https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54840170U0A120C2EA2000/

「新型コロナウイルス肺炎、習近平の指示はなぜ遅れたのか?」
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200124-00160069/
※ 遠藤誉氏の記事だ…。中国発の「公式の情報」と言うものが、どういうものなのかが、よく分かる記事だと思うので、紹介しておく…。
『まず最も注目しなければならないのは、ウイルスの発生源が野生動物なども売っていた海鮮市場(華南海鮮卸売市場)だということである。
今のところ感染源として注目されているのはタケネズミとか蛇などだが、この海鮮市場では100種類以上の野生動物を売っていて、1月22日の北京の地方紙「新京報」は、そのメニューと価格表一覧を掲載した。
以下に示すのは、そのメニューと価格表である。』
『メニューによれば、タケネズミや蛇だけでなく、アナグマ、ハクビシン、キツネ、コアラ、野ウサギ、クジャク、雁、サソリ、ワニ……など、野生の動物が「食品」として日常的に売られているようだ。
それも調理して売るとは限らず、生のまま売ったり、目の前で殺したり、中には冷凍して宅配するというサービスもある。』
『問題は、このような野生動物を食べ物として売ることが許可されているのか否かということだ。
実は野生動物の捕獲や摂取を取締る法律はいくつもあり、特に2003年のSARS(サーズ)発生以来、さまざまな規制が試みられてきた。
たとえば「野生動物保護法」(第二十九条、第三十条)や「陸生野生動物保護実施条例」という観点や「食品安全法」あるいは刑法(第三百四十一条)においてさえ、さまざまな規制を設けている。
この野生動物メニューの中に、合法的なものもあるかもしれないが、100種類も供されていれば違法性のあるものも含まれているだろう。その入手方法となると、「養殖が許されている野生動物」もあれば「捕獲自身が禁止されている野生動物」もあり、ましていわんや「食べていい野生動物」となると数が限られる。
このような野生動物を食していること自体に違法性もしくは犯罪性がある。
そこで武漢政府の当局は、今回の新型コロナウイルスによる肺炎の発症を、できるだけ外部に漏らさないようにしたことが考えられる。』
『中国では3月5日から日本の国会に近い機能を持つ全人代(全国人民代表大会)が始まるが、それと同時(一般に2日前から。会期は同じ)に開催される全国政治協商会議の二つを「全国両会」と称している。その前に各地方の全てのレベルにおける「両会」が開催され、おおむね春節前には終わるようになっている。
武漢市は湖北省にあるが、省レベルの「両会」は今年1月12日から17日まで開催されることになっていた。この湖北省両会における審議結果は、3月6日以降の各省レベル分科会において、習近平国家主席も参加して北京の人民大会堂で報告されるのである。
そのような「神聖な」湖北省両会を汚すわけにはいかない。
そこで武漢市政府は湖北省政府にも北京の中央政府にも、知られないように画策したと考えていい。』
『ではなぜ中央政府・北京の知るところとなったのか。第一段階は「上海」の働きにある。』
『2019年12月26日、上海市公共衛生臨床センター科研プロジェクトが通常のサンプル収集として、プロジェクトの相手である武漢市中心医院と武漢市疾病制御センターから発熱患者のサンプルを入手し、精密に検査した。その結果、2020年1月5日に上海市のセンターは、この病原菌が未だかつて歴史上見たことのない「新型コロナウイルス」であることを突き止めた。』
『それでも湖北省政府は両会を開催し、「たしかに病例はあったが、問題は解決していますので大丈夫ですから」という無言の偽装メッセージを北京に送った。』
『しかしさすがに北京は疑わしいと思ったのだろう。第二段階として、1月19日に中国政府のシンクタンクの一つ中国工程院院士(博士の上のアカデミックな称号)である鐘南山氏率いる「国家ハイレベル専門家グループ」が武漢市の現状視察にやって来た。そこで現状を把握した一行は、その日の内に北京に引き返し、中央に報告したという。』
『こうして習近平の知るところとなり、20日に習近平が「重要指示」をやっと発布することになったわけだ。それを境に中国国内はパニックに突入。』
『もっとゾッとする話を最後に付け加えておこう。』
『1月17日まで湖北省両会があったとはいえ、1月5日から19日までの空白期間がどうも気になったので、さらに詳細に調べたところ、1月21日に、武漢市で湖北省春節祝賀演芸会が開かれていたことを知った。』
『湖北省政府や武漢市政府の上層部が全員参加したとのこと。おまけに舞台の出演者の中には新型コロナウイルス肺炎の疑いがある症状を来たしている者が数名いたという。それを押して、動きの激しい演技をさせたと中国のネットでは激しいバッシングが見られる。これだけ多くの人が武漢市の劇場に集まれば感染も広がるだろう。』
『それでも強行したのは、又しても繰り返すが、「新型コロナウイルス肺炎だと判明はしたが、武漢市の肺炎はすでに解決し、コントロールされているので、問題はありません」と偽装したかったものと判断される。そのため湖北省政府や武漢市政府の指導層がずらりと顔をそろえた。』
『しかしさすがに北京は今度は騙されず、1月23日に武漢市に対して封鎖令を発布した。武漢市民は一切武漢から外に出てはならないことになってしまったのだ。それを事前に察知した市民の中には封鎖令が発布される直前に上海などに脱出した者もいるという。その数、数千とも数万とも言われている。』
『注意すべきは「封鎖令」を出せるのは中央政府だけだということである。
どんなに武漢政府や湖北省政府が姑息な偽装工作を行っても、その運命は見えている。
それにしても、「北京に対する保身のためなら全世界を恐怖に巻き込んでも平気」という考え方の恐ろしさと愚かさよ。一党支配体制でピラミッド型に命令系統が徹底されているように外からは見えるかもしれないが、中央と地方の連携が如何にお粗末かということの証しの一つでもある。14億人もいれば統率に漏れが出て来ることもあろうが、中国の病根を見る思いだ。
中国のもろさは、実はこんなところにもあるのかもしれない。』

武漢市は、交通の要衝らしい…。北京、上海、広州、重慶、成都へ2時間足らずで、行くことができる…。

感染者は、周辺のアジア各国で、発見されている…。

折から、春節の休暇中だ…。のべ30億人が、移動するらしい…。

急遽、病院も「建設中」らしい…。
どういうことに、なるのかな…。
新型コロナウイルス感染症の現状と評価(2020年1月21日現在)
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200121-00159703/
[FT]新型肺炎、世界に広がる警戒感
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54793370U0A120C2I00000/
新型肺炎死者26人に 中国、春節連休で全土警戒
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54782770U0A120C2MM0000/
新型肺炎(※ 日経、記事まとめURL)
https://www.nikkei.com/theme/?dw=20012202&n_cid=DSBNHE