〔OFDM(直交周波数分割多重)とは〕

〔OFDM(直交周波数分割多重)とは〕

OFDMとは?
https://jp.mathworks.com/discovery/ofdm.html

『OFDM:5G・WIFI・LTEでも採用される、高速・高品質な通信技術

TV、スマートフォン、無線LANやBluetoothなどが普及し、現在では膨大な数の無線信号が空中を飛び回っています。無線信号を送信する際に使用する電波の周波数をキャリア(搬送波)周波数と呼び、それぞれの通信システムには、使用可能なキャリア周波数帯が割り振られています。

しかし、各々の信号は混信してはならず、また、電波として利用できる周波数は限られています。そのため、電波を可能な限り、効果的・効率的に利用する必要があります。近年では、機械学習やディープラーニングを無線通信システムに応用することなども検討されていますが、OFDM技術は、それ以前から広く活用されています。

電波を有効活用する技術のひとつに多重化があります。時間や周波数を多重することにより、同一の伝送路を使用して、同一時間に通信が行える容量を増やすことが可能です。時間で多重される場合にはTDM(時分割多重、Time division multiplexing)と呼ばれ、周波数で多重する場合には、FDM(周波数分割多重, Frequency Division Multiplexing)と呼ばれます。

周波数分割多重の場合には、お互いに干渉しない複数のキャリア(マルチキャリア)に分けて、データを分散して送信します(マルチキャリア伝送)。

そして、OFDM (直交周波数分割多重方式, Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)とは、先に述べたマルチキャリア伝送の一つです。各キャリア(サブキャリア)が直交することにより、シンボル間の干渉を抑え、サブキャリアの間隔を小さくし、高速かつ高品質で通信できる技術を指します。OFDMは、マルチパス環境(=電波がまっすぐに届くだけでなく、山やビルなどに反射して複数のルート(パス)を通って伝播すること)に強いことが特徴です。そのため、ディジタル放送だけでなく無線通信分野でも使われるようになり、WiFi、LTE、5G(ローカル5Gを含む)など、多くの一般的な無線通信規格だけでなく、レーダーシステムでも採用されています。

MIMOと呼ばれる技術と組み合わせることで、周波数帯域を増やすことなく通信速度を向上させられることが知られています。5G(第5世代移動通信)でも、OFDMをベースとした効率的な変調方式が提案されています。

以下の図は、シングルキャリア変調とマルチキャリア変調の波形をそれぞれ周波数軸と時間軸で表しています。マルチキャリアで複数のデータを同時に伝送できるため、1シンボルあたりの時間をキャリア数分長くできるため、ノイズの影響を受けにいと言えます。

シングルキャリアとマルチキャリアの周波数波形と時間波形

シングルキャリアとマルチキャリアの周波数波形と時間波形
OFDMを使用したシステム例

OFDMを使用したシステム例

OFDMのメリット

OFDMは、多くの無線通信規格で広く採用されている方式です。OFDMには次のようなメリットがあります。

広帯域チャネルで見られる周波数選択性フェージング(受信信号への悪影響)やマルチパスの歪みを克服できる。

キャリア同士の間隔を狭めることができ、帯域を有効活用できる

シングルキャリアと比較してビットレートを低くできる

サブキャリア毎に変調方式を設定できる

MIMOやMassive MIMOシステムと連携しやすい:マルチパスの影響を受けることなく他のアンテナから送信された信号を分離できるため

サブキャリアが重なることで矩形波に近い波形となるため、高い周波数効率であること

OFDMの原理

OFDMは、QPSKや16QAMなどで1次変調した周波数波形の情報信号を、IFFTすることで、時間軸波形に変換し、アンテナから送信できる波形に変換します。前述の1次変調に対して、2次変調とも呼ばれます。

逆離散フーリエ変換式は以下のとおりです。

f(x)=1N∑t=0N−1F(t)ei2πxtN

OFDMはそれぞれのサブキャリアの振幅が最大になる時、それ以外のサブキャリアの振幅が0になるように1/シンボル時間の間隔でキャリアを配置するため、シンボル間の干渉を防ぐ事ができます。(下図)

OFDM波形における直交サブキャリアの周波数領域の表現

OFDM波形における直交サブキャリアの周波数領域の表現

また、マルチキャリア伝送のOFDMがマルチパスに強い理由は、シングルキャリア伝送と比較して、マルチパスの影響が特定のサブキャリアに集中するためです。シングルキャリア伝送の場合は、全体に影響が出てしまいます。

より性質を発揮するため、直接波と反射波の到達時間差が大きくなるサービス範囲が広い規格では、サービス範囲の狭い規格と比較して、サブキャリアの本数が多くなっています。
理想的なOFDM波形とマルチパスの影響を受けたOFDM波形

理想的なOFDM波形とマルチパスの影響を受けたOFDM波形

5Gシステム向け技術として検討されているOFDMをベースとした技術

5Gに向けて、OFDMをベースとした様々な技術が検討されています。ここでは、その一部を特徴を交えながらご紹介します。

CP-OFDM (サイクリックプレフィックスOFDM)

OFDMシンボルの先頭にサイクリックプレフィクス (CP) と呼ばれる上長信号を付加します。OFDMシンボルの後端からの一定時間分のデータをサイクリックプレフィクスとしてOFDMシンボルの先頭挿入することで、シンボル間干渉 (ISI), キャリア間干渉 (ICI) を抑制する技術です。LTEでも使用されています。

W-OFDM (Windowed OFDM, Weighted Overlap and Add based(WOLA) OFDM)

IFFT後のOFDMシンボルの先頭にサイクリックプレフィクス(CP)を、OFDMシンボルの末尾にサイクリックサフィックス(CS)を付加し、OFDMシンボルの最初と最後の振幅が-3dBになるようにウィンドウ処理を行う技術です。

F-OFDM (Filtered OFDM)

フィルタ処理されたOFDM。OFDMシンボルの複素領域の直交性を維持しつつ、サブバンド信号の帯域外放射を改善するために設計されたフィルタを、時間領域OFDMシンボルに適用する技術です。

UTW-OFDM

ユニバーサル時間軸窓直交周波数分割多重方式と呼ばれています。LTEに対する簡単な信号処理を追加することで、帯域外への漏洩電力を大幅に抑圧できる技術です。京都大学が、2016年に世界で初めてUTW-OFDMの実証実験に成功しています。

FBMC (Filter Bank Multi-Carrier)

サイドローブを低減するために、サブキャリアごとにフィルタリングを行う技術です。
UFMC、UF-OFDM (Universal Filter Multi-Carrier)

サブバンドごとにフィルタリングをおこない、サイドローブを低減する技術です。FBMCと比較して、フィルタ長が削減できます。

GFDM (Generalized Frequency Division Multiplexing)

FBMC同様にサブキャリアごとにフィルタリングを行う変調方式ですが、フィルタリングすることで、直交性が失われます。

W-OFDM、F-OFDM、CP-OFDMのスペクトル比較

W-OFDM、F-OFDM、CP-OFDMのスペクトル比較
FBMC vs OFDM

FBMC vs OFDM
UFMC周波数波形

UFMC周波数波形
OFDMの特徴

OFDMの利点

OFDMを構成するサブキャリアに複数のユーザーを割り当てる事(OFDMA:直交周波数分割多元接続)ができます。直交(1/シンボル時間の間隔で配置)させることで、周波数を効率よく利用できます。マルチパスによる伝送歪に強く、複雑なイコライザを用いずに、エラー訂正などで復調が可能になります。

OFDMの欠点

信号の振幅が大きく変化するため、ピーク対平均電力比が高くなり、アンプが許容する平均送信電力より小さく設計したり、ダイナミックレンジの広いアンプを使用する必要があります。

特に、キャリア間隔が狭い場合に、OFDMの効果はドップラシフトに対して弱くなるので、ダイナミックレンジの広いアンプを用いることが望ましいといえます。

MATLABとSimulinkを活用したOFDM

MATLABとSimulinkに関連する無線通信プロダクト(Communications Toolbox™, WLAN Toolbox™, LTE Toolbox™, および 5G Toolbox™ など)には、OFDM信号を設計およびテストするための機能が含まれています。MATLABとSimulinkを使用して以下を行うことができます。

OFDM波形の設計、テスト、およびリンクレベルのシミュレーションの実行

トレーニング信号、ゼロパディング、サイクリックプレフィックスなどのOFDMパラメータを関数の入力引数、ブロックのブロックパラメータでカスタマイズ

OFDMを無線システム設計に適用して、リンク性能、ロバスト性、チャネル推定、等化などのメトリクス解析

パフォーマンスを最大化するためのデジタル、アナログ、またはハイブリッドビームフォーミングアルゴリズムの設計と最適化

異なる業界標準に合わせてカスタマイズされたOFDM波形を生成する特定の関数

Wireless Waveform Generatorアプリを使用して、シミュレーションやOn-The-Airテストで使用するための標準準拠のOFDM波形の生成

Wireless HDL Toolbox™を使用して、HDLコード生成とハードウェア実装に最適化されたOFDM無線システムの設計

MATLAB®は、効果的にOFDMを使用したアルゴリズムの解析やリンクシミュレーションが行えるオプションや機能を提供しています。

トレーニング信号、パイロット信号、0パディング、サイクリックプレフィクス(CP)、FFTのポイントなどパラメータを設定するだけで、OFDM変調ができる関数やブロックがあらかじめ用意されているほか、基本的な関数やブロックを用いて、OFDM変調を行うことも可能です。

OFDM Modulator/OFDM Demodulatorブロックとブロックパラメータ

OFDM Modulator/OFDM Demodulatorブロックとブロックパラメータ

規格に準拠した信号生成、解析が行えるLTE Toolbox™やWLAN Toolbox™からも、それぞれの規格でサポートしているOFDM信号を生成、解析が可能です。

さらに、5G Toolboxを使用することで、前述のW-OFDM、F-OFDMなど、5Gで用いられる技術の候補となる信号生成、解析が行えるため、すぐに独自の技術検討を始められます。

また、Instrument Control Toolbox™が提供する機能で、MATLABで作成した信号を計測器を利用して送信し、受信した信号をMATLABで解析したり、Embedded Coder®やHDL Coder™を利用することで、CコードやHDLコードを手書きすることなくソフトウェア無線機を構築することも可能です。

様々な視点からの可視化

様々な視点からの可視

使用例および使い方

OFDM同期 - 例
LTEチュートリアル: LTEリソースグリッドを学ぶ (12:39) - ビデオ
LTE System Toolboxのための5G Library - ダウンロード可能なコード
5G向け FBMC vs. OFDM 変調 - 例
Harman Becker社 OFDM無線受信機を設計、検証 - ユーザー事例
MACフレームを使用した802.11ac波形生成 - 例

ソフトウェア リファレンス

Wireless Waveform Generator App - ドキュメンテーション
WLAN波形生成 - ドキュメンテーション
MATLABにおけるOFDM変調器 - 関数
OFDM変調器 - ブロック
5G Toolbox概要 - ドキュメンテーション
WLAN System Toolbox概要 - ドキュメンテーション
OFDM変調器と伝播チャネルモデル - ドキュメンテーション

参考: 5Gテクノロジーの開発, RF/高周波システム, 無線トランシーバー, チャネルモデル 』

〔OFDM(直交周波数分割多重)とは 過去の投稿から〕

〔OFDM(直交周波数分割多重)とは 過去の投稿から〕

5Gの話し(その7)
https://wordpress.com/posts/http476386114.com?s=OFDM 

『OFDMの概要

読み: おーえふでぃーえむ 英語名: Orthogonal Frequency Division Multiplexing
OFDMとは、Orthogonal Frequency Division Multiplexingの略で、日本語では直交周波数分割多重と訳されるデジタル信号の変調方式の一種。ADSL、無線LAN、WiMAX、LTE、デジタルテレビ放送などで幅広く採用されている。

データをサブキャリアと呼ばれる複数の搬送波に分割し、周波数方向に並列に送信するマルチキャリア変調方式の一種となるが、各サブキャリアを直交させる(波の位相を90度ずらす)ことでサブキャリア間の間隔を密に配置し、限られた周波数帯域を有効に利用したり、マルチパスや干渉波の影響を少なくすることができる。

周波数軸上にたくさんのサブキャリアが重なり合うように配置されるため、信号が互いに干渉するように見えるが、直交させることで各サブキャリアの中心周波数が他のサブキャリアの信号強度が0の部分に位置するように重なり合うため、重ね合わせた信号を後から分離して容易に取り出すことができる。

なお、OFDMのサブキャリアをそれぞれ異なるユーザーに割り当てることで同一周波数上での多元接続を実現する方式をOFDMAと呼ぶ。』と言うようなものらしい…( https://www.kddi.com/yogo/%E9%80%9A%E4%BF%A1%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9/OFDM.html )。

〔5Gの話し(その10)〕
https://http476386114.com/2019/11/15/%ef%bc%95%ef%bd%87%e3%81%ae%e8%a9%b1%e3%81%97%ef%bc%88%e3%81%9d%e3%81%ae%ef%bc%91%ef%bc%90%ef%bc%89/

〔5Gの話し(その13)〕
https://http476386114.com/2019/11/19/%ef%bc%95g%e3%81%ae%e8%a9%b1%e3%81%97%ef%bc%88%e3%81%9d%e3%81%ae%ef%bc%91%ef%bc%93%ef%bc%89/

インド、5G導入へ入札 成長市場も投資負担重く

インド、5G導入へ入札 成長市場も投資負担重く
ASIA政策ナビ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM24CS90U2A620C2000000/

『インドで高速通信規格「5G」の導入に向けた準備が進んでいる。政府は15日、5Gで使う周波数帯の入札を7月下旬に実施すると発表した。一部地域では年内にもサービス提供が可能になる見込みだというが、インフラ整備も含めて通信各社には重い負担となる。

インドでは5G対応のスマートフォンが販売されているが、サービス開始には至っていない。アシュウィニ・バイシュナウ通信相兼電子・情報技術相は最近、20~25都市で2022年中に5Gサービスが始まるとの見通しを示した。スウェーデンの通信機器大手エリクソンはインドの5Gサービス利用者は27年に5億人になると予測する。

地元通信業界では大手財閥リライアンス・インダストリーズ傘下のリライアンス・ジオ・インフォコムとバルティ・エアテル、ボーダフォン・アイデアの大手3社で、携帯契約者の9割程度を握っている。今回の入札にも3社が応じる見込みだが、政府が設定した最低入札価格は各社が要望していた水準を大きく上回っているという。

成長市場とはいえ、各社がどこまで大規模な投資に踏み切れるかは不透明だ。リライアンスの参入を機に始まった低価格競争は各社の経営に大きな打撃を与えている。

特に顧客減少が続くボーダフォンの苦戦が鮮明で、22年3月期の連結最終損益は2824億ルピー(約4870億円)の赤字。同社は1月、生き残りに向けてインド政府を筆頭株主に迎える方針を発表した。

政府は農地など特定の場所に限定した5Gの利用については、通信事業者以外の一般企業に周波数帯を直接割り当てる方針も示している。事業機会の縮小を懸念し、業界団体のインド携帯電話事業者協会(COAI)は反発している。5G市場の開拓を巡る官民の綱引きは今後も続きそうだ。

(ムンバイ=花田亮輔)』

カナダ、5G通信網からファーウェイとZTE排除

カナダ、5G通信網からファーウェイとZTE排除
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN200030Q2A520C2000000/

『【ニューヨーク=大島有美子】カナダ政府は19日、次世代通信規格「5G」から中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)を排除すると発表した。米国や欧州各国と足並みをそろえる。ファーウェイの孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)のカナダでの逮捕や、カナダ人の中国での拘束を経て、両国の関係は冷え込んだ。中国の反発は必至だ。

カナダ政府は5Gに関して通信会社に対して2社の製品の新規利用を禁じ、既に利用中の機器は2024年6月までに撤去または利用を停止することとした。「深刻な安全保障上の懸念がある」ことを理由に挙げた。4Gの通信網に関しても、2社の製品は27年までに利用停止とする。

カナダ政府の決定は、米国や英国、日本など主要国に追随するものだ。カナダ通信大手のテラス・コーポレーションとベル・カナダの2社は、欧州企業と組んで5Gを構築しており、ファーウェイの利用を自主的に避けた。

米国はファーウェイの包囲網を形成するため同盟国に協調を呼びかけていた。オーストラリアやニュージーランドが同調したほか、英国は20年7月に5Gからのファーウェイ製品排除を決めた。スウェーデンも同年10月にファーウェイとZTE製品の使用を禁止。日本政府も政府調達から事実上、米国が取引を禁じている中国企業の製品を排除している。

トルドー政権は、インド太平洋に関する新戦略を策定しているが公表時期は未定だ。カナダの外務省関係者は5月上旬、日本経済新聞に対し「公表は数カ月先になるだろう」と答えた。ビジネスで蜜月関係にあった中国に関して、安全保障面でどう記述するかが注目を集めている。

カナダと中国の関係はファーウェイの孟氏の拘束を巡って悪化した。18年12月にファーウェイの孟氏がカナダ当局に拘束され、その後カナダ人2人が中国当局に拘束された。米国は19年1月にイランとの取引を巡る詐欺などの罪で孟氏を起訴し、孟氏の身柄引き渡しを求めた。

20年1月から始まったカナダでの裁判では孟氏が無罪を主張。21年8月に最終結審した。各国の政治的な駆け引きが続いたが、同年9月に米司法省が孟氏の中国への帰国を承認。孟氏は釈放され、拘束されていたカナダ人2人も拘束を解かれた。

関係悪化を受け、中国は19年3月、カナダ企業2社からキャノーラ油に使われる菜種の輸入を禁止していた。18日には、中国による禁止措置が解除され、カナダからの輸出が再開されるとカナダ政府が発表するなど、関係改善の兆しを見せていた。』

韓国5G、追いつかぬ「中身」 商用化3年も高速生かせず

韓国5G、追いつかぬ「中身」 商用化3年も高速生かせず
通信大手3社、メタバースなどで活路探る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM213YY0R20C22A3000000/

 ※ なるほど、「電池の減り」が早いのか…。原理(4Gよりも、「細かい」波を作り出す。受信するだけでなく、端末側からも送信している)からして、当然か…。

 ※ まあ、どこの国でも同じだろう…。

 ※ 「鳴り物入り」で囃し立てても、こういうものだ…。

『【ソウル=細川幸太郎】韓国が世界に先駆けて高速大容量通信「5G」サービスを始めて4日で3年がたった。通信網は都市部をほぼカバーし、契約数は携帯電話契約全体の約3割と日米を上回る。ただ他国に先行する一方で高速通信を十分に生かしたサービスはなお模索中だ。SKテレコムとKT、LGユープラスの通信大手3社はメタバース(仮想空間)や企業向けサービスに活路を見いだす。

「韓国の優れた情報通信技術で、国家間協力においてリーダーシップを発揮したい」。スペインで2月に開かれた世界最大のモバイル関連見本市「MWC」で韓国の科学技術情報通信相の林恵淑(イム・ヘスク)氏はこう強調した。

林氏が自信を深める背景にあるのが、韓国が各国に比べて5G通信網の整備が進んでいることだ。

科学技術情報通信省によると、通信大手3社の5G通信網の都市部カバー率は9割を超える。他国に比べて国土が小さく、人口密度が高いことから効率的に基地局設置が進んだ。各社は通信網整備に向け、商用化を始めた2019年には設備投資を18年比で5割程度増やし、その後も高い水準で投資を続けてきた。

21年末時点で5G回線の契約数は3社で2156万に上る。携帯電話契約全体(7315万)の約3割となり、2割前後とされる日本や米国よりも利用率は高い。韓国の通信各社は5G契約への切り替えを促すために各種の割引サービスを用意し、消費者は実質的に4Gと変わらない料金で5G回線を使っている。

一見すると、日米より5G普及しているが、消費者の反応は鈍い。

通勤時間帯にスマートフォンで動画配信サービスを楽しむ男性会社員(29)は「動画視聴なら4Gで十分」と話す。「5G接続は電池の消費が速い」ため、あえて4G接続を設定するという。

韓国政府の発表では通信大手3社の平均ダウンロード速度は800メガビット/秒(Mbps)と4Gよりも10倍ほど速い。それでも、高速・大容量というメリットを十分に生かすサービスや有力コンテンツの開発・普及が進んでいない。

大手3社に「5Gにしかできないサービスの事例」を聞いたところ、現時点では中継放送の動画伝送のほか、工場など特定サイトで使う「ローカル5G」と呼ばれる業務サービスに限られるという。

韓国で4G通信が始まった11年は、スマホ普及期とも重なり、動画視聴や業務利用といった高速データ通信の恩恵が大きかった。それだけに、消費者の反応は当時とは対照的だ。

それでも各社が基地局整備と利用者拡大を急ぐのは、まず通信インフラを整えることで「5Gが基本インフラとなり、自動運転やメタバースなど技術革新を加速させる素地となる」(SK)との期待がある。

実際、SKは仮想現実(VR)機器を使ったK-POPコンサートの鑑賞コンテンツを企画する。高画質カメラで実際のダンサーの体の動きを捉えて、仮想空間上のアバター(分身)が忠実に再現する取り組みを始めた。

KTはIT(情報技術)ベンチャーと協業し、次世代のスポーツ中継システムの開発を進める。試合会場内に複数設置した高画質カメラを5G通信で結び、選手とボールの動きを把握。人工知能(AI)が複数のカメラ映像から視聴者が好む動画を切り取って自動配信できるという。

LGは企業向けサービスの開発に力を入れる。韓国南東部、蔚山市の石油化学コンビナート内の各施設にセンサーを取り付けて常時接続し、老朽化による配管の腐食といった事故の予兆を把握する。釜山港のコンテナターミナルではクレーンを5G通信で遠隔制御して船積み処理能力を高めたという。

通信各社は内需が中心なだけに、まず国内で実績を積み、その後に5Gの通信インフラ輸出につなげる狙いもある。KTは台湾の通信大手ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ(FET)と5G分野で提携。インフラ整備やコンテンツ販売を請け負った。LGもタイ通信大手のアドバンスト・インフォ・サービス(AIS)に通信システムを供給する。

ただ、自動運転や遠隔医療の実用化のためには法整備も不可欠だ。インフラ整備とサービス開発に加えて、今後は「5G活用特区」など規制緩和を組み合わせた政策面の産業育成も5G時代を切り開くカギとなる。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Spotlight/5G-networks/South-Korea-s-vast-5G-coverage-offers-little-new-content?n_cid=DSBNNAR 』

中国5G基地局失速

中国5G基地局失速 住友電工など欧米シフト
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF1378J0T10C21A8000000/

『中国で高速通信規格「5G」の基地局の整備が遅れている。中国国家統計局によると、1~8月の携帯基地局部品の生産は前年同期比で53%減り、データのある月では11カ月連続のマイナスだった。米中対立で米国製の部品調達が難しくなっているためだ。住友電気工業など部品メーカーは欧米での開発人員を増やすなど欧米シフトを進める。

中国は世界市場の6割強を占め、部品の生産量は基地局の整備動向とほぼ比例する。米国の輸出規制の強化で中国メーカーは米国製部品の在庫が無くなり生産が滞っているとみられる。日本の部品メーカーにとって大口顧客の中国の減速は痛手だ。村田製作所の村田恒夫会長は「通信障害を防ぐ部品の需要が落ち込んでいる」と話す。通信部品大手は「2020年夏から複数の中国・華為技術(ファーウェイ)向け案件がなくなった」と明かす。

住友電工は2022年3月期中にオランダなど欧米の開発人員を倍増させる。顧客の要望を迅速に開発に生かす狙い。9月には米国で5G基地局に使う半導体工場が稼働した。現在は基地局部品の海外売上高は中国が9割を占める。5年後をめどに欧米の割合を1割から5割に高める。

日本電気硝子は22年にも欧米専門の営業部隊を立ち上げる。光ファイバー部品の9割が中国の工場向けであり、欧米に注力する。

ファーウェイなどは部品の内製化を進めるが、仏調査会社ヨール・デベロップメントのアントアン・ボナベル氏は中国での部品需要の回復に「数年かかる」とみる。

ただ中国は次世代高速通信規格「6G」に積極投資する方針であり、中国メーカーが部品の内製化を進めた場合、日系メーカーは事業機会を失う可能性がある。東京大学社会科学研究所の丸川知雄教授は「いざとなったら欧米にシフトする姿勢は中国に受け入れられない。調達・製造を中国国内で完結させるなど、米中の供給網の分断を前提とした戦略が必要になる」と話す。』

5Gインフラ、コスト4割減 携帯にも「脱ハード」の波

5Gインフラ、コスト4割減 携帯にも「脱ハード」の波
基地局クラウド化、ベライゾンなど動く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC259MF0V20C21A6000000/

 ※ 楽天が、確か、これをやろうとしていたはずだが…。

 ※ この頃、話しを聞かなくなったな…。

『携帯電話の通信インフラをクラウド上のソフトウエアに置き換える動きが広がっている。専用機器が減り、大がかりな通信基地局をつくる必要がなくなる。最新の第5世代(5G)で、インフラの構築費を4割程度減らせるとの見方もある。通信にも「脱ハード」の波が及び、業界秩序を揺さぶる。通信費の低下につながる可能性もある。

世界各国で5Gのインフラ構築が本格化し、通信業界は10年に1度の設備の刷新期にある。通信制御の新たな仕組みとして「クラウド基地局」の採用が進む。』

楽天が狙う「5G×MEC革命」 エッジコンピューティングを全国展開
https://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/7053/Default.aspx

『今年10月、無償サービスという形で限定的にMNOサービスを開始した楽天モバイル。既存MNOとの最大の違いとしてアピールしているのが、“世界初”とうたう「完全仮想化クラウドネイティブネットワーク」だ。コアネットワークから基地局などのRAN(Radio Access Network)までをエンドツーエンドで仮想化する。

「自動車にたとえると、iPhoneが“クルマ”の革命だったとすれば、楽天モバイルは“道路”の革命を起こす」。三木谷氏はこう意気込むが、この革命は一体何をもたらすのか。実は、その1つがMECである。MECとは、ユーザーの近くにコンピューティングリソースを置いて処理するアーキテクチャのこと。楽天モバイルは仮想化されたRANを活用し、日本全国4000カ所以上にMEC環境を構築する計画だ。』

楽天モバイルの現状は?加入時の懸念点を検証!
https://maruwakarinet.com/rakutenmb/#:~:text=2020%E5%B9%B44%E6%9C%888%E6%97%A5%E3%80%81%E6%96%B0%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%92%E3%81%B2%E3%81%A3%E3%81%95%E3%81%92%E6%9C%AC%E6%A0%BC%E7%9A%84%E3%81%ABMNO%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%82%92%E9%96%8B%E5%A7%8B%E3%81%97%E3%81%9F%E6%A5%BD%E5%A4%A9%E3%83%A2%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%81%A0%E3%81%8C%E5%A5%91%E7%B4%84%E6%95%B0%E3%81%AF%E4%BA%88%E6%83%B3%E3%82%88%E3%82%8A%E3%82%82%E4%BC%B8%E3%81%B3%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%82%89%E3%81%9A%E3%80%81%E9%80%9A%E4%BF%A1%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%82%84%E7%9B%B4%E8%BF%91%E3%81%AE%E6%8A%80%E9%81%A9%E9%96%A2%E9%80%A3%E3%81%AE%E9%81%95%E5%8F%8D%E7%96%91%E7%BE%A9%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%A7%E3%83%8D%E3%82%AC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%81%AA%E8%A9%B1%E9%A1%8C%E3%81%8C%E5%A4%9A%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82,%E3%81%93%E3%81%AE%E8%A8%98%E4%BA%8B%E3%81%A7%E3%81%AF%E7%8F%BE%E5%9C%A8%E5%A5%91%E7%B4%84%E3%82%92%E6%A4%9C%E8%A8%8E%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E6%96%B9%E3%82%84%E6%A5%BD%E5%A4%A9%E3%83%A2%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%8B%95%E5%90%91%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E7%9F%A5%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84%E6%96%B9%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%AB%E3%80%81%E7%8F%BE%E7%8A%B6%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%87%B8%E5%BF%B5%E7%82%B9%E3%82%84%E4%BB%8A%E5%BE%8C%E3%81%AE%E5%B1%95%E6%9C%9B%E4%BA%88%E6%B8%AC%E3%82%92%E8%A7%A3%E8%AA%AC%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

 ※ 現状は、苦戦しているようだ…。

米、5G・半導体の開発・供給で基金 日英豪と中国対抗

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0114O0R00C21A2000000/

『【ワシントン=鳳山太成】米政府は高速通信規格「5G」や半導体の開発・供給で日英豪などと連携する基金を設立する。信頼できる同盟国とサプライチェーン(供給網)の構築で協力し、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)など世界で競争力を高める中国企業に対抗する。

1月に成立した2021会計年度(20年10月~21年9月)の「国防権限法」に盛り込まれた。「多国間通信セキュリティー基金」は日本のほか、英豪など機密情報を共有する「ファイブ・アイズ」と、安全性の高い通信機器を開発したり供給網を強化したりするのに使う。規模は今後詰めるが、企業間の提携を支援する。

7月をメドにつくる「多国間半導体セキュリティー基金」は、米国並みの厳しい輸出管理を運用する同盟国と半導体を共同開発する取り組みを資金面で支える。中国に依存しない半導体のサプライチェーンづくりを後押しする。

米国は5Gの基地局供給で先行するファーウェイに対し、半導体の禁輸措置を発動するとともに、同社製機器の排除を進めている。中国政府に情報が抜き取られるリスクがあるとして、他国にも同調を求めてきた。基金設立で同盟国の協力を一段と引き出す狙いがある。

バイデン米政権もハイテク分野で中国に強硬姿勢を続けており、日本も米国に同調するよう引き続き迫られる見通しだ。

【関連記事】
・米商務長官候補、ファーウェイ禁輸継続を示唆 対中強硬
・米、中国SMICに禁輸 最先端半導体の国産化阻止

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米、中南米で中国5G排除狙う エクアドルへ肩代わり融資

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15EJ40V10C21A1000000

『【サンパウロ=外山尚之】米国が中南米諸国に対し、資金を提供する代わりに通信網からの中国企業の締め出しに動いている。南米の産油国エクアドルに対し、中国からの債務借り換えのための融資を実行した。もっとも、ブラジルではボルソナロ大統領が中国企業の排除を断念したと報じられており、バイデン米大統領の新政権にとっても課題となりそうだ。

「35億㌦(約3600億円)は高利な債務の(前倒し)返済や国の経済を再活性…

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「35億㌦(約3600億円)は高利な債務の(前倒し)返済や国の経済を再活性化させるために使われる」。エクアドルのモレノ大統領は14日、ツイッターにこう投稿し、米国際開発金融公社(DFC)からの融資を歓迎した。

DFCは新興国への戦略的な金融支援を目的に、トランプ米政権が2019年に発足させた政府系金融機関だ。DFCのべーラー最高経営責任者(CEO)は声明で「今回の同意により、中国の強奪的な債務を借り換える計画への支援を合理化する」と、中国への対抗意識をむき出しにした。

エクアドルは17年まで続いた親中の反米左派政権の下、対中債務が膨張。教皇庁立エクアドルカトリック大学が20年10月に発表した資料によると、中国からの債務は約77億㌦に達し、2国間債務の約7割を中国が占める。

後を継いだモレノ氏は米国との関係改善を進めると同時に、中国と距離を取り始めた。モレノ氏は米国の融資について「現時点での利率は年率2.48%だ」とも明らかにした。地元紙ウニベルソは中国の債務の利率を「9%以下」と分析しており、かねて高利だと指摘されていた。また、対中債務の一部は原油で返済しており、市場価格よりも低い価格での販売を余儀なくされていた。

中南米はかつて「米国の裏庭」と呼ばれ、政治・経済面で米国の影響力が強い地域だった。しかし近年は中国が資金力を背景に影響力を増しており、多くの国で貿易や投資で米国を上回っている。

こうした中、トランプ政権は中国から借り入れた巨額の資金の返済が難しくなる「債務のわな」の危険性をアピールし、中南米諸国を自国側の陣営に取り込もうと動いていた。今回の融資では、次世代通信規格「5G」から中国の華為技術(ファーウェイ)の排除を条件として組み込んだとされる。

もっとも、こうした取り組みにどこまで効果があるかは不透明だ。米国はブラジルにもファーウェイ排除を条件にインフラ整備の資金として10億㌦の融資枠を設定したが、経済界の反発を受け、ボルソナロ大統領は5Gの電波割り当てのオークションにファーウェイ製品を排除する条件を盛り込むことを断念したと地元メディアは報じる。

近年、アルゼンチンやボリビアで親中の左派政権が誕生した。エクアドルも2月に大統領選があり、左派候補が勝てば今回の契約をひっくり返される可能性がある。

バイデン氏は副大統領時代にキューバとの国交回復に取り組み、中南米通として知られる。バイデン政権は4月にも米州首脳会議を主催し、中南米の首脳を迎える。ここでどんな方針を打ち出すか注目されている。英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、今回のエクアドルへの融資はバイデン政権にも共有されており、「興味深く、斬新な手法だ」と評されているという。

5G
5Gとは
現行の「第4世代(4G)」の最大100倍の速さの次世代通信規格。毎秒10ギガ(ギガは10億)ビットの最高速度はアナログ方式だった1980年代の第1世代の100万倍。2時間の映画を3秒でダウンロードできる。米国と韓国の通信大手が世界に先がけて商用サービスを始めた。

1Gから4Gへの進化は主に速さの向上だった。5Gは「多数同時接続」「超低遅延」という特徴が加わる。たとえば自宅で約100個の端末やセンサーを同時にネット接続できる。利用者が通信の遅れを意識することは格段に減る。

5G通信のメリットは? 3つのポイント

<JQ>AKIBAがストップ高買い気配 ソフトバンクの5G基地局、工法採用で(14:28)
米、中南米で中国5G排除狙う エクアドルへ肩代わり融資(25日 21:15)

図解でわかる「なんちゃって5G」 なぜ速くならない

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK171QO017122020000000

『2020年12月31日 2:00 [有料会員限定]

KDDIとソフトバンクは、高速通信規格「5G」のエリア拡大のために、既存の4G用の周波数帯を転用する動きを見せている。KDDIは2020年12月9日に12月中旬に転用を開始すると発表。ソフトバンクも今冬に転用を開始する計画だ。それぞれ4G用に割り当てられた周波数帯の一部を5Gに転用する。転用する周波数帯は4Gと5Gで共用することになる。

一方でNTTドコモは、4G用周波数の転用に慎重な姿勢を見せている。これまでも4G電波を転用し…

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・これまでも4G電波を転用して5Gのエリアとすることは「優良誤認の可能性がある」と指摘。20年10月に開催した決算説明会では、21年度後半に転用を始め、その際は転用した5Gのエリアと新しい電波を利用できる5Gのエリアを明確に分けて示す意向を明らかにしている。

・優良誤認の可能性を指摘しているのは、5Gであるにもかかわらず、通信速度が4Gとほとんど変わらない可能性が高いからだ。そのためこの問題は「なんちゃって5G」という言葉でメディアに登場するようになった。

4Gの電波と5Gの電波は何が違う

・まずはここまで話題になっている電波について見ていこう。国内において、4Gで使われている電波は「プラチナバンド」と呼ばれる700メガ(メガは100万、M)~900Mヘルツ(Hz)帯と、主要バンドとして使われる1.5ギガ(ギガは10億、G)~3.5GHz帯である。

・一方5Gには「サブ6(Sub6)」と呼ばれる3.7GHz帯と4.5GHz帯に加え、「ミリ波」と呼ばれる28GHz帯が割り当てられている。携帯電話の通信に関する仕様を策定している団体「3GPP」は、410M~7.125GHzを「FR1」、24.25G~52.6GHzを「FR2」と定義している。ちなみにミリ波とはもともと波長が1ミリ~10ミリメートルの電波を指す表現なので、周波数に換算すると30G~300GHzの電波を指す言葉だが、5Gの世界ではこの呼び方が定着している。

国内での5G向け周波数の割り当て。総務省やエリクソンの資料に基づく(出所:日経NETWORK)

・5Gでサブ6とミリ波という2つの帯域が使われているのは、電波の性質に合わせて使い分けるためである。電波は周波数が高いほど一度に送れる情報の量が増える。要するに高速な通信が可能になる。

・半面、周波数が高くなるほど距離による減衰が大きくなる。遠くまで電波が飛ばないのだ。さらに直進性が高くなるので障害物によって邪魔されやすくなる。

・電波よりもずっと低い周波数を使う音波と、高い周波数を使う光を考えてみよう。ドアを開けておけば、音は回り込むので廊下の音は聞こえてくる。しかし光は壁で遮られるので廊下の様子を直接見られない。原理的にはこれと同じだ。

高い周波数の電波は遠くまで届きにくい(出所:日経NETWORK)

・こうした電波の特性を考慮して、高速な通信を担うミリ波と、ある程度のエリアカバーを見込めるサブ6という役割分担がなされているわけだ。この状況は、NTTドコモが公開している5Gの対応エリアを見れば分かりやすい。

21年夏のNTTドコモの5Gエリア(予定)。赤い部分が5G、オレンジは4Gのエリアを示す。さらにピンがあるのがミリ波の対応場所である(出所:NTTドコモ)

・しかしサブ6といえど、4Gの電波よりも高い周波数を使っている。だから4Gと同等のエリアまで拡大するには、4Gよりも多くの基地局が必要となる。携帯電話事業者にとって投資コストは高い。そこで4Gの設備や電波を転用できれば、エリア拡大のために過大な投資をしなくて済むというわけだ。

通信速度は期待できない

・以上から分かるように、4G電波の転用は5Gのエリア拡大には寄与するものの、性能面では期待できない。もう少し詳しく見ていこう。

・スマートフォンや携帯電話の通信速度は、単純化してしまえば通信に使える帯域幅によって決まる。通信に使う帯域幅を「チャネル帯域幅」と呼ぶ。これが4Gでは最大20MHzなのに対し、5Gでは最大400MHzを利用できる。だからこそ10倍以上の高速通信が可能なのだ。

高い周波数帯による広帯域化で通信を高速に(出所:日経NETWORK)

・実のところ5Gは4Gよりも「ガードバンド」と呼ばれるチャネルの境界の部分が狭く、電波の利用効率は高くなっている。このため4Gの電波を5Gに転用すれば「ピーク時で14~20%速くなる可能性がある」(エリクソン・ジャパンの藤岡雅宣・最高技術責任者=CTO)。

・ちなみに通信速度を決める要素としてはほかに「符号化方式」もある。符号化とは電波の波形によってデータの値を表現する方法のことで、多くの値を表現できるほど効率が良いことになる。もともと4Gでは「64QAM」という符号化方式を採用していたが、国内の事業者は5Gで導入される「256QAM」という符号化方式をすでに使い始めているので、ここに関しては4Gも5Gも変わらない。

・つまり転用した周波数の通信速度に関しては、4Gより少し高くなる可能性はあるがほぼ同じだと言える。

超低遅延・多接続も未対応

・19年を中心とした商用サービス開始前に5Gの特徴として紹介されてきたのは、「超高速」「超低遅延」「多接続」の3つだ。4Gの電波を転用しても超高速にはならない。だから「なんちゃって5G」なのだ、というのが転用否定派の主張である。

・そもそも現在国内で商用化されている5Gは、先ほど述べた3つの特徴のうち超低遅延と多接続を実現できていない。基地局側がまだ対応していないからである。だからこそ余計に、通信速度が高くならない5Gが4Gと変わらなくなってしまうという側面がある。

・超低遅延と多接続を実現するには、基地局がノンスタンドアロン(NSA)方式からスタンドアロン(SA)方式に切り替わらなければならない。NSA方式とは、4Gの制御信号を使いつつ、データ通信には5Gの電波を使う方式だ。SAでは制御信号を含めて5Gの電波を使う。

・NSAは4Gが主役のネットワークで、データ通信のみ5Gを使う形。SAになると、制御を含めてすべて5Gで実現される
SAでサービスを展開するには、そもそも5Gで提供できるエリアが広がっていなければならない。逆に言えば5Gのエリアを広げるのがSA移行への第一歩というわけだ。

・4Gの電波を転用すれば、5Gのエリアをより早く展開できる。さらに「カバレッジが増え、利用するユーザーが増えて4Gユーザーの比率が下がれば、NSAよりもSAの方が効率的になる」(藤岡CTO)。4G電波の転用はSA化を促進する可能性があるのだ。

(日経クロステック/日経NETWORK 北郷達郎)

[日経クロステック2020年11月27日付の記事を再構成]

携帯大手は戦々恐々「プラチナバンド」再編シナリオ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK178830X11C20A2000000

『携帯電話のエリア展開に適していることから「プラチナバンド」と呼ばれる700メガ(メガは100万、M)~900Mヘルツ(Hz)帯の電波。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社に割り当てたプラチナバンドを一部減らし、楽天モバイルに割り当てられないか――。総務省が新たに開始した有識者会議でこんなプラチナバンド再編が論点として浮上している。携帯電話市場の改革にこだわる菅義偉政権が放つ新たな矢に、携帯大手は戦々恐々としてい…

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エリア展開に不可欠な生命線

・「既存プラチナバンドを再配分して新規参入事業者への機会の平等を実現してほしい」――。総務省が2020年12月23日に開催した有識者会議で、楽天モバイル社長の山田善久氏はこう訴えた。

・山田氏は、エリアをつくる上で有利なプラチナバンドが楽天モバイルにだけ割り当てられておらず、このような状況では既存事業者との公正競争環境が実現されにくいとした。

・その上で山田氏は、大手3社に割り当てられたプラチナバンドの再配分を求めた。山田氏は「プラチナバンドの割り当ては15MHz幅が一つの単位になっている。他社の15MHz幅をそれぞれ10MHz幅にすることで、公平な割り当てになるのではないか。割当幅を減らすことはソフトウエアの改修だけで対応できるのではないか」と訴えた。

・携帯電話事業者にとって、電波は事業展開に欠かせない生命線だ。中でもプラチナバンドと呼ばれる700M~900MHz帯は、建物の奥などに回り込みやすく、携帯電話のエリアを充実させるために不可欠の電波だ。現在このプラチナバンドは、ドコモとKDDI、ソフトバンクにそれぞれ合計50MHz幅が平等に割り当てられている。

・だが新規参入事業者である楽天の携帯子会社、楽天モバイルにプラチナバンドは割り当てられていない。700M~900MHz帯の割当時に、楽天モバイルは事業に参入していなかったからだ。

・公平性という観点で、後発の事業者が不利になる状況を見直すべきだという意見は一理ある。また携帯大手にとって虎の子といえるプラチナバンドの縮減や取り上げをちらつかせることは、競争促進に向けてもこれ以上ない手段となる。

総務省、KDDIの電波利用に指摘

・楽天モバイルの訴えと歩調を合わせるように、総務省は水面下でプラチナバンド再編に向けて準備している様子が聞こえてくる。関係者によると総務省は、携帯大手に割り当てたプラチナバンドの帯域を減らした場合、ネットワークに問題が生じないか、水面下でヒアリングを続けているという。

・携帯大手にとってはたまったものではない。プラチナバンドはつながりやすさを支える大事な帯域だ。縮減や取り上げは競争力低下につながりかねない。

・しかし日本の場合、電波オークション制度を導入していないため、割り当てた電波の縮減や取り上げも比較的やりやすい。日本の携帯電話の電波の割り当ては、総務相による基地局の整備計画の認定を受けた事業者が、一定期間、電波の利用が認められるという仕組みだ。基地局整備が計画に達していない場合、電波を有効利用していないとして、再免許のタイミングで割り当て見直しも考えられる。菅政権は、携帯大手が一番突かれたくない部分を突いてきたといえるだろう。

・有識者会議の開催に合わせるように総務省は20年12月、毎年実施している携帯電話の電波の利用状況調査を公表した。基地局の整備計画に対して進展しているかを検証する調査だ。

・おおむね適切な電波利用が行われているという評価が並ぶ中、KDDIに割り当てられた700MHz帯の電波について「適切な電波利用が行われているとは認めがたい」という評価を付けた。KDDIは700MHz帯について、ドコモやソフトバンクと比べて倍近い基地局数を整備する計画を打ち出していた。その結果、遅れが目立ってしまったという事情もある。

・いずれにせよこうした結果は、プラチナバンド再編の動きと合わせて携帯大手を震撼(しんかん)させるに十分な効果を発揮しているようだ。

世界の主要帯域に合わせて再編

・有識者会議は21年夏までに一定の結論を得るスケジュールだ。総務省はプラチナバンド再編に向けて、どんなシナリオを検討しているのか。

・いくつかヒントになる動きがある。700M~900MHz帯に含まれるタクシー無線などに使われてきたデジタルMCAの帯域が、新システム移行に伴って21年4月以降に空く。貴重なプラチナバンドの電波が開放されるわけだ。

・だがこのデジタルMCA跡地の帯域は、そのままでは携帯電話向けにはならない。標準化団体である「3GPP」が標準化した現行の通信規格「LTE」や高速通信規格「5G」の帯域にうまく重ならないからだ。

・日本固有の帯域を開放したところで、世界に流通する端末はその帯域に対応しなければ使えない。世界で多く使われる帯域と合わせた形でプラチナバンドを再編しなければ意味がないことになる。

・楽天モバイルはこのデジタルMCA跡地の携帯電話利用を希望している。しかし総務省はこの帯域における標準化の見通しを明らかにすることを先決とし、デジタルMCA跡地は今のところ、LPWA(省電力広域無線通信)や無線自動識別(RFID)、無線LANのIEEE 802.11ahなどの利用が有力候補になっている。

・もっとも携帯大手の既存割り当て分を縮減したり、ずらしたりすることを考慮すると携帯電話利用の可能性が出てくる。さらに700MHz帯の「ITS(高度道路交通システム)」や710MHz以下のテレビ放送の一部帯域も考慮すると、プラチナバンド再編による新規割り当ての可能性はぐんと広がる。関係者によると「有識者会議では、あらゆる可能性を検討する」としている。

・前述の有識者会議では、楽天モバイルの意見に対し、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社の幹部は当然のように難色を示した。電波は国民の共有財産だ。その電波をどのように有効利用していくのか。プラチナバンド再編の動きは、菅政権の真価が問われることになる。

(日経クロステック 堀越功)

【関連記事】

図解でわかる「なんちゃって5G」 なぜ速くならない
総務相、携帯電波「再編が重要」 楽天が要望
[日経クロステック2020年12月16日付の記事を再構成]

ポスト5Gの胎動、NTT・NEC・富士通のキーマンに聞く

ポスト5Gの胎動、NTT・NEC・富士通のキーマンに聞く
ポスト5Gの胎動 日の丸連合の逆襲(5)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ113EH0R11C20A2000000

『「リスク取り世界へ、ゲームチェンジ仕掛ける」NTT渋谷副社長

『「リスク取り世界へ、ゲームチェンジ仕掛ける」NTT渋谷副社長

NECとの資本業務提携や、半導体からネットワークに至るまで光技術を活用する「IOWN(アイオン)構想」を掲げ、再び世界へ挑戦するNTT。世界大手と日本勢で大きな差が開くなか、どう伍していくのか。グループ全体の技術戦略を担当するNTTの渋谷直樹副社長に聞いた。
――3Gの時代、日本勢は世界で存在感を見せていました。なぜ地盤沈下してしまったのでしょうか。
「2000年当初はNTTドコモの『iモード』が世界をリードしていた。3G時代のキングだった。当時のドコモの時価総額は43兆円。『NTTは強すぎる』と世界からいわれたほどだ。iモードを世界に広げられればよかったが、米アップルが『iPhone』というシンプルなタッチ操作ができるハイセンスなデバイスを発明した」
「日本勢は端末にボタンをたくさん付けるなどデザインシンキング(デザイン思考)がうまくなかった。結局、アップルのゲームチェンジに日本勢はついていけず、4Gの世界観を作れなかった。3Gでイノベーションを起こしたために、イノベーションのジレンマもあったのだろう」
――4Gの時代は基地局などインフラ面でも日本は存在感を失いました。
「ベンダー側に力がシフトしたからだろう。(スウェーデンの)エリクソンや(フィンランドの)ノキアが自ら作った製品を標準化し、ロックインしていった影響が大きい。特許などの面で力があるキャリア(通信事業者)が、世界でNTTくらいしかなくなってしまった背景もある。コネクティビティー(接続性)の部分ではキャリアの出る幕がなくなり、ベンダーが一気に作る態勢になった。キャリアは単純な『サービスの提供』という範囲にとどまってしまった」

――5Gの時代に入り、オープン化の流れが出てきました。
「技術的な背景としては、汎用サーバーを使い仮想的にソフトウエアを乗せるだけで無線ネットワークができる世界が見えてきたことがある。ベンダーの作る製品は検証が楽で導入しやすい。しかしキャリアが他社に先駆けて独自のソフトウエアを入れたいというニーズには応えにくい。ベンダーの製品ロードマップに取り込んでもらうことをお願いして、他社を含めて誰に対してもリリースする機能に入らないといけない」
「オープンな世界になれば、キャリアが自由にソフトウエアを追加し差異化できる。NTTにとってもさまざまなサービスをソフトウエアで実現するプラットフォームが望ましい。オープン化は日本の技術をもう一度、世界に広げられるラストチャンスだ。我々がリスクを取りながら技術の仕掛けを作り、ゲームチェンジしていきたい」
――もう一度、キャリアが主導していくということでしょうか。
「我々が、基盤技術の面で役目を果たさないといけないという思いが強い。菅義偉首相は所信表明演説で、50年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げた。このままトラフィックが伸びると通信ネットワークだけで日本の発電量を超えるとの統計もある。現在の通信機器のまま対応していくと、とんでもない電力量になる」
「我々は、研究所が開発した広帯域かつ省電力な光技術を活用した光電融合を活用してその課題を解決したい。世界の有力企業が、光電融合はブレークスルーになると期待している。米インテルや米エヌビディアなどが続々とIOWNグローバルフォーラムへ参画している」
 「コンピューターのCPUが光電融合化することで消費電力は圧倒的に減る。ただCPUレベルまで微細化が進むのは10年単位の年月がかかる。それまで何もできないわけではない。サーバー内の配線に光電融合技術を取り入れたり、プロセッサーなどパッケージ間を光電融合技術で配線したりしていく」
 「この光電融合技術を活用して(ソフトウエア次第で)基地局にもデータセンターの基盤にもコアルーターにもなる、超強力なホワイトボックスを作りたい。汎用サーバーを使った仮想化基地局(vRAN)は楽天などが取り組んでいる。だが現在のvRANは、キャリアグレードの省電力化や高速化について課題がある。光電融合技術を活用したホワイトボックスでは、こうした課題を解決できる。開発には2~3年かかるだろう」
――NTTは日本の優秀な人材を集めているものの、日本勢はGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)に負けているといわれています。

「ネットワーク全体が仮想コンピューターになるようなOSを作るプレーヤーが、次の時代のGAFAになるだろう。我々はそこでも勝負したい。これからのデジタル社会では、さまざまな情報処理のニーズが生まれる。例えば大量のセンサーから少量のデータを送るケースがあれば、大容量の映像を解析して低遅延で応答するようなケースもある。こうしたニーズに迅速かつ適切に応えるためには、コンピューティング機能がオンプレミスやエッジ、クラウドと分散していく必要がある。こうして分散された処理基盤が全体で仮想マシンのように動くイメージだ。全体を管理するにはOSが必要となり、我々はそこまで作りたい」
――最終的には開発した技術を製品化し、世界に売っていく体制が必要になります。
「そこが一番の弱点だ。日本勢の通信機器のシェアは落ち込み、今は海外のどの国においてもプレゼンスがない。NTTデータやNTTリミテッド、NECのリソースでは足りない部分を担ってもらうプレーヤーを見つけないといけない」
(聞き手は日経クロステック 堀越功、高槻芳 企業報道部 工藤正晃)


――3Gの時代、日本勢は世界で存在感を見せていました。なぜ地盤沈下してしまったのでしょうか。
「2000年当初はNTTドコモの『iモード』が世界をリードしていた。3G時代のキングだった。当時のドコモの時価総額は43兆円。『NTTは強すぎる』と世界からいわれたほどだ。iモードを世界に広げられればよかったが、米アップルが『iPhone』というシンプルなタッチ操作ができるハイセンスなデバイスを発明した」
「日本勢は端末にボタンをたくさん付けるなどデザインシンキング(デザイン思考)がうまくなかった。結局、アップルのゲームチェンジに日本勢はついていけず、4Gの世界観を作れなかった。3Gでイノベーションを起こしたために、イノベーションのジレンマもあったのだろう」
――4Gの時代は基地局などインフラ面でも日本は存在感を失いました。
「ベンダー側に力がシフトしたからだろう。(スウェーデンの)エリクソンや(フィンランドの)ノキアが自ら作った製品を標準化し、ロックインしていった影響が大きい。特許などの面で力があるキャリア(通信事業者)が、世界でNTTくらいしかなくなってしまった背景もある。コネクティビティー(接続性)の部分ではキャリアの出る幕がなくなり、ベンダーが一気に作る態勢になった。キャリアは単純な『サービスの提供』という範囲にとどまってしまった」

――5Gの時代に入り、オープン化の流れが出てきました。
「技術的な背景としては、汎用サーバーを使い仮想的にソフトウエアを乗せるだけで無線ネットワークができる世界が見えてきたことがある。ベンダーの作る製品は検証が楽で導入しやすい。しかしキャリアが他社に先駆けて独自のソフトウエアを入れたいというニーズには応えにくい。ベンダーの製品ロードマップに取り込んでもらうことをお願いして、他社を含めて誰に対してもリリースする機能に入らないといけない」
「オープンな世界になれば、キャリアが自由にソフトウエアを追加し差異化できる。NTTにとってもさまざまなサービスをソフトウエアで実現するプラットフォームが望ましい。オープン化は日本の技術をもう一度、世界に広げられるラストチャンスだ。我々がリスクを取りながら技術の仕掛けを作り、ゲームチェンジしていきたい」
――もう一度、キャリアが主導していくということでしょうか。
「我々が、基盤技術の面で役目を果たさないといけないという思いが強い。菅義偉首相は所信表明演説で、50年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げた。このままトラフィックが伸びると通信ネットワークだけで日本の発電量を超えるとの統計もある。現在の通信機器のまま対応していくと、とんでもない電力量になる」
「我々は、研究所が開発した広帯域かつ省電力な光技術を活用した光電融合を活用してその課題を解決したい。世界の有力企業が、光電融合はブレークスルーになると期待している。米インテルや米エヌビディアなどが続々とIOWNグローバルフォーラムへ参画している」
 「コンピューターのCPUが光電融合化することで消費電力は圧倒的に減る。ただCPUレベルまで微細化が進むのは10年単位の年月がかかる。それまで何もできないわけではない。サーバー内の配線に光電融合技術を取り入れたり、プロセッサーなどパッケージ間を光電融合技術で配線したりしていく」
 「この光電融合技術を活用して(ソフトウエア次第で)基地局にもデータセンターの基盤にもコアルーターにもなる、超強力なホワイトボックスを作りたい。汎用サーバーを使った仮想化基地局(vRAN)は楽天などが取り組んでいる。だが現在のvRANは、キャリアグレードの省電力化や高速化について課題がある。光電融合技術を活用したホワイトボックスでは、こうした課題を解決できる。開発には2~3年かかるだろう」
――NTTは日本の優秀な人材を集めているものの、日本勢はGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)に負けているといわれています。

「ネットワーク全体が仮想コンピューターになるようなOSを作るプレーヤーが、次の時代のGAFAになるだろう。我々はそこでも勝負したい。これからのデジタル社会では、さまざまな情報処理のニーズが生まれる。例えば大量のセンサーから少量のデータを送るケースがあれば、大容量の映像を解析して低遅延で応答するようなケースもある。こうしたニーズに迅速かつ適切に応えるためには、コンピューティング機能がオンプレミスやエッジ、クラウドと分散していく必要がある。こうして分散された処理基盤が全体で仮想マシンのように動くイメージだ。全体を管理するにはOSが必要となり、我々はそこまで作りたい」
――最終的には開発した技術を製品化し、世界に売っていく体制が必要になります。
「そこが一番の弱点だ。日本勢の通信機器のシェアは落ち込み、今は海外のどの国においてもプレゼンスがない。NTTデータやNTTリミテッド、NECのリソースでは足りない部分を担ってもらうプレーヤーを見つけないといけない」
(聞き手は日経クロステック 堀越功、高槻芳 企業報道部 工藤正晃)
「通信の地盤沈下は国家の危機」NEC森田副社長

 過去、再三にわたって通信インフラの海外市場開拓に挑戦してきたNEC。広がった大手との差をどう認識し、今後の追撃につなげるのか。21年4月から社長としてNECを率いる森田隆之副社長に聞いた。
――高速通信規格「5G」の先を見据えて通信事業者であるNTTと提携しました。
「一番近しい顧客として相互に意見交換をしてきたなかで、(提携が)必要だろうと決断した」
「そもそも通信事業は世界的に国が手掛けてきたが、歴史の流れのなかで日本ではNTTが民営化され、米国でも通信よりコンピューター分野が重視されるようになっていった。だが5Gの時代、通信はこれまでのように人と人のコミュニケーションを支えるだけでなく、世の中のすべてのモノがつながるなかで産業社会の基盤を担うことになる。それはすなわちナショナルセキュリティーや国際競争力にも関わる。通信事業に対する社会の理解や意識が変化してきた」
「その観点で言うと、日本の通信は3Gや4G(と世代が進むなか)で『地盤沈下』している。ある意味でナショナルセキュリティーや国際競争力の危機だと感じている」
「世界の通信事業者は、金融出身の社長が増えるなど 『経済型』に変わっている。NTTは長期的な視点で研究に取り組んでいるが、それを具現化するとなると、生産技術や製造プロセス、コストなどさまざまな課題がある。(それらを補完できる)NECとNTTとが相互に連携することは非常に重要だ。環境が変化するなかで、改めて危機意識を共有することができた」
「今は(通信方式の)世代が変わる大きなチャンスというタイミングでもある。NECはグローバルのビジネスに過去何度も挑戦しながら、既存ベンダーの非常に厚い壁に阻まれてきた。(通信機器の)オープン化の動きも本格化しており、今回の提携で実績や運用の信頼性といった面を補完できると期待している」

――3G、4Gと世代が進むなかで中国華為技術(ファーウェイ)が台頭しました。3大ベンダーによる事実上の寡占状態が生まれた状況をどう見ていますか。
「かつてのアナログ交換機時代のNECはグローバルで相当のシェアを持っていた。デジタル交換機では米国市場にもチャレンジし、アジアでも足場を築いた。転機となったのは3Gだ。日本に優れた技術はあったものの、標準化で欧州勢に比べてポジションを落とした。国内と海外向けに、二重の開発が必要な点も負担が大きかった。そこで独シーメンス(現ノキア)とも組んだが、全方位でやるのは難しかった」
「3Gから4Gにかけてファーウェイが大きく伸長したのは、特殊な事情もあるだろう。その頃は(地域によって)通信方式が異なり、開発費が高騰することから通信機器ベンダーがすべてに対応するのは難しかった。だが、なぜかファーウェイだけはすべての通信方式に対応できた。業界では謎だが、相当アグレッシブな戦略のなかで席巻していった」
「我々もファーウェイに対しては長い間、マイクロ波無線システムの『パソリンク』をOEM(相手先ブランドによる生産)供給していた。彼らが『マイクロ無線に進出する予定はない』としていたためだが、そのうちに自社で開発・製造するようになり、今では市場トップ3の一角を占めている」
――ファーウェイの飛躍は予期しませんでしたか。手を打つことは難しかったのでしょうか。
「時計の世界で日本がスイスに学んで超えていったように、ファーウェイも学びながら力をつけた。5Gの特許についてもかなり先進的なものを自社で開発している。さまざまな背景があるが、本質的には中国という巨大市場を抱えている点が大きいだろう」
「1990年代から2000年代にかけて日本経済が厳しくなり、NECも半導体や液晶など課題事業を多く抱えるようになった。構造改革を進めるなかで、大きく投資するのが難しい状況だった。長期的に『ネットワークの仮想化』が進むとにらみ、優れた製品をひっさげて海外にも出ていったのだが、既存ベンダーはさまざまな製品のバンドル(組み合わせ)販売で顧客を囲い込んでおり、製品単体で参入するのは困難だった」
 「今回NTTと組んで進めるオープン化が広がればバンドル販売は難しくなり、我々と既存ベンダーが同じ土俵で競争できるようになる。そういう意味でオープン化は非常に大きなチャンス。ぜひ大きな流れにしていかなければならないと考えている」
――今回のように体制を組んで海外に出るという考えは、当時なかったのでしょうか。
「技術的にも環境的にも、そうした素地がなかった。現時点の完全仮想化のネットワークは、処理能力が従来に比べ4割ほど低下するといわれている。10年前ではさらに難しかった」
「もう1つは、通信の重要性に対する意識の低さもあった。例えば過去の海底ケーブル事業に対する日本の対応を見てもそうだ。NECは現在海底ケーブル事業を手掛ける子会社を持っているが、過去には産業再生機構の下で再建中だった」
「事業を守る意味でも重要だとして、NTTなどと連合を組んで取得に動いたが、結局売却された先はファンドだった。『これで良いのか』と議論になり、約1年後に取得に成功した。そうした状況でチームを作るというのはなかなか成立しなかった。技術の進歩と環境の変化が重なり、理解が進んで可能になった面が大きい」

――過去には海外基地局ベンダーと提携しましたが、十分な成果にはつながりませんでした。例えば欧州勢に対し、より積極的に出資する戦略もあり得るのではないですか。
「M&A(合併・買収)はビジネスにおいて当たり前のツールの1つだ。自分で作るか外から取得するかで特別なものではない。ただ、M&Aは目的を明確にして、それに適したスキームでなくてはいけない。大半のジョイントベンチャーは一時的なもので、常に『次』を見据える必要がある。自身の事業の一環としてやろうとすると、コントロールできるポジションを取らなければいけない。これがなかなか難しい」
――過去の欧州ベンダーとの合弁で感じたことですか。
「そうだ。過去にはNECも欧州の2G方式『GSM』に進出するために海外企業との合弁を検討したことがある。だが、過半を占めなければ我々の目的を達成できないと判断し、最終的には断念した。次のシナリオ込みで考えていくということだ」
――NTTとの提携発表後、プロジェクトの進捗状況はどうなっていますか。
「(オープン化や光技術、セキュリティー、オール光ネットワークなど)6つの分野で(協業に)取り組んでいるが、それぞれで進めていく青写真がおおよそできたところだ。それをどういう形で実行していくかを議論するフェーズに入る。今回のNTTとの連携で、我々の弱いところを補完してなんとか攻勢に出たい。これが最後のチャンスではないだろうか」
(聞き手は日経クロステック 高槻芳、堀越功 企業報道部 水口二季)』

・通信敗戦の20年 NTT・NEC、ポスト5Gへ最後の賭け
( https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ076QH007122020000000

・エリクソンも垂ぜんのIOWN構想、NTTの光る切り札
( https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ08126008122020000000

・NEC・富士通「幻の事業統合」 NTTが焦がれる新家族
( https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ0823B008122020000000 )

 ・NTT・NEC、「日英同盟」で崩すファーウェイ覇権 
( https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ101OE010122020000000 )

建設業界に近づくドコモを直撃

建設業界に近づくドコモを直撃、現場は5Gとクラウドの使い道が多い宝島か
川又 英紀 日経クロステック/日経アーキテクチュア
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00933/081800049/ 

※ いよいよ5Gが、実用化されてきたか…。あのイラストにあった、「絵に描いた餅」「夢のような話し」は、現実化して行くことになるのか…。その片鱗は、見えて来た感じだな…。

『現場における人の生産性向上に主眼を置いたデジタル変革を、両社で一緒に進めるのもユニークだ。デジタル技術を活用した「デジタル朝礼」「デジタルKY(危険予知)」「工程進捗共有」「AI(人工知能)エージェント」「マストタスク管理」「パーソナル(健康)管理」などに、20年度内に順次着手する。

関連記事:ドコモと竹中工務店が建設DXで協業、デジタル朝礼やマストタスク管理を現場導入へ

 ここ2カ月ほどのドコモの活発な動きには、布石があった。6月30日、ドコモは同社のネットワークと接続したクラウド上の設備を使えるサービス「ドコモオープンイノベーションクラウド」のオプション群を発表。端末とクラウド設備を結び、5G(第5世代移動通信システム)による低遅延で安全性が高い通信を提供する「クラウドダイレクト」を東京都、大阪府、神奈川県、大分県で開始した。

 クラウドダイレクトの中身を見てみると、建設業界をターゲットにしたものが多く含まれることが分かる。AR(拡張現実)対応のスマートグラスやVR(仮想現実)ゴーグルを用いた現場作業の支援、建築物の点群データ利用、MR(複合現実)を使った建築鉄骨の検査などである。

「クラウドダイレクト」で提供する主なサービス。建設業界向けのソリューションを多く取りそろえた(資料:NTTドコモ、6月30日時点)
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ARスマートグラスを使い、遠隔から現場担当者をサポートするソリューション「AceReal for docomo」。パートナー企業であるサン電子と共同で提供する(資料:NTTドコモ)

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関連記事:5GとARスマートグラスを活用した遠隔作業支援ソリューション
 これらのサービスはいずれも、先述したドコモオープンイノベーションクラウドの基盤上で提供する。

「ドコモオープンイノベーションクラウド」の全体像(資料:NTTドコモ)
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 ドコモは8月4日に、XR(VRやAR、MRの総称)を使ったサービスの企画・開発をする新会社「複合現実製作所(東京・港)」も設立している。この会社はパートナー企業である宮村鉄工(高知県香美市)と共同開発している、XRを利用した建築鉄骨業向けの作業支援ソリューション「L’OCZHIT(ロクジット)」の提供を最初に手掛ける。そしてドコモオープンイノベーションクラウドとの連携を視野に入れているという。

XRを使った鉄骨の生産管理や検査をするサービス「L’OCZHIT」の利用場面(資料:NTTドコモ)
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 建設業界向けサービスのリリースが続く中、私が一番気になったのは点群データの活用サービス「Field Simulator(フィールドシミュレーター)」である。最近、点群の取材が多かった私にとって、通信会社のドコモが点群ビジネスに乗り出したのは少々意外だった。

関連記事:点群で建築の進捗と出来形を管理、竹中工務店が探る「原寸」データの使い道と人材像
関連記事:マンション改修前に「裸」を3Dスキャン、点群モデルと40年前の手書き図を重ねた

ドコモは6月末から、点群データ活用ソリューション「Field Simulator」の提供を開始した(資料:NTTドコモ)
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ドコモが点群ビジネスに乗り出した真の理由
 「なぜドコモが点群サービスを扱うのか?」

 それを確かめるため、私はドコモでField Simulatorを担当する5G・IoTビジネス部ソーシャルイノベーション推進・先進ソリューション第一担当主査の菅野崇亮氏に会いに行った。

 Field Simulatorは点群データの取得から、3次元モデルの生成、そして活用まで、トータルで支援するのが最大の特徴である。点群ビジネスで実績があるエリジオン(浜松市)と組み、同社の点群処理ソフト「InfiPoints(インフィポインツ)」とドコモオープンイノベーションクラウドを組み合わせて、一気通貫のサービスを提供する。InfiPointsは国内で利用実績が多いソフトだ。

点群データ活用のトータルサービス「Field Simulator」の利用場面例(資料:NTTドコモ)
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 ドコモは主にクラウド設備を提供するわけだが、菅野氏によれば、「当社のクラウドと5Gの使い道を探るため、様々なクライアントにヒアリングをする中で、点群活用の話題が出てきたことに着目した」と明かす。そして法人向け5G適用サービスの先行案件の1つに選んだ。

 点群データは3Dレーザースキャナーなどを使って、空間全体を点の集合体として計測し、描写するものだ。1つの点には3次元座標と色の情報が含まれ、それを数万件、数億件と取得して空間を把握する。これからは新規物件の開発よりも改修・解体プロジェクトが増えていくのは確実なので、既存の建物の正確な計測や解体前のデータ保存に点群は欠かせなくなる。

 そんな点群はまさに、ビッグデータの塊だ。3Dレーザースキャナーでデータを取得したはいいが、それらを合成して立体モデルを作成するには、データ量が膨大なのでハイスペックなコンピューターが必要になる。点群データをネットワークで送信するときは、相当太い回線が必要だ。

 ここにドコモは目を付けた。現場で取得した点群データは3Dレーザースキャナーの機器内に保存するのではなく、5G回線で随時ドコモのクラウドに送ってもらう。大容量データの通信が求められる現場の1つが、点群の利用シーンだったわけだ。

 クラウド側には、InfiPointsが持つ点群の処理機能を用意する。ドコモのクラウド上で点群データを合成できれば、現場に点群データを処理するためのハイエンドパソコンを用意する必要がなくなる。

 もっとも、ドコモの想定通りに、建設会社などが点群サービスを利用したがるかはまだ分からない。Field Simulatorは6月30日にサービスの提供を開始したばかりで、8月中旬時点で正式契約に至った商談はまだない。

 それでも私にとって興味深かったのは、「現場で点群データを取得する作業を代行してほしいという依頼が複数寄せられた」(菅野氏)ということだ。3Dレーザースキャナーは高価なうえ、点群データの取得にはかなりのノウハウが要る。現場を回って漏れなくデータを集めるのは手間もかかる。そこでトータルサービスを提供するドコモに「データ取得作業をまずお願いしたい」というニーズが顕在化した。点群データの合成以前のフェーズにこそ、ビジネスチャンスがありそうだ。

 データ取得代行は、ドコモにとって決してもうかる商売ではないだろう。それでも、点群に関心を示す企業のデータ取得をサポートできれば、「入り口」を押さえられる。後工程である点群データの合成や活用につなげられる可能性が高まる。クラウドや5Gを有効活用できる場面が増えてくるはずである。

 しかも点群データだけでなく、図面データも大容量なことが多く、5Gは建設現場の仕事に親和性が高いといえる。完成した建物全体のセンシングデータをリアルタイムで収集するのにも向く。ドコモに限らず、通信会社と建設会社の関わりは今まで以上に密接になるのは間違いない。点群サービスは顧客開拓の「きっかけの1つ」と見ておくのがいいのかもしれない。』

5G対応ネットワーク網の構築、「現場作業」の話し…。

 ※ メディアなんかでは、盛んに「5G時代の到来!」を囃し立てている…。
 しかし、当然の話しだが、それには大前提として、「5G対応ネットワーク網」の構築が必要となるわけだ…。
 それには、誰かが「現場作業をやって」、地道に「ネットワーク網」を、工事・敷設していくしかないわけだ…。
 その「5G対応ネットワーク網の構築の現場作業」の画像を、「5Gの話し」の方で貼って、語ろうと思っていた…。
 しかし、このコロナ騒ぎで、そういう計画も吹き飛んだ感じだ…。
 まーいいや…。ここで、貼ってしまおう…。「5Gの話し」とか、悠長に語っていられるのは、いつのことになるのか、知れたものじゃない状況だからな…。

※ 「ネットワーク網の構築」とか、「口で語る」のは簡単だ…。いくらでも、「机上の計画」として、「概念図」や「モデル図」を語ることは、できる…。

しかし、実際に、現実に「ネットワーク網を構築していく作業」は、大変だ…。その原因の一つには、「5Gの電波の特性」というものがある…。

※ 5Gの三大目標は、「高速」「大容量」「低遅延」だ…。その実現のために、なるべく周波数の高い電波を使うことにしている…。要するに、「単位時間当たり」の「波の幅」が小さいものを使おうとしているわけだ…。「単位時間当たり」で、ギッシリと波が詰め込まれているわけだ…。こうなると、だんだん「光」に近いようなものになって、遮蔽物で容易にさえぎられたり、遠くまでは飛ばない性質のものとなる…。そうすると、いわゆる「基地局」「中継局」を、たくさん建てて、「中継」「中継」でつないでいかないとならなくなる…。より多くの「基地局」が必要となるわけだ…。それだけ、「基地局」「中継局」構築の「現場作業」も、膨大なものとなっていくわけだ…。

※ 都会では、設置スペースなんて、ろくろく無い…。ビルの屋上の空いている場所とか、利用していく…。そうすると、「炎天下」の作業では、「熱中症」との戦いとなる…。照り返しで、油断すれば、たちまち脱水症状となる…。

※ こういう「高いところ」での作業は、「危険と隣り合わせ」だ…。しっかり、「安全」を確保しつつの作業となる…。「命綱」は、必須だ…。吹きさらしだから、冬場は大変だろう…。工具一つだって、「うっかり、落とす」わけにいかない…。「重力の法則」により、下に誰かいた場合には、生命(いのち)にかかわることになりかねないからな…。バケツみたいなものを、携行しているのは、そういう「工具」や、作業で出た「電線の切れはし」みたいなものを、入れておくんだろう…。いや、「工具」は、また別か…。ベルトの工具挿しに、挿しておくか…。「切れはし」専用か…。そうやって、「細心の注意」を払いながら、作業していく必要があるんだ…。

※ 地上の作業では、こういうものもある…。ポールの根元にある、「電源関係」のようだな…。強力な「電磁波」を発生させるためには、強力な「電源」が必要となる…。こっちは、「電気関係」の詳しい知識が必要となるんだろう…。ベルトの「工具挿し」が、凄いな…。命綱用の「カラビナ」も、ついているな…。イザとなれば、この人も「高いところ」で作業するんだろう…。

※ 東京には、治水のために「地下の川」がある…。

※ こういうものだ…( 首都圏外郭放水路 https://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/edogawa00402.html

※ 上記のトンネルの画像は、そういうものの一つであると思われる…。そういう「既設のトンネル」なんかを利用して、「光ファイバー網」を構築していくわけだ…。別に「携帯電話のネットワーク網」だからと言って、「無線」でつなげなければならないわけでは無い…。「有線」でつなげるところは、「有線」でつないでもいいわけだ…。特に、「マクロ・セル(大規模基地局)」間は、「大容量」のほうがいいから、かえって「光ファイバー」でつないだ方が、いいわけだ…。

※ そうすると、今度は「光ファイバー同士をつなぐ」作業が、必要となってくる…。一定の長さで「製品」となっているから、長さをつぎ足す必要がある…。それには、一旦「ファイバー」を熱で溶かして、つなぐ必要がある…。専用の器具(機械)を使うんだろう…。それでも、上手い・下手があるから、下手くそが作業すると、つなぎ目で「透明度」が落ちてしまって、一定の性能が出ない…、なんてことが起きる可能性がある…。そういうことにならないように、これまた、細心の注意を払って作業する必要がある…。

※ 「一時が万事」、こういうものだ…。

※ そういうことの積み重ねの上に、オレらのお気楽な「5Gのネットワーク網」なるものが、乗っかっている…。

※ そして、メディアでは麗々しく、こういう「5G対応スマホ」を、囃し立てるわけだ…。

※ しかし、「ネットワーク網」が構築されていなければ、単なる「でかい文鎮」というだけの話しだぞ…。

5Gの意外なキラーアプリ、新型コロナがあぶり出す

5Gの意外なキラーアプリ、新型コロナがあぶり出す ITジャーナリスト 石川 温
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58636190Q0A430C2000000/

『4Gでは、月間60ギガバイトまでの大容量プランであるギガホを選ぶユーザーは「二十数%にとどまっていた」(吉沢社長)。つまり、8割弱のユーザーは大容量プランではなく、月々の支払いを安価に抑えられる従量制プランを選んでいたことになる。

一方、5Gサービスの契約者の約半数は「5Gギガホ」という料金プランを選択している。5Gギガホは、月間100ギガバイトまでの通信を利用できる契約だが、現在はキャンペーンとして無制限でネット接続できるようにしている。』
『新型コロナの影響により、人と人が距離をとって働くことを余儀なくされた。結果として、多くの打ち合わせや会議がテレワークによるオンラインでの開催でも支障がないことが分かってきた。ここ数年、「働き方改革」が叫ばれ、在宅勤務が推奨されてきたが、ほとんど普及しなかった。だが、外出自粛により強制的にテレワークが導入されたことで、結果的に働き方改革が進んだ。

今後、新型コロナの問題が収束しても、オフィスへの出勤は減り、オンラインのビデオ会議への参加が増えるだろう。外出先からビデオ会議に参加する際に必要なのがモバイル通信環境だ。1時間のビデオ会議に参加すれば、数百メガバイトから1ギガバイト以上のデータ容量を消費する。1日に何回もビデオ会議に参加するとなれば、月間で相当なデータ容量が必要になる。

そこで求められるが、月間のデータ容量に制限がない料金プランだ。その点、NTTドコモの5Gギガホはスマホだけでなく、スマホとテザリングでつないだパソコンも容量無制限で使える。』
『各キャリアは、5G開始に向けて様々なサービスやソリューションを開発してきた。しかし、いずれも4Gで既に可能になっているもので、5G時代のキラーアプリケーションには程遠い印象があった。

しかし、新型コロナによってビデオ会議が5G時代のキラーアプリ候補に浮上してきた。5Gスマホを契約すれば、データ容量は無制限であり、臨場感のある映像、安定した音声を送受信できる。

Zoomなどのビデオ会議アプリは、仕事だけに使われているわけではない。自宅などからZoomで接続して複数人で飲む「Zoom飲み会」も増えてきている。

2011年に起こった東日本大震災の際にはSNS(交流サイト)のTwitterが注目を浴びた。有事の際には、人々は「誰かとつながっていたい」という気持ちが強くなる。11年はTwitterがその欲求に応えたが、20年はZoomなどのビデオ会議アプリがその役目を担うことになるだろう。

人々がリアルに会える機会が減っていく中、5Gはビデオ会議アプリと共に普及していくことになりそうだ。』

国防長官が米通信会社の電波申請を阻止へ 5G通信衛星用にLバンド電波申請もGPSに干渉の恐れ

https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-22-2

 ※ マングースさんの、「東京の郊外より・・・」のサイトからの情報だ…。
 紹介されている元記事は、これのようだ…。

https://www.c4isrnet.com/battlefield-tech/it-networks/5g/2019/11/21/to-protect-gps-satellites-esper-is-against-private-5g-proposal/

 さわりの部分のグーグル翻訳文を、紹介しておく…。

『マークエスパー国防長官は、連邦通信委員会が、システムがGPSサービスを危険にさらす可能性があるとして、5GにLバンドスペクトルを使用するというLigado Networksの提案を拒否することを望んでいます。
「リガドの提案したシステムを進めるには、不明な点が多すぎて、連邦政府にとってリスクが大きすぎると思います。Esperは、11月18日付のFCC会長Ajit Pai宛ての手紙で、提案されたリガドシステムからのGPSサービスの広範な混乱と劣化の可能性を示しています。平時と戦争の両方における軍事作戦について。」
エスパーの手紙は、同社が5Gサービスに利用したいLバンドスペクトルでの40 MHzの使用をめぐる軍とLigado Networksの戦いへの最近の進出です。
2018年10月、Ligado Networksは、5G対応技術を搭載した衛星を打ち上げ、地上5Gモバイルネットワークを展開するための複数年戦略計画を発表しました。しかし、その提案はFCCの前に行き詰まっており、FCCは計画を承認する必要があります。
しかし、ここに問題があります:そのスペクトルは会社によって認可されていますが、L-Bandは空軍のGPS衛星が通信する方法でもあります。』
『空軍が運営するGPS衛星は、現代の生活に不可欠な測位、ナビゲーション、およびタイミングデータを提供し、クレジットカードでの取引から人々のスマートフォンでのリアルタイムの指示までを可能にします。また、敵に先んじておく必要があると信じている情報の利点を米軍に提供することも重要です。
Ligado Networksが望んでいる40MHzのスペクトルとGPSが使用するスペクトルが近接しているため、政府はそこに新しい5Gネットワ​​ークを構築するという同社の計画を承認することをためらっています。
2018年12月、宇宙ベースのポジショニング、タイミング、およびナビゲーションの全国執行委員会は、Ligado Networksのスペクトル使用要求を承認することを推奨しました。そして、その決定に続いて、当時のパトリック・シャナハン国防長官は、4月にFCCが会社の提案を拒否することを勧める手紙を送りました。』

 既存の電波帯は、どの国も埋まってしまっていて、新たに割り当てる電波帯なんか、無いのが実状だ…。それで、5Gの実現のためには、既存の業者さんにお願いして、他の電波帯に移行してもらったり、なんとか空いている部分を探して対応しているのが、現状だ…。しかし、電波帯が近いと、電磁波の物理的な性質上、「干渉」が生じてしまう…。特に、この影響を受けるのが「軍事利用」の電波帯だと、問題は深刻だ…。そういう問題の一環だ…。

〔5Gの話し(その13)〕

5 要素技術確立のための取り組み・実証実験(NTTドコモの取り組みの話し)
(2)5G無線アクセス伝送実験

※ 採用にはならなかったが、15GHz帯を用いて、実証実験を行っている…。そういう取り組みが、次の「6G」の「技術的な芽」になるわけだ…。「チャネル状態情報」を用いて、「ビームを選択」すると言っている…。やはり、物理的に「ビーム状」の電波を発生・送信するわけでは無く、端末側で電波をデジタル的に選択・結合することにより「仮想的に、ビーム状の電波を受信したと同じ状態を作り出す」と言うことのようだ…。「無線パラメータを最適化して、位相雑音への耐性向上と低遅延伝送」を目指す…、と言っている。

屋外環境における、ユーザ移動速度(~40km/h)の影響を検証」する、と言っている…。最終的には、「リニア新幹線(時速500km/h)」の移動速度でも追従して、通信可能なようにすること辺りが目標だが、まずはこれくらいの速度から、と言うことだろう…。

Dynamic TDDシステムの干渉制御の効果を、フィールド実験により実証すると言っている…。

上段左が実験に用いられた装置だ…。すべて、試作器だろう…。上段右は、従来からの無線パラメータ(パケットサイズ)を、動的に組み替えて、最適なものとするNew RATの技術だ…。理論的には、そういうものだとして、果たして現実にうまく機能するのかは、実際に確かめてみる他は無い…。

下段は、実証実験の様子の概念図だ。左は、「チャネル状態情報を用いるビーム選択」とあるから、端末側で送信して寄こす「チャネル状態情報」に合わせて送信側が適切な受信状態となるように電波を発・送信する…、という話しだろう…。白い箱は、おそらく「中継局」なんだろう…。

下段右は、これだけでは、ちょっと分かりにくいが、矢印が「移動」して行く端末を、表しているんだろう…。「DL transmission」は、「ダウンリンク・送信基地局」を表し、「UL reception」は、「アップリンク・受信基地局」を表しているんだろう…。この間を、端末は「移動」しながら、受信と送信を行って行く…。その都度、「OK!」と「NG!」情報を、送信して行く…。その情報を解析して、「最適な受信状態」に持って行く…。それが、「Cooredinated scheduling」というわけなんだろう…。

5 要素技術確立のための取り組み・実証実験(NTTドコモの取り組みの話し)
(3)超高密度分散アンテナ技術

※ 基地局の構成において、「超高密度に分散配置した分散アンテナユニット」を、構築すると言っている…。そして、その「多数の分散アンテナユニット」を協調させる「協調伝送アルゴリズム」を確立すると言っている…。そして、それらを協調させて、端末の位置に応じて、「仮想セル(仮想基地局)」の制御技術を確立する…、と言っている…。

上段右が、「分散アンテナユニット」の構成例だ…。1個の大きなアンテナユニットで構成するので無く、小さなユニットを組み合わせて、小規模なもの、中規模なもの、大規模なものを、全体で実現して行こう…、と言う発想だ…。これは、後でも紹介するつもりだが、「アンテナ設置(敷設)の作業」にも貢献する…。人力で運搬したり、敷設作業をしたりするには、「小型ユニット」の方が、都合がいいからな…。

上段左は、「ダイナミック仮想セル」と言う構想だ…。8個の分散アンテナユニットを、協調動作するようにコントロールして、あたかも「1つのセル(基地局)」であるかのように制御しようというもののようだ…。「Centralized controller(中央制御装置)」は、図上では「雲」の中に置かれているんで、「クラウド」上に置く…、というつもりなんだろう…。

下段右は、その屋内実験の様子だ…。

5 要素技術確立のための取り組み・実証実験(NTTドコモの取り組みの話し)
(4)5G無線技術の実証実験

※ 「広エリア・大規模なマルチユーザー環境で、フィールド実験を行った」と言っている…。その内容は、「5Gの候補技術である」「Massive MIMO」「Sparse(※ まばらな) Code Multiple Access」「Filtered-OFDM」「Polar Code」を、ひとつの5Gプロトタイプ装置に実装して、フィールド実験を行った…、と言っている…。

しかも、あの「ファーウエイ」との共同実験だ…。前に、TDDは、「難易度の非常に高い技術だ」と言った…。

一種類の電磁波(電波)の中に、送信の波と受信の波を詰め込んで、それをまた、分離して、結合して利用するんだからな…。

ファーウエイは、この技術及びその周辺技術をずっと研究していて、ついに、実用的な水準までに「実用化」したらしい…。日本の横浜にも「日本法人」を置いて、200人以上の技術者を常駐させて、研究体制を構築した…、とも聞いた…。

だから、実証実験の「プロトタイプ装置」を作成するのにも、彼らのライセンスや、知見の力が必要だったんだろう…。

左側上段が、実験の様子だ…。4.6GHz帯の電波を使用し、300mの距離で、1.5Gbpsを達成した…、とある。白いルーフトラックの内部に測定装置と、測定人員が乗り込んでいるんだろう…。写真撮影のために、コーンを置いて、駐車スペースに駐車して撮影しているが、もちろん、路上を走行しながらデータを、計測したんだろう…。

右側が、新無線技術の説明だ…。もはや、見ても分からんな…。「Filtered-OFDM」と、「Polar Code」と言うものの説明らしい…。「非直交マルチプルアクセス」は、「波」の「位相」をずらして、「取り出し易く」する技術だったか…。「sparse code multiple access」とは、どういう技術なのか…。

一応調べたが、テキスト文献では「Machine Type Communication(MTC)に適した非直交多元接続方式とその応用」とか言う学術論文( https://search.ieice.org/bin/pdf_link.php?category=B&lang=J&year=2017&fname=j100-b_8_505&abst= )に当たったくらいだ…。『本論文では LDS と SCMA についての解説を行った.直交多元接続方式よりもシステム容量を拡大させることが可能であることから 5G において非直交多元接続方式が用いられることが想定されており,LDSとSCMAもその候補となっている.LDS,SCMAではあらかじめ決められた周波数で各ユーザが信号をラウンドロビンで重畳して送信するだけでよく,受信側においてMPAにより繰り返し演算を行うことによりユーザ検出ができる。この組み合わせにより伝送シンボル数に対する 100%以上のユーザ数の過負荷伝送を行っても正常に復号できる。この送受信側の原理についてそれぞれ詳細を述べた。また送信側の手順が比較的簡素であることから,mMTC の上りリンク伝送に適していることを説明した。計算機シミュレーション結果より,LDS と SCMA が上りリンク環境において OFDMA よりも高品質大容量伝送を実現していることを明らかにした。更に 5G における標準化動向も 紹介し,多元接続手法に期待されていることと LDS,SCMA の応用例について述べた。5.1 で述べたように 5G における非直交多元接続方式は LDS,SCMA 以外にも種々のものが提案されており,mMTC の早期実現と普及が期待される。』とか語っているが、難しくて、到底理解できん…。

画像で検索したら、けっこういいものに当たったぞ…。英文のサイトだったが…。「Sparse Code Multiple Access [SCMA] for 5G New Radio [NR]」( https://moniem-tech.com/2018/12/28/scma-for-5g-new-radio/ )

まず、「原理(考え方)」の説明だ…。5Gの「多元接続」を実現するためには、「多数の端末」が接続して来た時、基地局側では、その端末毎に要求されたデータを送信する必要がある…。しかし、発信する周波数帯は、限定されており、端末毎に異なる周波数帯を使って送信する…、と言うわけにはいかない…。そこで、各端末が要求しているデータを混ぜ込んだ、「混合データ」を送信し、各端末では、その「混合データ」から、自分の要求に適合した「データ」のみを、「復号」する…、ということを考えたわけだ…。

その「混合データ」の構造は、「レイヤー状(層状)」になっており、各端末で、自分に割り当てられた(復号を指示された)「層」のデータのみを、復号する…、と言うような仕組みにしてあるんだろう…。

その「混合データ」の作り方、「復号」のやり方を取り決めているものが、「codebook」と言うもので、上記の図はその 「codebook」 の生成のやり方の説明のようだ…。エリア内で、アクセスして来た端末の位置を把握し、それから「 codebook 」を生成し、「混合データ」を作成し、復号のやり方を端末に割り当てる…、と言うような感じなんだろう…。

各端末には、そういう「データ」を生成できる、「encoder」を備えている…、ということが前提になっている…。そういう各端末で生成した端末毎の「データ」に基づいて、基地局では、「混合データ」を生成する…、と言う話しのようだ…。

そういう各端末と基地局間のデータの送受信を通じて、「多元接続」にもかかわらず、「低遅延」「大容量通信」を実現して行こうという構想だ…。

5Gの話し(その12)

5 要素技術確立のための取り組み・実証実験
(1)5G電波伝搬(総論)その2(測定技術・測定方法の開発の話し)

※ 従来は、こんな感じで「スループット(単位時間当たりに、伝送できるデータの量。「実効速度」とか、訳されている。これが大きいほど、大容量のデータを短時間でやり取りできる…、と言う話しになる)」を計測していた。「サーバ」から、でかいデータを流して、自分のPCで、最寄りの「アクセスポイント(AP)(※ 無線の基地局)」にアクセスして、そのデータを「ダウンロード」してみて、それに掛かる時間を計測する…、という方法だ。インターネット回線を開設した時、「どれくらいの、速度なのかな?」と、試してみた人も多いことだろう。

また、「遅延量」は、上記のような感じで、計測していた…。同様に、「サーバ」から、最寄りの「アクセスポイント(無線基地局)」に指示して、「測定用パケット」を送信してもらい、測定対象のPCで受信する。そして、パケット到着を「計測用のサーバ」に送信する…。他方で、「サーバ」は、パケットの通過を「計測用のサーバ」に送信する…。「計測用のサーバ」では、この両者の「データ」を付き合わせて、「遅延量」を計算する…。

この方法では、問題点が2つある…。1つは、専用の「計測用のサーバ」が必要となることで、2つ目は、その「計測用のサーバ」と測定対象のPCからのアクセスを許可するIPアドレスの設定が必要になることだ…。測定対象のPCが、通常ネットにアクセスしている時に使う「サーバ」は、「プロバイダー」が準備して、アクセスを許可しているものだからな…。「計測用のサーバ」にアクセスするには、それを許可する設定が必要になる…。

5Gにおいては、4Gまでとは、比較にならないくらいの数の「基地局・中継局」が必要となる…。それに対応するだけの数の、「計測用のサーバ」を設置するのは、手間とコストの両面から大変だ…。

※ そこで、「簡易な測定装置」を、新たに開発した。

14センチ×20センチ(厚さ6センチ)のリモコンくらいの大きさの装置だ。それでも、「周辺AP情報表示」「利用済みチャンネル番号確認」「無線通信状況表示」「スループット推定」「IP電話音声品質推定」と言う機能を有している…。 「IP電話音声品質推定」 とあるが、この当時は、「遅延量」が問題となる代表のデータのやり取りが、 「IP電話音声品質 」だった(「遅延量」が多くなると、「通話」が途切れて、「何を言っているのか、分からんぞ…。」と言う話しになる…)からそう表現しているだけの話しで、「データの送受信における遅延量」と言うことだ…。

この装置を使用した測定技術は、上記のような感じとなる(専門技術のようなんで、「感じ」しか分からんが…)。

まず、「スループット」の方は、「伝送速度」を固定しておいて、「パケット長」と「伝送速度」から「スループット理論値」を計算する…。そして、実際に「測定用パケット」を流してみて、「パケット再送要求(うまく受け取れなかったから、もう一度送信してくれ、と言う要求)」「パケットロス(送信したけど、どういうわけか、受信されずに行方不明となった)」なんかを折り込んで、「パケットエラーレート」を計算する…。この両者の値から、「スループット推定値」を計算する…。

次に、「遅延量」の方も、上記のような感じとなる(同様に、「感じ」しか掴めんが…)。

まず、利用する「IP電話アプリ」の「コーデック」(デジタルデータを音声データに変換する、「やり方」-何種類かあるんだろう…)を決定する…。それに応じて、「測定用パケット」の「パケット長」と「パケット送信周期」を決定する…。そして、実際に「測定用パケット」を流してみて、上記同様に「再送要求」や「パケットロス」を折り込んで「パケットエラーレート」を計算し、「送信時刻」と「受信時刻」の付き合わせから、「遅延量」を測定し、「平均遅延量」を計算し、「(総合的な)遅延量を推定する」…、と言う段取りのようだ…。