大人になるZ世代、社会動かす影響力

大人になるZ世代、社会動かす影響力 イスラエル氏
パクスなき世界 バンク・オブ・アメリカ グローバルストラテジスト
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67526370R21C20A2EA8000

『経済や社会における世代間格差は米金融市場「ウォール街」でも避けて通れない課題となっている。1990年代後半以降に生まれた「Z世代」に関する分析をまとめたバンク・オブ・アメリカのグローバルストラテジスト、ハイム・イスラエル氏に変化との向き合い方を聞いた。

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――分析した背景を教えてください。

「我々は気候変動やイノベーションなど、長期的に世界に影響を及ぼす事象を調査している。30ほどのテーマを網羅し、その一つがZ世代(96~2016年生まれ)だ」

「これまでは我々の子供として制御できていたが、もはや子供でなく大人になる境界線上にいる。実家を出て職を得て実体経済に関わり始めた。今こそ注目すべきときだ」

――どんな発見がありましたか。

「彼らの考えや行動はその上の世代とまるっきり異なる。人生設計に極…

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・人生設計に極めて保守的で、お金を使わず借金もしない。社会でどう役に立つかという意識がとても強い」

・「驚いたのはZ世代が自分自身を『世界の一市民』と認識している点だ。特定の国の国民と思っていない。異文化や他国に隔たりなく対応する。SNSで日常的に様々な国の人と接しているのを思えば開かれた意識を持つのは当然で、魅力的な発想だ」

・――富や社会認識の世代間格差の広がりにどう向き合うべきでしょうか。

・「Z世代はオンラインの世界に生まれた。新型コロナウイルス収束後の、デジタル化が進んだ世界を迎える準備がすでに整っている。経験を求め、SNSのなかで意味のある生き方をしたがる。オンラインでの飽きは早く、次々と経験を消費していく。ジーンズはポーズを取り、素晴らしい写真を撮るために買う。常に外部にさらされていると認識するのは極めて大事だ」

・「ESG(環境・社会・企業統治)に関する初の本格的な投資家となるのがZ世代だろう。我々やその上の世代のように企業の価値を時価総額やEPS(1株当たりの利益)でみない。企業が環境や社会に関して良い足跡を残せばZ世代は評価する」

・――Z世代の台頭は社会をどう変えるでしょうか。

・「我々の分析を読んだ顧客は圧倒されていた。年を取れば親に似てくるというのがこれまでの慣例だったが、いまは上の世代が新しい世代に合わせるという現象が起きている。金融分野でいえば、Z世代が興味を持つESG投資への注目が高まっている。企業は変化に対応できなければ存続できない」

・「Z世代の収入は劇的に増え、30年までに現状の5倍となるだろう。コンピューターに向き合い、マウスをクリックして行動を起こす『クリックティビスト』だ。その影響は計り知れない。ESGや社会的な課題認識はますます日常に根付いていくだろう」

(聞き手はニューヨーク=大島有美子)