米銀JPモルガン、AI導入を加速 テック予算1.3兆円

米銀JPモルガン、AI導入を加速 テック予算1.3兆円
ロリ・ビアCIOインタビュー
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN040FT0U1A900C2000000/

『米銀大手JPモルガン・チェースが人工知能(AI)分野への投資を加速している。消費者向け銀行サービスの不正行為検知に加え、法人向け業務にも導入場面は広がる。年間120億ドル(約1.3兆円)という巨額のテクノロジー関連予算が強みだ。日本経済新聞の取材に応じたロリ・ビア・グローバル最高情報責任者(CIO)はアジアを含む世界で技術者の採用を強化する考えを示した。
社内エンジニア5.2万人「さらに増える」

JPモルガンはAIの導入を全社で進めている。例えば不正行為の発見だ。AIが不正のシグナルを察知すると、コンプライアンス担当に通告するシステムを導入した。主にコンシューマー(消費者)向け銀行事業で年間1億5000万ドル相当の不正を検知した。新型コロナウイルス危機下の与信管理にもAIを活用した。

投資家向けにアナリストやエコノミストのリポートを配信するポータルサイト「JPモルガン・マーケッツ」では、AIを使って顧客の関心・興味に合わせた表示画面にカスタマイズする。ビアCIOは「株式部門の責任者と協力して、次世代の商品や機能を考えている」と明かす。

JPモルガンはAI導入を加速するため、クラウド上に「オムニAI」と呼ばれる開発基盤を整備した。データサイエンティストは機密性の高い銀行内部のデータをすばやく、安全に入手できるようになり、モデルの開発効率が上がった。オムニAIの構築には米グーグル出身の技術者がかかわった。

米銀は決済大手ペイパルなどフィンテック企業との競争に加え、グーグルやアップルなどハイテク大手の金融参入にも対応を迫られる。ビアCIOは自社の優位性について「情報の豊富さと密度」と強調する。

JPモルガンは決済や送金などで1日7兆ドルを動かす。米世帯の5割と取引関係があり、顧客がライフサイクルに合わせて、どのようにおカネを使うのか把握している。膨大な情報を分析し、競争力につなげる手段がAIというわけだ。

競争力強化に向けてテクノロジー関連支出も増やす。2021年12月期の予算は約120億ドル。20年の純営業収益の約10%に相当する。15年12月期(約90億ドル)に比べて3割多い。およそ半分は銀行経営に必要なIT(情報技術)経費で、残りをイノベーション促進に充てている。
JPモルガン・チェースのグローバル最高情報責任者、ロリ・ビア氏

研究開発の重点分野には、AIや機械学習のほか、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を挙げる。5年前から本格的に投資を開始し、ブロックチェーン上で動くデジタル通貨「JPMコイン」を実用化にこぎつけた。国債などを担保に金融機関が短期資金をやりとりするレポ市場で使われ始めた。

技術革新を支えるのは約5万2000人の社内エンジニアだ。「人数は21年と22年にさらに増える」(ビアCIO)。バンカーなど非技術者向けの教育・学習プログラムも用意し、イノベーションが生まれやすい環境を整える。

技術変革拠点としてアジア重視

JPモルガンはテクノロジー開発拠点としてアジアを重視する。インドではムンバイなど3カ所にオフィスを持ち、シンガポールと中国・香港にも拠点を構える。地域別でみたエンジニア数はアジアが最大だ。米消費者向け銀行「チェース」のモバイルサービスはアジア拠点で開発した。

ビアCIOは「コンシューマー向けサービスなど銀行のコア事業をみると、(アジアは)はるかにデジタル化が進んでいる」と指摘する。イノベーションの動向をつかむため、アジアのフィンテック・エコシステム(生態系)を注視しているという。

東南アジアでは配車大手グラブなど新興ハイテク企業が、金融サービスを統合した「スーパーアプリ」を提供し、個人の電子財布(デジタルウォレット)として存在感を増している。米国でもペイパルやグーグルが「スーパーアプリ」構想を公表し、米銀と一部競合する可能性が出てきた。アジア発のイノベーションをどう取り込むのか。戦略の有無が銀行の競争力を左右する。
JPモルガンはシンガポール当局のプロジェクトに参画=ロイター

JPMコイン「中銀デジタル通貨と競合せず」

JPモルガンは米ドル連動のデジタル通貨「JPMコイン」を軸に、国際送金の仕組みを再構築しようとしている。法人顧客はブロックチェーン上で24時間365日、マネーを動かせる。国際送金に必要な情報を銀行間でやりとりするネットワーク「Liink(リンク)」と連動し、時間短縮が可能になった。Liinkには邦銀90行を含む約400行が参加を表明している。

世界の中央銀行は民間デジタル通貨の急速な広がりに警戒し、自ら中銀デジタル通貨(CBDC)の発行に乗り出したり、研究を進めたりしている。米連邦準備理事会(FRB)は発行の可能性とリスクをまとめた見解(ディスカッション・ペーパー)を公表する見通しだ。
ビアCIOは「CBDCを競合相手とみてない」と強調する。JPモルガンはシンガポール金融通貨庁(MAS、中銀に相当)主導の「プロジェクト・ウビン」で、シンガポール大手DBS銀行と組み、商業銀デジタル通貨を使った多通貨決済ネットワークを構築しようとしている。同計画は将来的なCBDCの利用も想定している。

(ニューヨーク=宮本岳則)

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白井さゆりのアバター
白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

一般市民向けにCBDCを発行するとマイナス金利政策の効果を高めることが可能だが、民間発行のデジタル通貨と大きく異なる点は、安全性やプライバシーの確保やマネロンなど違法行為を助長しないように慎重にデザインが必要なことだ。

CBDCを発行して問題が発生すれば中央銀行の信用が傷つく恐れもある。

だが民間の暗号資産などが急増しており犯罪を助長して決済システムを不安定にする可能性も意識されてきており、そうした資産の発行・利用を禁止して中央銀行が責任をもってCBDCを発行すべきとの見方もある。

いずれにしてもCBDCの発行には中央銀行の知識と技術だけでは難しくテック企業および民間銀行との共同作業が必要だ。

2021年9月29日 7:32 (2021年9月29日 7:41更新) 』

中国AI研究、米を逆転

中国AI研究、米を逆転 論文の質・量や人材で首位
チャートは語る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC134R40T10C21A7000000/

『人工知能(AI)研究で独走していた米国を中国が追い越しつつある。研究の質を示す論文の引用実績で2020年に中国が米国を初めて逆転した。AIは幅広い産業に組み込まれ、国家の競争力や安全保障をも左右する。米国の危機感は強く「AI覇権」を巡る米中の攻防が激化する。

中国の清華大学に6月、一人の女子学生が入学した。「生まれた時から文学と芸術に夢中です」。名前は華智氷。AIが生んだ「仮想大学生」だ。中国版ツイッターの微博(ウェイボ)などに投稿された動画は世界に拡散した。

清華大によれば彼女は「継続的な学習能力」を備え、文書や画像、動画のデータを学び「成長」する。中国国営の新華社によると認知レベルは人間の6歳に相当し、1年後には12歳に達するという。詩や絵を創作する能力に加え将来はウェブサイトを制作することも可能になる見通しだ。

狙うのは人間のように多様な知的作業をこなす汎用AIの実現だ。ベースには北京智源人工智能研究院(BAAI)が主導して開発したAI「悟道2.0」が使われている。100人以上の研究者が携わり言語や画像を扱う高い能力を得たとされる。AIを賢くする調節ポイントともいえるパラメーターの数は、20年に米国で登場し流ちょうな文章を作成して話題となったAI「GPT-3」の10倍だ。

米スタンフォード大学の報告によると、学術誌に載るAI関連の論文の引用実績で中国は20年に米国を初めて逆転した。シェアは20.7%と米国の19.8%を上回った。英クラリベイトによればAI論文の数は12年以降、中国が24万本と米国の15万本を圧倒する。画像の認識や生成などで優れた成果を上げている。

言語などを操る最先端のAIの実現には豊富な人材や資金が不可欠で、「開発できるのは一握りのプレーヤーに限られる」(東京都立大学の小町守准教授)。悟道2.0を作ったBAAIには清華大や北京大学、中国科学院、百度(バイドゥ)、小米(シャオミ)などが参加する。

AI関連の学会ではなお米国の企業や大学の存在感が大きいものの、個人に焦点を当てると中国の底力が浮かび上がる。世界最高峰のAIの国際会議「NeurIPS」の発表状況(19年)をみると中国出身者の割合は29%と首位で米国の20%を上回る。中国系のAI研究者は米国で活躍する例が多かったが、近年は自国での人材育成に力を入れる。AI研究で著名な清華大や上海交通大学だけでなく、浙江大学、ハルビン工業大学、西北工業大学なども論文発表の実績などを持つAI人材をそれぞれ2000人規模で抱えるとの報告もある。

AIで使うデータの多さも強みで、中国ではあらゆるものがネットにつながるIoT機器が30年に80億台に迫る見通しだ。自動車やインフラ設備、ロボットなどに装備され膨大なデータを生み出す。

中国は17年に「次世代AI発展計画」を策定し、世界のイノベーションの中心になるとの目標を掲げた。音声合成の国際競技会で14年連続優勝の実績を持つ科大訊飛(アイフライテック)など企業の技術力も高い。人口減を見据えて「労働力の不足を補う形でAIの活用を考えている」(伊藤忠総研の趙瑋琳・主任研究員)との指摘もある。

「中国にAIの主導権を奪われかねない」。米グーグル元最高経営責任者のエリック・シュミット氏が委員長を務める米AI国家安全保障委員会は3月の報告書で危機感をあらわにし、巻き返しに動き始めた。米中の覇権争いは世界に影響を及ぼす。

(AI量子エディター 生川暁、下野裕太、グラフィックス 貝瀬周平)

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山崎俊彦
東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授

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別の視点 「中国出身者の割合は29%と首位で米国の20%を上回る。」とありますが、大学教員および大学院生は国外出身者という例が非常に多いように思います。

日本から留学する人の数が少ないという報道がよくなされますが、それ以上に海外で活躍する教員も少ないのを危惧しています。

2021年8月9日 8:43いいね
8

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浅川直輝
日経BP 「日経コンピュータ」編集長

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別の視点 日本でもAI人材の不足が叫ばれていますが、AIやIoTなどブームが来てから「人材不足」を叫ぶのでは遅すぎます。

 例えば米政府の諮問会議が、サイバー空間と現実空間が融合するCPS分野の産業が興ると予測し、「ITと機械」「ITと法律」「ITと医療」など複合領域の専門人材を育成すべきと提言したのは2007年。日本の総合科学技術・イノベーション会議が、CPSと同じ概念の「Society 5.0」を提唱したのは2016年でした。

 日本は今後もAI分野で人材を育てる必要がありますが、苦しい戦いを強いられるでしょう。次の産業を切り拓く分野と人材は、日本ならではの方法で発掘し、育てるほかありません。

2021年8月9日 7:59いいね
9 』

Google持ち株会社、産業用ロボ制御ソフト参入

Google持ち株会社、産業用ロボ制御ソフト参入 AI活用
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN240830U1A720C2000000/

『【シリコンバレー=奥平和行】米グーグルの親会社である米アルファベットは23日、産業用ロボットの制御ソフトに参入したことを明らかにした。人工知能(AI)などを活用してロボットの設定を容易にすることにより、生産現場などにおけるロボット活用を後押しするとしている。

アルファベットの新規事業開発部門である「X」が新会社のイントリンシックを設立した。自動運転技術の開発を進めるウェイモなどの兄弟会社となる。新会社の最高経営責任者(CEO)についたウェンディ・タン・ホワイト氏が23日にブログで事業計画を説明した。

ホワイト氏によると、産業用ロボットは設定が煩雑で利用拡大の妨げになっているという。また、軟らかいコードなどの組み付けを不得手とすることが多い。AIの中核技術である深層学習や強化学習などを活用し、こうした問題を解決したい考えだ。

新会社は過去5年半にわたってXで開発を進めてきた技術を活用する。ホワイト氏は数百時間のプログラミングが必要だった設定作業を2時間に短縮できた事例などを示し、「当社の技術は産業用ロボットの利用に伴う時間やコスト、煩雑さを大幅に減らせる可能性がある」と指摘している。

今後は外部企業と共同で実用化に向けた検証作業を加速したい考えだ。具体的には自動車や電機、ヘルスケアといった生産現場で多数のロボットを活用している企業と協力する機会を探ると説明している。

グーグルは以前からロボット事業に参入する機会を探ってきた。2013年には米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)の支援を受けて二足歩行ロボットなどを開発してきた米ボストン・ダイナミクスを買収した。ただ、開発の方向性などを巡って同社との間で食い違いが生じ、17年にソフトバンクグループに売却している。』

スパコン富岳、世界一の計算力で革新的AI開発に挑む

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOHD163KW0W1A210C2000000/

『スーパーコンピューターで膨大なデータを学ばせ、創薬や材料開発、自動運転車などの画期となる人工知能(AI)を実現しようとする研究が進む。理化学研究所は世界最高峰のスパコン「富岳」の全計算能力を使って技術革新を目指す。欧米でも同様の動きは盛んで、計算力がAI競争の行方を握っている。

理研は2022年度にも富岳の全ての計算能力を使い、世界最大のAIを試作する。富岳は16万個のCPU(中央演算処理装置)を…

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富岳は16万個のCPU(中央演算処理装置)を持ち、例えばAIに使うと、1秒間に約2エクサ(エクサは100京)回の計算ができる。これを全て使い、創薬や材料開発、自動運転など分野ごとに画期的なAIの実現を目指す。

AIの開発は一般に、創薬や自動運転など目的ごとに関係するデータを大量に計算機に入力して学ばせる。データ量を増やしても性能が高まらなかったり、間違った判断をしたりする場合があった。だが近年、学習法の研究が進んで、データ量や計算機を増やせば性能を高められることが機械翻訳などでみえてきた。

現在では、スパコンの計算能力、学ばせるデータ量、計算結果を左右する項目「パラメーター」の数が重要と注目されている。パラメーターとは例えば病院の診断用のAIならば性別や年齢、既往歴といった項目だ。

スパコンを使うのは、大量のデータを学ばせる必要があるからだ。例えば自動運転車を開発する場合、1台が1年間走ると、カメラや光センサーから約2ペタ(ペタは1000兆)バイトものデータが集まるといわれる。

松岡聡・理研計算科学研究センター長は「創薬や自動運転、翻訳などでは、ペタバイト以上のデータを扱うことが普通になった。それだけのデータを使ってAIを作るには、優れたスパコンが不可欠だ」と話す。

理化学研究所のスパコン「富岳」(理研提供)

目指すのは画期的なAIの開発だ。米マイクロソフトの支援を受ける研究企業、オープンAIが20年6月に公開したAI「GPT-3」は、人に近い自然な文章を作れてイノベーションを起こしたといわれる。1750億ものパラメーターを扱う大規模な計算モデルを使って性能を高めた。

富岳は計算能力では現在世界1位だ。GPT-3が学習に使ったデータの約114倍にもなる5120テラ(テラは1兆)バイトのデータを学習したAIを動かせる。パラメーターの数も同等以上にはなる見込みだ。

松岡氏は「画像や化合物の構造データを大量に作ったり、高速でAIに覚えさせたりする。スパコンで作ったAIでないと画期的な創薬研究などはできない」と話す。足りないデータをAI自体に作らせ、効率的に学ばせる手法は今の主流だ。

理研は富岳で、病気に関わる体内のたんぱく質の構造を詳細に解析し、薬の候補物質を探す。コンピューター断層撮影装置(CT)などの医療画像を使い、がんの早期診断を目指す。30年代に実現が見込まれる「レベル5」と呼ばれる完全自動運転車を実現するAIの開発にも取り組む。

スパコンをAI開発に使う取り組みは、11年に米グーグルと米スタンフォード大学が始めた。現在は米中が先頭を走り、企業も目立つ。「米エヌビディアやマイクロソフトは世界トップ10に入るスパコンを持つ。中国の百度も取り組んでいる」(松岡氏)

欧州では、イタリアの約100の大学と公的機関が構成する研究者の組織「CINECA(シネカ)」が、世界最速のAI向けスパコン「レオナルド」を作る。1秒間に10エクサ回計算できる能力で、22年に運用を始める予定だ。サンツィオ・バッシーニ・ディレクターは「新型コロナウイルス感染症の治療に既存薬を転用する研究や、豪雨や地震などの予測に役立つ」と話す。

期待は大きい。米アルファベット傘下の英ディープマインドは20年11月、半世紀にわたる生物学の難題を解くAIを開発した。創薬につながるたんぱく質の立体構造を短時間で予測した。

今後も競争は続く見込みだ。オープンAIの試算によると、AIを作るのに必要な計算能力は約3.5カ月ごとに2倍になるという。産業技術総合研究所の小川宏高・人工知能クラウド研究チーム長は「今後もスパコンを使ったAIの開発競争は激しくなる」と言う。

勝ち抜くには、スパコンへの投資と人材育成が必要だ。産総研などは講習会を開き、人材育成に取り組んでいる。小川チーム長は「国内企業はスパコンにほとんど投資していない」と話す。大規模なAIを作る潮流に乗り遅れれば、日本の産業競争力をさらに落としかねない。(草塩拓郎)

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山崎俊彦のアバター
山崎俊彦
東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授
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ひとこと解説 スパコンがなぜ必要かという実例を1つご紹介します。記事でも言及があるGPT3の学習には”It was estimated to cost 355 GPU years and cost $4.6m.”とされています。約5億円のコストをかけねばならず、1枚のGPUだと355年もかかってしまう膨大な計算が必要です。

How GPT3 Works – Visualizations and Animations
https://jalammar.github.io/how-gpt3-works-visualizations-animations/

2021年4月2日 12:55いいね
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竹内薫のアバター
竹内薫
サイエンスライター
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別の視点 京は計算速度をウリにした結果、社会からあまり支持が得られませんでした。富岳は、その名のとおり、広い裾野を意識し、さまざまな分野で実際に活用してもらおうという姿勢が鮮明ですね。日本のAI開発はいまだ周回遅れと言われていますが、オールジャパン体制で巻き返しを図ってもらいたいです。

2021年4月2日 12:41いいね
1

慎泰俊のアバター
慎泰俊
五常・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
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別の視点 AIの構成要素はデータと演算性能とアルゴリズムであり、これらは相互補完的に強くなります。例えば、計算機の性能があがり、デジタル化されたデータが大量に集まったことで、アルゴリズムも進歩しているわけです。

ですので、演算性能が高いコンピューターがあるだけでは不十分で、大量のデータやアルゴリズムを開発する人材が必要なわけですが、この二点についてはすでに米中に大幅に遅れを取っており、現在のフェーズでのキャッチアップはもう難しいと思います。

ですので、次のフェーズで勝つために必要なものが何かを見極め、そこにリソースを割いていくべきではないでしょうか。

2021年4月2日 11:46いいね
6

キユーピー、ロボも作る 中小食品の人手支える データ集め自動で盛り付け

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ1043D0Q1A310C2000000/

『キユーピーが生産性の低い食品業界を変えようとしている。画像データを駆使した総菜の自動盛り付けロボット、原料の検査装置を開発し、人手が足りない地方の中小食品会社に提供する。食料品製造業は従業員数で製造業最大の産業だが労働生産性が低い。マヨネーズだけでなくロボも作り、食品だけを売る会社からの脱却を目指す。

「ウィーン」。平底のケースに積まれた山盛りのポテトサラダに向かってロボのアームが伸びる。器用にポテトサラダ…

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器用にポテトサラダをつかむとプラスチックの容器に次々と盛り付けし、量もほぼ均等になった。これはキユーピーが東京都府中市の研究施設で開発を進める総菜の自動盛り付けロボットだ。

ロボの動きをよくみると、アームがつかむのは山盛りのポテトサラダの一番高く積み上がった部分だ。ケースの上に小型カメラが設置され、人工知能(AI)でポテトサラダの容量を3次元(3D)で把握する。これなら闇雲にポテトサラダをつかむことなく、個別の容器に盛り付けることができる。

ドレッシングなど液体の食品は、定量を注ぐだけなので自動化は簡単だ。一方で総菜のように形状が一定でない食品の盛り付けは難易度が高く、人手に頼らざるを得ない。キユーピーによると、ポテトサラダの場合、ジャガイモの皮むきなど様々な工程があるが、盛り付けにかかる作業人員は全体の6割程度を占める。これをロボに置き換えようとしている。
ポテサラで学習

キユーピーはAIに、ポテトサラダだけで数百の画像データを学習させた。まず大きなケースの中をポテトサラダで満杯にし、人手で盛り付けて総菜がどんどん減っていく様子を何度も撮影した。キユーピーは調味料だけでなく総菜事業もてがけており総菜作りの知見がある。撮影する角度や明るさを変え、数百種類の画像データを集めた。

さらにAIにデータを学ばせる「アノテーション」と呼ぶ作業で、白くてわかりにくいポテトサラダとケースの境界を把握できるようにした。数百のデータと3Dカメラを連動させ、山積みのポテトサラダの形が変わっても狙った場所をアームでつかめるようにした。

総菜の盛り付けは自動化が難しく手作業で行っている(キユーピーの工場)

1つの容器に盛り付ける時間は十数秒で、現時点でロボは試作機だが、誤差は10グラム程度で済んでいる。「人手じゃないと無理だと思っていた作業だが、容器によっては人手よりも早く盛り付けられる」(キユーピーの生産本部未来技術推進担当の荻野武テクニカル・フェロー)

2021年度にはラインを使った本格的な実証実験に入り、ロボの低コスト化に挑む。22年度にはキユーピーの総菜工場に導入する。キユーピーは300種類の総菜を作っており、いずれはポテトサラダ以外の総菜でも活用する方針だ。

キユーピーがポテトサラダなどを盛り付ける自動ロボに挑むのは理由がある。マヨネーズなどの調味料の販売を伸ばすには、調味料を使う食品会社の生産性改善が不可欠と考えている。

食品業界では味の素のような大手上場企業は自ら生産性改善を進めるが、多くの中小は人手不足が深刻で生産性も低い。キユーピーの業務用調味料を使う中小などがじり貧になれば、連結売上高(21年11月期予想で4000億円)の9割近くを国内で稼ぐキユーピーの事業基盤も揺らぎかねない。新たな収益源を模索する必要がある。

検査装置を外販

キユーピーは調味料や総菜だけでなく、データを活用した自動化のノウハウ提供に動く。17年には原料を自動で検査する装置も開発した。ベルトコンベヤーで流れる野菜のデータが必要なため、ジャガイモだけでも100万通りの良品の画像を撮影し、データを蓄積した。変色や変形といった不良品を発見すると空気を吹き付けて取り除くことで、原料検査を自動化できる。装置価格を海外製の10分の1と割安にし、外販もする。

いずれは原料検査装置、盛り付け自動ロボを組み合わせ、中小の食品会社に割安な自動化システムを提案する。システムには総菜など日配品の受発注履歴や天候、イベントによる需要予測をするためのデータも使う。

キユーピーは総菜について、購買履歴などの約30万件のデータを保有している。ここに中小食品会社を含めた様々なデータを組み合わせ、多くの企業が共有できるようにする。

人手不足の食品業界全体の生産性改善を実現できるかどうか。盛り付けロボなどデータを活用したキユーピーの自動化ビジネスが試金石になる。

生産性、製造業平均の5割

経済産業省の2019年の工業統計調査によると、食料品製造業の従業員数は114万人と製造業で最も多く、製造業全体の15%を占める。製造品出荷額も29兆円超で、輸送用機械器具製造業(70兆円)などに次ぐ規模となっている。
一方、18年度の企業活動基本調査をみると、食料品製造業の労働生産性は654万円となっており、製造業平均(1170万円)の5割強にとどまる。食品メーカーは中小企業が多く、導入コストの高いロボットによる自動化などが進んでいない。

厚生労働省によると、求人してもどのくらい必要数に足りないかを示す欠員率は「食料品、飲料・たばこ・飼料製造業」が2.1%と全製造業の(1.7%)より高く、人手不足感は強い。いかに安いコストで自動化を進め、生産性を上げられるかが長年の課題となっている。(逸見純也)

韓国で「対話AI」暴走 機械学習が陥ったワナ

韓国で「対話AI」暴走 機械学習が陥ったワナ
ソウル支局長 鈴木壮太郎
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM21B9V0R20C21A1000000

 ※ 何を、今さら…。何周遅れの、話しなんだ?

 ※ そもそも、AIの動作原理が分かっているのか…。

 ※ 「人工知能」という訳語を当てているが、やってることは「行列データ」の変形・演算にすぎない…。

 ※ 元々の「行列データ」が、歪んでいれば、その変形・演算結果も歪んだものにならざるを得ない…。

 ※ 「ビッグデータ」というものは、単に「元々の行列データが、巨大なほど多数ある」というだけの話しだ…。

 ※ 韓国語だと、「인공지능、in-gong-ji-nŭng、インゴンチヌン」と言うらしい…。漢字だと、「人工知能」だから、日本語訳をそのまま置き換えたんだろう…。

 ※ 「インゴンチヌン」に、「チヌン無し」だ…。

『韓国のスタートアップが世に送り出した対話型AI(人工知能)がサービス開始早々、人種や性的少数者に関する差別発言を連発。中止に追い込まれた。ユーザーから浴びせられた膨大な不適切発言にそそのかされ、かれんな女性は「偏見のかたまり」にゆがんでしまった。

問題となったサービスは韓国のスキャッター・ラボが昨年12月23日に開始した「イ・ルダ」だ。「寂しさを和らげる友達」を目標に開発したチャットボット(自動応…

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「寂しさを和らげる友達」を目標に開発したチャットボット(自動応答システム)で、設定は20歳の女子大生だ。友達や恋人のように語りかけると、自然な話し言葉で返答する。若者を中心に大きな関心を呼び、開始から2週間で75万人が利用した。

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差別発言で炎上

ところが年明けになって、ルダが同性愛や人種、障害者について差別的な発言を連発していることがネットで発覚。大騒ぎになった。同社が運営するルダのフェイスブックにはユーザーとルダとのおかしなやりとりが続々と掲載された。そしてついに12日、「ルダを愛してくださった皆様、最近起きたことについて深くおわびします。私たちはサービスを停止することにしました」との謝罪とともに、ルダは姿を消した。

スタートアップは苦渋の選択を迫られた(ソウルにあるスキャッター・ラボのオフィス)
同社によると、ルダには自社の「恋愛の科学」という別のサービスのデータベースを機械学習させた。恋愛の科学はSNSのやりとりの文面から、意中の相手が自分に気があるかなどを分析する会員制サービスだ。会員の許諾を得て氏名などの個人情報を匿名化し、性別と年齢だけがわかるデータに加工して学習させた。そうして生成された1億通りの文章の中から、会話の文脈や相関関係に応じて最もふさわしい文章を選んで回答するようにしたという。

そんなルダがなぜ、暴走したのか。

開発者側が今回の事態を全く想定していなかったわけではない。差別用語や特定の人々を蔑む表現は自動的に排除されるように設定した。ユーザーがルダから問題発言を引き出そうとする場合も想定し、模範解答も用意していた。本サービス開始前には2000人のユーザーを対象にテストを繰り返し、発生する問題をしらみつぶしにしていった。

開発企業「対策不足を痛感」

だが、本サービスで75万人のユーザーがルダにぶつける質問は、開発者の想像をはるかに超えていた。差別用語が使われていなくても、文脈上、差別を助長する言い回しには適切な回答ができなかった。会話がぷつりと打ち切られぬよう、いったんはユーザーの発言に共感してから会話を続けるようにしたことも差別発言に同調したとみなされる原因になった。「サービスを開始して対策不足を痛感した」(同社)

ルダとの会話には、地名や駅名、職場名など、個人が特定されかねない情報も一部含まれていた。同社は自社のデータベース以外に使用したオープンソースのデータベースに自社のデータが一部含まれ、そこにあった個人情報を完全に処理できなかったと謝罪した。この件について韓国政府の個人情報保護委員会や韓国インターネット振興院も調査に入った。

AIの間違いは世界で起きている。2016年には米マイクロソフトのAIボット「Tay」が差別発言し公開が中止された。米国では肌の色などでAIの認識精度に違いが出る問題が指摘されている。欧州ではAI利用の責任や倫理を定めるルールづくりが進み、韓国でも昨年12月「人間の尊厳、社会の公共善、技術の合目的性」の3原則を掲げるAIの倫理基準が決まったばかりだ。

根本的なジレンマ

AIに倫理観を持たせるにはどうすればいいのか。「技術的には特定の単語が出れば会話をできなくするなどフィルタリングを強化することだが、AIが賢くなる機会を奪い、愚かにするということでもある。根本的なジレンマだ」。ソウル大AI研究院の張炳卓(チャン・ビョンタク)院長は語る。

ソウル大AI研究院の張炳卓院長は「ユーザーの倫理意識が重要」と指摘する
「料理のための包丁も使い方によっては人を傷つける。AIも同じだ。人にいえないことをAIにぶつけてストレス解消するような行為が社会全体に与える影響を考えなければならない。開発者だけでなく、ユーザーがもっと倫理意識を持たなければならない」と指摘する。

「見守ってくれるって約束したのに……」「AIに何の罪があるっていうんだ」。ルダが去ったフェイスブックには喪失感が広がっている。ルダは帰ってくるのか。

スキャッターのキム・ジョンユン代表は「急成長のなかで未熟さが露呈し、僕たちの第一歩は止まった。でも、人間のように付き合える友達みたいなAIをつくるという夢は諦めたくない」と語る。企業側に落ち度があったのは言うまでもない。ただ、AIの「学習教材」となるデータを日々生産しているのはユーザーだ。AIは社会を映す鏡ともいえる。私たちのモラルも問われている。

鈴木壮太郎(すずき・そうたろう)
1993年日本経済新聞社入社。産業記者として機械、自動車、鉄鋼、情報技術(IT)などの分野を担当。2005年から4年間、ソウルに駐在し韓国経済と産業界を取材した。国際アジア部次長を経て、2018年からソウル支局長。

多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

山崎俊彦のアバター
山崎俊彦
東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授
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別の視点事前にどのようなフィルタリングをしても100%の精度で問題のあるデータを取り除くのは実質不可能だと思いますし、すべての場合をすべて想定することも不可能です。難しさを感じます。

AIによる間違いが起こらないようにすることが前提ではあるものの、その後どのような対応が各社でなされているかであるとか、報道で指摘されたAIの問題は実は実験者のパラメータ設定が間違っていたなどといったことは追加報道されません。そのため、一般の方にとっては「AIは報道のあった間違いをいまも起こすもの」と認識される恐れがあると思っています。

また、記者さんの最後の数段落の議論もとても大事だと思います。
2021年1月22日 8:23 (2021年1月22日 8:24更新)
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石塚由紀夫のアバター
石塚由紀夫
日本経済新聞社 編集委員
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ひとこと解説 そもそもAIに過大な期待をしすぎではないでしょうか。

機械学習段階のAIは世の中に流布する膨大な情報を効率的に処理し、学びます。ただし、一つ一つの情報の善しあしを判断するわけではありません。基本的に世の中の方々の倫理観をそのまま反映する存在です。

多数派の意見・判断は正しいのか。世の中を誤った方向に導かないのか。
話は飛躍しすぎかもしれませんが、国民の総意で選出された代表者が民主主義を脅かす行動を取ったといわれる、かの国の状況とAIの暴走が重なってみえます。
2021年1月22日 12:04いいね
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AI、ノーベル賞級に迫る 生物学50年来の難題に解決策

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGG046K50U1A100C2000000

 ※『アミノ酸がつくり出す立体構造のパターンは理論上、無数に及ぶ。総当たりで列挙して探索すると、宇宙の年齢(約140億年)より長い時間がかかるともいわれる複雑さだ。ディープマインドは既知の17万個のたんぱく質の構造などを学習データに使い、最先端のAI技術を駆使して驚くべき成果をあげた。』という部分が、ポイントだろう…。

 ※ 「ビッグデータ」の処理の「方向性」「演算・計算の方向性」の指定…。

 ※ そこの部分では、「人間の閃き(ひらめき)」がカギとなる…。

 ※ 結局、どこまで行っても、「閃いた(ひらめいた)方が、勝ち」となる…。

 ※ 人工知能は、閃かない…。「人工知能に、閃き無し。」だ…。

 ※『アルファフォールドの開発で主導的な役割を果たしたとされるのはたんぱく質の振る舞いなどの研究を手掛け、米シカゴ大学で化学の博士号を取得したジョン・ジャンパー氏だ。東京大学の松尾豊教授の下でAIを研究する今井翔太氏は、AIだけでなく化学などの分野の専門知識も取り入れたことが優れた性能の背景にあるとみる。』という部分も、ポイントだろう…。

 ※ 「決して、専門バカになるな。」「学際研究が、大切。」ということだ…。

 ※ 自分の「専門分野」のたこ壺に籠っていては、「閃きが訪れるチャンス」も、少なくなってしまう…。

『人工知能(AI)が「ノーベル賞の領域」に足を踏み入れた。そんなことを感じさせる研究成果が生まれた。米アルファベット傘下の英ディープマインドが半世紀にわたる生物学の難題を解くAIを開発したという。創薬研究などに革新をもたらす可能性を秘める。

世界的権威をもつ米国の科学誌サイエンスが毎年末に公表する科学研究の「十大成果」。2020年を代表するブレークスルーの一つに選ばれたのがディープマインドのAIだ。…

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・「疾病のメカニズムの解明や創薬、干ばつに強い植物や安価なバイオ燃料の開発に役立つ」と期待を寄せた。

・「アルファフォールド」と呼ぶそのAIはたんぱく質の立体構造を高精度で予測する。たんぱく質は栄養素の印象が強いが、種類や役割は多様だ。目で光を感知し、筋肉を動かし、食物をエネルギーに変える、といった生命活動の根幹を支える。

・たんぱく質は20種類のアミノ酸が数珠状につながってできている。その機能は形に左右され、複雑な立体構造を調べる研究は昔も今も盛んだ。X線や電子顕微鏡などを用いるが、数カ月以上を要し費用もかさんでいた。

たんぱく質の立体構造を高い精度で予測する(ディープマインドのウェブサイトより)

・アルファフォールドは1次元のアミノ酸の並び方からたんぱく質の立体構造を短時間で予測する。DNAの情報からアミノ酸配列は比較的簡単に分かる。数日で構造を導くことも可能という。

・実力を証明したのが20年に開かれた「CASP」と呼ぶ競技会だ。X線解析などと遜色ない精度を示し、驚きを呼んだ。コンピューターによる予測は従来から活発だが、これほどの性能に達していなかった。米メリーランド大学のジョン・モルト教授は「非常に特別な瞬間だ」とたたえた。

・「生物学における50年来の難題の解決策」。ディープマインドは11月公開のブログにこんな題名を付けた。1972年にノーベル化学賞を受賞した米国のクリスチャン・アンフィンセン氏が「たんぱく質の立体構造はアミノ酸の配列で決まるはず」と唱えて以来のナゾに答えたと誇った。

・アミノ酸がつくり出す立体構造のパターンは理論上、無数に及ぶ。総当たりで列挙して探索すると、宇宙の年齢(約140億年)より長い時間がかかるともいわれる複雑さだ。ディープマインドは既知の17万個のたんぱく質の構造などを学習データに使い、最先端のAI技術を駆使して驚くべき成果をあげた。

・同社の名は囲碁AI「アルファ碁」をきっかけに世界に知れ渡った。2016年にトップ棋士を破りAIの飛躍的な進化を印象づけた。最高経営責任者(CEO)のデミス・ハサビス氏は米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたこともある。

・アルファフォールドの開発で主導的な役割を果たしたとされるのはたんぱく質の振る舞いなどの研究を手掛け、米シカゴ大学で化学の博士号を取得したジョン・ジャンパー氏だ。東京大学の松尾豊教授の下でAIを研究する今井翔太氏は、AIだけでなく化学などの分野の専門知識も取り入れたことが優れた性能の背景にあるとみる。

・応用先に見込まれるのが創薬だ。薬は主に病気にかかわるたんぱく質に結合し作用する。薬と標的のたんぱく質は鍵と鍵穴の関係に例えられ、立体構造の素早い把握は新薬開発の手助けになる。

・アルファフォールドは新型コロナウイルスのたんぱく質の構造予測でも高い精度を示した。東海大学先進生命科学研究所の平山令明所長は希少疾患などを念頭に「今まで手のつけられなかった薬の開発もできるようになる」と、将来の発展に期待する。

・アルファフォールドも万能ではない。構造を予測できる対象には限りがあり、たんぱく質の機能や振る舞いの解明に向けた道のりはまだ長い。それでも研究者たちは「生物学全体の進歩につながる」(東北大学の中村司・日本学術振興会特別研究員)と熱い視線を注ぐ。

・人類に広く恩恵をもたらし、本当にノーベル賞級の成果といえる技術になるのか。これから真価が問われる。

(AI量子エディター 生川暁、スレヴィン大浜華)

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囲碁AIが独創の定義変える 大橋拓文が身を投じた革命
AIの学び、高精度 データ100分の1でも画像認識

英競争当局、エヌビディアのアーム買収の調査開始

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR06DL50W1A100C2000000

『【ロンドン=佐竹実】英国の競争当局である競争・市場庁(CMA)は6日、米半導体大手エヌビディアによるソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体設計大手アーム買収について、調査を始めると発表した。最大400億ドル(約4兆1千億円)の大型買収はCMAのほか、米国や中国も含めた規制当局の承認が必要となる。CMAは「世界の当局と連携して買収による影響を精査し、消費者が高価な製品や質の悪い製品に直面しないようにする」としている。

エヌビディアとSBGは2020年9月、アームの買収で合意した。エヌビディアは自社株式を対価の一部とし、SBGはエヌビディアの大株主となる。エヌビディアはゲームの映像をなめらかに描くGPU(画像処理半導体)の技術で急成長してきた。アームの技術を手に入れることで、人工知能(AI)向け半導体の競争力を高める狙いがある。

SBGは16年、当時上場企業だったアームを約240億ポンド(約3兆3千億円)で買収した。携帯電話向けの半導体設計で世界シェアの9割を握るアームは世界のものづくりを陰で支え、英国ではハイテク業界の「クラウンジュエル(王冠の宝石)」と呼ばれる。4年で手放すことになったが、SBG関係者は「エヌビディアと統合した方が、さらなる成長を見込める」と話している。

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 ※ ははあ、そういうことか…。

Intel&AMD語からARM語へ
http://haruyama-shoka.blogspot.com/2020/12/intel.html

『PCの数量は少数だ。しかし、数では少数派だが、IT製品の全体世界に君臨してきたのがPCだった。

2020年は、そのPCの世界に地殻変動が起こった
アップルがスマホ、タブレット、PCの言語統一のために、Intel&AMD語のCPUからARM語のCPUに鞍替えしたのだ

その理由は明白だ。
スマホ、ダブレット、PCのシームレスな一体化を実現するには、全てのCPUの言語が統一されている方が安くて簡単に早く実現できるからだ。』

文系記者がAI作ってみた クリックだけで制作時間15分

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65523280X21C20A0X11000/

『人工知能(AI)が産業や生活を変え始めている。難解な計算モデルを作り上げ、データ解析をしてくれるAIは専門のエンジニアが欠かせなかったが、昨今は事情が違うらしい。素人でもクリック操作だけで作れるサービスが広がっているという。にわかに信じがたいが、AI担当記者として確かめずにはいられない。文系出身の私でもできるのか、トライしてみた。

「誰でもすぐにAIを作れますよ」。aiforce solutions(エーアイフォースソリューションズ、東京・千代田)の西川智章代表の一言に当初、記者は半信半疑だった。

ビッグデータから最適解を導くための複雑な数理モデルを考え、プログラミングしないといけないAI。技術は難解極まりなく、自分で計算式を書くなどもってのほかだが、触ってみないことには始まらない。同社を訪れた。

■予測の誤差は0・5%

今回、同社のサービス「AMATERAS RAY(アマテラス・レイ)」を使って作るのは、翌日の日経平均株価を予測するAIだ。株価の過去データと影響を与えそうなデータを集めて入力。すると、データの相関関係やデータの変動傾向から自動で株価を予測するモデルを構築してくれるという。プログラミングが一切要らない「ノーコード」サービスだ。

まずはデータの準備から。過去の日経平均の値に加え、米ダウ工業株30種平均やドル円の為替相場、トランプ大統領に関するグーグルの検索データなど、公開されている約35のデータを集めた。

データはエクセルのような表計算シートにアップロードする。次に操作画面から予測する対象に日経平均株価、データを整理するインデックスに日付の列を選ぶ。為替など他の列のデータは株価との関係性を分析、予測に役立てる。

次のステップはデータの計算手法である「アルゴリズム」の選択だ。アルゴリズムをもとに、株価を予測するモデルを構築するとあって重要な作業。といってもここでも操作はクリックだけだ。

アマテラスは14種類のアルゴリズムを用意している。画面上ではそれぞれの特徴について解説している。計算手法の細かな解説がないのがかえって入りやすい。すべてのアルゴリズムを使って計算し、その結果から一番優れたものを選ぶこともできるが、今回はよく利用される代表的な2種類をクリックして選んだ。

待つこと数分。2種類のAIモデルができあがった。実際に予測に使うアルゴリズムは、2つから優れた方をアマテラスが選んでくれる。今回は、過去の日経平均株価の値とモデルが導き出した数値の差がより少なかった「Light GBM」というモデルが最適との結論を出した。

素人の私だとアルゴリズムを勉強するのに数カ月はかかるはず。なのに、自動推奨までしてくれてこんな楽ちんでいいのかと思ってしまう。

最後の工程は選んだモデルの動作確認だ。モデル構築に使った時と同じ種類のデータをアップロードして計算、狙い通り株価予測ができるか検証した。作ったモデルは問題なく動いた。

予測結果はどうか。何と、実際の株価との誤差は0.5%の118円。気分はもうマーケットアナリストだ。

同社のエンジニアに教えてもらいながら操作しても、かかった時間は15分ほど。一度覚えればもっと短縮できそうだ。触れ込み通り、操作は本当にクリックのみだった。アルゴリズム名など見聞きしない専門用語はちらつくが、すべて分からなくても使いこなせた。

どうして分からなくても使えるのか。西川代表は「AIが次々と実用化されていくなか、研究開発が進み、分野によっては計算手法が確立されてきたため」と話す。

アマテラスのアルゴリズムには、これまでAI業界が積み重ねてきた知見が詰め込まれている。作ったモデルは、多くのエンジニアが参加してAIの性能を競うコンテストで上位数%に入ることも。必ずしもエンジニアが一から計算式を組み立てる必要はなくなりつつあるという。

エーアイフォースソリューションズの西川代表

■AI開発費用を大幅に減らす

「アマチュアAI」のインパクトは大きい。エンジニアに委託する場合、1回あたり数カ月の時間と数百万円から、ときには数千万円の費用がかかる。アマテラスは年間数百万円で使える。適切なデータの選び方などエンジニアにサポートしてもらった後は、データさえあれば誰でも30分ほどで制作できるという。

アイスクリーム店を運営するB-Rサーティワン アイスクリーム(東京・品川)。店の実務担当者はアマテラスを使って自らAIを作り、売れ行きを予測しながら生産や在庫管理を効率化している。従来は3カ月に1回、AIを活用した社外のデータ分析サービスを使い、過去の出荷実績などのデータからシーズンごとに変わる商品の出荷量を予測していた。

だが、エンジニアはAIには詳しくても31種類ものアイスクリームには門外漢。消費トレンドなど予測のためにどんなデータが必要なのか、どんなデータをひも付ければよいのかなどの検討に時間がかかり、費用が膨らむことも課題だった。

そこで店舗のパソコンから使えるアマテラスを導入。現場担当者が必要だと判断した時に”専門家”となって予測できるようにした。かかる費用は月数十万円と大幅に削減できたという。

定型化したアルゴリズムを組み込んだソフトを使うことで、素人でもAIを作れるシステムは他にも。19年にニコンから独立したエンジニアが設立したMENOU(東京・中央)は、製造業の検品に使える画像解析AI作成ソフトを開発する。「技術はすでに実用レベルを上回っている。これからは使い勝手の改善に注力したい」(西本励照代表)という。9月にグーグルが発表したプログラミングなしでアプリを作れる新サービスでも、AIが作れる機能が実装される見通しだ。

もちろん簡易AIは万能ではない。AIには画像処理や言語処理用などデータのタイプによって様々な種類がある。簡易AIが扱えるのは数値データと一部の画像データに限られており、その分野以外のアルゴリズムは十分確立されていない。

また、どういうデータを読み込ませるかによってAIが導き出す結果は違ってくる。高精度にはじき出そうと思えば、計算技術にたけたエンジニアの力がものをいう。専門家はこれからも欠かせない存在といえる。

作り終えての感想は「AIの民主化」に向けた扉がいよいよ開かれたということだ。AIが専門領域ではなく、データさえあれば誰でも”開発”できる時代は意外に早く訪れるかもしれない。動作の仕組みは分からずとも誰もが使いこなしているスマートフォンのように。

(企業報道部 山田彩未)』

エヌビディア、アーム買収のなぜ(2)GAFAも半導体開発

エヌビディア、アーム買収のなぜ(2)GAFAも半導体開発
IoT機器向けは「適度なサボり」で省電力化
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63962040X10C20A9I00000/

『米半導体大手のエヌビディアの手掛ける人工知能(AI)半導体は、米IT大手のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)も開発に乗り出している。技術開発競争の焦点は小型化や省電力化で、クラウドにデータを送らずに端末側でAI処理する「エッジAI」の普及の原動力となる。Q&A方式で現在の競争環境をまとめる。

【関連記事】
エヌビディア、アーム買収のなぜ(1)AI半導体
AI半導体、覇権狙うエヌビディア アーム買収

Q エヌビディアが手掛けるAI半導体の課題は何か。

A エヌビディアのGPU(画像処理半導体)は演算速度が速い一方で、消費電力量が比較的大きく、半導体チップを搭載するための部品も大型になってしまう。スマートフォンやパソコンに搭載するのは難しい。そこで、専用の用途に特化した「エッジAIチップ」とよばれる半導体の開発が世界で進んでいる。

Q どのような企業が参入しているのか。

A エヌビディアのほかに、例えばグーグルはサーバー向けに機械学習に特化した「TPU(テンソル・プロセッシング・ユニット)」と呼ばれる半導体を開発している。さらに、グーグルはこのAI半導体を、監視カメラなどのIoT端末に組み込むとAI機能を持たせることができるエッジの領域に拡大し「エッジTPU」を外販している。エヌビディアのGPUに比べて消費電力が1桁小さいといい、検索エンジンに使っているという。

スマホ向けでは、コンピューターの頭脳を担うCPU(中央演算処理装置)やメモリーなどを1つのチップに搭載する「SoC(システム・オン・チップ)」にAI機能を搭載する動きが広がる。アップルはiPhone向けのチップに機械学習に対応した「ニューラルエンジン」を搭載し、顔認証などに使っている。アップルはチップを自社で設計し、台湾の台湾積体電路製造(TSMC)に製造を委託している。

画像の拡大
Q なぜ、エッジAIチップは省電力化できるのか。

A AIの機能は、大量のデータから解析モデルなどを作る「学習」と、そのモデルをもとに分析や予測をする「推論」の2つに大きく分けられる。例えば、スマホの顔認証機能は推論機能で、学習に比べて分析するデータは少ない。

エッジAIチップでは、推論の精度が保てるギリギリのラインまで半導体の計算速度を落としている。「適度にサボる」ことで、消費電力を小さくするという考え方だ。

Q エヌビディアはこうした流れにどう対抗しようとしているのか。

A その解の一つがスマホ向け半導体設計で高いシェアを持つアームの買収と言える。エヌビディアは英アームの買収後に、英国に大規模なAI研究施設を立ち上げる方針を示している。エッジAIチップの開発強化に向け、「適度なサボり」方のコツを知るアームの設計書をもとに、医療やロボット、自動走行など幅広い分野での半導体開発をスタートアップやパートナー企業と連携して目指していくとみられている。』

AIは緻密な仕事が苦手? 営業で使うのがおすすめな理由

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO63178800Y0A820C2000000

 ※ 何回も言ったが、「人工知能に、知能無し。」だ…。

 日本語の「造語機能」は、凄まじいものだと思うが、時々その「造語したもの」に逆に引きずられて、本質から外れたり、本質から遠く離れたところに連れていかれたりすることも、よくある…。
 「人工知能」という訳語を当てたことにより、人々はその「字面(じづら)」に引きずられて、「人間と同じような、知能を有するもの」と誤解する…。その動作原理からして、「考えたり」「知能を働かせたり」できようはずも無い…。
 使っているのが、単なる「電子計算機(電子演算機)」で、やっていることが、単なる「行列データの演算・変形」である以上、「知能」も「思考力」もへったくれも、あろうはずが無い…。


 この手の、「訳語を当てたがゆえの」本質とかけ離れたところに連れて行かれる例は、多々ある…。
 「function」も、その一つだ…。これに、「函数」という訳語を当てたところまでは、いい…。ある種の、「函(ハコ)」「なんらかの操作を加えるしかけ」というニュアンスが残っているからな…。しかし、「函」の漢字が、「教育漢字」から外れてしまったんで、使えなくなった…。そこで、「関数」という漢字を当てた…。こうなると、「比例・反比例」「一次関数」「二次関数」というものに引きずられて、本来の「入力すると、それに何らかの操作を加えて、結果を出力するもの」という「本質」が希薄になる…。
 日本人で、プログラミングがイマイチ苦手な向きが多い遠因の一つは、functionに「関数」の漢字を当てていることもあると、オレは思っている…。


 この手の、漢字の字面(じづら)ゆえの誤解の最たるものは、「交戦権」だ…。
『第9条
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
RENUNCIATION OF WAR Article 9.
Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order, the Japanese people forever renounce war as a sovereign right of the nation and the threat or use of force as means of settling international disputes.
In order to accomplish the aim of the preceding paragraph, land, sea, and air forces, as well as other war potential, will never be maintained. The right of belligerency of the state will not be recognized.
[4]』とされている…。


 それで、「The right of belligerency of the state」の訳語を「国の交戦権」とした…。
 そういう訳語を当てたものだから、世間の人々は、「国家が交戦する権利」と解している人が殆んどだ…。極端なことを言う人だと、「敵国が侵攻してきても、これを撃退しようとして、「交戦する権利」は一切認められない。それが、憲法の趣旨だ!」などと言う人も出てくるしまつだ…。
 冗談じゃない…。そういう「腰の抜けた」ことで、一国の存立が図れるか…。「国家」というものは、今現在生きている人のためだけのものじゃない…。あなたたちの子・孫・その子孫、営々と継続していく子孫のためのものでもある…。
 幸い、学説の多数説、政府見解は、「国際法上交戦状態の国家にも、認められている種々の国際法上の権利」と解している…。
「船舶の臨検・拿捕、占領地行政等の権利など」と解するわけだな…。

『囲碁でも将棋でも天下無敵。世界最高の棋士をも打ち負かしてしまう人工知能(AI)。「AI」は、正確無比な手を指し続けます。しかし、それはあくまで、厳密に決められたルールがあるゲームの中の世界。いろんな想定外が起こる現実世界は、そう簡単ではありません。現実世界のAIは、実は結構いい加減で、緻密な仕事は苦手なんです。赤石雅典氏の近刊『Pythonで儲かるAIをつくる』(日経BP)を読むと、そんなAIの本当の実力が見えてきます。

◇   ◇   ◇

業務に本当に役立つAIを作るには?
本書の「儲(もう)かるAI」とは「業務に本当に役立つAI」のこと。そんなAIを作るには、AIの得意・不得意を把握しておくことが不可欠です。

AIを適用する分野で、著者の赤石氏がまず薦めるのが「営業」です。語弊を覚悟で言うと、営業という仕事がそもそも、いい加減なことがその理由です。

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パソコンも計算間違い!?
「100%成功する営業」なんて、あり得ません。ダイレクトメールを使った営業なら、1件の受注を取るのに、数百件も数千件も送ることがあるでしょう。お得意さまに電話で新製品を売り込むときも、10件中1件成約すれば大成功というケースがあり得ます。

そもそも1割しか成功しない営業なのに、AIで既存の顧客リストをうまく絞り込んだら、成功率が2割に上がったとしましょう。AIを使っても「外れ」が8割もあったわけですが、営業成績は実に2倍になりました。AIの導入は、大成功です。

現在のAIで中心的な手法である「機械学習」は原理的に、正解が「100%」になることはあり得ません。過去のデータを基に予測するだけなので、必ず外れる場合があります。それでも、うまく最適化していくと、どんどん正解率を高められます。その点、営業のようにもともとの正解率が低い業務なら、正解率を高める余地が大きくなります。AIが「いい加減な仕事の方が得意」という理由がそこにあります。

「不良品を漏れなく探せ」は苦手
一方で、AIが苦手なのが「100%の精度を求められる」仕事です。典型的なのが、工場のラインにおける不良品の検出などで、「漏れなく見つけること」が目標になります。

AIで98%の精度を達成するのは、技術的にかなり困難ですが、仮にそれを達成できたとします。その場合でも、不良品の2%は見逃すことになります。それは業務的には認められず、結局AIの導入は断念するということになりがちです。

要するに、AIが得意なのは、どんな仕事なのでしょうか。「いい加減な仕事が得意」だけでは、よく分からないですね。

AIが得意な5種類の業務を厳選
そこで『Pythonで儲かるAIをつくる』では、基本的なAIの技術を使って成果を出せる業務を5種類に絞って、紹介します。一つめが営業です。ほかに、天候などで変わる売り上げの予測、お薦め商品の予測などをAIで実践します。

どの業務でも、AIで定番のプログラミング言語「Python」を使って、具体的なAIプログラムを作っていきます。本書のPythonプログラムは、PC上のブラウザーがあれば、面倒な導入作業なしにすぐに動かせます。Googleのクラウド上のPython実行環境「Colaboratory」を使うためです。

コードの1行1行を理解できなくても、ブラウザー上で動かしていくと、AIがどんな手順で何をやっていくのか、何ができるのかが分かってきます。それで、AIの得意・不得意が見えてくるのです。「もともとAIには向かない業務をAI化しようと大金を投じ、撃沈する」ようなことを避けられます。

AIを適用する際には、データをじっくり見ることから始める必要がありますが、Pythonを使えば、データの状態をビジュアルに確認できます。予測結果も同様です。そんな具体的なAI化の手順を紹介していきます。

Pythonで学習データや予測結果を可視化した例
実は本書のPythonプログラムは、本書のWebページ(https://github.com/makaishi2/profitable_ai_book_info)ですべて公開しています。Chromeブラウザー上ですぐに動かして、AIの動きを確認できます。

先ほど「100%を求められる仕事は苦手」とは言いましたが、病気の診断など、まさにミスが許されない領域にも、最先端のAIは果敢に挑戦しているところです。最先端は本書の範囲外なので収められませんでしたが、そうした仕事にAIを適用する基本的な手法についても、同じWebページで解説しています(併せて、ディープラーニングで画像認識をする例も紹介)。本書で5種類の業務をどのように解説しているのか、イメージがつかめます。

本書のWebページでもAIの実践事例を補足解説
「AIの得意・不得意を知りたい」「実際にPythonでAIを作ってみたい」という方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。

(日経BP ラズパイマガジン 安東一真)』

SNSから本性バレた 知能や性格、AI実験に懸念も

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63169460Y0A820C2MY1000/

 ※ ネットは、「匿名性」が保たれているはず…、と思っている人は、特に見ておいた方がいい…。

 「匿名」どころか、「本性バレバレ」だ…。

 ※「デジタル・ツイン(ネットやPC操作などの様々な「デジタル活動」から割り出し、作り上げた、その人の「デジタルな双子」)」の話しと言い、「薄気味悪い世の中」になったもんだ…。

『SNS(交流サイト)から本人の知能指数(IQ)や精神状態、生活習慣を見抜く実験に総務省傘下の情報通信研究機構が成功した。人工知能(AI)を使った初期の実験とはいえ、わずか140文字の投稿でプライバシーを明かしたと思っていない人にとっては驚きの事実だ。米科学誌に論文を公表してから1週間余りが過ぎたばかりで、論争が起きるとしたらこれからだが、情通機構は悪用を懸念してAIプログラムの公開を見送る異例の対応をとった。

誰もがつぶやけるSNSは、今では社会参加のインフラになっている。行き交う短い文面から、その先の相手がどんな人かを確かめたいという欲求が研究の始まりだった。

実験でAIは短文投稿サイト「ツイッター」の情報から人々の内面を表す23種類の特徴を推定した。IQなどの知能や性格のほか、統合失調症やうつ病のような精神状態、飲酒や喫煙の生活習慣、人生の満足度も読み取れた。

これまでも、技術力を見せつけたい研究者らがSNSの解析に挑んできた。それでも「開放性」「誠実性」「外向性」「協調性」「神経症傾向」の大まかな傾向がわかっただけで、解析成果を「Big5」と呼んで誇ってきた。

今回は数百の少ないデータでもAIを賢くできる新たな手法で、個人のより細かな特徴まで突き止めた。専門家は一線を越えたとみる。

一体、どうやって見抜いたのか。研究チームはツイッターを日ごろ使う239人に最大数十のアンケートを個性にまつわる項目ごとに回答してもらい、ツイッターの投稿内容とともにAIに学ばせた。

学習を終えたAIはツイッターから人々の内面をあぶり出す規則性を次々と発見した。例えば「いいね」をされた頻度が多いと「漢字の読み書きの能力が高い」。毎回のつぶやきで文字数のばらつきが大きいほど「統合失調症の傾向がある」。「飲む」「歩く」「時刻表」などの単語を多く使う人は「飲酒の習慣がある」。新たなつぶやきで試してもその傾向を見いだした。

短文だけで「真の自分」をこれだけアピールできるのかと歓迎する人もいるかもしれない。だが「今回の技術で厳密に個性を算出するのは難しい」(情通機構の春野雅彦研究マネージャー)という慎重な発言こそ、多くの人の実感を代弁している。

新技術を目の当たりにしたとき、人々の反応は2つに割れる。先に立つのは薄気味悪さだ。SNSのつぶやきから内心まで分かれば、脳の中に監視の目が届く。「犯罪集団のネットワークを絶てる」と当局が小躍りしそうだ。

かつてフェイスブックの個人情報は世論操作の標的となった。16年の米大統領選では民間企業が「いいね」の対象分野を5000項目に分けて調べ、個人の大まかな傾向を推定していたとする報告も出ている。この技術は政治広告に使われたとみられている。

選挙活動だけでなく、いずれ就職や昇進などの判断にも関わってくるだろう。AIとプライバシーの問題に詳しい小林正啓弁護士は「現時点では規制がない。SNSを採用などの人事に使う行為は法的に問題ないと考える」としつつも、「AIは偏見を身につける危険もある。将来はAIの使い方に規制がかかる可能性はある」と話す。

一方で、SNSは一人ひとりの内面を映し出す鏡だ。適切に使えば、真の自分をアピールでき、自分では気づかない一面を知ってもらうきっかけになる。AIの解析を「見張り」ととらえず、「見守り」と思う人にとっては技術の進歩が光明となる。

情通機構が応用を目指すのはストレスの分析だ。海外では18年、うつ病の兆候をフェイスブックに並ぶ単語から3カ月前につかめるとする研究が発表された。豪雨などの災害発生時に、避難をためらいがちな住民をSNSから探り、早めに声をかけるような使い方も有望かもしれない。

中国は個人の信用力を数値化した信用スコアの活用が進む。信用スコアに応じて融資やホテル利用などで優遇を受けられる。AIが管理する社会では、SNSでの交流などに気を配って信用スコアを引き上げ、生活を豊かにするのも一つの生き方だ。

新技術は産業や経済を大きく変える。期待と不安のはざまで問われているのは、開発者や企業、個人の責任だ。開発者や企業はAIの開発指針や情報をどう活用したいのかなどを明示し、個人はどんな使い方であれば情報を託すのかを自分自身で考える必要がある。個人の特徴を見抜くAIが人を助ける道具となるか監視の武器となるかは、私たちの行動次第だ。(大越優樹)』

〔ビル設計AIは、ここまで来た!〕

あの超高層を手掛けた構造設計のエースが開発中、竹中工務店の「使えるAI」
木村 駿、石戸 拓朗 日経 xTECH/日経アーキテクチュア
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01000/092500001/?P=4 

『人工知能(AI)が、建築の設計や施工、維持管理を高速化し始めている。人手のかかる単純作業をコンピューターが「爆速」でこなしてくれれば、浮いた時間を人間にしかできない創造的な仕事や、ワークライフバランスの向上に充てることができる。AIをうまく使いこなせば、建築はまだまだ進化できるはずだ。

 竹中工務店、HEROZの構造設計AI 
構造設計の単純作業を爆速化
 AIで単純作業を高速化し、生み出した時間を顧客との対話や人間にしかできない創造的な仕事、設計者のワークライフバランスの向上に充てる──。竹中工務店が将棋AIで有名なHEROZ(ヒーローズ、東京・港)と2017年から開発してきたAIの輪郭が日経アーキテクチュアの取材で明らかになった〔図1〕。

〔図1〕これが竹中工務店「3つのAI」だ
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(資料:竹中工務店の資料を基に日経アーキテクチュアが作成、写真:日経アーキテクチュア)
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 「リサーチAI」「構造計画AI」「部材設計AI」と呼ぶ3つのAIを設計の段階に応じて使い分け、構造設計にまつわる単純作業の7割を削減する。開発リーダーは高さ日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市)などの構造設計を担当した竹中工務店設計本部アドバンストデザイン部構造設計システムグループの九嶋壮一郎副部長。「実務者目線で『使えるAI』を目指す」(九嶋副部長)

 最初に取り組んだのが、社内に蓄積してきた膨大な設計データの整理。同社の構造設計システム「BRAIN(ブレイン)」で設計した400プロジェクト、25万部材の情報をデータベース化した。この中から、進行中の案件と似た事例を簡単に引き出せるようにしたのが「リサーチAI」だ(図1の1)。

 構造設計の初期段階では、過去の類似事例を参考にしながら検討を進める。しかし、各事業所から情報を集めるのに時間がかかる上、経験の浅い設計者はどの事例を参照すべきか迷いがち。面積や階数、スパンなど構造を特徴付けるパラメーターは10~20個もあり、比較が難しい。

 リサーチAIでは、10次元以上のパラメーターを2次元に縮約(圧縮)し、総合的に類似度が高いプロジェクトを示せるようにする。機械学習(「AIのキホン ディープラーニングって何?」を参照)の一種で、データの集まりを類似度に応じて分類する「クラスタリング」を用いた。

 同社技術研究所先端技術研究部数理科学グループの木下拓也研究主任は、「ベテランが持つ嗅覚のようなものをAIで補い、誰でも有益な情報にたどり着けるようにする」と話す。』
『計算せずに仮定断面を出す
竹中工務店
設計本部アドバンストデザイン部
構造設計システムグループ 副部長
九嶋 壮一郎氏

(写真:日経アーキテクチュア)
 基本計画・設計の段階になると、構造設計者は建物のボリュームや空間の配置に応じて構造種別や架構形式を検討し、意匠設計に必要な柱・梁(はり)の仮定断面を出す。

 「構造計画AI」は、構造計算なしで仮定断面を自動推定する人工知能だ(図1の2)。複数案を簡単に比較検討できるので、短時間で構造設計の質を高められる。推定の精度を、詳細設計完了時の部材断面の±20%以内に収めるのが目標だ。

 開発には、機械学習の一種である深層学習(ディープラーニング)を用いる。脳の神経回路を模した「ニューラルネットワーク」をコンピューター上に幾層も構築して大量のデータを入力すると、コンピューターがその特徴を学び、未知のデータを認識・分類できるようになる。

 効率的に学習させるため、AIには「教師データ」と呼ぶ情報を与える。構造計画AIの学習に用いたのは、データベースに登録した25万部材の設計情報だ。建物の規模やスパン、位置などに応じて異なる柱・梁の断面サイズを学んだAIは、「10階建ての角の柱の断面はこのぐらい」と瞬時に見当をつけられるようになる。

 HEROZの井口圭一最高技術責任者は、「過去の事例には特殊な構造の建物もある。うまく分けて学習させないとAIの回答がそれに引っ張られる。開発チームで事例を精査しながら学習させている」と話す。

 3つ目の「部材設計AI」は、詳細設計の際に部材の「グルーピング」を支援するツールだ(図1の3)。

 柱が全て同じ断面ならば施工性は高まるが、経済性は悪くなりがち。逆に数量を減らそうと断面サイズを柱ごとに変えると施工性が悪くなる。構造設計者は施工性と経済性が両立するよう、部材の種類をグルーピング(整理)しなければならない。部材設計AIは、施工性と経済性を両立する案を絞り込んで提示し、構造設計者の意思決定をサポートする。

 竹中工務店の九嶋副部長は言う。「AIを、人を支援し、協働する存在と位置付け、新たな構造設計の在り方を示したい。20年度を目標に開発を進めていく」』

『Iのキホン ディープラーニングって何?
 一口にAIと言っても、様々な種類がある。例えば1980年代に流行した「エキスパートシステム」は、人間が判断基準をコンピューターに入力し、コンピューターはそれに従って「もしAならばB」などとデータを分類・判断する仕組み。「ルールベースのAI」などと呼ぶ。

 一方、現在のAIブームをけん引するのは、コンピューターがデータの分類方法や判断基準を自ら学ぶ「機械学習」と呼ぶアプローチ。中でも「深層学習(ディープラーニング)」と呼ぶ手法が脚光を浴びている〔図2〕。

〔図2〕AIには様々な手法がある
手法によっては異なる分類をする場合がある(資料:取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 ディープラーニングでは、人間の脳の神経細胞(ニューロン)のネットワークを単純化した「ニューラルネットワーク」を、コンピューター上に幾層も構築する。これに大量のデータを入力すると、コンピューターが自らデータの特徴を学び、未知のデータを認識・分類できるようになる。それまでの機械学習に比べて高い精度で正解を導き出せる〔図7〕。

〔図3〕脳の神経回路を模したニューラルネットワーク
中間層を多層化したものをディープラーニングと呼ぶ(資料:取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 機械学習には、「教師なし学習」「教師あり学習」「強化学習」の3つの学習方法がある。教師なし学習は、極めて大量のデータをコンピューターに入力し、データの傾向や規則性などを自動的に学ばせる方法だ。

 教師あり学習は、正解付き(ラベル付き)の「教師データ」を用いて効率的に学習する方法。例えば、コンクリートの画像から健全性を診断するAIをつくる場合、画像データと専門家による診断結果をセットにした教師データを学習させる〔図4〕。

〔図4〕産業用途は「教師あり学習」が大半

学習に必要なデータをそろえ、ラベル付け(アノテーション)をするには、人手と時間を要する(資料:取材を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 建築を含め、産業用途でディープラーニングを活用する場合は、ほとんどが教師あり学習だ。教師なし学習と比べてデータの数こそ少なくて済むが、ラベル付きのデータをそろえるのには多大な労力がかかる。このため、教師データ集めで挫折するケースは少なくない。』
『竹中工務店とHEROZの自動制御システム 
AIで「建築設備が成長」
 竹中工務店とHEROZが共同でAIを開発するのは、構造設計の分野だけにとどまらない。人工知能を用いて空調や照明などのビル設備を自動制御するシステム「Archiphilia Engine(アーキフィリアエンジン)」を開発した。管理員の手動に頼っていたビル設備の制御を自動化し、管理業務の効率化や省エネ性の向上を図る。

 アーキフィリアエンジンは、センサーなどから取得したビッグデータを基に設備の運転条件を制御する。竹中工務店が開発したビル設備の管理システム「ビルコミュニケーションシステム(ビルコミ)」とHEROZのAIサービス「HEROZ Kishin(キシン)」を組み合わせた。ビルコミュニケーションシステムが収集する温度や照度などのデータをAIに学習させ、ビル設備を最適な形で自動制御する。消費エネルギー量を最適化するだけでなく、利用者の好みに合わせた制御も可能だ〔図4〕。

〔図5〕AIで設備を自動制御
「アーキフィリアエンジン」のシステムの概要。「ビルコミュニケーションシステム(ビルコミ)」が収集した情報を「HEROZ Kishin」で学習して、設備を自動制御する(資料:竹中工務店)
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2年間の実証実験で省エネ効果などを検証

 竹中工務店は2019年6月5日に、自社が設計・施工した未来のライフスタイルを提案する体験施設「EQ House」でアーキフィリアエンジンの実証実験を開始した〔写真1〕。期間は2年間。人感センサーや温度などを測るセンサー、利用者の心拍などを測るウエアラブルセンサーを用いる。延べ面積88m2の空間に約1000個のセンサーを設けて、1分おきにデータを収集する。

 さらに空調や照明などを通じて得られたデータを学習させることでEQ House内の設備を自動制御する。両社によると、データをこれほど大量に収集し、ビル設備の制御に生かす取り組みは珍しい。実験を通じて、自動制御に必要なセンサーの種類やアーキフィリアエンジンを用いた際の省エネ効果などを検証する。

〔写真1〕実際の建物で省エネ効果を検証
アーキフィリアエンジンの効果を実証する「EQ House」の外観(写真:日経アーキテクチュア)
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 竹中工務店はアーキフィリアエンジンの導入によって省エネ性や快適性を高められると確認できれば、積極的に実プロジェクトへの提案を進めていく予定だ。』

AIカフェロボベンチャーを率いる21歳起業家は300年後を夢見る

AIカフェロボベンチャーを率いる21歳起業家は300年後を夢見る
ニューイノベーションズ、中尾渓人CEOインタビュー
https://newswitch.jp/p/22867

『ニューイノベーションズ(東京都文京区、中尾渓人最高経営責任者〈CEO〉)は、1億7000万円の資金を新たに調達した。同社は人工知能(AI)で需要予測をする無人コーヒー機を開発するスタートアップ。調達した資金はサブスクリプション(定額制)モデルの実装などに投じる。今夏には東京都内の複数のオフィスビル内などで、無人コーヒー機の導入を計画する。

ソフトバンクグループの100%子会社で、AI支援に特化したベンチャーキャピタルのディープコア(東京都文京区)からの追加出資などで、累計2億4000万円の調達となる。

ニューイノベーションズが開発した無人コーヒー機「root C(ルートC)」は、AIで気温や天気、立地、時間、販売データなどを基にコーヒー需要を予測して抽出を始めるのが特徴。ユーザーはアプリを通じて注文と決済ができるため、上質なコーヒーを最大20人が待たずに受け取れる。

3月に実施した三菱地所の新東京ビル(東京都千代田区)での10日間の実証試験では、味の異なる2種類のコーヒーをホット、アイス、普通、濃いめの計8種類から1杯300円(消費税込み)で注文でき、約半数のユーザーが2回以上利用したという。

中尾CEOはロボカップジュニアの世界大会での入賞経験があるなど、長年ロボットを作ってきた。ニューイノベーションズは17歳だった18年に設立した。

日刊工業新聞2020年6月24日

ニューイノベーションズ・中尾CEOインタビュー

中尾渓人CEO
無人コーヒー機「root C(ルートC)」を開発したニューイノベーションズ。率いるのは大阪大学在学中の中尾CEOですが、お話を聞くうちに「学生が起業家になったのではなく、起業家が学生になった」という印象を受けました。聞き手は中尾CEOと同じ年代生まれの3人。年齢が近いことならではの疑問も飛び交いました。(聞き手・熊川京花、鈴木奏絵、伊藤快)

-起業の経緯がとてもユニークだと聞きました。
もともとロボット作りが好きなんですけど、小学校4年生のころからロボカップジュニアの大会に出始め、中学生のときに世界大会で入賞しました。そのころから将来自分は何をしようかと考えていましたが、メーカーの開発職を想像してもどうにもこれだ!とはならなくて、モヤモヤしていました。

ただ、ロボットの大会には出続けたいと思っていたので、その費用を稼ぐために、高校1年生の時から素性を隠してフリーランスのエンジニアとしてクラウドワークスに登録しました。最終的に取引先が300社くらいになったんですよ。受託作業は睡眠時間もほとんどない状況になりました。このままだと過労死するし、これをずっとやりたいと思っているわけではなかったので、高校卒業のタイミングでやめました。

僕は出身が和歌山県で、智弁学園に通っていたんですが、学校のHPがあまりにしょぼかったんで、理事長に直談判して、「作らせてくれ」とお願いしたこともありました。高校の卒業式の1週間後くらいに手がけたので、ある意味卒業制作ですね(笑)。学費分くらいは回収できたと思います(笑)。理事長も学校のいい宣伝になると思ったんじゃないでしょうか。

そのころにご縁ができたベンチャーキャピタル(VC)の方にいろいろと自分の将来について相談していたら、いつの間にか起業することが既成事実化していました。あと、受託で得た売り上げや取引先のことを考えたら、法人格がないと「社会資本市場的に損かもしれない」と考え始め、それも起業を後押ししたと思います。

あと受験勉強が意味が分からないくらいに嫌いすぎて(笑)。智弁学園は結構進学校なんですけど、周りの友人が「医学部を受ける」とか言っているのを聞いて、「あ、このままだとまずいな」と思いました。

高3で捨て身で起業
-まずいというのは?
学歴を取得することに対して、今の社会からのペイバック(見返り)がなくなってきているなと思いました。嫌いな受験勉強を強制されるくらいなら、やりたいことをやった方が自分の市場価値が上がると考えて、高3の夏に捨て身で起業しました(笑)。17歳の時でした。大阪大学の推薦入試の面接で起業したことをアピールしたんですが、落ちたら東京に行こうと決めていました。

-高校生のころからすでにいろいろ経験していますね。
新卒で入社した方とは経験量が違うとは思いますが、社会経験で重要なポイントは押さえられたかなと。高1で受託業務を始めたときは、スキルが全然伴ってなかったんですが、「経験あります!」とか言って案件を受けて、その後死ぬほど怒られたりしました(笑)。でも、その時に世の中の厳しさや当たり前を学ぶことができたかもしれません。自分に能力が足りなかったから相手を怒らせたパターンと、相手がやばい人だったから自分が損害を受けたパターン、というように振り分けが少しずつできるようになってきて(笑)。どう振る舞えばいいかというのはなんとなくつかめていきました。

ルートCについて説明する中尾CEO
-17歳で起業ってすごいですよね。周囲は止めたりしなかったんですか?
そもそも起業という行為自体が過大評価されていると思います。なので、大々的に周りに触れ込むようなことはしませんでした。友達に話しても「そうなんだ」みたいな感じ。逆にニュースで知ったという人もいました。先生の中には本気で止めてくる人もいましたが、合理性を説明していたら途中で諦めてくれました(笑)。

後はひたすら大きくなるしかない
-起業して中尾さんの中で何が変わりましたか?
周りの対応と見える世界が変わったかもしれません。会社があるかないかで結構みんなオドオドするというか、普通かそうでないかに分けられてしまう。ですが、それは組織としての会社という箱の強さだと思っています。起業した本人にその強さがあるわけではないんです。自分は何も成長していないのに、世界が一気に変わるような怖さも感じました。

あと起業するのもやめるのも、事業拡大するのも縮小するのも、自分で決断できるかと思っていましたが、実はそんなことはなくて。資本主義の世の中なので後はひたすら大きくなるしかないんです。無理だったら市場から駆逐されて終わります。そういうことも実感するようになりました。

その点、大企業はコンスタントに成果を出し続けていますよね。だけどそのためには、職階などが良くも悪くも制限されています。そのことに「自由がない」と思うのなら起業すればいい。起業という言葉に流される必要はないと思います。ところで、皆さんは僕と同世代と聞きましたが、周りで起業される人はいないですか?

世の中にフラットな目線、大事
-いませんね。先ほどから中尾さんのお話に圧倒されてばかりです。
全然そんなことはないですよ!いざ自分が起業してみれば「起業するなんてすごいな」という気持ちはゼロになると思います。だけど、世の中全般に対するポジティブなイメージはない方がいいかもしれません(笑)。フラットな目線が大事。

ビジネスなので、法人対法人のバトルとか駆け引きとか、情けも容赦もない合理性でしかないでしょ。「札束の殴り合いになったらどうしよう」とか、怖いですよ(笑)。そこで守ってくれる人は誰もいないし。守ってくれる人を確保するか、自分で自分を守る知識を身に付けるしかない。そういう点では大企業はとても守られているかもしれません。

―ところで影響を受けた起業家の方はいますか?
それが全くいません。人なのでうまくいくこともいかないこともあると思うので、僕は人に対してではなく、「●●さんの何回の定時株主総会のあの発言がすごい」というような、その人が成し遂げた行動に対して尊敬するタイプです。

―行動に対してなんですね。
そうですね。その点、今の自分にスキルがどれくらいあるのかというのは気になります。僕のことを評価してくださっている人が僕のエンジニアのスキルに対してなのか、今の僕の年齢にしてはすごいという程度のビジネススキルについてなのか。だから実際にビジネスをやって、負けるかどうかを判断した方が現実を知ることができていいと思ってます。市場は冷たいからダメな時もわかりやすいだろうと。

その時に、成長の試行錯誤をするパワーを自分たちがまだ持っているならいいんです。そこでつぶれてしまうくらいなら止めた方がいい。僕たちも日々、大小さまざまなトラブルが起きていますが、成長の源泉だと考えて乗り越えています。

ルートCを使用する中尾CEO
無人化の行き着く先に
―今後ニューイノベーションズをどう大きくしていくのでしょうか?
二つあります。一つ目は上場することです。合理性もあるし、それを目標としているから投資をしていただいているというのもあります。

もう一つは、「あらゆる業界を無人化する」というのを会社のビジョンとして掲げていますが、社会の中で必要とされていることを成し遂げて、価値を生んでいる状態を維持したいです。コングロマリット的なことはしつつも、今の自分たちが持っている「リアルビジネス×オンライン」という文脈での強みを生かせるところで、次の成長材料になるものを作っていきたい。10年20年のスパンで必要とされる会社だったら、300年後も1000年後も生き残っていられるのかな、と思っています。

少し逆説的な話になりますが、何か大きなことをやりたいと思った時に「お金や権力、人脈、資産がないからできない」という状態になるのを恐れています。それを避けるために今頑張っているというのもあります。

―今の急速なテクノロジーの発達を見ると、「AIやロボットが人の仕事を奪う」という声も大きくなっています。会社のビジョンとして掲げる「あらゆる業界を無人化する」にはどのような意図があるのでしょうか?
労働者を駆逐するというように誤解されることが多いですが、そうではなくて「ヒューマン トゥ ヒューマン」のコミュニケーションが求められるところにリソースを解放したいと考えています。

これはあくまで僕の個人的な意見ですが、例えば人の代わりに機械が導入されたら、その機械をメンテナンスする仕事が生まれるように、何かが失われたら何かが生まれるはずです。市場なので満たされている人と、満たされていない人という分布は基本的には変わらなくて、その中での移動性が高まるのではないかと考えています。

低付加価値のものが効率化して代替される、というのは歴史的に何度も繰り返されてきました。それを乗り越えたからこそ、社会は豊かになってきたはずです。だから正しい時代のシフトなのではないでしょうか。』

AI開発でも世界に亀裂 異なる道を行く中国

※ 上記は、Edraw Maxというソフトで、テンプレを利用して作成したものだ。3つの価値が三方から、せめぎ合っている…、という感じを出したかったんだが、そういう感じが出ているだろうか…。

※ 思考を図形化する作画ソフトは、いろいろあって、Edraw Maxはその一つだ…。10日間は、無料のお試し期間なんで、有料版を購入するかどうかは、その後で考えよう…。

※ 肝心なのは、思考、分析、考察を深めることで、「見栄えの良い図形」を作画することでは無い…。

※ 何のために図を描くのかと言うと、「イメージや発想・着想が、雲の如く湧いてくる」ということの助けにするためだ…。

※ そういう目的のためには、かえって「ラフなスケッチ」の方が、妙に「発想を刺激する」ことが、よくある…。

※ こういうものは、あまり整ってはいないが、囲んでいる線(黒の色鉛筆によるものだ…)や、ケチって印刷済みの紙の再利用による裏写りすら、妙に「発想を刺激して来る」…。

※ ただ、プレゼンなんかで、どうしても「整ったもの」が必要だというケースもあろうから、紹介しておく…。

AI開発でも世界に亀裂 異なる道を行く中国
編集委員 太田泰彦
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62380610W0A800C2I00000/

『人工知能(AI)にも「お国柄」がある。判断の基準をマシンに教える側の人間社会に考え方の違いがあるからだ。同じ問題を解くのでも、開発した国や組織が異なれば別々の答えを導き出すことがある。

6月末、米政府の独立機関であるAI国家安全保障委員会が「コロナ危機対応とAI技術の役割」と題する白書を公表した。全米の病院や企業が臨床データを共有し、AIでワクチン開発を急ぐ案など10項目の提言からなる。

同委員会によるAIと新型コロナウイルス対策に関する白書は、5月以来、実に3冊目だ。プライバシーやソフト開発者の責任など根本的な倫理問題の見解について、議会と国民に明確に示す必要があるからだ。政府の予算を使う以上、いくら切羽詰まった状況でも民主主義の手続きは省けない。

中国ではAI導入のスピードが速かった。人の流れを監視するための個人の識別や感染経路の予測など、現場で活用が進んでいるのは事実だろう。

人口100万人あたりの感染者数(8月15日時点)を比べると、米国とブラジルが1万5千人を超えている。数字に信頼性の問題はあるが、ウイルス発生地とされる中国は62人にとどまる。個人情報の保護より監視データの収集を優先する社会の方が、感染対策で有利であるのは明らかだ。

コロナは国ごとの価値観の差異を浮き彫りにした。「機械ではなく人間が中心のAI社会を、どの国が築けるか」。社会と技術の関わりを研究する青山学院女子短期大の河島茂生准教授は、世界史の分岐点が来たとみる。

違いは研究開発の姿勢にも如実に表れている。「XAI」と呼ばれる研究分野が象徴的だ。

「X」は「説明できる(Explainable)」の意味。人間の言葉や画像を使って推論の筋道を分かりやすく説明できる能力を備えた次世代型のAIだ。この分野では米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が世界の最先端を行く。

機密が多いはずの軍事部門が透明性を高めようとするのは、自律的なロボット兵器や作戦行動の自動立案が、既に米国で実用化されているからだ。機械が人命に関わる判断を下すなら、その判断の理由を説明する責任が軍にはある。「AIが決めたから」では済まされないのだ。

機械学習の原理をみると、AIの「思考」の中身がブラックボックスであるという問題が浮かび上がってくる。

たとえば画像に映る動物が、猫なのか犬なのか判断するAIをつくるとしよう。それには人間が教師となり、1枚ごとにAIに正誤を教えていく。最初はハズレが多くても、教育を数千万回と繰り返せば、アタリの率は限りなく高まる。

だが、耳が三角だから猫と判断したのか、ヒゲが短いから犬なのか。理由は外部からは一切わからない。結果が正しいというだけである。機械学習とは、原理的に不透明な技術なのだ。

異なる社会では、異なるAIが育つ。膨大なデータによって、中国製のAIは今後さらに賢くなっていくだろう。人間にたとえればIQ(知能指数)だけが高くなるようなものだ。

中国では医療分野でのAI活用が進んでいる(写真は広東省・深圳の碼隆科技=マーロン・テクノロジーズ=の脳疾患診断システム

特許庁の7月末の調査によると、中国のAI特許の出願数は2017年に6858件に上り、それまで圧倒的な首位だった米国(5954件)を追い抜いた。毎年2倍のペースで増え続け、中国はAI大国の地位を着実に築きつつある。

中国での出願のほとんどは実用的な機械学習の特許だ。ブラックボックス化を防ぐ「XAI」の研究はみあたらない。思考の中身が分からない機械が医療や自動運転、裁判、組織人事などで、世界に先駆けて実用化されていくかもしれない。倫理と切り離して猛進する中国技術には、危うさがないだろうか。

欧州連合(EU)の欧州委員会は昨年4月、非差別、説明責任など7項目の「AI倫理指針」をまとめた。日米ではグーグル、ソニー、富士通などの企業が、競うように自主倫理規範を導入している。ユーザーに信用されなければAIビジネスが成り立たないからだ。

中国でも昨年6月、国家次世代AIガバナンス専門委員会が、8つのAI原則を公表した。プライバシー尊重も項目の一つだが、果たしてどれほどの効力があるだろう。

美しい言葉を並べて倫理規範をつくっても、形だけに終わる恐れがある。極言すれば、人間の尊厳を軽んじる社会からは人間を大切にするAIは生まれない。』

「AIを使うとき」の落とし穴…。

Amazonもハマった、「AIを使うとき」の落とし穴
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2007/09/news022.html

※ まあ、実際の画像は、こういう「クッキリ、スッキリ」ばかりじゃ無いからな…。

『それは大手IT企業も例外ではない。おなじみの米Amazon.comは採用活動を支援するために、応募者から寄せられる履歴書を審査するAIを使っていた。ところがこのAIが、女性の応募者を不当に低く評価していた、つまり女性に“偏見”を持っていたとして利用を中止している。

 なぜそのようなことが起きたのか、それはAIにモデルを構築させるために、過去の社員や応募に関するデータを与えていたからだった。米国でも、IT技術者はまだまだ男性の方が多い。そのためAIは、過去のデータから「男性を採用すべき」というモデルを作ってしまったのだ。

 将来は、新しいAI開発手法が考案され、こうしたミスを避けられるようになるかもしれない。しかしそれまでは、現在のAIは与えるデータによってアウトプットが大きく左右されてしまうものだという大前提を肝に銘じておこう。

 また新しい手法が登場したとしても、それには別の長所と短所、そして別の前提条件が生まれるだろう。だからこそ、自分自身が開発者にならなかったとしても、「いま自分が使おうとしているAIは、いったいどのような仕組みで動いているのか」を理解しておく必要があるのだ。』
『その上で、次に必要になるのは「AIをどこに使うか」という判断力である。

 いまは第3次AIブームと呼ばれるほどAIへの注目が高まり、AIやそれらを使ったアプリケーションも進化しているが、残念ながらAIは万能ではない。というより、前述のようなAIを実現する仕組み、あるいはそれらが活用される環境では、得意なことと不得意なことが変わってくるのである。私たちには環境を変える力がないことが多いが、使うツールを選んだり、使い道を変えたりすることはできる。これらを考慮して、ツールの価値を最大限に引き出さなければならない。』
『一例を挙げよう。ある旅行会社で、スマートフォンで観光地の写真を撮ると、AIがそこに写っている被写体が何なのか(有名な寺社仏閣やモニュメントなど)を認識し、関連情報を表示してくれるアプリを作ってはどうかという計画が持ち上がった。
これなら外国に出かけたとき、現地語の説明が読めなくてもそれが何なのか理解できる。旅行ガイドを開くより手軽だし、適当に写真を撮っておいて、後からそれが何だったのかを確認することもできる。また、関連情報を表示する際、広告やクーポンなどの情報も表示すれば、旅行者にさらなるアクティビティーを促せる。それが新たなビジネスへとつながるだろう、というわけだ。

 幸い旅行会社なので、教師データとなる観光地の写真は多数用意できそうだ。早速、試験的なAIの構築が始まったが、精度の高いアプリケーションを実現することはできなかった。
理由は単純で、用意された教師データの大部分が、被写体を美しく撮影したものだったからだ。晴天の中、被写体がもっとも美しく見える角度で撮影された写真ばかり――PRが目的なのだから当然だ。しかしテストに協力してくれた一般の人々は、さまざまな天候、時間、角度で写真を撮っていた。バスで移動中に、急に気になる建物が視界に入ったので、ブレブレでピントも合っていない写真を撮ったという場合もあった。これでは思うような精度は出せない。

 最終的にこのプロジェクトは、精度が出せるように被写体と用途を限定するという方向へ進むことになった。あらゆる条件下で、達成したい価値の100%を実現できるAIを実現するのは難しい場合が多いが、AIを使用する範囲を一定に絞り込むことで、価値をある程度まで手にできることも多い。実現できなかった部分は、従来通り人間が担当したり、あるいは人間とAIが協力してタスクを実行したりすることができる。そうした判断を、AIを活用する側が下していくわけだ。
もちろんこうした判断を、誰もが正確に下せるわけではない。多くは試行錯誤を経て、あるいは過去の類似事例や経験に基づいて正解へとたどり着くことになる。これからAIを学ぼうというマーケターも、座学だけでなく、大小さまざまな実践と失敗を通じてスキルを磨くことになるだろう。』
『 実践する際には、失敗が致命傷とならないよう、AIが持つリスクを理解しておく必要がある。特にマーケティング活用では、AIの誤作動が顧客に直接的なダメージを与えてしまいかねない。そして前述のように、大手IT企業でも失敗する場合があるほど、AI利用に潜む落とし穴を把握することは難しい。AIの仕組みや利用法に関する知識を得るのと同時に、リスクについても確実に学んでおこう。』
『その際に参考になるのは、各国の政府や国際機関、業界団体が発表しているガイドラインだ。AIを利用する際の注意点についてまとめたもので、その多くは、非技術者にも理解できるような表現が使われている。
 例えば、総務省の情報通信政策研究所が2019年8月に発表した「AI利活用ガイドライン」では、「AIサービスプロバイダー、ビジネス利用者およびデータ提供者が留意すべき事項」として、10項目のAI利活用原則を定めている。

(1)適正利用の原則:利用者は、人間とAIシステムとの間および利用者間における適切な役割分担のもと、適正な範囲および方法でAIシステムまたはAIサービスを利用するよう努める。

(2)適正学習の原則:利用者およびデータ提供者は、AIシステムの学習などに用いるデータの質に留意する。

(3)連携の原則:AI サービスプロバイダー、ビジネス利用者およびデータ提供者は、AIシステムまたはAIサービス相互間の連携に留意する。また利用者は、AIシステムがネットワーク化することによってリスクが惹起(じゃっき)・増幅される可能性があることに留意する。

(4)安全の原則:利用者は、AIシステムまたはAIサービスの利活用により、アクチュエータなどを通じて、利用者および第三者の生命・身体・財産に危害を及ぼすことがないよう配慮する。

(5)セキュリティの原則:利用者およびデータ提供者は、AIシステムまたはAIサービスのセキュリティに留意する。

(6)プライバシーの原則:利用者およびデータ提供者は、AIシステムまたはAIサービスの利活用において、他者または自己のプライバシーが侵害されないよう配慮する。

(7)尊厳・自律の原則:利用者は、AIシステムまたはAIサービスの利活用において、人間の尊厳と個人の自律を尊重する。

(8)公平性の原則:AIサービスプロバイダー、ビジネス利用者およびデータ提供者は、AIシステムまたはAIサービスの判断にバイアスが含まれる可能性があることに留意し、また、AIシステムまたはAIサービスの判断によって個人および集団が不当に差別されないよう配慮する。

(9)透明性の原則:AIサービスプロバイダーおよびビジネス利用者は、AIシステムまたはAIサービスの入出力などの検証可能性および判断結果の説明可能性に留意する。

(10)アカウンタビリティの原則:利用者は、ステークホルダに対しアカウンタビリティを果たすよう努める。』
『ガイドラインによっては、AIの非軍事的な利用や公教育でのAI教育の必要性など、社会全体で行うべき取り組みを定めているものもあるが、多くは上に挙げた10項目のような、一つの企業や組織内で実践できる取り組みを解説している。信頼できる組織が発表したものを選び、自らの取り組みを検証してみると良いだろう。

 その際に重要なのは、関係各部との連携だ。AIはITシステムであり、開発から利活用までではシステム部とマーケティング部のやりとりが中心になるだろう。しかしプライバシーに関するリスクのように、コンプライアンスや法務が関係する部分もある。AIの利活用が生み出すリスクは、組織横断的に対応する必要があるのだ。その意味で、AIに関する知識やスキルを学ぶ段階から、他部門との連携や共同作業を進めておくべきだろう。

 AIへの正しい対応方法を修得するというのは、誰にとっても簡単な話ではない。テクノロジー自体が現在進行形で進化していることに加え、それを正しく利活用する原則や理論にも、アップデートが加えられている。しかしマーケティングの世界は、これまでも各時代における最新のテクノロジーや理論を積極的に取り入れ、進化してきた。自らが新たなマーケティングの世界を切り開くという気概で、AIにチャレンジしてほしい。』

AI利活用ガイドライン
~AI利活用のためのプラクティカルリファレンス~
https://www.soumu.go.jp/main_content/000637097.pdf

文系AI人材になろう…。

プログラミング講座 「手に職」求め、申し込み倍増
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO60184280Q0A610C2000000?channel=DF040320205903
 ※ 「プログラミング」と「コーディング」は、違う…。ここを、誤解している向きは多い…。

文系AI人材になろう ビジネス利用の基礎知識を伝授
八重洲ブックセンター本店
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO54722070S0A120C2000000?channel=DF030920184323&nra
 ※ この書籍は、実は買った…。電子書籍でだが…。
 けっこう、というより非常に参考になった…。
 全体的な視点は、もはや「AIは、簡単に作れる段階に至った」。だから、AI人材というものも、「AIを、作れる人材」から、「AIを活用して、問題解決を図っていく人材」というものに、必要とされる人材像が異なる段階となった…。そこでは、むしろ、「理系」よりも、「文系」の人間の方が、活躍の「フィールド」が幅広いだろう…、というものだ…。

総合職でもスペシャリストでもない 10年後必要なのは
ミドル世代専門の転職コンサルタント 黒田真行
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO60036750V00C20A6000000?channel=DF180320167080&page=3


『1950年ごろに生まれ、新中間層と呼ばれたホワイトカラーは、そこから70年経過して、より生産性の高い領域に進化しようとしています。このプロデューサーやテクノロジストを、さらに総称すると、「しくみをつくれる人」ということになるのではないでしょうか。

世の中は、プラットフォームの時代になっています。検索サイトが最も代表的ですが、ほかにも、中古品売買、求人、結婚パートナー探し、住宅などのありとあらゆるマッチングサイトも、プラットフォーム化しています。そのサイト内で、利用者が増えれば増えるほど、プラットフォームを提供している会社がもうかるしくみになっています。

このしくみのよさは「一度、つくったら動き続けてくれて、運営者がいなくてもしくみが稼ぎ続けてくれる」という点にあります。

労働集約の時代には、「与えられた情報を分析して整理し、言語化できる人」がエリートと呼ばれてきましたが、これからはプラットフォームのような「しくみをつくれる人」が求められていくことになります。

しくみをつくるには、自らの企画開発能力が必要なだけではなく、多様なプロデューサーやテクノロジストの力を借りて、事業を組み上げていく編集力が不可欠です。それを実現していくためにはテーマを設定し、ビジョンを言語化し、周囲を巻き込んで協力を得なければなりません。

コロナ・ショックをきっかけに、世の中の価値観が動き始めています。これから10年後の2030年に社会から求められる人材になるために、この記事を参考にしていただき、少しずつ準備を始めていただければ幸いです。』

「僕は起業家向きじゃない」 AI人材の育成こそ天職
東京大学大学院 松尾豊教授(上)
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO59989990U0A600C2000000?channel=DF041220173308


『――具体的にどのように起業家向きではないのですか。

「僕は物事を抽象化するのは得意です。産業の重要性もよく理解していますが、具体的な事業の話になると興味がだんだん薄れてゆくのです。お金をもうけるのは具体的なところにどこまでこだわっていけるかにかかっています。僕は『知能とは何か』といった抽象的なテーマはとことん突き詰めるタイプだから、研究者としては合っていると思います。だけど、起業家は性質的にあっていません」

「もう一つ理由があります。人を励ますのが下手なんです。研究の世界は勝ち負けがはっきりしています。客観的に評価されて、忖度(そんたく)はありません。しかし、事業をやるとなると、ダメな人でもほめなくてはいけない場面がでてきます。でも、僕は良くないモノをどうしても良いと言えないのです。根が研究者としての設定になっているんでしょう」』
『――尊敬している起業家は。

「たくさんいますが、東大出身者だと、江副浩正さん(リクルート創業者、13年没)はすごい人だったと思います。もともと広告を情報として載せる、というビジネスモデルを考え出して事業を成長させました。1980年代にはニューメディア事業を模索していて、インターネットが出るかなり前から新たな情報媒体を使った広告モデルを考えていたようです。90年代も江副さんが現役で活躍していれば、日本でも検索エンジンの開発が進んでいた時代だったので、絶対に広告ビジネスを考え出していたはずです。もしかして、グーグルのような巨大企業が日本から誕生したという、別の未来もあったかもしれないとさえ思っています」』
『「2002年に研究者として、ウェブ上のデータ分析を活用した広告モデルを提案したことがあります。現在でいうターゲット広告の基礎となるような技術なのですが、当時の偉い先生から『広告なんてくだらない』と却下されました。その時、いいメンターがいれば違ったはずだと感じました。世界に先駆けた圧倒的な技術だという自信があったからです。当時、有能なベンチャーキャピタリストがいて、この技術で起業してみればという話になっていれば、もっといろいろ広がったのに、と今でも思います」

「江副さんのような人がいれば、僕を支援してくれたかもしれないんです。だから逆に今、若い人にやってあげたいのです。僕がシリコンバレーのベンチャーキャピタリストのような役割を果たしたいと考えています。起業家の成功、失敗の事例をたくさん集めて、きちんと把握し、抽象化して次の挑戦者に伝えてゆく。そして起業の成功率を上げてもらうのです」』

常識打ち破りたい 使える「不思議ちゃん」になる方法
第7回 創造思考
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO60013360V00C20A6000000?channel=DF120320205956&page=3


『「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせにすぎない」(ジェームス・ヤング)というのが、もっとも有名なアイデアの定義です。ここから言えるのは、大量の知識や情報を頭につめこんでおかないと発想は生み出せない、ということです。これが1つ目の原理です。

実際に、皆さんのまわりにいるアイデアパーソンは、いろんなことに興味を持ち、常に情報収集を心がけ、とても物知りな方ではありませんか。インプットが創造思考の成否を握っています。

2つ目の原理は「数撃てば当たる」です。どのアイデアがヒットするか事前には分からず、次から次へと組み合わせを変え、量を増やすことで質を上げるしか方法がありません。桁違いにたくさんのアイデアが母数として求められます。

そのためには、3つ目の原理として、発散(広げる)と収束(絞り込む)、仮説(考える)と検証(確かめる)のステージをきっちりと分けることです。アイデアを広げるときは評価や批判は厳禁。特に、みんなでアイデア出しをやるときは、注意しなければなりません。』
『創造思考を働かせているうちに、行きづまってしまうことがよくあります。これ以上新しいアイデアが思いつかなくなったり、ありきたりの発想からどうしても抜け出せなくなったりして。

そんなときに効果的なのは、「前提を疑う」ことです。「○○すべきだ」「○○でなければならない」という当たり前や常識を、「本当にそうなんだろうか?」と疑ってみることが大事です。』

まずは数理的思考を身に付けよ!

まずは数理的思考を身に付けよ!全大学が「AI教育」を競い合う時代に
https://newswitch.jp/p/22307

※ こういう人が、書いている記事だ…。

『ビジネスや行政などの意思決定の根拠となるデータを、数理的な思考でとらえて人工知能(AI)で分析する―。そんな数理、データサイエンス(DS)、AIの人材育成が急ピッチで進む。政府の「AI戦略2019」では初級レベルは全大学生に必須とされ、認定教育プログラム制度が進みだした。文部科学省のモデル構築事業も拠点6大学から協力校へと展開中だ。これらの教育に関わらずに済む大学は皆無、そんな時代に入っている。(取材=編集委員・山本佳世子)』
『政府が19年にまとめたAI戦略でイメージするのは、組織の活動やIoT(モノのインターネット)で得られるビッグデータ(大量データ)を、統計学やAIで分析して活用する人材だ。企業や官公庁、地域社会などあらゆる分野の課題解決でニーズが急増している。内閣府は象徴的な言葉としてAIを出しているが、教育テーマとしては論理的考え方やデータに基づく分析など広義のものだという。

同戦略では25年の目標を掲げ、大学生は学部によらず「全員が初級のリテラシー(読解記述力)レベルを学ぶ」とする。大規模な取り組みとなるため「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」で後押しする。応用基礎レベルの整備は1年先に予定しているが、まず今年3月にリテラシーレベルを2本立てで整えた。

このうち「認定教育プログラム」は「全学での開講」「複数の専門分野の学生の履修」「履修の学生数や率を高める計画」などの要件を満たせば書類審査で済む。ただ申請プログラムで1年以上の活動実績が必要だ。「データサイエンス学部の実績を基に、全学展開を図る大学」などが対象と予想される。』
『もう一つ、一段上となるのが「認定教育プログラム+(プラス)」だ。他大学を先導する独自のプログラムで、認定には実地調査もある。「全学生の半数以上が履修しているか、3年以内に実現する計画」という部分のハードルが高い。内閣府の佐藤文一審議官は「旧帝大や研究型大学には、より先進的な取り組みで『プログラム+』にチャレンジしてほしい」と強調する。どこが先陣を切るのか、視線が集まることは間違いない。』
『文部科学省は17年度から、大学が文系理系を問わず全学的な数理・DS教育を後押しする事業を進めている。20年度は国立大学の運営費交付金の一部の10億円をこれに充てる。事業開始時は「数理・DS教育」としており、前面になかったAIも、今は内閣府の戦略と相まって扱う。

拠点校は北海道、東京、滋賀、京都、大阪、九州の6国立大学だ。数学、統計、情報など各大学の強みを出しながら、他大学の参考になる標準カリキュラムの策定に向けて、学内での実施に取り組む。』
『九州大学数理・データサイエンス教育研究センターは最初に、高年次学生・大学院生向け講座に取り組んだ。受講生の卒業・修士研究用のデータ解析プログラムを実装し、個別指導をしつつ理論の学びに誘導した。理論から実装に進む通常の積み上げ式とは、逆の学びにしたのが注目だ。

次いで低年次学生向け講座では、看護学や文学など意外な分野も含めた先輩の実例を紹介。その上で学科別に必要なデータ解析法の原理を解説し、学生のやる気を引き出した。

専門が多岐にわたる教員・研究者60人程度が参加する合宿勉強会もユニークだ。共同研究費を用意し、例えば数学、情報、病院の研究者が、病院内の治療方針や医薬品選定を合理的に決める手法の開発に取り組む。内田誠一センター長は「データ分析を串にして、考えられなかったつながりが生まれている」と効果を実感している。』
『一方、北海道大学の場合は「学部、修士、博士の各課程を想定した文科省のDSの3事業すべてで採択されている」(数理・データサイエンス教育研究センターの湧田雄基特任准教授)のが強みだ。またデータを持つ企業と北大の産学共同研究を基に、社会人教育を展開する特色もある。』
『19年度には6拠点大学に加えて計20の国立大を協力校に据え、さらに公私立大へも広げていく計画だ。他大学での実施には、新型コロナウイルス対応で導入が進んだオンライン授業と演習の組み合わせや、指導役の教員を育成するファカルティー・デベロップメント(FD)も重要だ。伝統と異なるさまざまな手法で浸透を図ることになりそうだ。』
『内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)などで議論してきたAI戦略のうち人材育成は、25年時点で実施する人数を示している。最も下の小中学生は情報通信技術(ICT)の端末を1人1台で扱う。年間、つまり1学年の全高校生約100万人で理数(理科と数学)の素養を強化する。右図のピラミッド構造で底辺を支える大学などの全学生約50万人は、数理・DS・AIの初級レベルを学ぶ。学部1、2年生が対象だ。ここまでがリテラシーレベルだ。』
『この上の応用基礎レベルは「各専門分野×AI」の教育だ。専門の学びをする学部3、4年生の半分、約25万人を想定する。目を引くのは理工系人材は半分程度にすぎず、保健系や人文・社会科学系での育成も重視されている点だ。ダブルメジャーとして「専門は経営学とDS」などと言えるだけの力を付け、実社会での活躍を最も期待される層だ。

その上のエキスパートレベルは大学院生などで、2000人とぐっと数が減る。研究者やその卵としてDS・AIを活用する。最上位のトップレベルは世界と戦うAI先端研究者などで、100人としている。』
『データ分析は多くの数値データから普遍的な真理を導くのが狙いだ。伝統的には統計学を使い、心理学や教育学の調査研究でも行われる。統計学は数学の仲間だ。世の中の現象を1次式で近似する多変量解析には、数学の線形代数が使われる。過去のまとめに適するが、変化の激しい未来の予測手法としては微妙なところだった。

一方、AIは多様なツールがあり、未来予測に適する面がある。その一つ、人気のディープラーニング(深層学習)は画像判断や機械翻訳、囲碁などで、その強さが一般社会でも実感されたことで注目が高まっている。

日刊工業新聞2020年5月18日』

社会人のためのデータサイエンス入門|総務省統計局
https://gacco.org/stat-japan/

※ 総務省でも、「無料のオンライン学習」をやってるぞ…。

※ むろん、「有料オンライン学習」の講座も、あまたある…。

データサイエンティストのスクール比較・おすすめ講座・コース7選
https://www.bigdata-navi.com/aidrops/1809/

データサイエンス独学の書籍、オンライン講座、ブログ50選
https://www.finereport.com/jp/analysis/site/

※ にわかにAIにスポットライトがあたり、どの企業でも「AIの活用を図れ!」とか、「AI使って、何かやれ!」とかいう号令が下されるようになった…。しかし、如何せん、そういう「AIが何であるのか」「AIで何かやれる」という「AI人材」なんか、どこにもいない…。いても、数が少なくて、「需要に供給が追いつかない」…。「AI人材」どころか、そもそも「データサイエンス」を分かっている人材(DS人材)すら、数が少ない…。そういうのが、現状だ…。

※ それで、「このままでは、日本企業は、生き残っていけない!」ということで、強力に「政府の尻を叩きにかかった」わけだな…。

※ そういうことで、オレも気にはかけて、若干の資料や画像の収集は、やっていた…。今、フォルダを見ると、どこのサイトからキャプチャしたのかの「データ」までは、保存していなかった…。

※ まあ、いいや…。貼ってしまおう…。出所は、よく分からん…、ネットのどっかに転がっていた…、ということで…。

※ 何か新しい分野にチャレンジしてみようと考える時は、
1、文献(紙の書籍、電子データの書籍)で、ざっと感じを掴む。
 導入本、初級本、中級本、上級本とあるので、まず「導入本」を2、3冊読んでみる。中には、「マンガで解説する○○」みたいなものもある…。
2、無料の「お試しオンライン学習」を、やってみる…。
3、大体の感じが把握できたら、いよいよ「有料オンライン学習」に取りかかる…。
 という段取りで取り組むのが、いいんじゃないか…。
 まあ、オレはいつも1で止まっているが…。それも、「導入本」2、3冊読んで「オシマイ」というのが多いな…。
 ネットは、玉石混交だ…。中には、「金取り」「詐欺まがい」も混じっている…。そういうものも、回避していかないとな…。

Udemyで400コース学んだ黒澤さんがおススメするデータサイエンスコース10選+α
https://zine.qiita.com/products/udemy-datascience/
『──具体的な事例ですごくイメージが沸きました。次に伺いたいのですが、黒澤さん自身、これまで学ばれてきて、データサイエンスにはそもそもどんな知識・スキルが必要だと考えていますか︖また、あわせてそのスキル習得に効果的だったUdemyコースも教えてください。

黒澤:データサイエンスに必要なスキルは大きく3つと考えています。

1)数学(微分、線形代数、統計など)
2)プログラミング(Python、R)
3)問題解決力(価値創造する力、論理的思考力など)

まず数学についてですが、僕の経験上からもこれがデータサイエンスの学習においては最も重要だと考えています。

というのも、自分自身、Udemyでデータサイエンスを学び始めたころ、数学を学ばなかったことで失敗しているからです。』
『──そうだったのですね。それはどんな失敗だったのですか?
黒澤:正直いうと、もともとプログラミングスキルには自信があったので、PythonやRもすぐに使いこなせて、データサイエンスもできるとおごりがありました。
しかし、実際は、Pythonが使えたとしても数学の理解がないとただチュートリアルを動かすだけしかできません。

僕は、データサイエンスを活用した課題解決において重要な「数値予測」か、「カテゴリー予測」かの判断が数学(統計)の知識がなくてできなかったんです。

例えば、手書き文字の画像認識をしたい場合は「カテゴリー予測」を使う。商品の売上シミュレーションをしたい場合は、「数値予測」を使うなど課題に応じて判断しなくてはいけないのですが、それができなかったんです。

数学を学ばずに、機械学習ライブラリを使った⾼度な分析を実⾏しても理解が浅く、チュートリアル以上の事をしようとすると途端に難しくなってしまいました。』
『──エンジニアリング力の素地がある方だからこそ陥ってしまう落とし穴なのかもしれませんね。ただ、「微分・線形代数」については、具体的になぜ必要なのかまだわからないのですが、補足いただけますか?

黒澤:微分や線形代数は、機械学習など関数を使った予測モデルの作成に必要になります。機械学習とは、プログラム(機械)にデータを学習させて、予測させることです。予測するためには、実測値と予測値の誤差を最⼩限にさせていくことが必要で、これを「最適化」と言い、微分を使います。

この「最適化」の計算・演算をするためには、画像やExcelで作られた表データなど、すべてのデータを行列の形で数値化する必要があります。この行列を計算するための手段として線形代数が必要になります。さらに、学習させたモデルの精度を確認するために統計が必要になるんです。』
『──なるほど、よく理解できました。では、黒澤さんも特に重要だという数学を学ぶのにおすすめのUdemyコースはありますか?

黒澤:「【キカガク流】人工知能・機械学習 脱ブラックボックス講座 – 初級編 -」と「【ゼロからおさらい】統計学の基礎」がおススメです。

「【キカガク流】人工知能・機械学習 脱ブラックボックス講座 – 初級編 -」は、板書のように手書きで順を追って説明してくれ、わかりやすく人工知能の仕組みと機械学習の実装に必要な数学(微分と線形代数)を学ぶことができます。さらに得た知識をもとにPythonを使って簡単な機械学習の実装までを4.5時間で経験できるので入門者にはおススメです。』
『「【ゼロからおさらい】統計学の基礎」は、統計の基礎が学べ、統計基礎の鬼門といえる「仮説検証」を中心に理解することができます。また、「アプリの同時起動数」をテーマに統計を使い、「どれだけのユーザーが同時にアプリを起動してもサーバーが落ちずに耐えられるか?」を予測する演習をエクセルを使って行います。』

 ※ 後半は、「宣伝くさい」が、重要なことを言っていると思われる…。こういう、「電子計算機」を使って「機械」に仕事をさせようとする場合、「数学」のある程度の理解は不可欠だ…。なぜなら、「電子計算機」は、しょせんは「計算・演算」しかできないからだ…。そういうものに、「人間の望むような仕事」をさせようとすれば、「数式を組んで」「代入する値(データ)」を与え、「計算・演算」させていくしかない…。それには、「数学」のある程度の知識が前提になってくる…。