米、5G・半導体の開発・供給で基金 日英豪と中国対抗

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0114O0R00C21A2000000/

『【ワシントン=鳳山太成】米政府は高速通信規格「5G」や半導体の開発・供給で日英豪などと連携する基金を設立する。信頼できる同盟国とサプライチェーン(供給網)の構築で協力し、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)など世界で競争力を高める中国企業に対抗する。

1月に成立した2021会計年度(20年10月~21年9月)の「国防権限法」に盛り込まれた。「多国間通信セキュリティー基金」は日本のほか、英豪など機密情報を共有する「ファイブ・アイズ」と、安全性の高い通信機器を開発したり供給網を強化したりするのに使う。規模は今後詰めるが、企業間の提携を支援する。

7月をメドにつくる「多国間半導体セキュリティー基金」は、米国並みの厳しい輸出管理を運用する同盟国と半導体を共同開発する取り組みを資金面で支える。中国に依存しない半導体のサプライチェーンづくりを後押しする。

米国は5Gの基地局供給で先行するファーウェイに対し、半導体の禁輸措置を発動するとともに、同社製機器の排除を進めている。中国政府に情報が抜き取られるリスクがあるとして、他国にも同調を求めてきた。基金設立で同盟国の協力を一段と引き出す狙いがある。

バイデン米政権もハイテク分野で中国に強硬姿勢を続けており、日本も米国に同調するよう引き続き迫られる見通しだ。

【関連記事】
・米商務長官候補、ファーウェイ禁輸継続を示唆 対中強硬
・米、中国SMICに禁輸 最先端半導体の国産化阻止

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米、中南米で中国5G排除狙う エクアドルへ肩代わり融資

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15EJ40V10C21A1000000

『【サンパウロ=外山尚之】米国が中南米諸国に対し、資金を提供する代わりに通信網からの中国企業の締め出しに動いている。南米の産油国エクアドルに対し、中国からの債務借り換えのための融資を実行した。もっとも、ブラジルではボルソナロ大統領が中国企業の排除を断念したと報じられており、バイデン米大統領の新政権にとっても課題となりそうだ。

「35億㌦(約3600億円)は高利な債務の(前倒し)返済や国の経済を再活性…

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「35億㌦(約3600億円)は高利な債務の(前倒し)返済や国の経済を再活性化させるために使われる」。エクアドルのモレノ大統領は14日、ツイッターにこう投稿し、米国際開発金融公社(DFC)からの融資を歓迎した。

DFCは新興国への戦略的な金融支援を目的に、トランプ米政権が2019年に発足させた政府系金融機関だ。DFCのべーラー最高経営責任者(CEO)は声明で「今回の同意により、中国の強奪的な債務を借り換える計画への支援を合理化する」と、中国への対抗意識をむき出しにした。

エクアドルは17年まで続いた親中の反米左派政権の下、対中債務が膨張。教皇庁立エクアドルカトリック大学が20年10月に発表した資料によると、中国からの債務は約77億㌦に達し、2国間債務の約7割を中国が占める。

後を継いだモレノ氏は米国との関係改善を進めると同時に、中国と距離を取り始めた。モレノ氏は米国の融資について「現時点での利率は年率2.48%だ」とも明らかにした。地元紙ウニベルソは中国の債務の利率を「9%以下」と分析しており、かねて高利だと指摘されていた。また、対中債務の一部は原油で返済しており、市場価格よりも低い価格での販売を余儀なくされていた。

中南米はかつて「米国の裏庭」と呼ばれ、政治・経済面で米国の影響力が強い地域だった。しかし近年は中国が資金力を背景に影響力を増しており、多くの国で貿易や投資で米国を上回っている。

こうした中、トランプ政権は中国から借り入れた巨額の資金の返済が難しくなる「債務のわな」の危険性をアピールし、中南米諸国を自国側の陣営に取り込もうと動いていた。今回の融資では、次世代通信規格「5G」から中国の華為技術(ファーウェイ)の排除を条件として組み込んだとされる。

もっとも、こうした取り組みにどこまで効果があるかは不透明だ。米国はブラジルにもファーウェイ排除を条件にインフラ整備の資金として10億㌦の融資枠を設定したが、経済界の反発を受け、ボルソナロ大統領は5Gの電波割り当てのオークションにファーウェイ製品を排除する条件を盛り込むことを断念したと地元メディアは報じる。

近年、アルゼンチンやボリビアで親中の左派政権が誕生した。エクアドルも2月に大統領選があり、左派候補が勝てば今回の契約をひっくり返される可能性がある。

バイデン氏は副大統領時代にキューバとの国交回復に取り組み、中南米通として知られる。バイデン政権は4月にも米州首脳会議を主催し、中南米の首脳を迎える。ここでどんな方針を打ち出すか注目されている。英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、今回のエクアドルへの融資はバイデン政権にも共有されており、「興味深く、斬新な手法だ」と評されているという。

5G
5Gとは
現行の「第4世代(4G)」の最大100倍の速さの次世代通信規格。毎秒10ギガ(ギガは10億)ビットの最高速度はアナログ方式だった1980年代の第1世代の100万倍。2時間の映画を3秒でダウンロードできる。米国と韓国の通信大手が世界に先がけて商用サービスを始めた。

1Gから4Gへの進化は主に速さの向上だった。5Gは「多数同時接続」「超低遅延」という特徴が加わる。たとえば自宅で約100個の端末やセンサーを同時にネット接続できる。利用者が通信の遅れを意識することは格段に減る。

5G通信のメリットは? 3つのポイント

<JQ>AKIBAがストップ高買い気配 ソフトバンクの5G基地局、工法採用で(14:28)
米、中南米で中国5G排除狙う エクアドルへ肩代わり融資(25日 21:15)

図解でわかる「なんちゃって5G」 なぜ速くならない

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK171QO017122020000000

『2020年12月31日 2:00 [有料会員限定]

KDDIとソフトバンクは、高速通信規格「5G」のエリア拡大のために、既存の4G用の周波数帯を転用する動きを見せている。KDDIは2020年12月9日に12月中旬に転用を開始すると発表。ソフトバンクも今冬に転用を開始する計画だ。それぞれ4G用に割り当てられた周波数帯の一部を5Gに転用する。転用する周波数帯は4Gと5Gで共用することになる。

一方でNTTドコモは、4G用周波数の転用に慎重な姿勢を見せている。これまでも4G電波を転用し…

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・これまでも4G電波を転用して5Gのエリアとすることは「優良誤認の可能性がある」と指摘。20年10月に開催した決算説明会では、21年度後半に転用を始め、その際は転用した5Gのエリアと新しい電波を利用できる5Gのエリアを明確に分けて示す意向を明らかにしている。

・優良誤認の可能性を指摘しているのは、5Gであるにもかかわらず、通信速度が4Gとほとんど変わらない可能性が高いからだ。そのためこの問題は「なんちゃって5G」という言葉でメディアに登場するようになった。

4Gの電波と5Gの電波は何が違う

・まずはここまで話題になっている電波について見ていこう。国内において、4Gで使われている電波は「プラチナバンド」と呼ばれる700メガ(メガは100万、M)~900Mヘルツ(Hz)帯と、主要バンドとして使われる1.5ギガ(ギガは10億、G)~3.5GHz帯である。

・一方5Gには「サブ6(Sub6)」と呼ばれる3.7GHz帯と4.5GHz帯に加え、「ミリ波」と呼ばれる28GHz帯が割り当てられている。携帯電話の通信に関する仕様を策定している団体「3GPP」は、410M~7.125GHzを「FR1」、24.25G~52.6GHzを「FR2」と定義している。ちなみにミリ波とはもともと波長が1ミリ~10ミリメートルの電波を指す表現なので、周波数に換算すると30G~300GHzの電波を指す言葉だが、5Gの世界ではこの呼び方が定着している。

国内での5G向け周波数の割り当て。総務省やエリクソンの資料に基づく(出所:日経NETWORK)

・5Gでサブ6とミリ波という2つの帯域が使われているのは、電波の性質に合わせて使い分けるためである。電波は周波数が高いほど一度に送れる情報の量が増える。要するに高速な通信が可能になる。

・半面、周波数が高くなるほど距離による減衰が大きくなる。遠くまで電波が飛ばないのだ。さらに直進性が高くなるので障害物によって邪魔されやすくなる。

・電波よりもずっと低い周波数を使う音波と、高い周波数を使う光を考えてみよう。ドアを開けておけば、音は回り込むので廊下の音は聞こえてくる。しかし光は壁で遮られるので廊下の様子を直接見られない。原理的にはこれと同じだ。

高い周波数の電波は遠くまで届きにくい(出所:日経NETWORK)

・こうした電波の特性を考慮して、高速な通信を担うミリ波と、ある程度のエリアカバーを見込めるサブ6という役割分担がなされているわけだ。この状況は、NTTドコモが公開している5Gの対応エリアを見れば分かりやすい。

21年夏のNTTドコモの5Gエリア(予定)。赤い部分が5G、オレンジは4Gのエリアを示す。さらにピンがあるのがミリ波の対応場所である(出所:NTTドコモ)

・しかしサブ6といえど、4Gの電波よりも高い周波数を使っている。だから4Gと同等のエリアまで拡大するには、4Gよりも多くの基地局が必要となる。携帯電話事業者にとって投資コストは高い。そこで4Gの設備や電波を転用できれば、エリア拡大のために過大な投資をしなくて済むというわけだ。

通信速度は期待できない

・以上から分かるように、4G電波の転用は5Gのエリア拡大には寄与するものの、性能面では期待できない。もう少し詳しく見ていこう。

・スマートフォンや携帯電話の通信速度は、単純化してしまえば通信に使える帯域幅によって決まる。通信に使う帯域幅を「チャネル帯域幅」と呼ぶ。これが4Gでは最大20MHzなのに対し、5Gでは最大400MHzを利用できる。だからこそ10倍以上の高速通信が可能なのだ。

高い周波数帯による広帯域化で通信を高速に(出所:日経NETWORK)

・実のところ5Gは4Gよりも「ガードバンド」と呼ばれるチャネルの境界の部分が狭く、電波の利用効率は高くなっている。このため4Gの電波を5Gに転用すれば「ピーク時で14~20%速くなる可能性がある」(エリクソン・ジャパンの藤岡雅宣・最高技術責任者=CTO)。

・ちなみに通信速度を決める要素としてはほかに「符号化方式」もある。符号化とは電波の波形によってデータの値を表現する方法のことで、多くの値を表現できるほど効率が良いことになる。もともと4Gでは「64QAM」という符号化方式を採用していたが、国内の事業者は5Gで導入される「256QAM」という符号化方式をすでに使い始めているので、ここに関しては4Gも5Gも変わらない。

・つまり転用した周波数の通信速度に関しては、4Gより少し高くなる可能性はあるがほぼ同じだと言える。

超低遅延・多接続も未対応

・19年を中心とした商用サービス開始前に5Gの特徴として紹介されてきたのは、「超高速」「超低遅延」「多接続」の3つだ。4Gの電波を転用しても超高速にはならない。だから「なんちゃって5G」なのだ、というのが転用否定派の主張である。

・そもそも現在国内で商用化されている5Gは、先ほど述べた3つの特徴のうち超低遅延と多接続を実現できていない。基地局側がまだ対応していないからである。だからこそ余計に、通信速度が高くならない5Gが4Gと変わらなくなってしまうという側面がある。

・超低遅延と多接続を実現するには、基地局がノンスタンドアロン(NSA)方式からスタンドアロン(SA)方式に切り替わらなければならない。NSA方式とは、4Gの制御信号を使いつつ、データ通信には5Gの電波を使う方式だ。SAでは制御信号を含めて5Gの電波を使う。

・NSAは4Gが主役のネットワークで、データ通信のみ5Gを使う形。SAになると、制御を含めてすべて5Gで実現される
SAでサービスを展開するには、そもそも5Gで提供できるエリアが広がっていなければならない。逆に言えば5Gのエリアを広げるのがSA移行への第一歩というわけだ。

・4Gの電波を転用すれば、5Gのエリアをより早く展開できる。さらに「カバレッジが増え、利用するユーザーが増えて4Gユーザーの比率が下がれば、NSAよりもSAの方が効率的になる」(藤岡CTO)。4G電波の転用はSA化を促進する可能性があるのだ。

(日経クロステック/日経NETWORK 北郷達郎)

[日経クロステック2020年11月27日付の記事を再構成]

携帯大手は戦々恐々「プラチナバンド」再編シナリオ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK178830X11C20A2000000

『携帯電話のエリア展開に適していることから「プラチナバンド」と呼ばれる700メガ(メガは100万、M)~900Mヘルツ(Hz)帯の電波。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社に割り当てたプラチナバンドを一部減らし、楽天モバイルに割り当てられないか――。総務省が新たに開始した有識者会議でこんなプラチナバンド再編が論点として浮上している。携帯電話市場の改革にこだわる菅義偉政権が放つ新たな矢に、携帯大手は戦々恐々としてい…

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エリア展開に不可欠な生命線

・「既存プラチナバンドを再配分して新規参入事業者への機会の平等を実現してほしい」――。総務省が2020年12月23日に開催した有識者会議で、楽天モバイル社長の山田善久氏はこう訴えた。

・山田氏は、エリアをつくる上で有利なプラチナバンドが楽天モバイルにだけ割り当てられておらず、このような状況では既存事業者との公正競争環境が実現されにくいとした。

・その上で山田氏は、大手3社に割り当てられたプラチナバンドの再配分を求めた。山田氏は「プラチナバンドの割り当ては15MHz幅が一つの単位になっている。他社の15MHz幅をそれぞれ10MHz幅にすることで、公平な割り当てになるのではないか。割当幅を減らすことはソフトウエアの改修だけで対応できるのではないか」と訴えた。

・携帯電話事業者にとって、電波は事業展開に欠かせない生命線だ。中でもプラチナバンドと呼ばれる700M~900MHz帯は、建物の奥などに回り込みやすく、携帯電話のエリアを充実させるために不可欠の電波だ。現在このプラチナバンドは、ドコモとKDDI、ソフトバンクにそれぞれ合計50MHz幅が平等に割り当てられている。

・だが新規参入事業者である楽天の携帯子会社、楽天モバイルにプラチナバンドは割り当てられていない。700M~900MHz帯の割当時に、楽天モバイルは事業に参入していなかったからだ。

・公平性という観点で、後発の事業者が不利になる状況を見直すべきだという意見は一理ある。また携帯大手にとって虎の子といえるプラチナバンドの縮減や取り上げをちらつかせることは、競争促進に向けてもこれ以上ない手段となる。

総務省、KDDIの電波利用に指摘

・楽天モバイルの訴えと歩調を合わせるように、総務省は水面下でプラチナバンド再編に向けて準備している様子が聞こえてくる。関係者によると総務省は、携帯大手に割り当てたプラチナバンドの帯域を減らした場合、ネットワークに問題が生じないか、水面下でヒアリングを続けているという。

・携帯大手にとってはたまったものではない。プラチナバンドはつながりやすさを支える大事な帯域だ。縮減や取り上げは競争力低下につながりかねない。

・しかし日本の場合、電波オークション制度を導入していないため、割り当てた電波の縮減や取り上げも比較的やりやすい。日本の携帯電話の電波の割り当ては、総務相による基地局の整備計画の認定を受けた事業者が、一定期間、電波の利用が認められるという仕組みだ。基地局整備が計画に達していない場合、電波を有効利用していないとして、再免許のタイミングで割り当て見直しも考えられる。菅政権は、携帯大手が一番突かれたくない部分を突いてきたといえるだろう。

・有識者会議の開催に合わせるように総務省は20年12月、毎年実施している携帯電話の電波の利用状況調査を公表した。基地局の整備計画に対して進展しているかを検証する調査だ。

・おおむね適切な電波利用が行われているという評価が並ぶ中、KDDIに割り当てられた700MHz帯の電波について「適切な電波利用が行われているとは認めがたい」という評価を付けた。KDDIは700MHz帯について、ドコモやソフトバンクと比べて倍近い基地局数を整備する計画を打ち出していた。その結果、遅れが目立ってしまったという事情もある。

・いずれにせよこうした結果は、プラチナバンド再編の動きと合わせて携帯大手を震撼(しんかん)させるに十分な効果を発揮しているようだ。

世界の主要帯域に合わせて再編

・有識者会議は21年夏までに一定の結論を得るスケジュールだ。総務省はプラチナバンド再編に向けて、どんなシナリオを検討しているのか。

・いくつかヒントになる動きがある。700M~900MHz帯に含まれるタクシー無線などに使われてきたデジタルMCAの帯域が、新システム移行に伴って21年4月以降に空く。貴重なプラチナバンドの電波が開放されるわけだ。

・だがこのデジタルMCA跡地の帯域は、そのままでは携帯電話向けにはならない。標準化団体である「3GPP」が標準化した現行の通信規格「LTE」や高速通信規格「5G」の帯域にうまく重ならないからだ。

・日本固有の帯域を開放したところで、世界に流通する端末はその帯域に対応しなければ使えない。世界で多く使われる帯域と合わせた形でプラチナバンドを再編しなければ意味がないことになる。

・楽天モバイルはこのデジタルMCA跡地の携帯電話利用を希望している。しかし総務省はこの帯域における標準化の見通しを明らかにすることを先決とし、デジタルMCA跡地は今のところ、LPWA(省電力広域無線通信)や無線自動識別(RFID)、無線LANのIEEE 802.11ahなどの利用が有力候補になっている。

・もっとも携帯大手の既存割り当て分を縮減したり、ずらしたりすることを考慮すると携帯電話利用の可能性が出てくる。さらに700MHz帯の「ITS(高度道路交通システム)」や710MHz以下のテレビ放送の一部帯域も考慮すると、プラチナバンド再編による新規割り当ての可能性はぐんと広がる。関係者によると「有識者会議では、あらゆる可能性を検討する」としている。

・前述の有識者会議では、楽天モバイルの意見に対し、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社の幹部は当然のように難色を示した。電波は国民の共有財産だ。その電波をどのように有効利用していくのか。プラチナバンド再編の動きは、菅政権の真価が問われることになる。

(日経クロステック 堀越功)

【関連記事】

図解でわかる「なんちゃって5G」 なぜ速くならない
総務相、携帯電波「再編が重要」 楽天が要望
[日経クロステック2020年12月16日付の記事を再構成]

ポスト5Gの胎動、NTT・NEC・富士通のキーマンに聞く

ポスト5Gの胎動、NTT・NEC・富士通のキーマンに聞く
ポスト5Gの胎動 日の丸連合の逆襲(5)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ113EH0R11C20A2000000

『「リスク取り世界へ、ゲームチェンジ仕掛ける」NTT渋谷副社長

『「リスク取り世界へ、ゲームチェンジ仕掛ける」NTT渋谷副社長

NECとの資本業務提携や、半導体からネットワークに至るまで光技術を活用する「IOWN(アイオン)構想」を掲げ、再び世界へ挑戦するNTT。世界大手と日本勢で大きな差が開くなか、どう伍していくのか。グループ全体の技術戦略を担当するNTTの渋谷直樹副社長に聞いた。
――3Gの時代、日本勢は世界で存在感を見せていました。なぜ地盤沈下してしまったのでしょうか。
「2000年当初はNTTドコモの『iモード』が世界をリードしていた。3G時代のキングだった。当時のドコモの時価総額は43兆円。『NTTは強すぎる』と世界からいわれたほどだ。iモードを世界に広げられればよかったが、米アップルが『iPhone』というシンプルなタッチ操作ができるハイセンスなデバイスを発明した」
「日本勢は端末にボタンをたくさん付けるなどデザインシンキング(デザイン思考)がうまくなかった。結局、アップルのゲームチェンジに日本勢はついていけず、4Gの世界観を作れなかった。3Gでイノベーションを起こしたために、イノベーションのジレンマもあったのだろう」
――4Gの時代は基地局などインフラ面でも日本は存在感を失いました。
「ベンダー側に力がシフトしたからだろう。(スウェーデンの)エリクソンや(フィンランドの)ノキアが自ら作った製品を標準化し、ロックインしていった影響が大きい。特許などの面で力があるキャリア(通信事業者)が、世界でNTTくらいしかなくなってしまった背景もある。コネクティビティー(接続性)の部分ではキャリアの出る幕がなくなり、ベンダーが一気に作る態勢になった。キャリアは単純な『サービスの提供』という範囲にとどまってしまった」

――5Gの時代に入り、オープン化の流れが出てきました。
「技術的な背景としては、汎用サーバーを使い仮想的にソフトウエアを乗せるだけで無線ネットワークができる世界が見えてきたことがある。ベンダーの作る製品は検証が楽で導入しやすい。しかしキャリアが他社に先駆けて独自のソフトウエアを入れたいというニーズには応えにくい。ベンダーの製品ロードマップに取り込んでもらうことをお願いして、他社を含めて誰に対してもリリースする機能に入らないといけない」
「オープンな世界になれば、キャリアが自由にソフトウエアを追加し差異化できる。NTTにとってもさまざまなサービスをソフトウエアで実現するプラットフォームが望ましい。オープン化は日本の技術をもう一度、世界に広げられるラストチャンスだ。我々がリスクを取りながら技術の仕掛けを作り、ゲームチェンジしていきたい」
――もう一度、キャリアが主導していくということでしょうか。
「我々が、基盤技術の面で役目を果たさないといけないという思いが強い。菅義偉首相は所信表明演説で、50年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げた。このままトラフィックが伸びると通信ネットワークだけで日本の発電量を超えるとの統計もある。現在の通信機器のまま対応していくと、とんでもない電力量になる」
「我々は、研究所が開発した広帯域かつ省電力な光技術を活用した光電融合を活用してその課題を解決したい。世界の有力企業が、光電融合はブレークスルーになると期待している。米インテルや米エヌビディアなどが続々とIOWNグローバルフォーラムへ参画している」
 「コンピューターのCPUが光電融合化することで消費電力は圧倒的に減る。ただCPUレベルまで微細化が進むのは10年単位の年月がかかる。それまで何もできないわけではない。サーバー内の配線に光電融合技術を取り入れたり、プロセッサーなどパッケージ間を光電融合技術で配線したりしていく」
 「この光電融合技術を活用して(ソフトウエア次第で)基地局にもデータセンターの基盤にもコアルーターにもなる、超強力なホワイトボックスを作りたい。汎用サーバーを使った仮想化基地局(vRAN)は楽天などが取り組んでいる。だが現在のvRANは、キャリアグレードの省電力化や高速化について課題がある。光電融合技術を活用したホワイトボックスでは、こうした課題を解決できる。開発には2~3年かかるだろう」
――NTTは日本の優秀な人材を集めているものの、日本勢はGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)に負けているといわれています。

「ネットワーク全体が仮想コンピューターになるようなOSを作るプレーヤーが、次の時代のGAFAになるだろう。我々はそこでも勝負したい。これからのデジタル社会では、さまざまな情報処理のニーズが生まれる。例えば大量のセンサーから少量のデータを送るケースがあれば、大容量の映像を解析して低遅延で応答するようなケースもある。こうしたニーズに迅速かつ適切に応えるためには、コンピューティング機能がオンプレミスやエッジ、クラウドと分散していく必要がある。こうして分散された処理基盤が全体で仮想マシンのように動くイメージだ。全体を管理するにはOSが必要となり、我々はそこまで作りたい」
――最終的には開発した技術を製品化し、世界に売っていく体制が必要になります。
「そこが一番の弱点だ。日本勢の通信機器のシェアは落ち込み、今は海外のどの国においてもプレゼンスがない。NTTデータやNTTリミテッド、NECのリソースでは足りない部分を担ってもらうプレーヤーを見つけないといけない」
(聞き手は日経クロステック 堀越功、高槻芳 企業報道部 工藤正晃)


――3Gの時代、日本勢は世界で存在感を見せていました。なぜ地盤沈下してしまったのでしょうか。
「2000年当初はNTTドコモの『iモード』が世界をリードしていた。3G時代のキングだった。当時のドコモの時価総額は43兆円。『NTTは強すぎる』と世界からいわれたほどだ。iモードを世界に広げられればよかったが、米アップルが『iPhone』というシンプルなタッチ操作ができるハイセンスなデバイスを発明した」
「日本勢は端末にボタンをたくさん付けるなどデザインシンキング(デザイン思考)がうまくなかった。結局、アップルのゲームチェンジに日本勢はついていけず、4Gの世界観を作れなかった。3Gでイノベーションを起こしたために、イノベーションのジレンマもあったのだろう」
――4Gの時代は基地局などインフラ面でも日本は存在感を失いました。
「ベンダー側に力がシフトしたからだろう。(スウェーデンの)エリクソンや(フィンランドの)ノキアが自ら作った製品を標準化し、ロックインしていった影響が大きい。特許などの面で力があるキャリア(通信事業者)が、世界でNTTくらいしかなくなってしまった背景もある。コネクティビティー(接続性)の部分ではキャリアの出る幕がなくなり、ベンダーが一気に作る態勢になった。キャリアは単純な『サービスの提供』という範囲にとどまってしまった」

――5Gの時代に入り、オープン化の流れが出てきました。
「技術的な背景としては、汎用サーバーを使い仮想的にソフトウエアを乗せるだけで無線ネットワークができる世界が見えてきたことがある。ベンダーの作る製品は検証が楽で導入しやすい。しかしキャリアが他社に先駆けて独自のソフトウエアを入れたいというニーズには応えにくい。ベンダーの製品ロードマップに取り込んでもらうことをお願いして、他社を含めて誰に対してもリリースする機能に入らないといけない」
「オープンな世界になれば、キャリアが自由にソフトウエアを追加し差異化できる。NTTにとってもさまざまなサービスをソフトウエアで実現するプラットフォームが望ましい。オープン化は日本の技術をもう一度、世界に広げられるラストチャンスだ。我々がリスクを取りながら技術の仕掛けを作り、ゲームチェンジしていきたい」
――もう一度、キャリアが主導していくということでしょうか。
「我々が、基盤技術の面で役目を果たさないといけないという思いが強い。菅義偉首相は所信表明演説で、50年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げた。このままトラフィックが伸びると通信ネットワークだけで日本の発電量を超えるとの統計もある。現在の通信機器のまま対応していくと、とんでもない電力量になる」
「我々は、研究所が開発した広帯域かつ省電力な光技術を活用した光電融合を活用してその課題を解決したい。世界の有力企業が、光電融合はブレークスルーになると期待している。米インテルや米エヌビディアなどが続々とIOWNグローバルフォーラムへ参画している」
 「コンピューターのCPUが光電融合化することで消費電力は圧倒的に減る。ただCPUレベルまで微細化が進むのは10年単位の年月がかかる。それまで何もできないわけではない。サーバー内の配線に光電融合技術を取り入れたり、プロセッサーなどパッケージ間を光電融合技術で配線したりしていく」
 「この光電融合技術を活用して(ソフトウエア次第で)基地局にもデータセンターの基盤にもコアルーターにもなる、超強力なホワイトボックスを作りたい。汎用サーバーを使った仮想化基地局(vRAN)は楽天などが取り組んでいる。だが現在のvRANは、キャリアグレードの省電力化や高速化について課題がある。光電融合技術を活用したホワイトボックスでは、こうした課題を解決できる。開発には2~3年かかるだろう」
――NTTは日本の優秀な人材を集めているものの、日本勢はGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)に負けているといわれています。

「ネットワーク全体が仮想コンピューターになるようなOSを作るプレーヤーが、次の時代のGAFAになるだろう。我々はそこでも勝負したい。これからのデジタル社会では、さまざまな情報処理のニーズが生まれる。例えば大量のセンサーから少量のデータを送るケースがあれば、大容量の映像を解析して低遅延で応答するようなケースもある。こうしたニーズに迅速かつ適切に応えるためには、コンピューティング機能がオンプレミスやエッジ、クラウドと分散していく必要がある。こうして分散された処理基盤が全体で仮想マシンのように動くイメージだ。全体を管理するにはOSが必要となり、我々はそこまで作りたい」
――最終的には開発した技術を製品化し、世界に売っていく体制が必要になります。
「そこが一番の弱点だ。日本勢の通信機器のシェアは落ち込み、今は海外のどの国においてもプレゼンスがない。NTTデータやNTTリミテッド、NECのリソースでは足りない部分を担ってもらうプレーヤーを見つけないといけない」
(聞き手は日経クロステック 堀越功、高槻芳 企業報道部 工藤正晃)
「通信の地盤沈下は国家の危機」NEC森田副社長

 過去、再三にわたって通信インフラの海外市場開拓に挑戦してきたNEC。広がった大手との差をどう認識し、今後の追撃につなげるのか。21年4月から社長としてNECを率いる森田隆之副社長に聞いた。
――高速通信規格「5G」の先を見据えて通信事業者であるNTTと提携しました。
「一番近しい顧客として相互に意見交換をしてきたなかで、(提携が)必要だろうと決断した」
「そもそも通信事業は世界的に国が手掛けてきたが、歴史の流れのなかで日本ではNTTが民営化され、米国でも通信よりコンピューター分野が重視されるようになっていった。だが5Gの時代、通信はこれまでのように人と人のコミュニケーションを支えるだけでなく、世の中のすべてのモノがつながるなかで産業社会の基盤を担うことになる。それはすなわちナショナルセキュリティーや国際競争力にも関わる。通信事業に対する社会の理解や意識が変化してきた」
「その観点で言うと、日本の通信は3Gや4G(と世代が進むなか)で『地盤沈下』している。ある意味でナショナルセキュリティーや国際競争力の危機だと感じている」
「世界の通信事業者は、金融出身の社長が増えるなど 『経済型』に変わっている。NTTは長期的な視点で研究に取り組んでいるが、それを具現化するとなると、生産技術や製造プロセス、コストなどさまざまな課題がある。(それらを補完できる)NECとNTTとが相互に連携することは非常に重要だ。環境が変化するなかで、改めて危機意識を共有することができた」
「今は(通信方式の)世代が変わる大きなチャンスというタイミングでもある。NECはグローバルのビジネスに過去何度も挑戦しながら、既存ベンダーの非常に厚い壁に阻まれてきた。(通信機器の)オープン化の動きも本格化しており、今回の提携で実績や運用の信頼性といった面を補完できると期待している」

――3G、4Gと世代が進むなかで中国華為技術(ファーウェイ)が台頭しました。3大ベンダーによる事実上の寡占状態が生まれた状況をどう見ていますか。
「かつてのアナログ交換機時代のNECはグローバルで相当のシェアを持っていた。デジタル交換機では米国市場にもチャレンジし、アジアでも足場を築いた。転機となったのは3Gだ。日本に優れた技術はあったものの、標準化で欧州勢に比べてポジションを落とした。国内と海外向けに、二重の開発が必要な点も負担が大きかった。そこで独シーメンス(現ノキア)とも組んだが、全方位でやるのは難しかった」
「3Gから4Gにかけてファーウェイが大きく伸長したのは、特殊な事情もあるだろう。その頃は(地域によって)通信方式が異なり、開発費が高騰することから通信機器ベンダーがすべてに対応するのは難しかった。だが、なぜかファーウェイだけはすべての通信方式に対応できた。業界では謎だが、相当アグレッシブな戦略のなかで席巻していった」
「我々もファーウェイに対しては長い間、マイクロ波無線システムの『パソリンク』をOEM(相手先ブランドによる生産)供給していた。彼らが『マイクロ無線に進出する予定はない』としていたためだが、そのうちに自社で開発・製造するようになり、今では市場トップ3の一角を占めている」
――ファーウェイの飛躍は予期しませんでしたか。手を打つことは難しかったのでしょうか。
「時計の世界で日本がスイスに学んで超えていったように、ファーウェイも学びながら力をつけた。5Gの特許についてもかなり先進的なものを自社で開発している。さまざまな背景があるが、本質的には中国という巨大市場を抱えている点が大きいだろう」
「1990年代から2000年代にかけて日本経済が厳しくなり、NECも半導体や液晶など課題事業を多く抱えるようになった。構造改革を進めるなかで、大きく投資するのが難しい状況だった。長期的に『ネットワークの仮想化』が進むとにらみ、優れた製品をひっさげて海外にも出ていったのだが、既存ベンダーはさまざまな製品のバンドル(組み合わせ)販売で顧客を囲い込んでおり、製品単体で参入するのは困難だった」
 「今回NTTと組んで進めるオープン化が広がればバンドル販売は難しくなり、我々と既存ベンダーが同じ土俵で競争できるようになる。そういう意味でオープン化は非常に大きなチャンス。ぜひ大きな流れにしていかなければならないと考えている」
――今回のように体制を組んで海外に出るという考えは、当時なかったのでしょうか。
「技術的にも環境的にも、そうした素地がなかった。現時点の完全仮想化のネットワークは、処理能力が従来に比べ4割ほど低下するといわれている。10年前ではさらに難しかった」
「もう1つは、通信の重要性に対する意識の低さもあった。例えば過去の海底ケーブル事業に対する日本の対応を見てもそうだ。NECは現在海底ケーブル事業を手掛ける子会社を持っているが、過去には産業再生機構の下で再建中だった」
「事業を守る意味でも重要だとして、NTTなどと連合を組んで取得に動いたが、結局売却された先はファンドだった。『これで良いのか』と議論になり、約1年後に取得に成功した。そうした状況でチームを作るというのはなかなか成立しなかった。技術の進歩と環境の変化が重なり、理解が進んで可能になった面が大きい」

――過去には海外基地局ベンダーと提携しましたが、十分な成果にはつながりませんでした。例えば欧州勢に対し、より積極的に出資する戦略もあり得るのではないですか。
「M&A(合併・買収)はビジネスにおいて当たり前のツールの1つだ。自分で作るか外から取得するかで特別なものではない。ただ、M&Aは目的を明確にして、それに適したスキームでなくてはいけない。大半のジョイントベンチャーは一時的なもので、常に『次』を見据える必要がある。自身の事業の一環としてやろうとすると、コントロールできるポジションを取らなければいけない。これがなかなか難しい」
――過去の欧州ベンダーとの合弁で感じたことですか。
「そうだ。過去にはNECも欧州の2G方式『GSM』に進出するために海外企業との合弁を検討したことがある。だが、過半を占めなければ我々の目的を達成できないと判断し、最終的には断念した。次のシナリオ込みで考えていくということだ」
――NTTとの提携発表後、プロジェクトの進捗状況はどうなっていますか。
「(オープン化や光技術、セキュリティー、オール光ネットワークなど)6つの分野で(協業に)取り組んでいるが、それぞれで進めていく青写真がおおよそできたところだ。それをどういう形で実行していくかを議論するフェーズに入る。今回のNTTとの連携で、我々の弱いところを補完してなんとか攻勢に出たい。これが最後のチャンスではないだろうか」
(聞き手は日経クロステック 高槻芳、堀越功 企業報道部 水口二季)』

・通信敗戦の20年 NTT・NEC、ポスト5Gへ最後の賭け
( https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ076QH007122020000000

・エリクソンも垂ぜんのIOWN構想、NTTの光る切り札
( https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ08126008122020000000

・NEC・富士通「幻の事業統合」 NTTが焦がれる新家族
( https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ0823B008122020000000 )

 ・NTT・NEC、「日英同盟」で崩すファーウェイ覇権 
( https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ101OE010122020000000 )

建設業界に近づくドコモを直撃

建設業界に近づくドコモを直撃、現場は5Gとクラウドの使い道が多い宝島か
川又 英紀 日経クロステック/日経アーキテクチュア
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00933/081800049/ 

※ いよいよ5Gが、実用化されてきたか…。あのイラストにあった、「絵に描いた餅」「夢のような話し」は、現実化して行くことになるのか…。その片鱗は、見えて来た感じだな…。

『現場における人の生産性向上に主眼を置いたデジタル変革を、両社で一緒に進めるのもユニークだ。デジタル技術を活用した「デジタル朝礼」「デジタルKY(危険予知)」「工程進捗共有」「AI(人工知能)エージェント」「マストタスク管理」「パーソナル(健康)管理」などに、20年度内に順次着手する。

関連記事:ドコモと竹中工務店が建設DXで協業、デジタル朝礼やマストタスク管理を現場導入へ

 ここ2カ月ほどのドコモの活発な動きには、布石があった。6月30日、ドコモは同社のネットワークと接続したクラウド上の設備を使えるサービス「ドコモオープンイノベーションクラウド」のオプション群を発表。端末とクラウド設備を結び、5G(第5世代移動通信システム)による低遅延で安全性が高い通信を提供する「クラウドダイレクト」を東京都、大阪府、神奈川県、大分県で開始した。

 クラウドダイレクトの中身を見てみると、建設業界をターゲットにしたものが多く含まれることが分かる。AR(拡張現実)対応のスマートグラスやVR(仮想現実)ゴーグルを用いた現場作業の支援、建築物の点群データ利用、MR(複合現実)を使った建築鉄骨の検査などである。

「クラウドダイレクト」で提供する主なサービス。建設業界向けのソリューションを多く取りそろえた(資料:NTTドコモ、6月30日時点)
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ARスマートグラスを使い、遠隔から現場担当者をサポートするソリューション「AceReal for docomo」。パートナー企業であるサン電子と共同で提供する(資料:NTTドコモ)

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関連記事:5GとARスマートグラスを活用した遠隔作業支援ソリューション
 これらのサービスはいずれも、先述したドコモオープンイノベーションクラウドの基盤上で提供する。

「ドコモオープンイノベーションクラウド」の全体像(資料:NTTドコモ)
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 ドコモは8月4日に、XR(VRやAR、MRの総称)を使ったサービスの企画・開発をする新会社「複合現実製作所(東京・港)」も設立している。この会社はパートナー企業である宮村鉄工(高知県香美市)と共同開発している、XRを利用した建築鉄骨業向けの作業支援ソリューション「L’OCZHIT(ロクジット)」の提供を最初に手掛ける。そしてドコモオープンイノベーションクラウドとの連携を視野に入れているという。

XRを使った鉄骨の生産管理や検査をするサービス「L’OCZHIT」の利用場面(資料:NTTドコモ)
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 建設業界向けサービスのリリースが続く中、私が一番気になったのは点群データの活用サービス「Field Simulator(フィールドシミュレーター)」である。最近、点群の取材が多かった私にとって、通信会社のドコモが点群ビジネスに乗り出したのは少々意外だった。

関連記事:点群で建築の進捗と出来形を管理、竹中工務店が探る「原寸」データの使い道と人材像
関連記事:マンション改修前に「裸」を3Dスキャン、点群モデルと40年前の手書き図を重ねた

ドコモは6月末から、点群データ活用ソリューション「Field Simulator」の提供を開始した(資料:NTTドコモ)
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ドコモが点群ビジネスに乗り出した真の理由
 「なぜドコモが点群サービスを扱うのか?」

 それを確かめるため、私はドコモでField Simulatorを担当する5G・IoTビジネス部ソーシャルイノベーション推進・先進ソリューション第一担当主査の菅野崇亮氏に会いに行った。

 Field Simulatorは点群データの取得から、3次元モデルの生成、そして活用まで、トータルで支援するのが最大の特徴である。点群ビジネスで実績があるエリジオン(浜松市)と組み、同社の点群処理ソフト「InfiPoints(インフィポインツ)」とドコモオープンイノベーションクラウドを組み合わせて、一気通貫のサービスを提供する。InfiPointsは国内で利用実績が多いソフトだ。

点群データ活用のトータルサービス「Field Simulator」の利用場面例(資料:NTTドコモ)
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 ドコモは主にクラウド設備を提供するわけだが、菅野氏によれば、「当社のクラウドと5Gの使い道を探るため、様々なクライアントにヒアリングをする中で、点群活用の話題が出てきたことに着目した」と明かす。そして法人向け5G適用サービスの先行案件の1つに選んだ。

 点群データは3Dレーザースキャナーなどを使って、空間全体を点の集合体として計測し、描写するものだ。1つの点には3次元座標と色の情報が含まれ、それを数万件、数億件と取得して空間を把握する。これからは新規物件の開発よりも改修・解体プロジェクトが増えていくのは確実なので、既存の建物の正確な計測や解体前のデータ保存に点群は欠かせなくなる。

 そんな点群はまさに、ビッグデータの塊だ。3Dレーザースキャナーでデータを取得したはいいが、それらを合成して立体モデルを作成するには、データ量が膨大なのでハイスペックなコンピューターが必要になる。点群データをネットワークで送信するときは、相当太い回線が必要だ。

 ここにドコモは目を付けた。現場で取得した点群データは3Dレーザースキャナーの機器内に保存するのではなく、5G回線で随時ドコモのクラウドに送ってもらう。大容量データの通信が求められる現場の1つが、点群の利用シーンだったわけだ。

 クラウド側には、InfiPointsが持つ点群の処理機能を用意する。ドコモのクラウド上で点群データを合成できれば、現場に点群データを処理するためのハイエンドパソコンを用意する必要がなくなる。

 もっとも、ドコモの想定通りに、建設会社などが点群サービスを利用したがるかはまだ分からない。Field Simulatorは6月30日にサービスの提供を開始したばかりで、8月中旬時点で正式契約に至った商談はまだない。

 それでも私にとって興味深かったのは、「現場で点群データを取得する作業を代行してほしいという依頼が複数寄せられた」(菅野氏)ということだ。3Dレーザースキャナーは高価なうえ、点群データの取得にはかなりのノウハウが要る。現場を回って漏れなくデータを集めるのは手間もかかる。そこでトータルサービスを提供するドコモに「データ取得作業をまずお願いしたい」というニーズが顕在化した。点群データの合成以前のフェーズにこそ、ビジネスチャンスがありそうだ。

 データ取得代行は、ドコモにとって決してもうかる商売ではないだろう。それでも、点群に関心を示す企業のデータ取得をサポートできれば、「入り口」を押さえられる。後工程である点群データの合成や活用につなげられる可能性が高まる。クラウドや5Gを有効活用できる場面が増えてくるはずである。

 しかも点群データだけでなく、図面データも大容量なことが多く、5Gは建設現場の仕事に親和性が高いといえる。完成した建物全体のセンシングデータをリアルタイムで収集するのにも向く。ドコモに限らず、通信会社と建設会社の関わりは今まで以上に密接になるのは間違いない。点群サービスは顧客開拓の「きっかけの1つ」と見ておくのがいいのかもしれない。』

5G対応ネットワーク網の構築、「現場作業」の話し…。

 ※ メディアなんかでは、盛んに「5G時代の到来!」を囃し立てている…。
 しかし、当然の話しだが、それには大前提として、「5G対応ネットワーク網」の構築が必要となるわけだ…。
 それには、誰かが「現場作業をやって」、地道に「ネットワーク網」を、工事・敷設していくしかないわけだ…。
 その「5G対応ネットワーク網の構築の現場作業」の画像を、「5Gの話し」の方で貼って、語ろうと思っていた…。
 しかし、このコロナ騒ぎで、そういう計画も吹き飛んだ感じだ…。
 まーいいや…。ここで、貼ってしまおう…。「5Gの話し」とか、悠長に語っていられるのは、いつのことになるのか、知れたものじゃない状況だからな…。

※ 「ネットワーク網の構築」とか、「口で語る」のは簡単だ…。いくらでも、「机上の計画」として、「概念図」や「モデル図」を語ることは、できる…。

しかし、実際に、現実に「ネットワーク網を構築していく作業」は、大変だ…。その原因の一つには、「5Gの電波の特性」というものがある…。

※ 5Gの三大目標は、「高速」「大容量」「低遅延」だ…。その実現のために、なるべく周波数の高い電波を使うことにしている…。要するに、「単位時間当たり」の「波の幅」が小さいものを使おうとしているわけだ…。「単位時間当たり」で、ギッシリと波が詰め込まれているわけだ…。こうなると、だんだん「光」に近いようなものになって、遮蔽物で容易にさえぎられたり、遠くまでは飛ばない性質のものとなる…。そうすると、いわゆる「基地局」「中継局」を、たくさん建てて、「中継」「中継」でつないでいかないとならなくなる…。より多くの「基地局」が必要となるわけだ…。それだけ、「基地局」「中継局」構築の「現場作業」も、膨大なものとなっていくわけだ…。

※ 都会では、設置スペースなんて、ろくろく無い…。ビルの屋上の空いている場所とか、利用していく…。そうすると、「炎天下」の作業では、「熱中症」との戦いとなる…。照り返しで、油断すれば、たちまち脱水症状となる…。

※ こういう「高いところ」での作業は、「危険と隣り合わせ」だ…。しっかり、「安全」を確保しつつの作業となる…。「命綱」は、必須だ…。吹きさらしだから、冬場は大変だろう…。工具一つだって、「うっかり、落とす」わけにいかない…。「重力の法則」により、下に誰かいた場合には、生命(いのち)にかかわることになりかねないからな…。バケツみたいなものを、携行しているのは、そういう「工具」や、作業で出た「電線の切れはし」みたいなものを、入れておくんだろう…。いや、「工具」は、また別か…。ベルトの工具挿しに、挿しておくか…。「切れはし」専用か…。そうやって、「細心の注意」を払いながら、作業していく必要があるんだ…。

※ 地上の作業では、こういうものもある…。ポールの根元にある、「電源関係」のようだな…。強力な「電磁波」を発生させるためには、強力な「電源」が必要となる…。こっちは、「電気関係」の詳しい知識が必要となるんだろう…。ベルトの「工具挿し」が、凄いな…。命綱用の「カラビナ」も、ついているな…。イザとなれば、この人も「高いところ」で作業するんだろう…。

※ 東京には、治水のために「地下の川」がある…。

※ こういうものだ…( 首都圏外郭放水路 https://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/edogawa00402.html

※ 上記のトンネルの画像は、そういうものの一つであると思われる…。そういう「既設のトンネル」なんかを利用して、「光ファイバー網」を構築していくわけだ…。別に「携帯電話のネットワーク網」だからと言って、「無線」でつなげなければならないわけでは無い…。「有線」でつなげるところは、「有線」でつないでもいいわけだ…。特に、「マクロ・セル(大規模基地局)」間は、「大容量」のほうがいいから、かえって「光ファイバー」でつないだ方が、いいわけだ…。

※ そうすると、今度は「光ファイバー同士をつなぐ」作業が、必要となってくる…。一定の長さで「製品」となっているから、長さをつぎ足す必要がある…。それには、一旦「ファイバー」を熱で溶かして、つなぐ必要がある…。専用の器具(機械)を使うんだろう…。それでも、上手い・下手があるから、下手くそが作業すると、つなぎ目で「透明度」が落ちてしまって、一定の性能が出ない…、なんてことが起きる可能性がある…。そういうことにならないように、これまた、細心の注意を払って作業する必要がある…。

※ 「一時が万事」、こういうものだ…。

※ そういうことの積み重ねの上に、オレらのお気楽な「5Gのネットワーク網」なるものが、乗っかっている…。

※ そして、メディアでは麗々しく、こういう「5G対応スマホ」を、囃し立てるわけだ…。

※ しかし、「ネットワーク網」が構築されていなければ、単なる「でかい文鎮」というだけの話しだぞ…。

5Gの意外なキラーアプリ、新型コロナがあぶり出す

5Gの意外なキラーアプリ、新型コロナがあぶり出す ITジャーナリスト 石川 温
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58636190Q0A430C2000000/

『4Gでは、月間60ギガバイトまでの大容量プランであるギガホを選ぶユーザーは「二十数%にとどまっていた」(吉沢社長)。つまり、8割弱のユーザーは大容量プランではなく、月々の支払いを安価に抑えられる従量制プランを選んでいたことになる。

一方、5Gサービスの契約者の約半数は「5Gギガホ」という料金プランを選択している。5Gギガホは、月間100ギガバイトまでの通信を利用できる契約だが、現在はキャンペーンとして無制限でネット接続できるようにしている。』
『新型コロナの影響により、人と人が距離をとって働くことを余儀なくされた。結果として、多くの打ち合わせや会議がテレワークによるオンラインでの開催でも支障がないことが分かってきた。ここ数年、「働き方改革」が叫ばれ、在宅勤務が推奨されてきたが、ほとんど普及しなかった。だが、外出自粛により強制的にテレワークが導入されたことで、結果的に働き方改革が進んだ。

今後、新型コロナの問題が収束しても、オフィスへの出勤は減り、オンラインのビデオ会議への参加が増えるだろう。外出先からビデオ会議に参加する際に必要なのがモバイル通信環境だ。1時間のビデオ会議に参加すれば、数百メガバイトから1ギガバイト以上のデータ容量を消費する。1日に何回もビデオ会議に参加するとなれば、月間で相当なデータ容量が必要になる。

そこで求められるが、月間のデータ容量に制限がない料金プランだ。その点、NTTドコモの5Gギガホはスマホだけでなく、スマホとテザリングでつないだパソコンも容量無制限で使える。』
『各キャリアは、5G開始に向けて様々なサービスやソリューションを開発してきた。しかし、いずれも4Gで既に可能になっているもので、5G時代のキラーアプリケーションには程遠い印象があった。

しかし、新型コロナによってビデオ会議が5G時代のキラーアプリ候補に浮上してきた。5Gスマホを契約すれば、データ容量は無制限であり、臨場感のある映像、安定した音声を送受信できる。

Zoomなどのビデオ会議アプリは、仕事だけに使われているわけではない。自宅などからZoomで接続して複数人で飲む「Zoom飲み会」も増えてきている。

2011年に起こった東日本大震災の際にはSNS(交流サイト)のTwitterが注目を浴びた。有事の際には、人々は「誰かとつながっていたい」という気持ちが強くなる。11年はTwitterがその欲求に応えたが、20年はZoomなどのビデオ会議アプリがその役目を担うことになるだろう。

人々がリアルに会える機会が減っていく中、5Gはビデオ会議アプリと共に普及していくことになりそうだ。』