巨大IT解体論者を補佐官に 競争政策担当―バイデン米大統領

『【ワシントン時事】バイデン米大統領は5日、国家経済会議(NEC)のテクノロジー・競争政策担当の大統領特別補佐官に、コロンビア大のティム・ウー教授を起用したと発表した。ウー氏はデジタル市場を独占する巨大IT企業の解体を唱える厳しい主張で知られており、バイデン政権下で規制論議が加速する可能性もある。
 ウー氏はオバマ政権で連邦取引委員会(FTC)顧問などを務めた経歴を持つ。インターネット上の全てのデータを平等に扱うべきだとする「ネットの中立性」を提唱。「GAFA」(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)に代表される巨大ITを批判し、反トラスト法(独占禁止法)の強化を主張している。』

Google、ネット広告の制限強化 個人の閲覧追跡させず

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN037UI0T00C21A3000000/

 ※ 「デバイスフィンガープリント(DF)」、知らんかった…。

 ※ 『閲覧サービス(ブラウザー)の種類や設定、ハードディスクの空き容量、図形の描画機能、カメラの種類などの複数の要素を事件検証の指紋(フィンガープリント)のようにつかって分析する。個人名などを集めなくても9割以上の精度で特定できるとされる。』

 ※ サイトにアクセスするだけで、それだけの情報を「渡している」わけなんだな…。

 ※ それで、「個人を、ほぼ特定される。」とか、薄気味悪い話しだ…。

『【シリコンバレー=奥平和行】米グーグルがインターネット利用者の閲覧履歴を追跡する技術の使用制限を強化する。広告会社などが一人ひとりの情報を使って広告を配信する技術を排除する方針だ。米アップルもプライバシー保護を強化しており、配信対象を絞り込むターゲティング技術を高度にすることで成長してきたネット広告の転機となりそうだ。

グーグル幹部が3日、公式ブログで「ウェブサイトを横断して個人を追跡する代替技術を開発したり、こうした技術を当社製品で使用したりしない」と表明した。

【関連記事】
ネット広告、寡占加速も Googleが閲覧追跡の制限強化

同社はウェブ閲覧ソフト(ブラウザー)「クローム」で、広告会社などウェブサイトの運営企業以外が行動追跡に使ってきた「サードパーティークッキー」への対応を2022年までに止めることを決めている。中止後も利用行動を捕捉して関連する広告を配信する「デバイスフィンガープリント」といった代替技術が広がることを不安視する声もあり、制限対象を広げたようだ。

ターゲティング広告は利用企業の支持を得てきたが、技術が高度になり消費者の間で「行動を盗み見られているようだ」などといった不満が高まっていた。

一方、広告の精度が下がり、ネットの無料サービスが成り立たなくなる懸念もあった。アップルがブラウザーの「サファリ」でサードパーティークッキーの使用をいち早く制限するなど規制で先行する一方、ネット広告事業への依存度が高いグーグルはプライバシー保護と広告の効率を両立する技術の開発を進めてきた。

具体的には、一人ひとりの閲覧履歴をブラウザーに搭載した人工知能(AI)で解析し、似た趣味や嗜好を持つ数千人を同じグループにくくって広告の配信に活用する技術を開発した。個人を特定しない仕組みで、月内に試験を開始。4月にはクロームで利用者が新技術を受け入れるかどうかを決められるようにする。

アップルもターゲティング広告に対する規制を強める。こうした取り組みによりプライバシーが守られる一方、多くの利用者情報を握る大手IT(情報技術)企業によるネット広告の寡占が一段と進むとの見方もある。

サードパーティークッキーとは

ターゲティング広告に使う手法で、インターネットの使い手の嗜好などを把握するのに使う。広告会社などホームページの運営者と異なる第三者が提供し、異なるホームページ上の特定の広告を誰が見たかを分析する際などに活用される。
こうした手法はインターネットを見た際に自分の好みに合った商品の広告が自動で表示される半面、消費者が不快に感じるケースがあった。
欧州を中心とする世界的なデータプライバシー規制の強化などを背景に、米グーグルなどインターネットを見るための閲覧ソフト(ブラウザー)を提供する企業はプライバシー保護の観点からこうしたクッキーの手法の制限を強化している。

デバイスフィンガープリント(DF)とは

ユーザーのネット上の行動を、スマートフォンなど端末の動作環境を手掛かりにして追跡する技術のこと。閲覧サービス(ブラウザー)の種類や設定、ハードディスクの空き容量、図形の描画機能、カメラの種類などの複数の要素を事件検証の指紋(フィンガープリント)のようにつかって分析する。個人名などを集めなくても9割以上の精度で特定できるとされる。

ユーザーがネットを閲覧すると、訪れたサイトの運営者やネット広告を出す企業のサーバー内に、そのユーザーが訪問した記録が使用機器の特徴とともに残される。DFはその痕跡をたどることで閲覧状況などを把握する仕組みだ。好みのサイトの内容などから趣味や嗜好を分析できるため、広告配信に利用されることも多い。

似た追跡の仕組みに「サードパーティークッキー」があるが、同仕組みは米グーグルも含めて使用機器の設定変更で使えないようにする動きが強まっていた。今回、グーグルはDFについてもクッキーの代替技術と見なし制限の対象に加える。

【関連記事】
Google、脱「クッキー」加速 4月から広告主と試験運用

多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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福井健策
骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士
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ひとこと解説 巨大ITに富と力が集中するにつれ、各国では厳しい目が増しています。それは、①犯罪抑制やプライバシー保護への責任、②利益誘導のない透明な運営、③収益の公正な分配、を求める声だと要約できるでしょう。

今回の対策は、この①を進めるものでしょうが、その結果プラットフォームが広告で優位に立つとすれば、②の透明性や公正競争が危うくなります。

「神は細部に宿る。」 実際にとられる対策の「細部」を見極め、人々にわかりやすく伝える報道の役割は、大きいですね。

2021年3月4日 8:13いいね
14

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山崎俊彦
東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授
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分析・考察 この記事でも指摘されているように、無料で様々なサービスを利用できるメリットは広告モデルの上に成り立っています。広告はいつの時代も自社製品・サービスを知ってもらう上でとても大事なもの。多くの人がイメージする以上に広告にはコストが掛けられています。今後、例えば自分の情報をある程度提供する代わりに無料、そうでなければ課金というようなサービスも増えてくるのかもしれません。

2021年3月4日 7:43いいね
23

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梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター
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分析・考察 IT大手への規制論をかわす経営戦略でもあります。「儲かることを何でもやる→人々の反発を買う→人々が選んだ政治家が規制を強める→成長力を落とす」。企業と規制はこのサイクルの繰り返しです。かつて大儲けしてMBAが殺到していたウォール街の投資銀行も、2008年のリーマン・ショックを経て誕生したオバマ政権の金融規制のあとは成長力を落として人気もなくなりました。バイデン政権下の今、規制の焦点はIT産業です。

2021年3月4日 7:53 (2021年3月4日 8:17更新)
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村山恵一
日本経済新聞社 本社コメンテーター
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別の視点 ネット広告はネット経済を動かす強力なエンジンとして機能し、進化してきました。大量のデータを収集・分析し、精度の高いターゲティングが実現しています。しかし、技術的に可能だからといって、社会的にどこまでも許されるわけではないーー。そんな「技術利用のブレーキ」という論点を含んだ動きと感じます。

2021年3月4日 8:01いいね
4

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グーグルに記事使用料要求、インドでも 新聞協会が主張

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM26DH80W1A220C2000000/

『【ムンバイ=早川麗】インド新聞協会は26日までに、米グーグルがネットサービスで表示する記事について使用料を払うよう要望する書簡を同社に送った。記事内に表示する広告収入のうち、新聞社側への配分を85%に増やすことも求めた。記事の対価を巡っては欧州やオーストラリアでグーグルなどネット大手と報道機関・政府が対立しており、インドでも反発が強まってきた。

グーグルのインド法人でカントリーマネジャーを務めるサンジャイ・グプタ氏宛てに、新聞協会の会長名義で書簡を送った。協会側は「新聞社が何千人もの記者を雇用し、取材活動や情報の真偽確認にコストを費やしたニュース記事に、対価を払うべきだ」と主張した。

そのうえで、グーグルが契約した報道機関に対価を支払い、利用者が記事を無料で読める新サービス「グーグル・ニュース・ショーケース」を欧州やオーストラリアで始めたことを引き合いに出し、インドの報道機関にも対価を求めた。

さらに「ネット広告収入における新聞社の取り分が減っている」と指摘し、記事内などに表示する広告の収入のうち85%を新聞社に配分するよう要求した。現在の取り分は明らかにしていない。新聞社に提出される広告収入のリポートについて透明性を高めることも求めた。

インドにはヒンディー語やベンガル語、英語など多様な言語の媒体がある。日刊紙だけで約9800紙に上り、発行部数は合計で2億5000万部を超える。世界的に新聞や雑誌などが減少傾向にあるなか、インドは紙媒体の発行部数や売り上げが伸びている数少ない国でもある。

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米国 デジタル課税の「適用除外」案を撤回 G20会合

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR26DPB0W1A220C2000000/

『【ウィーン=細川倫太郎】20カ国・地域(G20)は26日、財務相・中央銀行総裁会議をオンラインで開催した。懸案のデジタル課税をめぐっては、米財務長官として初参加のイエレン氏が、トランプ前政権が提案していた「適用除外」と呼ばれる事実上の骨抜き案の撤回を表明。難航していた交渉を一歩前進させ、米国の変化を印象づけた。

2021年のG20はイタリアが議長国を務める。会議後、記者会見したフランコ経済・財務相…

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会議後、記者会見したフランコ経済・財務相はデジタル課税の議論は行き詰まっていたとしたうえで、「米国の新しい立場はとても重要で、合意を促すものになるだろう」と評価した。7月に伊北部ベネチアで開くG20の財務相・中銀総裁会議で合意をめざすという。

デジタル課税では、グーグルやフェイスブックなど巨大IT(情報技術)企業が集積する米国が一貫して後ろ向きだった。トランプ前政権は19年末に「セーフ・ハーバー(適用除外)」と呼ばれる、企業が課税ルールを適用するか否かを選択できるようにする案を提案。各国は「形骸化が目的だ」と反発していた。

ただ、経済協力開発機構(OECD)を軸とした国際ルールづくりが進展するかは、なお予断を許さない。米国が国際課税への協議に復帰したのは、共通の「最低税率」を定め、国内の法人税率を引き上げたいのがねらいとの見方がある。米国がどこまで議論に関与するかは見通しにくく、日欧には不安視する声も多い。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの復興も議論の中心となった。景気回復の期待感から米国で長期金利が上昇し、早期の金融引き締め観測が浮上している。ただ、世界経済はまだ「脆弱で不安定だ」(フランコ氏)と判断し、財政出動や金融緩和を早急に撤回するのは避けることで合意した。

途上国へのワクチンの公平な分配で結束することでも一致した(アフリカ・セネガルの首都ダカール)=ロイター
経済や社会への打撃が深刻で、ワクチンの分配も遅れている途上国の支援を続けていくことでも一致した。一案として浮上しているのは、国際通貨基金(IMF)によるSDR(特別引き出し権)の加盟国への配分だ。ドルなど現実の通貨に交換できる実質的な通貨で、外貨が不足した国の資金調達の手段になる。ただ、一部の国には慎重論も強く、具体的な金額までの議論には至らなかった。

アフリカなどが抱える膨大な債務についても協議した。債務不履行が相次げば世界に信用不安が波及しかねない。20年11月のG20首脳会議では、途上国の債務の返済猶予を21年6月まで延長する措置を了承した。今回の会合では、さらなる延長までの結論には到達しなかった。

デジタル税、7月合意視野 米が歩み寄りへ方針転換―G20

『【ワシントン時事】イエレン米財務長官は26日、バイデン政権発足後初めて参加した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、大手IT企業を対象としたデジタル課税をめぐり、「骨抜き案」の導入を主張していたトランプ前政権の方針を転換すると表明した。国際的な協議の進展へ歩み寄りを示したことで、7月の合意が視野に入った。
「バイデン」シフトに本腰 貿易摩擦解消へ、陣営とも接触―EU

 米グーグルやアマゾン・ドット・コムといった大手IT企業への課税ルールは、経済協力開発機構(OECD)が中心となって策定作業が進められている。しかし、米国が「米企業が狙い撃ちにされる」(ムニューシン前財務長官)と抵抗して協議が難航。国際合意の期限は半年遅れの2021年半ばに延長された。
 焦点だったのが米国が導入を主張した「セーフハーバー」(企業の選択制)と呼ばれるルールの扱い。新たな課税制度の適用を企業の判断に委ねる実質的な骨抜き条項だが、イエレン氏はこの日の会合で撤回する意向を示した。』

[FT]インド「デジタル税」強化、対米摩擦の火種に

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2559E0V20C21A2000000/

『インドが外国IT(情報技術)企業に対する世界有数の厳しい課税を打ち出し、バイデン米政権との対決に向かっている。

インドのモディ政権は2月、2020年4月にデジタルサービスを対象として導入した税率2%の「平衡税」の改正を発表した。アナリストらによると適用範囲を拡大する内容だ。

電子商取引(EC)から動画ストリーミング配信に至るまでを網羅する課税は、16年にデジタル広告を対象に導入された同種の6%の課…

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電子商取引(EC)から動画ストリーミング配信に至るまでを網羅する課税は、16年にデジタル広告を対象に導入された同種の6%の課税、通称「グーグル税」に続くものだ。

平衡税の改正は、米IT(情報技術)企業を押さえ込もうとして論争を引き起こしているインド政府の大胆な動きの一環だ。国会審議中の厳格なデータ保護法案から、ツイッターなどソーシャルメディア上のコンテンツ規制まで取り組みは多岐にわたる。

だが、トランプ前米政権の最終盤に「最も明確な形での不公平」とみなされた平衡税の改正は、米国との貿易摩擦の危険をはらむ。新たな課税は米国による報復措置の可能性を高め、農産物からハーレーダビッドソンの大型バイクまで、広範な分野で悪化した貿易関係の改善を図るバイデン政権下の取り組みを阻害する恐れがある。

「スリラー作品を見ているようだ。数週間おきに展開が変わる」と話すのは、インド政府系の財政政策研究所(NIPFP)のスランジャリ・タンドン助教授だ。

他国より範囲が広いインドのデジタル税

世界中の各国政府が現在、ニュースメディアに対する影響力や納税額など、巨大IT企業が国内社会で果たしている役割について詳しく調べている。

進出先の各国で大きなビジネスをしながら、本社機能を海外に置いて課税を逃れていると批判を浴びたフェイスブックやグーグルなどの企業への課税に関して、インド政府はいち早く積極姿勢を取った。

デジタル課税の国際ルールをめぐる経済協力開発機構(OECD)での協議が進展しないことに業を煮やし、インド政府はいち早く動いたのだ。英国、フランス、イタリアも独自のデジタルサービス課税を検討している。

「歳入を増やせば問題は解決すると考えているのか、あるいは独自に全当事者を交渉テーブルに着かせるための方策とも捉えることができる」とタンドン氏は言う。「後者に関しては十分にうまくいっている。そもそも平衡税がかけられていなかったら、インドは今ほどの交渉力を得ていなかったはずだ」

各国のデジタル税について調査した米通商代表部(USTR)はインドの平衡税について、他国より範囲が広いとしている。USTRによると、課税される公算が大きい119の企業のうち86社が米企業で、各社のコンプライアンス費用は数百万ドル(数億円)に達するという。

アナリストらは、バイデン米大統領がトランプ前大統領の強硬姿勢を貫くかどうかは不透明だと受け止めている。トランプ氏はフランスのデジタル税導入を受けて、同国からの高級輸入品に25%の報復関税をかけた。

印法律事務所ニシス・デサイ・アソシエーツで国際税務責任者を務めるメイヤッパン・ナガッパン氏は「(編集注、報復関税をかけたら)より解決が困難な問題になる」と話す。

同氏によると、平衡税の適用対象は年間売上高2000万ルピー(約2900万円)超の企業と広範でハードルが低いため、規模の小さい企業はインドから離れる可能性があるという。

「その種の企業は裁判所に訴えたりしない。単純にインドに来なくなるだろう」

「拠点なくても経済活動あれば課税」の論理

インドは現在、米シリコンバレーとの力関係を変えようとしている。例えば、インド国内で続く農民デモに関連するコンテンツの削除をめぐり、要求に従うことを渋るツイッターと対峙している。

インド政府は論争を呼んでいるオーストラリアの新たなメディア法案にも関心を持ち、モディ首相が先週、モリソン豪首相と法案について話し合った。

インドにとって、外国IT企業がもっと税金を払うことは急務だ。14億人が暮らすインドは所得が向上するなかでスマートフォンの普及が進み、ECからクラウドサービスまでビジネスが活況を呈している。

しかし、インドは慢性的に徴税率が低く、さらにコロナ禍が深刻な歳入不足につながり、状況は一層悪化している。

インド政府によると、20年4月~21年1月の平衡税による税収はほぼ150億ルピーで、導入時16年度の34億ルピーから大きく増加している。

法律事務所BMRリーガルのマネージングパートナー、ムケシュ・ブターニ氏は、政府の観点から見ると平衡税導入の論理は「非常にシンプル」だと指摘する。

「ある企業が経済活動をしているとする。実体的な拠点はなくても、この国の市民と取引をしているのだから経済的なつながりがある、ということだ」

だが、デジタル税に対するインドの姿勢は、ビジネスをしにくい国という悪評をさらに高める危険もはらむ。悪評は、遡及課税をめぐる英ボーダフォンや英ケアン・エナジーなどの企業との何年にもわたる紛争の産物だ。

途上国にも優しい解決策を

インドは18年、実体的な拠点はなくても国内で「重要な経済的存在感」を示していればいれば課税するとして、外国IT企業に対する姿勢を強めた。ただし今のところ、大半の西側企業は2国間租税条約により課税から守られている。

インドの賭けは成功するのか、アナリストの見方は分かれる。インド最高裁で訴訟に携わる資格を持つ弁護士のアシュシ・ゴエル氏は、最終的にはインドが国際舞台でより有利な税制を求めることに役立つかもしれないとの見方だ。

「待ち続けているわけにはいかない」と同氏は言う。「先進国だけでなく、途上国側にも優しい解決策があってしかるべきだ」

By Benjamin Parkin

(2021年2月24日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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豪議会、記事対価支払い法案を可決

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM251270V20C21A2000000/

『【シドニー=松本史】オーストラリア連邦議会は25日、IT(情報技術)大手がネットサービス上で表示するニュース記事について、報道機関に利用料の支払いを義務付ける法案を賛成多数で可決した。

豪政府は当初、グーグルの検索サービスなどを法案の対象とする方針だった=ロイター

今後、担当閣僚であるフライデンバーグ財務相が対象となるサービスを決定する。政府は当初、米グーグルの検索サービスとフェイスブックのニュースフィードを対象とする方針を示していた。しかし、既存サービスへの課金に両社は強く反発。グーグルは2月、新サービス「ニュース・ショーケース」を豪州で開始した。すでに複数の豪大手メディアが記事を提供し、グーグルから対価を受け取ることで基本合意している。フェイスブックもすでに米英で開始した新サービス「ニュース」での交渉を模索しているとみられる。

豪政府はグーグルとフェイスブックの動きを受けて23日に法案の修正を決めた。豪政府関係者によると、対象サービスの指定は「グーグル、フェイスブックと豪メディアの交渉の結果」が出た後になる見通しだ。

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Facebook、報道機関支援に1000億円拠出 批判に反論

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『【シリコンバレー=奥平和行】米フェイスブックは24日、報道機関を支援するために今後3年間で10億ドル(約1060億円)超の資金を拠出する方針を明らかにした。欧米やオーストラリアなどで報道機関から「記事にただ乗りしている」との批判が高まるなか、利益の還元を強化する。

【関連記事】
米IT、記事利用料で歩み寄り 米欧メディアと合意相次ぐ
フェイスブック、豪でのニュース掲載再開へ

渉外担当のニック・クレッグ副社長(元英副首相)が公式ブログを通じて説明した。フェイスブックは2018年から3年間にこうした目的で6億ドルを費やし、さらに7割近く増やす形になる。19年に米国で新サービス「ニュース」を始めており、この枠組みに加わった報道機関に記事の利用料として払う。

米IT(情報技術)大手ではグーグルも20年10月に新サービス「ニュース・ショーケース」をドイツなどで始め、報道機関に3年間に10億ドルを支払う方針を示していた。

背景にはフェイスブックやグーグルが大きなシェアを握るインターネット広告の市場が急拡大する一方、新聞や雑誌といった紙媒体の広告収入が減り続けている事情がある。欧州やオーストラリアでは記事利用料の支払いを義務付ける法律を制定する動きが相次ぎ、オーストラリアでは反発したフェイスブックが記事の投稿や共有を一時停止した。

オーストラリアなどの動きについてクレッグ氏は「盗用との指摘は間違い」と述べた。報道機関が自らサイトに記事共有のためのボタンを設け、オーストラリアだけでも昨年、51億回にわたって報道機関のサイトに無償で送客したと説明。フェイスブックへの投稿のうち記事リンクの割合は25分の1以下と指摘し、自社より報道機関の利点が大きいと主張した。

また「ネットがニュース産業に破壊的な影響を及ぼした」と認めたうえで、「一部のメディアコングロマリットが当社を損失補塡のための資金源としてみるのは理解できるが、青天井の請求を意味するものではないはずだ」と述べた。

IT大手は「グーグルニュース」など既存サービスを課金対象とすることを拒む一方、支払いを前提とした新サービスを追加して妥協点を探ってきた。フェイスブックは19年に始めたニュースがこれに当たり、既に米国に加えて英国で開始。19年に著作権法を改正したフランス、ドイツでも準備を進めているとしている。

ただ、フェイスブックの年間拠出額は営業利益(20年12月期実績)の1%程度にとどまる見通しで、報道機関からさらなる還元を求める声が上がる可能性もある。対象地域を広げる要求が強まることや、IT大手が「報道内容に影響を及ぼしている」といった批判が高まることもフェイスブックなどにとってはリスクとなる。

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IT大手に記事使用料強制 豪州が世界初の法制化

『【シドニー時事】オーストラリア議会は25日、米グーグルやフェイスブック(FB)などIT大手に対してニュース記事使用の対価支払いを強制する法案を可決した。連邦総督の署名で成立する。記事使用料の強制支払いの枠組みを単独の法律として定めるのは、世界で初めて。

米メディア大手に記事使用料 グーグルが「多額」支払い

 従わない場合には、民事制裁金を科される可能性がある。カナダや英国なども同様の取り組みを検討しており、世界的に広がりそうだ。
 フライデンバーグ豪財務相は声明で「世界を主導する」法規だと強調。「報道機関が記事の公平な報酬を受け取ることを確実にし、公共の財産であるジャーナリズムの持続につながる」とした。

 報道機関とIT大手が対価について交渉する枠組みを設ける。交渉が決裂した場合には、仲裁人が対価の水準を決める。決定に従わない場合の民事制裁金は「最大1000万豪ドル(約8億4000万円)」などと規定されている。

 この法案に対してIT大手は当初反発。FBは先週、豪州で記事の閲覧や共有を制限する「実力行使」に踏み切った。その後、双方が歩み寄り、豪政府は法案の一部を修正すると発表。FBも豪州での制限措置を解除するとしている。

 グーグルは最近、法案可決をにらみ、豪州でも新聞を発行している米ニューズ・コーポレーションなど主要メディアと記事使用料をめぐり合意。有料で提供を受けた記事を表示するグーグルの独自サービスを通じて利用することになった。FBも一部豪メディアと使用料の支払いで合意済み。

 豪政府は、記事を表示するサービス基盤(プラットフォーム)で得た広告収入の配分をめぐり、IT大手と報道機関との交渉力が不均衡になっていると判断。昨年4月、強制的な枠組みの導入に向けてかじを切った。』

米IT、記事利用料で歩み寄り 米欧メディアと合意相次ぐ

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『グーグルなど米IT(情報技術)大手が米欧のメディア企業との協調に動き始めた。各国が法整備などで記事利用料の支払いを求めるなか、合意する事例が増えている。無料で記事を表示する行為を「ただ乗り」と批判してきたメディアは広告収益の一部還元を受けられる一方、IT大手の報道への影響拡大を懸念する声も出ている。

「ジャーナリズムと社会双方の強化につながる」。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)など有力紙…

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ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)など有力紙を傘下に持つ米メディア大手、ニューズ・コーポレーションのロバート・トムソン最高経営責任者(CEO)は17日の声明で説明した。

同社はグーグルから今後3年にわたって記事利用の対価などを受け取る。グーグルは2020年10月から記事の利用料を払う取り組みを本格的に始め、提携先は英ロイター通信や英フィナンシャル・タイムズ(FT)など500社に達した。

ニューズのルパート・マードック会長はグーグルなどを「記事にただ乗りしている」と批判してきた。厳しい姿勢をとってきたニューズを含む各国のメディアが相次いで利用料の支払いで合意した背景には、事業環境の変化がある。

英電通インターナショナルによると、21年の世界の広告市場は10年前より4割近く拡大し、5790億ドル(約61兆円)になる見通しだ。

21年はグーグルや米フェイスブックが高いシェアを握るインターネット広告が全体の5割に達する。10年前は2割近かった新聞の構成比は5%台まで低下する見通しだ。

この結果、広告への依存度の高い米国などで新聞社の経営が悪化し、米ノースカロライナ大学によると19年までの15年間に米地方紙の約4分の1に当たる2100紙が廃刊になった。WSJは19日、米ロサンゼルス・タイムズのオーナーが売却を検討中と報じた。

欧州を中心にメディアは見出しや抜粋に対する著作権などの権利を求めてきた経緯がある。苦境が深まるなか記事の利用料を払うことを義務付ける法律を制定する動きが広がり、欧州連合(EU)は19年に著作権法を見直した。

フランスが国内法を整備し、オーストラリアなどでも法制化の動きが進んでいる。

IT大手、妥協点探る

IT大手は法制化に反発する一方、妥協点を探った。既存サービスを利用料の支払い対象から外すことを求めつつ、新たなサービスを用意して条件に合意したメディアに収益の一部を還元する取り組みだ。

グーグルは20年10月にドイツなどで新サービス「ニュース・ショーケース」を始めた。スマートフォンのアプリなどにメディアから提供を受けた記事の見出しなどを表示し、記事は各社のサイトで読む。ニューズなどはこの枠組みに加わった。

グーグルは豪州でニュース・ショーケースを開始

フェイスブックもニューズなどと組んで19年に米国で新サービス「ニュース」を開始し、1月に英国にも広げた。ただ法制化の動きが進むオーストラリアでは当局と合意できず、今月18日に現行の「フィード」にニュースを投稿できなくした。

IT大手の「妥協」を歓迎する声があるものの、メディアへの適正な収益還元を巡ってはなお議論が続きそうだ。

グーグルが新サービスを始めたオーストラリアでは大手メディアへの支払額は年25億円規模と報じられた。各社の売上高の3%に満たない水準だ。

グーグルが3年間でニュース・ショーケースに投じる10億ドルは過去3年間の営業利益の1%未満にとどまることもあり、専門家の間には「寡占問題などへの批判回避がIT大手の狙いで、メディアの収益改善効果は乏しい」との見方がある。

編集権の独立に懸念も

IT大手の影響力が強くなり編集権の独立が揺らぐ懸念も出ている。米ニューヨーク市立大学のジェフ・ジャービス教授は「グーグルの報道に対する影響力が高まり、メディアへの恐喝が可能になる」と指摘した。

グーグルはニュース・ショーケースの準備を日本でも進め、メディアと交渉を進めている。同社の担当者は「複数の報道機関と合意した」と説明し、早ければ今春にも開始するとの見方がある。

事業環境が大きく変わるなか、日本のメディアもIT大手との向き合い方を問われている。

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