているわけだ…。
※ それから、「生きがい」や、「豊かな人生」との関係で、「インターネットメディア・ソーシャルメディアの特徴」みたいなものも分析している…。


※ 「操作されるリスク」なんてのは、「テレビ」「新聞」なんかは、その最たるものだろう…。そっちの「弊害」は頬っ被りで、「インターネットメディア」だけ叩いても、何の説得力も無いな…。

※ 「不確実な社会を明るく生きていける人間」を作るための、方策だ…。昨今の、「プログラミング教育」なんかも、こういう問題意識から出てきているんだろう…。
※ ついでだから言っておくが、「プログラミング教育」とは、「プログラミングを教育する」のでは無く、「プログラミングで教育する」ということだそうだ…。
※ どういうことかと言うと、必ずしも「プログラミングができるようになること」が目標なのではなく、「プログラミング的な思考力を培うこと」が目標なんだそうだ…。
※ 例の、問題処理における「フローチャート」みたいな話しだよ…。だから、小学校の先生も、安心してね…、ということだ…。
※ ということで、地方の、「パソコン教室」なんか、全く整備 されていないような小学校でも、えんえんと、そういう「フローチャート」が書かれている教科書と、黒板に貼られた「チャート図」を使って、「プログラミング教育」なるものが、展開されるんだろう…。そこに、「プログラミング」が、あるのか…。

※ ということで、高齢化社会の「フロントランナー」である日本は、アジア各国にその「お手本となるモデル」を提供して行く、「歴史的使命」があるんだそうだ…。
※ それと、この資料を出して来たのが、「経産省」である…、ということにも、ちょっと注目しておいた方がいいだろう…。昨今の、安倍政権内の経産省出身官僚の重用と、つながっている話しなのかもしれない…。