世の中、オイシイ話しで騙されることが跡を絶たない。
それで、そういう話しを聞いたとき、考えるべきことをまとめておく。
1、前にも言ったが、日本の一部上場企業の配当利回り(出資に対する配当の割
合、配当率)が、年平均で2.4%くらいだ、ってこと。
一部上場企業と言ったら、日本の大企業の代表だ。
上場廃止の代表的な基準は、
「・時価総額
10億円未満の場合、9か月以内に10億円以上とならないとき、又は、上場株式数
に2を乗じて得た数値未満である場合において、3か月以内に当該数値以上とな
らないとき
・債務超過
債務超過の状態となった場合において、1年以内に債務超過の状態でなくならな
かったとき
・売買高
最近1年間の月平均売買高が10単位未満、または、3か月間売買不成立」と言っ
たものだ。
「債務超過」というのは、会社の総資産額(全部の資産の額)よりも総債務額
のほうが多い状態になってるということだ。要するに、帳簿上(貸借対照表って
のを作って、資産と債務の額を常に把握し、世間にも公開することになってる。
これを誤魔化したりするのが、「粉飾決算」だ。特別背任罪で、懲役刑食らった
りすることになる)。平たく言えば、会社の全財産を売却しても、借金の全額を
返済できない可能性があります、ということだ。
東芝の場合も、一時これになるんじゃないかってのが騒がれて、稼ぎ頭だった
メモリ部門(「東芝からNAND(※ フラッシュメモリのこと)がなくなると、その
営業利益の70ー90%近くがなくなる計算になる。残りはもはやカスである。」と
いう評価もあったんだよ)を泣く泣く売却して、何とか上場廃止を免れようとし
たんだよ。しかも、猶予期間が1年間だしな。
そういう厳しい上場基準を満たしている、日本を代表する企業(世界的にも、
有数の企業だ)の稼ぐ力が、年に2.4%の配当率だぞ。
これを上回る利率を提示して、儲け話しを持ちかけてきた場合、「それって、
どういうビジネスモデルですか? 」って話しだろ?
2、儲け話し、オイシイ話しをされた場合、オレがいつも思う(考える)ことは、
「そんなにオイシイ話し(儲かる話し)なら、あなたが自分でやったらいいでし
ょ? それが確実な話しなら、銀行もお金を貸してくれるはずのものでしょ? 」
ってことだ。
「カボチャの馬車」「スマートデイズ」の場合も、「月に25万の家賃保証で
す!30年間保証です!絶対、確実です!」と言われたとき、『そんなに確実な
儲け話しなら、なんで他人に勧めんだろ? スマートデイズ社自身が、銀行から金
を借りてやったらいい話しなんでは? そうできない、何かの訳があるのか? 」
と考えなきゃな。
3、世の中に「ローリスク、ハイリターン」なんてものは、無い!!!
あるのは、「ローリスク、ローリターン」か「ハイリスク、ハイリターン」なも
のしか、無い。当たり前の話しだ。当然の話しだ。
しかし、欲に目がくらんでいると、錯覚してしまう。また、嵌めようとしてる
ヤツは口が上手いしな。そういうヤツの儲け話しは、聞かないことだ。君子危う
きに近寄らず、だ。
4、それから、「先物には手を出すな!!!」だ。
デリバティブ(「金融派生商品」)とか、言葉を飾ってみたところで、先物は
先物だ。しょせんは、現物を離れて将来の現物の価格を当てっこするもの、とい
う本質は変わりがない。当たった場合は、勝ちだが、ハズレタ場合は、負けにな
る(丁半バクチと、本質において同じだ)。
「証拠金」を積めば参加できるんで(参入障壁が低いんで)、負けるとドデカい
損失を蒙ることになる。身上を潰すことにもなる。
時代小説にも、「相場でやられて、身上潰しました」話しは、よく出てくるだ
ろ?江戸時代にも、小豆相場とか、米相場とかあったんだよ。
FXも、先物の一種だ。為替相場(ドル円とか、ユーロ円とか)の先物の取り
引きを小口化したものだ。取り次ぎ業者は、これを何口かまとめて市場に取り次
いでいる(売買の注文を、出している)。悪質業者だと、「呑んで」いる。「こ
りゃ、到底当たらないね。」と考えた場合は、顧客の注文を取り次がず(市場に
売買の注文を出さず)に、「ハズレました。」ということにして、処理する。そ
ういういい加減なものなんだよ。顧客は、どうやって業者が本当に売買の注文を
出しているのか、確認のしようがないだろ? 事故が生じない限り、発覚しないん
だよ。
仮想通貨の交換業者も、似たところがある。先頃問題になったコインチェック
にしても、「顧客の注文を、呑んでたのでは?」という疑惑がネット上では話題
になってたぞ。「いや、特にそれは、問題がない。」と必死で援護の論陣を張っ
てたヤツもいたがな。
ともかく、「先物には、手をだすな」だ。
これから、ドンドン「フィンテック」とか囃し立てて、今までになかった魅力
的な新商品だと称するものが登場するだろう。
しかし、「分からない(理解できない)ものには、手を出すな!!!」だ。
これが、鉄則だ。
オイシイ話しを聞いたとき、考えるべきこと
