エヌビディア、アーム買収のなぜ(2)GAFAも半導体開発

エヌビディア、アーム買収のなぜ(2)GAFAも半導体開発
IoT機器向けは「適度なサボり」で省電力化
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63962040X10C20A9I00000/

『米半導体大手のエヌビディアの手掛ける人工知能(AI)半導体は、米IT大手のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)も開発に乗り出している。技術開発競争の焦点は小型化や省電力化で、クラウドにデータを送らずに端末側でAI処理する「エッジAI」の普及の原動力となる。Q&A方式で現在の競争環境をまとめる。

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Q エヌビディアが手掛けるAI半導体の課題は何か。

A エヌビディアのGPU(画像処理半導体)は演算速度が速い一方で、消費電力量が比較的大きく、半導体チップを搭載するための部品も大型になってしまう。スマートフォンやパソコンに搭載するのは難しい。そこで、専用の用途に特化した「エッジAIチップ」とよばれる半導体の開発が世界で進んでいる。

Q どのような企業が参入しているのか。

A エヌビディアのほかに、例えばグーグルはサーバー向けに機械学習に特化した「TPU(テンソル・プロセッシング・ユニット)」と呼ばれる半導体を開発している。さらに、グーグルはこのAI半導体を、監視カメラなどのIoT端末に組み込むとAI機能を持たせることができるエッジの領域に拡大し「エッジTPU」を外販している。エヌビディアのGPUに比べて消費電力が1桁小さいといい、検索エンジンに使っているという。

スマホ向けでは、コンピューターの頭脳を担うCPU(中央演算処理装置)やメモリーなどを1つのチップに搭載する「SoC(システム・オン・チップ)」にAI機能を搭載する動きが広がる。アップルはiPhone向けのチップに機械学習に対応した「ニューラルエンジン」を搭載し、顔認証などに使っている。アップルはチップを自社で設計し、台湾の台湾積体電路製造(TSMC)に製造を委託している。

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Q なぜ、エッジAIチップは省電力化できるのか。

A AIの機能は、大量のデータから解析モデルなどを作る「学習」と、そのモデルをもとに分析や予測をする「推論」の2つに大きく分けられる。例えば、スマホの顔認証機能は推論機能で、学習に比べて分析するデータは少ない。

エッジAIチップでは、推論の精度が保てるギリギリのラインまで半導体の計算速度を落としている。「適度にサボる」ことで、消費電力を小さくするという考え方だ。

Q エヌビディアはこうした流れにどう対抗しようとしているのか。

A その解の一つがスマホ向け半導体設計で高いシェアを持つアームの買収と言える。エヌビディアは英アームの買収後に、英国に大規模なAI研究施設を立ち上げる方針を示している。エッジAIチップの開発強化に向け、「適度なサボり」方のコツを知るアームの設計書をもとに、医療やロボット、自動走行など幅広い分野での半導体開発をスタートアップやパートナー企業と連携して目指していくとみられている。』

~ファーウェイへの「死刑宣告」、その意味するもの~

2020年08月26日17:30
ストラテジーブレティン(259号)~ファーウェイへの「死刑宣告」、その意味するもの~ハイテク市場で予想される地殻変動
https://www.data-max.co.jp/article/37296

『NetIB‐Newsでは、(株)武者リサーチの「ストラテジーブレティン」を掲載している。今回は2020年8月25日付の記事を紹介。

 米国は8月に入り、以下の苛烈な対中ハイテク企業バッシング政策を相次いで打ち出した。
 (1)ファーウェイに対する半導体供給完全遮断。
 (2)中国・中国共産党を世界のインターネットから完全に排除する、クリーンネットワーク構想の提起。
 (3)動画掲載アプリTikTokの米国事業禁止。
 いずれも、7月23日のポンペオ・スピーチで表明された中国敵視戦略の遂行のために打ち出されたものであり、これまでの対応とはレベルが異なっている。

 米国は中国・中国共産党を敵と定めた以上、中国を破る対中戦略を確立しているのではないか。米国が目的を達成するためには、(1)経済交渉と制裁、(2)産業・資財供給の封鎖、(3)金融封鎖、(4)Hot War(武力戦争)の4段階が考えられる。
 これまで米国が行なってきた(1)経済貿易戦争の交渉では埒が明かず、短期で効果を上げることは望めない。よって、(2)産業・資財の供給封鎖により、打撃を与えようとしている。あたかも現代の石油である半導体供給やネットワーク遮断は、額面通り実施されるならば、甚大なダメージを中国に与えるのではないか。
 ファーウェイの破綻、大手IT企業3社のBAT(バイドゥ・アリババ・テンセント)の衰退が起きたとき、習近平政権はどう反応するだろうか。米国が(3)金融封鎖、(4)Hot Warという手段に訴えるのは、(2)の効果が見えた後であろう。

(1)ファーウェイへの死刑宣告
ファーウェイへの半導体全面禁輸
 米国商務省は8月17日、ファーウェイに対して半導体の全面禁輸という苛烈な新政策を打ち出した。ファイナンシャルタイムズ(FT)紙はこれを、Death Sentence(死刑宣告)と形容している(8月22日付FT)。

 この政策は、米国のソフトウェア、テクノロジーを使用して開発または生産されたすべての半導体・電子部品へのファーウェイによるアクセス(※)を直ちに全面禁止するというもの(ただしライセンス取得が必要)。

 商務省は5月15日に、米国の製造装置や設計ソフトを使っている外国製半導体のファーウェイへの販売を禁止したが、米国製品の構成比が25%以下の場合は対象外という軽減措置や、迂回輸出という抜け道があり、猶予期間もあった。

 今回の措置はすべての製品に対して、迂回経路を遮断し、猶予期間なく即時に実施するという激烈なものである。

 これまで避難手段と考えられてきた、サムスン電子や台湾のメディアテックなどのファーウェイにとっての代替調達先からの購入や、メモリなど汎用品の購入にも米国政府の許可が必要になるため、事実上の禁止といえるだろう。

 この措置がいかに唐突で苛烈なものであるかは、中国への対応において政府と歩調を合わせてきた米国半導体工業会(SIA)が「米国政府の突然のシフトに驚きと懸念を抱いている。センシティブでない製品の中国への販売は米国の経済力と安全保障にとって重要である」と表明したことからも明らかである。

 ファーウェイは米国半導体企業にとって、最大手ユーザーの1つであるが、その状況に配慮してファーウェイへの供給が選択的に認められるとしても、限定的なものであろう。

ファーウェイの最先端通信機メーカーとしての命運、風前の灯火
 半導体の取得が絶たれれば、来年初めには6か月分といわれる半導体在庫が払底し、ファーウェイの売上の9割を占めるスマートフォンと通信基地局の生産は立ち往生する。

 新規ビジネスとして注力しているクラウドサービスも、サーバー、データセンターの95%がインテルのCPUを搭載しているといわれる「半導体の塊」であり、中国産の半導体では対応が困難である。米国の対応はさらに厳格化することはあっても、緩和することは考えられず、この窮地を抜け出す手はあるのだろうか。

 中国政府はファ―ウェイを支援するだろうが、その支援は中国国内ビジネスに限られるだろうし、世界最先端の通信機メーカーとしてのファーウェイの命運は断たれつつあるというべきかもしれない。

 ファーウェイはスマホビジネスでは、2020年4~6月に世界スマホシェアの20..2%を占めてトップに立ったが、これは断末魔の輝きともいうべきものだろう。

 ファーウェイのスマホは、2019年にすでにOSであるアンドロイドのアップデート制限とGoogleアプリの搭載が禁止されており、中国外での販売は大きく減少すると見られていた。このことに半導体の供給停止が加わるため、今後はシェアの急減が避けられない。ちなみにファーウェイのスマホは、2019年の世界出荷台数2.38億台のうち4割弱が海外出荷とされるため、相当大きなダメージを受けるだろう。

 米国は8月に入り、以下の苛烈な対中ハイテク企業バッシング政策を相次いで打ち出した。
 (1)ファーウェイに対する半導体供給完全遮断。
 (2)中国・中国共産党を世界のインターネットから完全に排除する、クリーンネットワーク構想の提起。
 (3)動画掲載アプリTikTokの米国事業禁止。
 いずれも、7月23日のポンペオ・スピーチで表明された中国敵視戦略の遂行のために打ち出されたものであり、これまでの対応とはレベルが異なっている。

米国は力ずくで5G基地局からファーウェイ排除
 次に5G基地局ビジネスについて。これまで技術的に先行し価格も圧倒的に安いファーウェイが、次世代ネットワーク5Gのメインプレーヤーとなる、という見方が世界の常識であった。しかし半導体の調達が困難になり、ファーウェイの製品供給が維持できなくなると、ファーウェイを軸とした5Gネットワーク構築を根底から見直さざるを得なくなり、米国によるファーウェイ排除要請に抵抗を示していたドイツのメルケル政権も、路線転換を余儀なくされるだろう。

通信機市場に新たな空白が
 従来はコア基地局の仕様が各国の通信企業ごとに異なるため、メーカーは個別に対応せざるを得ず、実績が豊富で高シェアをもつファーウェイが有利だった。しかしファーウェイに代替する企業の参入を容易にするための米国国防省による呼びかけもあって、O-RAN(Open Radio Access Network)と呼ばれる汎用的規格がつくられようとしており、より小規模の企業の新規参入が可能になりつつある。

 いち早くファーウェイ排除を決めた英国は、コア基地局でのシステム仕様をオープン化して、5Gの代替サプライヤーの参入を求め、日本政府に協力を要請している。こうしてNTTドコモと後発のNECや富士通(世界シェア1%未満)にも、チャンスがめぐってきたのである。

 しかし、ほとんどの関係企業は、情勢の急変に対応できていない。ファーウェイを5G基地局のサプライヤーと決めている多くの欧州通信業者はsuper painful(大きな痛手だ)というのみで、ファーウェイ破綻という不測の事態にまったく対応できていない(FT・8月22日付)。しかし他方で、スマホと基地局という世界の通信機市場で圧倒的プレゼンスを誇ったファーウェイが衰退するとなると、巨大な市場の空白が生まれ、関連企業にとっては大きなビジネスチャンスとなる。地政学が世界の産業地図を塗り替えていく、といえるだろう。

(2)クリーンネットワーク構想
あからさまな対中インターネット封鎖
 米国務長官は8月5日、新たなプログラム「Clean Network」を発表した。Clean Networkプログラムは悪意のある攻撃者(中国および中国共産党)から市民のプライバシーと企業の機密情報を守ることが目的とされ、中国・中国共産党をネットワークの各分野から排除することを意図している。

 究極的にはファーウェイのみならずOPPO(オッポ)など中国のスマホメーカー、およびBATなどのインターネットプラットフォーマー、移動体通信事業者などは、すべて国際的なインターネット空間から遮断されることになるかもしれない。中国国外では、アリペイやウィーチャットペイなどの電子決済もできなくなるだろう。

 Clean Networkプログラムには5つのカテゴリーがあり、各インターネット分野からの中国の追放を目的としている。

(1)クリーンキャリア
 信頼できない中国の携帯電話会社(キャリア)が、米国の通信ネットワークに接続することを禁止。

(2)クリーンストア
 米国のアプリストア(Google PlayストアやApp Storeなど)から信頼できない中国製アプリケーションを排除。

(3)クリーンアプリ
 信頼できない中国のスマートフォンメーカーがアメリカなどの信頼できるアプリをプリインストール(内臓)すること、あるいはダウンロードすることを禁止。

(4)クリーンクラウド
 アリババ、バイドゥ、テンセントなどの中国企業が提供するクラウドサービスに米国のデータを保存することを禁止。

(5)クリーンケーブル
 グローバルインターネットに接続している海底ケーブルが、中国による超大規模な情報収集のために侵害・破壊されないようにする。

 米国は同盟国や協力国の企業に呼びかけ、クリーンネットワーク(中国排除のグローバルネットシステム)を強化していく。

米国は8月に入り、以下の苛烈な対中ハイテク企業バッシング政策を相次いで打ち出した。
 (1)ファーウェイに対する半導体供給完全遮断。
 (2)中国・中国共産党を世界のインターネットから完全に排除する、クリーンネットワーク構想の提起。
 (3)動画掲載アプリTikTokの米国事業禁止。
 いずれも、7月23日のポンペオ・スピーチで表明された中国敵視戦略の遂行のために打ち出されたものであり、これまでの対応とはレベルが異なっている。

(3)TikTok米国での事業禁止
現代のアヘンになる可能性
 トランプ大統領は、欧米でも圧倒的な人気を誇る中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」が安全保障上の脅威になるとして、ハイテクユニコーンであるアプリ運営会社のバイトダンスに対して、米企業への事業売却か、米国市場からの撤退を迫っている。

 ティックトックの買収にはマイクロソフト、オラクルが名乗りを上げている。日本経済新聞編集委員・西村博之氏は「Global Economic Trends」の「TikTokは危険なのか、代わるデータと国家の関係」(8月23日付)のなかで、この背景を以下のように分析している。

「若者が歌や踊りを披露する娯楽アプリが、どう国民の安全を脅かすのか。そして米政府はなぜ、強硬な姿勢をとるのか。背景を探ると、何でもないデータを武器に変えうるデジタル技術の進化と、中国の台頭に危機感を抱く米国の姿が浮かび上がる」

「米中央情報局(CIA)はホワイトハウスの指示でティックトックを調査し、潜在的な危険は否定できないものの、今のところ中国の情報機関がデータを収集した事実はないとの結論に達したという(Is TikTok More of a Parenting Problem Than a Security Threat?)」

「ティックトックが大量のデータを集めているのは事実だ。詳細な検証を行ったサイバーセキュリティー会社によると、アプリはスマホ内蔵のカメラやマイク、写真や音声データのほか、全地球測位システム(GPS)機能を使った位置情報、IPアドレス、ネット上の閲覧・検索履歴、ほかの利用者と交わしたメッセージにもアクセスできる。ところが驚くことに、こうしたデータ収集は『ほかのアプリとそう変わらない』という。高性能の携帯端末が普及した今、誰もが便利さと引き換えに知らず知らずのうち大量のデータをばらまいているのが現状なのだ(Understanding the information TikTok gathers and stores)」

「ユーザーの属性や閲覧履歴など無数のデータから趣向をつかんで自動的にコンテンツを推奨する抜群のアルゴリズムは、他のソーシャルメディアの追随を許さないほどアプリの中毒性を高めているという(For Whom the TikToks)」

「これによりティックトックが強力な文化戦争の兵器になり得ると見るのが、著名な歴史家のニール・ファーガソン氏だ。ティックトックは『アヘン戦争以降の屈辱の100年に対する報復であるのみならず、デジタル版のアヘンそのものだ』と指摘。『我々の子どもたちが来る中国の支配を喜ぶよう地ならししている』と主張する(TikTok Is Inane. China’s Imperial Ambition Is Not)。実際、中国は大量のデータ獲得とAIを自国に好ましい『国際世論』醸成の重要な手段と位置づけている。自国内で用いている『社会操作』のグローバル版だという(Engineering global consent)」

 ジャーナリスト福島香織氏は、ネットメディア『現代ビジネス』に寄稿した「習近平は知らない・・アメリカが真っ先にTikTokを狙った本当のワケ」(8月22日付)のなかで、次のように分析している。

「2019年12月、米国防省は初めて、軍部に対しTikTokに安全リスクがあると警告し、今年1月から軍関係者の使用を禁止。7月に米上院国土安全保障・政府活動委員会で、米連邦政府官僚のTikTokダウンロードの禁止を求める法案が可決された」

「元ホワイトハウス国家安全保障委員会の官僚で、大西洋評議会デジタル・フォレンジック・リサーチラボ(DFRLab)のグラハム・ブルーキー主任はTikTokがもたらす米国の国家安全上の脅威を3つ挙げている。その3つとは、(1)中国政府にはTikTokからユーザーの個人情報提供を直接要請する能力がある、(2)ユーザーは個人情報をどのように利用されるか知るすべがない、
(3)投稿内容に対し中国が検閲できる、である」

「思うに、価値観、イデオロギーの異なる米中の戦において、TikTokの世論誘導力も、情報漏洩以上に脅威なのではないか。たとえば、トランプ大統領のオクラホマ州タルサ集会(6月20日)に100万人の参加申し込みがありながら、実際は6000人ほどしか出席せず、トランプのメンツ丸つぶれとなる事件があったが、これはTikTokユーザーの「ステージ上でトランプを1人ぼっちにさせよう」と呼び掛ける動画が広がったことが一因として挙げられていた」

米国は8月に入り、以下の苛烈な対中ハイテク企業バッシング政策を相次いで打ち出した。
 (1)ファーウェイに対する半導体供給完全遮断。
 (2)中国・中国共産党を世界のインターネットから完全に排除する、クリーンネットワーク構想の提起。
 (3)動画掲載アプリTikTokの米国事業禁止。
 いずれも、7月23日のポンペオ・スピーチで表明された中国敵視戦略の遂行のために打ち出されたものであり、これまでの対応とはレベルが異なっている。

(4)米中覇権争いの現局面、中国経済封鎖
米中敵対の新段階、経済封鎖へ
 これまで見てきたように、7月23日のポンペオ国務長官の対中敵対宣言から、米国の苛烈極まる政策が相次いで打ち出されている。米国は自ら進んで中国との敵対関係を強め、敵と認定する中国共産党の崩壊を狙う、宣言通りのアクションである。

 8月になって打ち出された上記3つのハイテク企業バッシング政策は、場あたり的なものではなく、遠大な対中敵対戦略の一環として十分に練られた上で打ち出されたものであろう。

 トランプ氏がいうように米国は対中関係を遮断することも、今や厭わない。関係を遮断・封鎖するとなると中国の経済力は衰弱し、「壊死」へと向かう可能性が高く、降伏または開戦という手段しかは残されなくなるだろう。

 この政策には、1930年代末から41年までの米国の対日対応を彷彿とさせるものがある。ABCD包囲網・対日石油禁輸からドルの凍結による決済ネットワークからの排除まで、経済制裁ではなく経済封鎖であり、事実上の相手国の殲滅作戦であった。日本は開戦を余儀なくされた。ちなみにFTの中国死刑宣告の記事には、満身創痍のゼロ戦が機上砲撃をしているイラストが描かれている。

(5)アップルはトロイの木馬になる深謀遠慮が
中国に商機を見出すアップルとテスラ
 奇怪なのは、米国政府によるアップル、テスラの扱いである。米中デカップリング、EPN(Economic Prosperity Network)による国際サプライチェーンからの中国排除を構想していながら、アップル、テスラの中国事業は何ら制限していない。

 バー司法長官は、6月のスピーチで、「アップルは米国政府に同社の携帯アクセスを拒否した一方で、中国政府にはアクセスを許してきた」「アップルが中国で販売する携帯電話が中国政府に諜報されていないとでも思うか、もし諜報を排除できるならそもそも販売が認められるはずがない」と主張したのに、この結果である。

 アップルのクックCEOはかつて、「中国がテクノロジーに関する優れたエコシステムをもっているおかげで、技術ノウハウ、サプライヤー、労働力まで必要なだけ調達できる。そのことが可能なのは中国だけ」と述べ、中国を尊重する姿勢が顕著である。

 アップルは500万人以上の中国人を雇用しており、中国最大の雇用主という立場が、中国における販売プレゼンスを政治的に支えているという面は大きい。トランプ大統領による中国生産の他国へのシフト要請もあり、アップルとその受託生産会社である鴻海はインドでの生産を開始するという動きはあるが、他社に比べて動きはスローである。中国以外で生産すると、その厳しい品質基準になかなか達しないためと言われている。

 今後、中国のスマホ市場でGoogleによるOSやアプリの提供が抑制されていくと、中国市場でのアンドロイド系製品開発に遅れが出る可能性がある。iOSを独占しているアップルの製品開発力が大きくものをいう時が来るかもしれない。

 米中貿易戦争のさなかに上海工場を立ち上げたテスラも同様であるが、米中敵対関係にあっても優れたビジネスモデルは「その荒波を乗り越える力をもっている」といえるのかもしれない。

(了)』

エヌビディアへの売却は「最悪」、事業モデル崩壊=アーム創業者

https://jp.reuters.com/article/arm-holdings-m-a-nvidia-britain-idJPKBN2650Z1

『[ロンドン 14日 ロイター] – 英半導体設計大手アーム・ホールディングスの共同創業者ハーマン・ハウザー氏は14日、ソフトバンクグループ(SBG)9984.Tがアームを米半導体大手エヌビディアNVDA.Oに売却すると発表したことについて、「最悪の事態」であり、アームのビジネスモデルが崩壊するとの認識を示した。

ハウザー氏はロイターとのインタビューで「(アームの本社がある)ケンブリッジにとって、英国にとって、欧州にとって最悪の事態だ。グローバルな重要性を持つ欧州最後のテクノロジー企業が米国人に売却されようとしている」と述べた。

同氏は、今回の売却により「半導体産業のスイス」としてのアームのビジネスモデルが崩壊すると発言。エヌビディアはアームの顧客と競争している。

同氏は英政府に対し、売却に3つの条件を付けるよう要求。(1)英国内の雇用の保証(2)アームのオープンなビジネスモデルの維持(3)顧客との関係について米国の安全保障上の見直しの対象から除外する──ことを求めた。

同氏はその上で「(こうした条件が満たされない場合)英政府は、ロンドン証券取引所でのアームの新規株式公開の実現を手助けし、アームを英国企業とすべきだ」と発言。英国がコーナーストーン(中核的)投資家となって株式上場を支援すべきだとの認識を示した。』

孫氏、「水晶玉」英アーム売却へ 米エヌビディアに

孫氏、「水晶玉」英アーム売却へ 米エヌビディアに
高値提案で戦略転換
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63790730T10C20A9I00000/

『ソフトバンクグループ(SBG)が傘下の英半導体設計アームを米半導体大手エヌビディアに売却する。売却額は最大400億ドル(約4兆2000億円)。SBGは約6.7~8.1%のエヌビディア株を取得し、同社の大株主になる。SBGの孫正義会長兼社長はアームをグループの「未来を見通す水晶玉」と位置づけてきたが、高額の買収提案を受けて戦略転換する。

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インテル超えのエヌビディア、革ジャンCEOが狙う盟主

「アームについてはSBGを支えるグループとして成長戦略を持っていた。しかし、ここまで良い条件なら(売却を)検討しなければならない」。8月下旬、SBG幹部はこう話していた。

7月から本格化したアームを巡るSBGとエヌビディアとの交渉。SBGはアームの新規株式公開(IPO)も検討してきたが、エヌビディアが高値のアーム買収を提案してきたという。

SBGは「(高値での売却を前提に)枠組みを交渉したい」と応じ、エヌビディア株の取得などに向け、株式交換の協議を始めた。この仕組みであれば、エヌビディアは現金支出を抑えられる。SBGは結果として4兆円規模でアーム株を売却し、その対価として現金に加え、エヌビディア株の一部を取得し、大株主になれる。

アームの設計技術が9割以上のスマホに使われている

SBGは2016年、アームを約240億ポンド(約3.3兆円)で買収した。買収は長年、孫会長兼社長が心に温めてきた宿願だった。アームにはSBG本体が75%を出資し、残り25%は10兆円ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」が出資する。

孫氏はアームを「未来を見通す水晶玉」と評した。スマホの半導体設計で約9割のシェアを握るアームは他の分野にも進出する。アームに集まる情報を駆使し、データが作る未来を予想する――。こんな期待から、同社をSBGに欠かせない事業会社と位置づけてきた。

そのアームを手放すのは大きな戦略転換となる。それだけに単純にアーム株を売却するのではなく、投資会社のSBGが今後さらなるリターンを得られる仕組みにする必要があった。

今回、エヌビディアは契約時にアームに20億ドルを支払ったうえで、その後、SBGとビジョン・ファンドに現金100億ドルとエヌビディア株215億ドル分を支払う。投資先である米シェアオフィス大手ウィーワークがコロナで苦戦するビジョン・ファンドの下支えになる。

さらにアームとの相乗効果でエヌビディアの業績や株価が一段と上向けば、SBGは保有株の価値向上も期待できる。投資会社の様相を強めるSBGにとって、エヌビディアへの再投資は必然とも言える。

エヌビディアのジェンスン・ファンCEO

「アーム買収直後に一度、エヌビディアとの連携は視野に入れた」。あるSBG関係者は話す。アームを買収した後の17年、SBGはビジョン・ファンドを通じエヌビディア株を保有したことがある。その後、同社株が大幅下落したことで手放した経緯があるが、当時から検討した連携に再挑戦するかたちにもなる。

ただ裏を返せば、英アームはSBG傘下では利益面で成長できなかったということだ。SBG幹部も同社傘下のままでは「アームの成長を100%保証はできない」と打ち明ける。

設計した半導体チップの出荷数は伸びたが、事業拡大の投資がかさみ、19年度の調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は2億7600万ドル(約295億円)と16年度の約3割にとどまる。ビジョン・ファンドの苦戦で財務改善を進めるSBGにしてみれば、固定費の重いアームを抱える余裕はなくなっていった。

エヌビディアはアームを傘下に収め、画像や音声認識の広がりで需要が拡大する人工知能(AI)計算用の半導体を強化できる。この分野でエヌビディアは高速計算が得意な「GPU」と呼ぶ半導体を手掛けるが、アームを手に入れれば精緻な計算に必要なCPUへの参入が視野に入る。

課題は少なくない。中国政府系ファンドなどが株式を持つ中国合弁と英本社の間で問題が生じている。6月には英本社が「不適切な行為が確認された」として中国合弁のアレン・ウー最高経営責任者(CEO)の解任を発表したが、合弁側は否定した。国家間のテック競争が激しくなるなか、グローバルにデータや技術を集め、活用する余地は狭まっている。

アームのサイモン・シガースCEO

アームは米クアルコムや同ブロードコムなど多くの半導体メーカーを顧客に抱える。同じ半導体メーカーであるエヌビディアがアームを買収することで中立性が失われ、顧客離れが起きるとの見方がある。米企業の傘下に入ることでアーム自身が米中摩擦の矢面に立つ懸念もくすぶる。

米中摩擦などを背景に、当初SBGが描いていたアームの「水晶玉」としての魅力は薄れてきた。「投資会社として価値を最大化していくには、過去の思い入れを捨てるドライな決断をしないといけない」。あるSBG関係者はこうつぶやいた。』

首位は驚きの利益率53%、ITサービス企業の収益力ランキング

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01409/082800002/

『ITサービス30社の売上高ランキングではNTTデータが前年度比1032億円増の2兆2668億円と、前回調査に引き続き業界トップの座を堅持した。特に伸びたのは法人・ソリューションのセグメントで588億円増えた。製造業向け事業のほか、決済サービス「CAFIS」などのペイメントサービスが貢献した。

まだ2ケタ伸びる大塚商会
 大塚商会が2位、次いでキヤノンマーケティングジャパン、NRI、CTCと続いている。好調な各社の中でも注目すべきは大塚商会の売上高だ。

 2019年度の売上高は8865億円と、2018年度より1267億円増やした。伸び率は16.7%と、ランキング30社の中で最も高い。Windows 7のサポート終了による企業向けパソコンの買い替え需要や消費増税に伴うシステム対応などが貢献した。3位のキヤノンマーケティングジャパンとの売上高の差は約2600億円と前年度から倍増し、大きく突き放す格好になった。

 12位の富士ソフトの業績も伸びが目立った。売上高は13.1%増の2310億円、営業利益は16.4%増の132億円と、それぞれ2ケタの高い伸びを示している。同社は2011年ごろに携帯電話の出荷台数の大きな落ち込みの影響で業績が低迷し、売上高はおよそ1400億円、営業利益が30億~40億円ほどの時期があったが、大きく盛り返した。

 好業績の要因の一つが、自動車や工作機械の組み込みソフト開発だ。「携帯電話向けの組み込みソフトの技術者を自動車向けに転換するなど、地道な活動が実を結んでいる」。経営企画・財務・調達担当の梅津雅史執行役員はこう説明する。

 オービックの利益率は53.7%に
 次は30社の収益力(営業利益率)を見ていこう。ランキング1位はERP(統合基幹業務システム)パッケージ「OBIC7シリーズ」の販売と運用サポート業務を手掛けるオービックだった。同社の営業利益率は2018年度に初めて50%を超えた。2019年度はさらに伸ばして53.7%だった。

ITサービス企業の収益力ランキング
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 成長の要因はERPパッケージと周辺のクラウドを合わせて提供するサービスが受け入れられたことだ。システム運用支援やサポート事業は売上高313億円に対して営業利益210億円と、7割近い営業利益率を誇る。』

売上高2倍・利益6倍の超ヒット任天堂あつ森「非常識すぎる」設計

売上高2倍・利益6倍の超ヒット任天堂あつ森「非常識すぎる」設計
野安 ゆきお ゲームジャーナリスト
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00620/082000031/

『任天堂が2020年8月6日に公表した2021年3月期第1四半期の決算でとてつもない数字をたたき出しました。売上高は前年同期の2倍以上にあたる3581億円(108.1%増)、営業利益に至っては前年同期の6倍に近い1447億円(472.7%増)という驚異的な数字です。まさに圧倒的といってよい好業績です。

発売から4カ月で2240万本ってすごすぎない?
(イラスト:闇雲)
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任天堂の2021年3月期第1四半期の決算
(出所:任天堂の決算説明資料)
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参考資料:2021年3月期第1四半期 決算説明資料(PDF)
ソフト販売5043万本、その2割があつ森
「あつまれ どうぶつの森」の起動画面
4〜6月に販売本数は累計2000万本を突破。Nintendo Switch用ソフトとして歴代2位の売り上げを達成した。 (c)2020 Nintendo
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 特筆すべきは新型コロナウイルス感染症(COVID-19、以下新型コロナ)流行の影響によるさまざまな不利をはねのけて達成した数字だという点です。まず今期を通じて、主力のハード「Nintendo Switch」は全世界的に品薄状態で、巨大な販売機会損失が出ていました。アジアの製造・物流がダメージを受けたせいで、Switch本体や「リングフィット アドベンチャー」のような専用の道具を使うタイトルなども品薄が続きました。またコロナ禍により為替が円高に傾き、輸出産業であるゲーム企業は利益が出にくい情勢でした。』
『好業績を引っ張ったのはソフトウエア販売です。Switch向けタイトルでミリオンセラーが9本も出たこともあり、ソフト販売本数は前年同期比123.0%増の5043万本に達しました。また巣ごもり需要の増加からデジタル販売(ダウンロード用ソフト、追加コンテンツ、Nintendo Switch Onlineなどの売上高)も好調でした。ゲーム機専用タイトルのデジタル販売比率は55.6%(前年は38.3%)に増加。生産・流通の影響を受けにくいデジタル販売が、パッケージ版の機会損失を補って利益に貢献した構図です。

7月のアップデートで今では島の周囲の海を泳ぐことも可能に
のんびのり過ごす無人ライフはさらに充実。 (c)2020 Nintendo
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 好調なソフト売り上げをけん引したのはもちろん3月に発売されたSwitch向けタイトル「あつまれ どうぶつの森(あつ森)」です。発売直後から圧倒的な支持を受けたあつ森は、4~6月期にも順調に売り上げを伸ばし、国内で331万本、海外でも732万本と、全世界でくまなく1063万本も売れました。累計販売本数はなんと2240万本に到達。4~6月期の任天堂の好業績は、このタイトルの爆発的なヒットによってもたらされました。

 決算報告書によるとNintendo Switch本体の生産状況はおおむね正常に戻っているようです。品薄状態も順次改善されそうです。そうすればゲーム機本体の売り上げも伸び、新規ユーザーがさらに増えます。あつ森は間違いなくもっと売れるでしょう。Switch向けタイトルでは初の累計販売3000万本の突破も夢ではなくなってきました。

あつ森が爆発的に売れたのには理由がある
 しかしながらなぜあつ森は、ここまでの超ヒット作になったのでしょう?

 新型コロナの影響で巣ごもり需要が喚起され、「無人島でのんびり過ごすというゲーム内容」が全世界の人たちに愛されたのだ、と解説されることが多いようです。確かにそれも間違いではありませんが、完全な正解でもありません。実はもっとはっきりした理由があります。あつ森には「初めてゲームに触れるユーザー」を明確に意識した設計が隠されているのです。

 具体的にはこのゲーム、2つの操作を同時に要求しないように作ってあります。例えば「走りながら道具を使用する」といった操作を決してプレーヤーに要求しません。

 「だからなに?」と思われるかもしれません。しかしこうした操作設計は、通常のゲームではあり得ない「非常識な」設計なのです。

アクションゲームの古典的名作「スーパーマリオブラザーズ」
ダッシュしながらジャンプする、という2つの操作を同時に要求してくるからこそ、このゲームは面白い。 (c)1985 Nintendo
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 他のゲームを思い浮かべてください。世の中の99%のゲームは2つ以上の操作を同時に要求するように作られています。例えば「スーパーマリオブラザーズ」はダッシュするために、左手でスティックを倒しながら、右手でダッシュボタンを押すという操作を要求します。さらに「その状態からジャンプする」というアクションも要求してきます。

マリオの最新作「スーパーマリオオデッセイ」
3Dで描かれた世界を走りながらジャンプする、というアクションは引き継がれている。 (c)2017 Nintendo
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『「2つの動作を同時に行う」は人にとっては不自然な動きなので、どんな人でも慣れが必要です。ゲームの面白さの多くはこの性質を使って作られています。すなわち「操作に慣れるまでは難しいと感じるが、次第に実行できるようになり、プレーヤーに上達を実感させる」という部分です。逆にいうとテレビゲームは複数の操作を同時に要求するように設計するものなのです。「うまくなったぞ」と実感させ、プレーヤー達成感を与え、それによってゲームへと夢中にさせていくわけですね。

 ヘビーユーザーが楽しむタイプのゲームになると2つどころか、4~5つの操作を同時に正確なタイミングで要求するものもザラにあります。この手のゲームはすべてを無駄なく完璧に操作できるようになるには数百時間の習練が必要です。だからこそそれを実行できる人がプロゲーマーとして脚光を浴び、巨額の賞金を稼げるわけですね。両手を自在に操れるピアニストが「うまい」と称賛され、その頂点に立つ人がプロになれるのと同じです。

ムシを捕るときにダッシュしないほうがいい
あつ森では足音を立てずにゆっくりと接近するほうがムシを捕りやすい採りやすい。 (c)2020 Nintendo
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2つ以上の同時操作を徹底的に排除するどうぶつの森
 しかしどうぶつの森シリーズは徹底的にその逆をいくゲームなのです。2つの操作を同時に要求することが見事なほど排除されています。

 一例をあげましょう。このゲームには「ムシ捕り」という要素があります。ムシ捕り網を使ってムシを集めるのです。簡単に捕まえられるムシからレアなムシまでいろいろ用意されています。こういう場合、ふつうのゲーム開発者なら「ダッシュしながら網を振り下ろす」といった操作で捕まえやすくなるような、ちょっと動きの速いレアなムシを登場させたくなるものなのです。しかしどうぶつの森は違います。むしろ音を立てないようじっくりと接近し、立ち止まって、そこから網を振り下ろすというアクションをしないと、レアなムシほど捕れないようになっています。

すべてのアクションは、立ち止まってから行うよう設計されている。操作がシンプルであるため上達の必要がなく、初心者にストレスを与えないゲームデザインだ。 (c)2020 Nintendo
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『他の道具を使うときも同様です。スコップで穴を掘るときも、斧(おの)で木を切り倒すときも、ジョウロで花に水をあげるのも、すべて「立ち止まった状態」で行うよう設計されています。「移動しながら○○をする」といったアクションは決して要求されません。そもそも絶対にできないよう作られているのです。

 このような「非常識な」設計だからこそ、このシリーズは初心者でもストレスなく遊べるのです。4~5歳の子供や高齢者、初めてゲームに触れるような人たちがみんな楽しめてしまう。上達の必要がなく、初めて触れたときから楽しさが感じられるように作られているんですね。

筆者の島は「南半球にある」ので今は真冬です
幻想的な雪と氷の世界を堪能中。 (c)2020 Nintendo
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 誰でも最初から楽しめるどうぶつの森シリーズを、任天堂は2001年から大事に育て続けてきました。その姿勢は、どんどん高度化するゲームが増えていく中では異質であり、時に「子供向け」「ファミリー層にこびている」とやゆされることもありました。

 新型コロナのまん延が結果として、任天堂が大切に育ててきたどうぶつの森の隠された価値に、大々的に脚光を当てた形になりました。巣ごもり需要が初めてゲームに触れる人を大量に生み出したタイミングで、これ以上ないほどピッタリのタイトルとして登場したわけですから、驚異的なヒットを達成するのはある意味、必然です。とてつもない決算の数字を達成できたのは、開発者の信念と継続的な努力が実を結んだからなのです。』

米エヌビディア50%増収 5~7月、ゲーム用半導体拡大

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62831250Q0A820C2I00000/

『【シリコンバレー=佐藤浩実】米半導体大手エヌビディアが19日発表した2020年5~7月期決算は、売上高が前年同期比50%増の38億6600万ドル(約4100億円)だった。巣ごもり需要の拡大でゲーム用GPU(画像処理半導体)やデータセンター向け半導体の販売が伸び、9四半期ぶりに過去最高を更新した。純利益は13%増の6億2200万ドルだった。

ゲーム事業の売上高は26%増の16億5400万ドルだった。新型コロナウイルスの感染拡大で自宅で過ごす時間が増え、エヌビディアのGPUを搭載したゲーム用パソコンを購入する人が増えたためだ。任天堂のゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売好調に伴い、スイッチに供給している基幹部品の販売も前の四半期と比べて増加した。

データセンター事業は2.7倍の17億5200万ドルだった。クラウド事業者などがサービスの基盤となるデータセンターを増強しており、人工知能(AI)計算用の半導体需要を押し上げた。4月に買収したメラノックス・テクノロジーズ(イスラエル)の売り上げも5億ドルあまり寄与した。

エヌビディアにとって、データセンター事業の売上高がゲーム事業を上回るのは初めて。2本目の柱が育ったといえる。ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は「ゲームやAI、クラウドといった分野が次なる産業革命を起こしており、エヌビディアは成長できる立場にある」と述べた。一方、注力している自動車向けの売上高は新型コロナの影響で前年同期と比べて47%減った。

8~10月期の売上高は44億ドル前後を見込む。前年同期と比べて5割近く多い水準で、5~7月期の実績も上回る見通しだ。

ソフトバンクグループと進めているとされる英半導体設計アームの買収計画について、ファン氏は決算会見で具体的には説明しなかった。一方でアームについて「我々の長期的な協業相手だ」と話し、「とても親しく仕事をしている」と述べた。アームの設計技術を用いた半導体が電力効率に優れることを褒め「自動運転やニンテンドースイッチ向けの部品など、さまざまな用途でアーム(の技術)を活用している」と話した。』

エヌビディア、AIが初のゲーム超え

エヌビディア、AIが初のゲーム超え アーム買収焦点
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62834970Q0A820C2TJ1000/

『【シリコンバレー=佐藤浩実】ゲーム用の半導体メーカーだった米エヌビディアの「脱皮」が鮮明になってきた。19日に発表した2020年5~7月期決算は、人工知能(AI)計算用の半導体を中心とするデータセンター事業の売上高が初めてゲーム事業を上回った。時価総額は米半導体業界で首位。英アームの買収観測も出るなか、評価にたがわぬ成長を続けられるか。

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米エヌビディア50%増収 5~7月、ゲーム用半導体拡大

「『フルスタック』でコンピューティングの基盤を提供している」。エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は19日の決算会見でこう強調した。フルスタックはIT(情報技術)業界で、複数の技術分野に精通することを示す言葉だ。売上高が38億6600万ドル(約4100億円)と9四半期ぶりに過去最高となった5~7月期決算は、ゲームとデータセンターの2本柱の成長ぶりを映した。

新型コロナウイルス対策の「巣ごもり需要」によって、同四半期は祖業のゲーム事業に強い追い風が吹いていた。精細な映像をなめらかに映すパソコン向けのGPU(画像処理半導体)から、任天堂のゲーム機「ニンテンドースイッチ」の基幹部品まで手掛ける。新型コロナ下で人気を博した「あつまれ どうぶつの森」や「フォートナイト」を縁の下で支えた。

ゲーム事業以上に好調だったのがデータセンター事業だ。5~7月期のゲーム事業の売り上げが16億5400万ドルに対して、データセンター事業は17億5200万ドルと初めてゲームを上回った。過去5年間の成長率はゲームが2.5倍に対し、データセンターは24倍にのぼる。

理由は2つある。エヌビディアのデータセンター事業は、AIの計算スピードを上げるために使う半導体が中心だ。ゲームに求められる高速な画像処理と通じる技術が多い。他社に先駆けて、画像や音声認識などAIの用途拡大の波に乗った。5月に出した新製品は既に米グーグルや米マイクロソフトがクラウドサービスでの採用を決めている。

4月に買収手続きを終えたメラノックス・テクノロジーズ(イスラエル)が加わったことも業績を押し上げた。買収に69億ドルを投じたメラノックスは、データセンター内部のネットワークを構成する電子部品を手掛ける。早速エヌビディアのGPUと組み合わせて販売しており、相乗効果が出始めている。

今後焦点になるのは、ソフトバンクグループと交渉中とみられる英半導体設計アームの買収だ。エヌビディアはかねてアームと取引関係にあり、「ニンテンドースイッチ」向けのプロセッサーなど多くの半導体の開発にアームの設計技術を役立ててきた。

ファン氏は会見で買収交渉について明言しなかったものの「アームとはかなり親しく仕事をしている」と話し、省電力の半導体を作りやすい同社の設計技術を褒め上げた。アームとの関係を深められれば「CPU(中央演算処理装置)やスマートフォンの分野に入っていける」(米半導体アナリストのパトリック・ムーアヘッド氏)との見方もある。

エヌビディアの時価総額は19日終値ベースで2986億ドルと、年初来で約2倍になった。次世代品の量産技術の確立で苦戦する米インテルの時価総額を7月に抜いて以降、米半導体メーカーとして首位に立つ。「巣ごもり」後も成長し続けられるか。投資家の注目が集まる。』